著者
田中 一彦
雑誌
人文研究 (ISSN:04913329)
巻号頁・発行日
vol.52, no.11, pp.963-976, 2001-12
著者
和田 侑也 田中 一晶 中西 英之
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

一般的なビデオ会議システムでは,対面環境よりも会話相手の存在感が希薄であるという問題がある.我々は,遠隔地間で疑似的に握手をすることができれば,会話相手の存在感が向上するのではないかと考えた.本研究では,握力,温かさ,柔らかさといった握手の感覚を再現することができるロボットハンドを開発し,ビデオ会議システムに装着した.このシステムを用いて,遠隔地の会話相手の存在感が向上するかを調べる実験を行った.
著者
田中 一之
出版者
一般社団法人 日本数学会
雑誌
数学 (ISSN:0039470X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.244-260, 1990-07-31 (Released:2008-12-25)
参考文献数
72
著者
田中 一輝
出版者
公益財団法人 史学会
雑誌
史学雑誌 (ISSN:00182478)
巻号頁・発行日
vol.125, no.2, pp.39-60, 2016 (Released:2018-10-05)

従来、西晋末の永嘉の乱については、五胡十六国史・北魏前史の観点から研究が進められてきたが、五胡諸族の主体的な発言・行動に注目した研究が多く、当時彼らと戦っていた晋朝系勢力との角逐を踏まえ、彼らの行動を相対的に把握するという視点に乏しかった。本稿では、五胡と晋朝系勢力の相克の過程を、厳密な編年と史料批判により復元し、永嘉の乱の実像を解明することを目指した。 西晋と戦った劉淵・石勒らは、乱の初期においては晋朝系勢力に圧倒されており、とりわけ西晋の并州刺史劉琨は、南方の劉淵(漢)を終始圧迫し続けていた。劉淵は劉琨の圧力に押される形で南方への進出(遷都)を行わなければならなくなったが、それを継続すればいずれ西晋の首都洛陽にぶつかることが避けられなくなった際に、漢の皇帝を自称し、西晋打倒の姿勢を最終的に明確化し、洛陽に進攻した。しかし折から洛陽に帰還した東海王越に撃破され、劉淵は死去してしまい、西晋側はこれが契機となって劉琨―東海王越による対漢挟撃戦略がはからずも形成される。以後の漢はこの挟撃戦略の克服が課題となったが、このときより晋朝系勢力の東海王越からの離反などの動揺が続き、また東海王越の洛陽からの出鎮・死去など、洛陽からの戦力流出が続出したため、挟撃戦略は弱体化し、永嘉5年(311年)に漢の攻撃により、洛陽が陥落した。北方の劉琨も漢の攻撃により撃破され、挟撃戦略は破綻することとなった。 以上の経緯から、永嘉の乱は必ずしも劉淵ら胡族の主体的な戦略や、西晋に対する一貫した優位により進んだのではなく、自勢力内外の軍事的・政治的環境に左右された結果であったことが判明した。
著者
沼上 幹 軽部 大 田中 一弘 島本 実 加藤 俊彦 生稲 史彦
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.12-26, 2006-06-20 (Released:2022-08-05)
参考文献数
18

本論文は,データ・リッチな実証研究を行なうためのコンソーシアムを形成して行なわれている,組織の 重さ プロジェクトの主要な知見を紹介する.コンソーシアムに参加した企業のBUに関しては,内部調整に約4割の時間が割かれていること,また比較的容易に調整が達成できる組織は有機的組織の特徴と機械的組織の特徴を両方備えていることが明らかにされる.
著者
桑原 浩一 井上 舞 安本 早穂子 鳥巣 雄洋 野口 絵理香 久保 久美子 田丸 静香 永田 保夫 田中 一成
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
pp.17-00053, (Released:2018-01-30)
参考文献数
24

食塩の代わりにクエン酸塩を用いて調製する魚肉の新たな加熱ゲル化方法を開発し,本方法で調製した加熱ゲルがラットの血圧や脂質濃度に及ぼす影響を検討した。新規または従来法で調製した加熱ゲルをAIN-76組成の食餌に添加した。新規加熱ゲルの摂取は,高血圧自然発症ラットの血圧上昇を抑制させた。また,調製方法に関わらず加熱ゲルの摂取は,血清コレステロールおよび肝臓トリグリセリド濃度を減少させ,肝臓の脂肪合成酵素活性を抑制させた。新規加熱ゲルは,血圧上昇抑制および脂質代謝改善作用を有することが明らかになった。
著者
中山 毅 田中 一範
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.60, no.6, pp.647-651, 2009 (Released:2010-03-03)
参考文献数
18
被引用文献数
1 1

