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著者
スタニスワフ・レム著 深見弾訳
出版者
サンリオ
巻号頁・発行日
1982
著者
伊藤 理史 三谷 はるよ Ito Takashi Mitani Haruyo イトウ タカシ ミタニ ハルヨ
出版者
大阪大学大学院人間科学研究科 社会学・人間学・人類学研究室
雑誌
年報人間科学 (ISSN:02865149)
巻号頁・発行日
no.34, pp.93-107, 2013

本稿は、「大阪府民の政治・市民参加と選挙に関する社会調査」の調査記録である。調査の目的は、2011 年11 月27日に実施された大阪市長選挙・大阪府知事選挙における有権者の投票行動や政治意識の分析を通して、大阪府民の政治・市民参加の実態を明らかにすることである。調査方法は、大阪府下の20 ~ 79 歳の男女3,000 人を調査対象とした、層化三段無作為抽出法による郵送調査であり、最終的な有効回収数は962 人有効(回収率:32.1%)であった。本稿の構成は、次の通りである。まず第1 節では、調査の経緯について簡潔に記述し、第2 節では、調査の設計に関わる研究費の獲得と郵送調査の利点について記述した。続く第3 節では、調査票と依頼状の作成について、第4 節では、サンプリングと発送について、第5 節では、発送後の電話対応と督促状、データの回収数について、第6 節では、データ入力と職業コーディングについて、実際の作業内容を記述した。最後に第7 節では、データの基礎情報として、得られたデータとマクロデータと比較検討し、データの質について記述した。本稿で得られた結果は、たとえ小規模な研究助成にもとづいた大学院生主体の量的調査でも、ある程度の質と量の伴ったデータを入手できる可能性を示している。
著者
中谷 結花 武藤 崇 Yuuka Nakatani Takashi Muto ナカタニ ユウカ ムトウ タカシ
出版者
心理臨床科学編集委員会
雑誌
心理臨床科学 = Doshisha Clinical Psychology : therapy and research (ISSN:21864934)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.29-42, 2016-12-15

本稿の目的は,1)青年期の過敏性腸症候群の定義,診断基準,およびその特徴,そして現在までに行われてきたその援助方法を概観すること,2)現時点までの援助方法の問題点を述べ,3)新たな心理的介入としてアクセプタンス&コミットメント・セラピーを提案することであった。現在までに青年期の過敏性腸症候群に対して,薬物療法,食事療法,心理療法などのさまざまな治療法が取り組まれている。しかし,その効果が認められているのは心理療法のみである。さらに,具体的に効果が確立された介入方法はいまだ明確になっていない。また,これまでの心理的介入は症状の除去や緩和に焦点を当てたものが大半であり,これはさらなる苦痛を生じさせることも考えられた。そこで,新たな心理的介入として,症状の除去や緩和に焦点を当てず,症状があっても意義ある人生を送れるようにすることを目的としたアクセプタンス&コミットメント・セラピーの導入を提案した。そのうえで,青年期の過敏性腸症候群に特化したモデルも提案した。研究動向
著者
塩田 祥子 谷口 雄哉 シオタ ショウコ タニグチ ユウヤ Shiota Shoko Taniguchi Yuya
出版者
同志社大学社会学会
雑誌
評論・社会科学 = Hyoron Shakaikagaku (Social Science Review) (ISSN:02862840)
巻号頁・発行日
no.129, pp.29-43, 2019-05-31

論文(Article)高齢者虐待の被養護者の大半が、要介護認定を受けているにもかかわらず、ケアマネジャーから、地域包括支援センター(以下、包括)へ相談、連絡に至る件数は十分ではない。その理由を追及し、今後の高齢者虐待対応に活かしていく必要がある。そのため、実際、高齢者虐待対応にあたっている社会福祉士と、包括の外部スーパーバイザーがケアマネジャーから、これまで相談、連絡があった高齢者虐待事例を振り返る作業を行った。その結果、養護者、被養護者の特性、また、置かれている状況に応じて、ケアマネジャーの高齢者虐待の捉え方に差異があった。さらに、ケアマネジャーへのインタビューからは、地域包括支援センターの虐待対応等の動きが「見えにくい」という指摘があった。以上のことを踏まえて、日頃のケアマネジャーからの包括への信頼が、高齢者虐待対応にリンクしていることが分かった。それゆえに、包括の役割である「権利擁護の実践」と「ケアマネジャーへの後方支援」の円滑な連動が求められることを再認識した。さらに、社会福祉士自身が、ケアマネジャーを「同じ相談援助の専門職」として捉えきれているのかといった「ケアマネジャーへの視点」を確認していく必要性を感じ、そのことが日頃の「ケアマネジャーへの後方支援」の振り返りになると同時に、「権利擁護の実践」につながることがわかった。
著者
ラチンスキスタニスワヴアンジェイ 小野 順貴 嵯峨山 茂樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.12, pp.193-198, 2008-02-09
参考文献数
13

