著者
山羽 和夫 中村 久 斉藤 清隆
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
東海支部地区講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2002, pp.267-268, 2002-08-24
被引用文献数
1

論文要旨 : 21世紀の超高齢化社会の到来に備えて日本福祉大学では数年前から高齢者用食事支援ロボットの研究に着手してきた。このロボットは在宅老-老介護、福祉センターからの遠隔操作によってリアルタイムで食事支援できるシステムの構築をめざしている。本研究では、このロボットのデザインする際のコンセプト・背景、および遠隔制御する場合のシステム設計について検討したのでその結果などについて述べている。
著者
中村 久美
出版者
天理大学
雑誌
天理大学学報 (ISSN:03874311)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.113-128, 2015-02

月と鏡はともに他者の像を反映するという相似の機能を担い,心理的にも互いに隣接する観念である。両者は地上の現実世界の反映であると同時に,異次元世界へと人を誘う扉でもあり,我々のなじみ深い世界にぽっかり空いた未知の世界,夢の世界への入り口である。しばしば絵画や文学作品の主題ともなり,重要な場面に欠かせない道具ともなる月と鏡であるが,これらは偶然というより,見かけの相似以上のつながりがあるのではないだろうか。西洋とわが国の文学作品を比較した時,その結びつきはより明らかになるが,東西の違いもまた浮かび上がる。月は西洋では不吉な事件の前兆となることが多く,日本では異界への入り口の象徴になることが多い。また鏡は西洋では現実の真実を現すのに使われ,日本では裏面の真実が語られる。
著者
中村 久人
出版者
日本マネジメント学会
雑誌
日本経営教育学会全国研究大会研究報告集
巻号頁・発行日
no.55, pp.87-90, 2007-06-29

民営化されたJR東日本の本業はあくまで旅客や貨物の運送業(売り上げで約7割)であるが、本報告では最近注目されるようになった同社の生活サービス事業、特に駅ナカ・駅ビル・ビジネスさらには街ナカ・ビジネスの展開とそれら事業展開の原動力になっているSuicaの導入および拡大に焦点を当てる。生活サービス事業でのSuicaホルダーの量的拡大は、鉄道事業のメインテナンスコストの低減に役立ち、また街ナカでの他社との提携ではハウスカードであるビューSuicaの普及が可能となり、モバイルSuicaによる外部ネットワークとの結合では、携帯電話での乗車券の予約・購入のほかインターネット上でのSuica決済が現実のものとなった。以上のように、Suica導入はJR東日本の企業競争力を著しく高める要因となっており、このような例は他国に類をみない「ビジネスとテクノロジーの共鳴」であり、日本発企業競争力の創成の格好のケースといえるであろう。
著者
大石 英司 北島 崇 中村 久江 松田 知恵子 網本 勝彦 安原 寿雄
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.421-423, 1997-05-25
被引用文献数
3

Actinobacillus pleuropneumoniae血清型1, 2, および5型菌の培養上清濃縮液にoil-in-water型オイルアジュバントを加えたワクチンを作製し, 野外における効果について検討した. 出荷率は試作ワクチン注射群で91.6%, 市販ワクチン注射群(対照群)で60%であった. 屠殺時の肺病変は, 対照群で重度の充出血, 癒着および結節を認めたのに対し, 試作ワクチン群の病変は軽度であった. さらに, 試作ワクチン注射痕の残留も認められず, 野外における本ワクチンの有効性, 安全性が確認された.
著者
中村 久美 今井 範子
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.49, no.6, pp.699-708, 1998-06-15
参考文献数
9
被引用文献数
2