妊娠中および帝王切開術直後に発生した癒着性イレウスに対して,大建中湯エキスを服用することにより,保存的に加療できた症例を経験した。症例は29歳女性。15歳の時に小腸軸捻転にて開腹歴あり。妊娠11週に癒着性イレウスを発症したため,大建中湯を投与したところ,大量の下痢便を認め症状は軽快。その後,胎児ジストレスにて36週に緊急帝王切開を施行。腹壁前面に小腸の強固な癒着を認めた。術後4日目に術後癒着性イレウスの診断にて,大建中湯を経口投与した。6日目に,軟状便および排ガスを認め,9日目には経口摂取を開始。その後は異常なく25日目に退院した。妊婦の高齢化に伴い,イレウス合併妊娠の報告が数多く認められる。妊娠中は母子ともに,重篤化しやすく外科的処置が必要となることが多いが,妊娠中や出産時に発生した癒着性イレウスに対して,大建中湯を用いることにより,保存的に改善する症例もあると考えられる。
著者
田中 一弘
出版者
稲盛和夫研究会・稲盛ライブラリー
雑誌
稲盛和夫研究 (ISSN:2436827X)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.19-36, 2022-03-25 (Released:2022-04-01)
参考文献数
9

In this paper, I would like to discuss the meaning of “integrity” based on Kazuo Inamori’s philosophy and deeds. Integrity has two meanings, honesty and sincerity, both of which are emphasized in Inamori’s philosophy. In this paper, I will focus on integrity as honesty.Inamori’s philosophy accentuates the importance of practicing primitive morality, whether it is honesty or any other virtue, and not just knowing it. However, there is one episode in which, Inamori professes, he has lied. The story goes that when Kyocera was still a small company with about 100 employees, major manufacturers approached him about delivering a difficult product that the company had never made before, and he pretended to be able to do it and got the order.By examining whether or not, or in what sense, Inamori lied in this episode, I will clarify the multifaceted nature and depth of integrity as honesty. Specifically, the following two points are suggested: (1) In terms of the past and the present, it is important to distinguish between “not lying” and “not telling the truth” with regard to facts, the former being essential for honesty. (2) In terms of the future, it is not necessarily dishonest to promise something that is difficult to achieve within one’s current capabilities, and in fact such overextension is vital for the growth of the company, but once a promise has been made, you must be faithful to fulfil it to assure integrity.
著者
田中 一彦
出版者
大阪市立大学
雑誌
人文研究 (ISSN:04913329)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.963-976, 2000

0. はじめに : 推理小説とは一種の物語の形式のことであるといってよい。つまり, 推理小説とは「謎解き」の形式をした物語のことなのである。その「謎」は多岐にわたる。推理小説における代表的な「謎」には「犯人あて」と言われるものがある。たとえば, あるところで殺人などの犯罪が発生する。その物語の探偵はさまざまな手がかりを元にしてその犯人を推理していく。このような探偵の論理的な謎解きのプロセスを楽しむのが推理小説を読む醍醐味の一つである。これに加えて, 推理小説を読む最高の楽しみは物語中の探偵とともに読者自身も論理的に謎を解いていくことにある。……
著者
田中 一輝
出版者
公益財団法人 史学会
雑誌
史学雑誌 (ISSN:00182478)
巻号頁・発行日
vol.125, no.2, pp.39-60, 2016