We propose a new approach for dealing with multipitch analysis of musical signals that makes use of the fact that such signals are highly structured. This structure comes from the many musicological rules of the western tonal music and we model it by using the recently developed method of Hierarchical Hidden Markov Models. We propose a model with four layers: song key chord and note combination layer. One of the big advantage of this approach is that besides from information about pitches we get higher level musical information about chord progression and key modulation.We propose a new approach for dealing with multipitch analysis of musical signals that makes use of the fact that such signals are highly structured. This structure comes from the many musicological rules of the western tonal music, and we model it by using the recently developed method of Hierarchical Hidden Markov Models. We propose a model with four layers: song, key, chord, and note combination layer. One of the big advantage of this approach is that, besides from information about pitches, we get higher level musical information about chord progression and key modulation.
著者
ガイタニディス ヤニス 小林 聡子 西住 奏子 和田 健 吉野 文
出版者
千葉大学国際教育センター
雑誌
国際教育 = International education (ISSN:18819451)
巻号頁・発行日
no.9, pp.1-73, 2016-03

[要旨] 本稿は、筆者ら5名が共同で取り組んだ、参加者の言語的文化的多様性を前提とした協働学習に関する実践研究を報告するものである。「日本」を題材とする4つの学部生向け教養科目(「時事から日本を考える」、「現代日本の宗教と社会」、「バイリンガリズムと言語学習」、「異文化交流演習」)を取り上げ、担当教員がどのように学習の場を設定したか、またその結果どのような気づき、学びがあったかを談話データ、コメントシート、フォローアップインタビューなどをもとに分析した。本研究では、協働学習を学生間の対話のプロセスを重視する学習形態を表すものとして捉え、知識、言語、経験など参加者の多様性・差異を肯定的に見なすとともに、それによって生じる学習過程における葛藤にも注目した。「座談」、「協働論証」と名付けた対話の手法、対等な参加を促すための仕掛けの必要性と具体例を紹介するとともに、今後の課題について述べた。[Abstract] This paper is a report of a joint research project on collaborative learning in a multilingual andmulticultural class environment. The report is composed of four case-studies of liberal arts coursesat undergraduate level. Each course convener uses records of in-class student discussions, commentpapers and follow-up interviews to analyse how the learning locus set up in advance impacted onthe learning experiences and outcomes of the course participants.In this research project, collaborative learning is considered to be a form of learning that 1)emphasizes the process of student interaction, 2) takes an affirming stance towards student diversityin terms of linguistic, experiential and knowledge levels and differences, and 3) pays particularattention to the tensions arising from such diversity in the process of learning. Through specificexamples, the report discusses methods of interaction such as zadan (round-table conversation) orcollaborative argumentation and focuses on the necessity of introducing learning techniques thataim for student participation on even grounds.
著者
仲谷 兼人 ナカタニ カネト Kaneto NAKATANI
雑誌
大阪樟蔭女子大学人間科学研究紀要
巻号頁・発行日
vol.5, pp.57-69, 2006-01-31

絵画表現の本質は2次元の平面上に3次元の空間を再現するところにある。このことと、網膜像に基づいて立体的な空間を認知している我々の視知覚システムの機能との間には強い類似性が指摘できる。本稿では絵画に見られる各種の遠近表現法、特に線遠近法をとりあげ、ルネサンス期以降の西洋絵画と江戸期の浮世絵を比較して論じている。知覚心理学と芸術心理学の立場から、単眼性の「奥行き知覚の手がかり」が芸術表現の意図とどのように調和し、利用されているか、例を示しながら紹介した。 初期の浮世絵の中にはルネサンスの線遠近法の直接的・間接的影響を受け、紙面上に構成された奥行きのイリュージョンを楽しむものがみられた。これを浮絵と呼ぶ。浮絵はくぼみ絵の別称が示すように奥行き感の表現を重視したが、次第に線遠近法の制約、限界を意識し、最盛期には洗練された独自の空間表現が見られるようになった。葛飾北斎は伝統的な日本画の表現と線遠近法に基づいて構成される近代的な風景表現を画面上に描き分け、観察者を窮屈な幾何学的枠組みから解放した。また直線を用いず、多くの同心円で構成された画面から新たな幾何学的遠近法の可能性を示した。安藤広重は伝統的な俯瞰図を遠近法と調和させ、観察者の視線を誘導することによって空間の広がりを表現することに成功した。同時期西洋では印象派がルネサンス以来の空間表現の限界を打破すべく台頭し始めていたが、幕末の開国以降、浮世絵は西欧、とくにフランスでよく知られるようになり、ジャポニズムの流行とともにロートレック、セザンヌ、ドガ、ゴッホをはじめとする後期印象派に強い影響を与えた。