This is the second report of studies analyzing people's daily life and consciousness in the disaster-stricken areas in the latest Hanshin-Awaji Earthquake and considering the daily life to be in the fiture. In this report, we clarified the changes of dwelling life and residents' values to various aspects of life by disaster damage. The results are as follows: Residents' sense of value concerning human relationships, nature, culture and living style filled with so many things was influenced by Hanshin-Awaji Earthquake. Especially, consciousness concerning famillies, friends and human relationship was most strongly influenced. Residents certainly have begun to pay more attention to setting and arrangement of living goods after the earthquake. However, there are some impractical actions such as setting furniture out of bedroom and arranging furniture in one room due to a limitation of living floor space. Furthermore a lot of people are not yet prepared enough against the disaster to fix furniture and home electric appliances, because they live in rental houses, lack of knowledge of procedures and feel reluctant to fix furniture. It is necessary that makers and governments have to take measures to meet with that situation. Many people are inclined toward "simple life" at least with respect to their consciousness in the immediate post-disaster stage, but there are not meny people who are practicing "simple life." It is about time we changed the concept of wealth.
著者
中村 久男
出版者
同志社大学言語文化学会
雑誌
言語文化 (ISSN:13441418)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.261-284, 2005-12

日本ではいまだに知名度の低いアメリカ南部再建期から世紀転換期にかけ作家活動を行ったアフリカ系アメリカ人チエスナツトの第二短編集『彼の若き日の妻とその他のカラー・ラインの物語』を扱った論文である。カラー・ラインとは肌の色による差別が歴然と存在するが、その見えざる人種の境界線を指す。彼は、短編集を編むにあたり、9編の物語の配列に最善の努力を惜しまず、その結果に満足した。では、彼が目指した最良の配列とはどのようなものであり、それによって彼が伝えようとした作家の意図とは何であるのかを探求した。第一には、各短編が次ぎの物語と相互に関係しあい、相互に対照・照射し合う、間テクスト的配置が認められた。第二には、ブルー・ヴエインズと呼ばれる裕福な中流黒人層を描く物語で始め、カラー・ラインを越えようとする黒人の生活の諸相が描かれるが、最後には、貧しい黒人の悲劇的な物語を二編配置することによって、カラー・ラインは恣意的な見えざるの境界線ではあっても、それを越えるのは非常に困難であること、白人読者が興味をもち受け入れ易い短編から次第に南部黒人が置かれた厳しい現実を突きつけるような物語の流れを作ることによって作者はカラー・ラインへの挑戦姿勢を明確に打ち出しているのである。
著者
中村 久美
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.330, 2002

集合住宅バルコニーのあり方を検討するため、207戸の中層集合住宅の利用実態と意識に関する調査を行った。それによると、物干しや植栽関連のモノに加えて、ゴミ、不要品や玄関や他の居室に収納しきれない多様なモノが置かれている。北側に台所から出られるバルコニーを有する世帯では、モノの管理はそちらで行い南北バルコニーの使い分けがみられる。展開される生活行為は、物干し、園芸以外にモノの管理を中心とする家事や夕涼み·日向ぼっこ、季節行事、子供の遊び等が比較的よくされるが、多種類のゴミ、不要品を置いているバルコニーでは本格的なくつろぎ行為はされない。しかしリビングの延長としての利用への要求は高く、物干しとの区別、モノの管理を担う台所バルコニーの併置の必要が指摘できる。
著者
中村 久美 今井 範子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.55, no.7, pp.561-572, 2004