従来、西晋末の永嘉の乱については、五胡十六国史・北魏前史の観点から研究が進められてきたが、五胡諸族の主体的な発言・行動に注目した研究が多く、当時彼らと戦っていた晋朝系勢力との角逐を踏まえ、彼らの行動を相対的に把握するという視点に乏しかった。本稿では、五胡と晋朝系勢力の相克の過程を、厳密な編年と史料批判により復元し、永嘉の乱の実像を解明することを目指した。<br>西晋と戦った劉淵・石勒らは、乱の初期においては晋朝系勢力に圧倒されており、とりわけ西晋の并州刺史劉琨は、南方の劉淵(漢)を終始圧迫し続けていた。劉淵は劉琨の圧力に押される形で南方への進出(遷都)を行わなければならなくなったが、それを継続すればいずれ西晋の首都洛陽にぶつかることが避けられなくなった際に、漢の皇帝を自称し、西晋打倒の姿勢を最終的に明確化し、洛陽に進攻した。しかし折から洛陽に帰還した東海王越に撃破され、劉淵は死去してしまい、西晋側はこれが契機となって劉琨―東海王越による対漢挟撃戦略がはからずも形成される。以後の漢はこの挟撃戦略の克服が課題となったが、このときより晋朝系勢力の東海王越からの離反などの動揺が続き、また東海王越の洛陽からの出鎮・死去など、洛陽からの戦力流出が続出したため、挟撃戦略は弱体化し、永嘉5年(311年)に漢の攻撃により、洛陽が陥落した。北方の劉琨も漢の攻撃により撃破され、挟撃戦略は破綻することとなった。<br>以上の経緯から、永嘉の乱は必ずしも劉淵ら胡族の主体的な戦略や、西晋に対する一貫した優位により進んだのではなく、自勢力内外の軍事的・政治的環境に左右された結果であったことが判明した。
著者
小野 尚子 田中 一光 木脇 佐代子 井上 雅貴 霜田 佳彦 大野 正芳 坂本 直哉 石川 麻倫 山本 桂子 清水 勇一 清水 亜衣 松野 吉宏
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.593-601, 2020-05-24

●「考える内視鏡診断」のポイント通常観察では・多彩な内視鏡像が同時に観察される.・非上皮性腫瘍としての性質(粘膜下腫瘍様)が観察され,蚕食像はなく,硬さが目立たない.拡大内視鏡観察では・腫瘍浸潤により腺管構造が破壊された無構造領域や異常血管が観察される.・間質の細胞浸潤により窩間が引き延ばされ,腺管の膨化所見がみられることがある.・前述の特徴を捉え,狙撃生検を行うことで,診断能は向上する.・治療後に腺管構造や上皮下毛細血管の回復が観察され,治療後評価にも有用である.
著者
中村 壽志 渡部 美穂 田中 一秀
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.A3P3093-A3P3093, 2009

【目的】パフォーマンスに対する評価は結果のみで判断することが多い.しかし,パフォーマンスの向上には結果だけではなく,結果をふまえた過程に目を向けることが重要である.メタ認知的言語化は自分が体感したことを振り返り言語表出する行為のことで,過程に目を向けるツールとして有効な方法とされている.今回,メタ認知的言語化がパフォーマンスに与える影響について検証する.<BR><BR>【方法】偏光眼鏡をかけた経験がない無作為に選んだ20名を対象とする.メタ認知的言語化群(以下A群)は男性5名,女性5名(21.9±1.91歳).非言語化群(以下B 群)は男性5名,女性5名(21.9±2.60歳)とする.運動課題において,視野を右に10°偏移させる偏光眼鏡をかけ,半径60cmの扇形のテーブルの外縁にある目標点(正中,右,左)に向かいリーチ動作を行う.利き手の示指でランダムに指示される目標点をテーブルの下から指差し,指し示したら手を元の位置へ戻す.A群は課題試行中にメタ認知的言語化を行う.また,実験前日はメタ認知的言語化の練習をジェンガにて行う.手順は,Prism adaptationの先行研究を参考に,適応試行を100回,効果保持試行を60回行う.数値は,目標点と示指の爪までの距離を0.5cm刻みで誤差を測定した.尚,この研究について説明し,その承諾を得たもののみを実施した.<BR><BR>【結果】適応試行では,A群はB群より試行後半に誤差が低値にある傾向がみられた.効果持続試行では,A群はB群より誤差が持続していく傾向がみられた.マン-ホイットニーのU検定より,適応試行,効果保持試行ともにA,B群に有意差が認められる.(p<0.05)<BR><BR>【考察】今回,Prism adaptationを基盤にメタ認知的言語化が運動学習に与える影響を検証した.適応試行では,環境変化における運動課題への適応の速さをみている.つまり,メタ認知的言語化をすることで,エラーに意識を向けることができ,より早く修正することが可能となったと考える.効果保持試行は,偏光眼鏡をはずすことで,元の環境に再適応する経過である.研究結果では,誤差の修正に時間を要したことから,メタ認知的言語化には,運動学習をより強固にし,さらに環境が変化しても不変的なパフォーマンスを発揮する可能性があると考えられる.メタ認知的言語化はスポーツ領域において使用されることが多いが,医療において学習を促進する方略として考えられるのではないだろうか.今後の理学療法治療においてどのような形で導入できるか,臨床研究を踏まえて今後のテーマとしていきたい.<BR><BR>【まとめ】メタ認知的言語化が運動学習を促進することが理解でき,理学療法における治療への導入を次回の研究課題としていきたい.