著者
銅島 康 上田 賀一
雑誌
情報処理学会研究報告ソフトウェア工学(SE)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.29(2004-SE-147), pp.1-8, 2005-03-17

現在のソフトウェア開発では,設計にはUMLを用いるのが一般的である.設計作業にはUML設計とUI設計を含むにもかかわらず,最初からUML設計にUI設計を取り入れた設計作業を支援するようなツールは見当たらない.そこで本研究では,UML設計とUI設計の関連情報にUML設計で用いるメソッドとUI設計で用いるウィジットのリンクを取り上げ,これらの関連情報を入力できるような設計支援ツールを提案する.本支援ツールにより,UML設計とUI設計の関連情報を入力しUML設計の中に残すことができる.その上で設計作業することで,外部仕様と内部仕様のつなぎ目の検討漏れなどを防ぐことができ,設計の精度を高めることができる.
著者
三船 毅 Tsuyoshi MIFUNE
雑誌
愛知学泉大学コミュニティ政策学部紀要 = Bulletin of School of Community Policy, Aichi Gakusen University
巻号頁・発行日
vol.3, pp.189-210, 2000-12

投票行動研究において投票コストは重要な概念である。投票コストとは、有権者が選挙で投票する際に負担する時間,労力,そして、そのための情報収集などである。実証研究では有権者の社会的属性が投票参加に影響を与えることは,初期の研究からの多くの研究者が検証してきた。これはいわば,有権者の社会的属性が投票コストを減少させることを検証してきたのである。しかし,有権者のコストを減少させるメカニズムは社会的属性だけではない。近年ではSocial Capital(人間関係資本)に代表されるように,個人の持つ人間関係がその人の行動に影響を与えるといった考えが,社会学・政治学の中でも用いられるようになってきている。本稿では,投票コストの概念的整理をおこない,理論的分析で提出されてきた,難問であるダウンズのパラドクス,さらにそれを拡張させたオルソン問題を整理し,先行研究の解決方法を検証し,実際の有権者のコスト減少のメカニズムを分析していく。
著者
坂田 修一 清水 智 福田 聖斗 辛 徳
出版者
東京工芸大学工学部
雑誌
東京工芸大学工学部紀要 = The Academic Reports, the Faculty of Engineering, Tokyo Polytechnic University (ISSN:03876055)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.10-14, 2020-06-30

近年,深層学習を活用することでロボットによるピッキング作業の自動化が進んできており作業の効率化が行われている。本研究では深層学習を用いて一般物体認識を行い、物体との距離を深度カメラで測定し、ピッキングを行うシステムを制作することを目的とする。実験では、認識システムのモデル選定実験、深度カメラの性能実験、ピッキング実験を行った。結果、認識システムは YOLOv3·Tinyを採用した。深度カメラは実距離との誤差が平均 0.2cm だった。ヒ゜ッキング実験では物体をピッキングすることに成功した。課題として、座標に問題があるため修正が必要である。
著者
笠井 利則 奈路田 拓史 上間 健造 稲次 圭 長江 浩朗 藤井 義幸
出版者
徳島赤十字病院
雑誌
徳島赤十字病院医学雑誌 = Tokushima Red Cross Hospital Medical Journal (ISSN:13469878)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.100-104, 2008-03-01

患者は59歳,男性.1992年12月より糖尿病性腎症による慢性腎不全にて血液透析を導入.その後,糖尿病性網膜症(右眼失明)・二次性副甲状腺機能亢進症(PTx)・陰嚢部フルニエ壊疽(植皮)・左下肢潰瘍(左下肢切断)を併発.2006年7月,右第1趾の難治性潰瘍・化膿性骨髄炎に対して,右下肢切断術を行う目的で近医に入院.術前検査で重症冠動脈病変を認め,当院循環器科に紹介され,冠動脈バイパス手術(心拍動下2枝)が施行された.約1カ月後,陰茎包皮の壊死・陰茎根部の疼痛が出現し,陰茎壊死との診断で陰茎全切除術を施行した.術後,疼痛は消失したが創開を生じ,洗浄処置を行った.術後3カ月経過し,陰部~両側大腿内側部の壊死性軟部組織感染症(バクテロイデスによるガス壊疽)を併発し,デブリードマンを施行したが永眠された.
著者
田村 淳 砂原 秀樹 加藤 朗 石戸 奈々子
雑誌
マルチメディア,分散協調とモバイルシンポジウム2021論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, no.1, pp.1075-1086, 2021-06-23

現在の日本社会では,死と向き合うことが少なく,遺書というものは敬遠されている.これまで遺書は死期の近い人が家族や親しい人たちのために遺す文書と考えられていたが,近年エンドノートなどの名称で思考もはっきりし身体も元気なうちに本人の意思を示したり,家族や親族,知人にメッセージを遺したりすることが考えられるようになってきている.著者らは,このように元気なうちに遺書を作成した際の作成者本人に及ぼす効果に着目し,新しい概念に基づく遺書という考え方を構築し,それらをサービスとして実現することを目指した.本研究では,遺書を作成することで作成者本人にどのような影響を及ぼすかについて調査を行い,それらの結果から遺書動画サービスITAKOTO を構築し提供を開始した.本稿では,特に遺書を作成することの効果の調査結果を示すとともに,構築したサービスを紹介し,また現状で明らかとなっている課題について議論する.