屋外物置購入世帯を対象に調査を行い, その購入経緯や収納状況を明らかにするとともに, 居住者の収納に関わる生活スタイルとの関連から, 屋外物置の位置付けやあり方を考察した.結果を以下に要約する.<BR>1) 屋外物置の収納内容を詳細に見ると, 屋外使用品のみ収納している世帯が45%をしめる.中高年層を中心に, 屋内使用の日常品や, 季節用品などの非日常品を収納している世帯も少なくない.さらにびん・缶などの資源ゴミの保管場所として活用されることも多い.<BR>2) ほとんどの世帯が, 収納スペースの不足する部屋を指摘している.屋外物置の収納物は, 収納スペース不足の指摘のある居室に対応するモノであり, 住宅諸室からあふれ出たモノを, 屋外物置に収容していることが確認できる.<BR>3) モノの持ち方や片付けに対する生活態度, 意識より, 収納に関わる生活スタイルをみると, 物持ちがよくそれらをきちっと管理する「こだわりタイプ」 の世帯が半数をしめる.とにかくモノを持つことに価値をおく「とりそろえタイプ」も3割存在する.一方限られたモノをきっちり管理する「すっきりタイプ」やモノを持つことも整理することにも消極的な「あっさりタイプ」は少数派である.<BR>4) 屋外物置の位置付けとして, 1つは, 屋外使用の生活用品, 用具の収納庫としての使い方がある. 実際に収納される屋外使用品は, 積雪地域特有の生活用品や, 温暖地域のガーデニング用具, あるいはスポーツ, レジャー用品など, 地域性を反映する.「すっきりタイプ」の居住者はこの種の使い方が多い.このタイプは若年層が多いことから今後このような使い方は増えると考えられる.<BR>5) 「こだわりタイプ」を中心に, 住宅内にあふれるモノを受け入れることで, 居住スペースの確保と住宅内収納スペースの有効利用を図る使われ方がされており, 住宅内収納空間の不適応を補う, 消極的な意味ながら, 屋外物置を設置する意義は見出しうる. 一方, 屋外物置は一時収納, 処分保留のスペースと位置付けて使われる場合もあり, 住み手がモノの保有や管理のあり方を考えるうえで, 以前の蔵や納戸に替わる有効なスペースとして積極的に評価できる.また, 資源ゴミの分別保管場所としての用途は, そのスペースがまだ一般には住宅内に確保されていない現状では貴重である.<BR>6) 屋外生活品の専用庫として使われる物置は, 収納物とそれに対応する設置場所ごとに, ふさわしいデザインが求められる.一方, 住宅内の収納スペースの延長として使われる場合, 屋内生活品を含めた多様な収納物に配慮して, 耐久性, 棚数, 換気などへの配慮を要する.
著者
中村 久四郎
出版者
東洋文庫
雑誌
東洋学報 = The Toyo Gakuho
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.83-89, 1911-06
著者
中村 久美
出版者
天理大学
雑誌
天理大学学報 = Tenri University journal (ISSN:03874311)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.41-65, 2019-10

真珠はシェイクスピアにおいて特徴的な使われ方をしている。クレオパトラがアントニーとの晩餐で,王国が買えるほどの高価な真珠を酢に溶かして飲んだという逸話が大プリニウスの『自然博物誌』に記録されているが,シェイクスピアの『アントニーとクレオパトラ』にはこの有名な逸話は登場せず,逆にクレオパトラはアントニーから別れの餞別に真珠を贈られる。また,『ハムレット』では,国王クローディアスがハムレットの健勝を祝して盃に真珠を入れるが,ハムレットはその盃を口にすることはなく,母ガートルードがそれを飲んで死に至る。『リチャード3世』や『あらし』では,罪人の集めた真珠は当人の元に長く止まることなく,再び海の底に戻る。シェイクスピアにおいては真珠を所有する資格のない者や,粗末に扱う者には天罰が下るのである。このことは,真珠の価値が富にあるのではなく,その象徴するところの純潔と美徳にあることを示している。同時にそれは真珠好きで知られる時の女王エリザベスがスペインの無敵艦隊を破り,英国に富と繁栄をもたらしたことがエリザベスの純潔性に由来することを象徴的に示そうとしたものと解釈できる。象徴としての真珠の起源は聖書における「天国の門」「豚に真珠」の例にまで遡るが,その純潔,高貴,美徳のイメージは,中世の真珠詩人(Pearl Poet) にも引き継がれるなど,十字軍遠征以後ヨーロッパ中に広まり,「庶子」エリザベスが国内外に女王としての正当性をアピールするのに欠かせない道具であった。これを反映してか,シェイクスピア作中の人物が真珠をどのように扱うかは,その人物の善悪や貴賎を知る一種の試金石となっている。