著者
宮内 洋 松宮 朝 新藤 慶 石岡 丈昇 打越 正行
出版者
北海道大学大学院教育学研究院
雑誌
北海道大学大学院教育学研究院紀要 (ISSN:18821669)
巻号頁・発行日
vol.120, pp.199-230, 2014-06-30

本稿は,久冨善之編著『豊かさの底辺に生きる――学校システムと弱者の再生産』(青木書店,1993 年)を現在の研究視角から見つめ直したクリティークである。この共同研究は1980 年代後半から1990 年代初頭までの「バブル」の陰に隠れた日本社会の貧困をめぐって,北日本のB 市A 団地における調査をもとに,「貧困の再生産」や「剥奪の循環」といった定型像を打ち破ることを目指した意欲的なものである。では,この目的は実現されたのだろうか。この点について,「〈生活?文脈〉理解研究会」全メンバーが,認識枠組み(レンズ)の問題,調査における自己言及的なリフレキシビティ,青年層の理解,学校および教師に関する問題,住民のコミュニケーションなどについて各々の専門領域から検討し,定型像の押しつけや調査の方法論的限界という点を批判した。その上で,上掲書に内包された将来への可能性,そして今後の貧困をめぐる実証研究の方向性の提示を試みている。
出版者
二松学舎大学
巻号頁・発行日
2018

元資料の権利情報 : CC BY-NC-ND
著者
茂原 敦之 水口 充
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2020論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.55-64, 2020-08-22

偶然の遊びにおいて,制御幻想として知られる,関与することで確率をある程度制御できると思い込む認知錯覚がある.最近の研究では,遊技者は確率は変わらないことを知りつつも制御幻想を引き起こす要因によって熱中度が向上することが示唆されている.しかし既存の研究は統制された実験であり,実際的な自由に遊べる環境で遊技者はどのように制御幻想の要因を楽しんでいるかは調べられていない.そこで本研究では抽選(ガチャ)を題材としたカードゲームと抽選アプリを用いて,制御幻想に関連する行為を遊技者がどのように行ったかを調査した.その結果,抽選間への期待感が高まる状況ほど操作量が増え,特殊な操作を行う傾向が確認できた.また,特殊な操作を他のプレイヤに見せたり模倣するといったコミュニケーションの存在が観察された.
著者
青山 千春 松本 良
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.118, no.1, pp.156-174, 2009-02-25 (Released:2010-04-05)
参考文献数
28
被引用文献数
9 16

During methane hydrate exploration and research, remote and on-board acoustic surveying and monitoring of methane hydrate can be easily and economically conducted using a quantitative echo sounder. Simultaneously, the structure and the floating-up speed of methane plumes can be obtained from an analysis of acoustic data. We conducted a survey of methane plumes from 2004 through 2008 at a spur situated southwest off the coast of Sado Island (tentatively called Umitaka Spur) and at the Joetsu Knoll. In 2007 and 2008, we performed experiments by releasing methane hydrate bubbles and methane hydrate, and letting them float upward. Consequently, we demonstrated that acoustical reflection from the methane plumes correlates with water temperature and depth, that the floating-up speed is constant but depends on the conditions of methane hydrate, that the discharge of methane hydrate bubbles changes, and that there is a wide scattering of materials below the seafloor where methane plumes are located. Furthermore, the amount of methane hydrate bubbles seeping was estimated by a preliminary calculation. The method will be applied not only to basic research on methane hydrate but also to assessments of the environmental impact of methane hydrate exploitation.
著者
馬場 一憲 丸茂 元三 町田 芳哉 海野 信也 岡井 崇 香川 秀之 坂井 昌人 上妻 志郎
出版者
東京大学
雑誌
試験研究(B)
巻号頁・発行日
1993

早産未熟児、特に妊娠24週未満で流産または早産した新生時は、皮膚が弱く肺も未熟なため、従来から使われている保育器と人工呼吸器を用いた方法では、必ずしもインタクト・サバイバルが望めない。そこで、子宮内のような生理的状況下で保育可能な人工子宮の開発を行なっている。本研究では、人工子宮の体外循環回路の改良と以下に述べるような一連の関連実験を行ない、それぞれ示すような成果が得られた。帝王切開により取り出したヤギ胎仔を、人工羊水で満たした水槽内に移し、臍帯動脈から脱血して模型人工肺を用いた装置で酸素化して臍帯静脈に還流するシステムの改良を行ない、良好な結果が得られた。模擬実験にて還流システムの特性試験を行ない、体外循環血流量の変化に対し、回路内の血液量が胎仔循環血液量の10〜20%に相当する量ほど変化することが分かった。しかし、実際の保育実験の結果から判断して、この程度の変動に対しては胎仔は順応可能であることが示唆された。人工子宮の体外循環に相当する胎盤循環の障害が胎仔の脳に与える影響を調べるため、マイクロスフェアを用いた胎仔各部の血流計測および過酸化脂質の測定を行なった。その結果、臍帯の間欠的圧迫により、脳血流が一時的に増加し、その後減少に転じること、およびフリーラジカルによる障害を意味する過酸化脂質の増加が特に脳に顕著であることが確認され、今後の人工子宮開発に役立つ重要な所見が得られた。さらに、人工子宮の適応の対象となりうる横隔膜ヘルニアの動物実験モデルを作成することを目的に、ヤギ胎仔の胎児手術を行なった。横隔膜に切開を加えた胎仔を再び子宮内で育てることで、実際の横隔膜ヘルニア症例と同じように、腸の胸腔内脱出と肺の低形成を作ることに成功した。将来、この実験モデルを用いることにより、横隔膜ヘルニアの外科的修復と人工子宮での保育を組合せた新しい治療法の開発が期待できる。

13 0 0 0 OA 新燕石十種

著者
国書刊行会 編
出版者
国書刊行会
巻号頁・発行日
vol.第5, 1913

13 0 0 0 OA 多聞院日記

著者
英俊 [等著]
出版者
三教書院
巻号頁・発行日
vol.第1巻(巻1至11), 1935