著者
野田 隆
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.34-42, 1990 (Released:2022-07-14)
被引用文献数
2

災害危機下における組織行動は,急激な環境変動に対する適応の視角から研究されてきた.本稿では,従来の知見を瞥観した後,構造・機能を変えずに適応するタイプと,構造・機能ともに創発するタイプに焦点をあてて検討する.前者について,組織ストレスに依存しない適応モデルが,また両者について,連続性原理と創発現象という一見相反する知見を同時に支える災害下位文化という概念が,問題となる.
著者
野田 隆広 北川 結香子 藤本 強 鈴木 英夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ソフトウェア工学(SE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.30, pp.193-200, 2004-03-19

エクストリームプログラミング (XP) を促進することを目指した オフィス環境設計事例を報告する.我々のプロジェクトでは教育支援システムの研究開発を行っている.研究の進展にともなって開発システムに当初予定していなかった新しい機能が追加されることがしばしばであり 変化に迅速に対応できる開発手法として XP を採用することにした.我々はプロジェクト立ち上げ時に 幸運にも空きスペースを与えられ 自由にレイアウトを決定できた. オフィス環境はソフトウェア開発において生産性を大きく向上させる要素でもあるので アレグザンダのパタンランゲージを利用して XP の導入が容易になるようなオフィス環境設計を心がけた.We report a case study of designing an office environment to facilitate extreme programming. We have been researching and developing education-support systems. While developing them, we often expanded and improved their functions. Consequently, we have been looking for a software-development methodology which can embrace changes, and found XP. XP is designed to enable us to respond to changing requirement of software. Fotunately, we could use a extra learge empty room and arrange furnitures where we wanted. Because an office environment is an important element which affects software productivity, we planned an office environment that made XP installation easier, to facilitate XP.
著者
榊原 伸一 上田 秀一 中舘 和彦 野田 隆洋
出版者
獨協医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

神経系前駆細胞、神経幹細胞の分裂タイミング調節などの幹細胞維持機構の一端を明らかにするために、神経幹細胞に強く発現する新規遺伝子を同定し、SE90/Radmis(radial fiber associated mitotic spindle protein)と命名した。radmis mRNAは塩基配列から80kDaのタンパク質をコードすると予測されるが、既知の遺伝子との有意な相同性を示さず、また保存されているモチーフ構造も有さない。ノーザンプロット分析によりradmis mRNAは神経幹細胞で強く発現しているが、分化誘導により発現が低下、消失することが明らかになった。さらに特異的抗体を作製しradmisタンパク質の発現パターンを詳細に解析した。その結果、Radmisはnestin陽性神経幹細胞に強く発現し、胎生期の終脳胞において、Radmisは神経上皮細胞(神経幹細胞)の放射状突起(radial fiber)に発現していた。また脳室に面する部位に見られるリン酸化Histon3陽性の分裂期の神経幹細胞では、有糸分裂紡錘体に非常に強く局在していた。分裂期の発現解析からRadmisはM期の前中期、中期、後期の神経幹細胞の紡錘体に発現し、分裂面とは無関係に発現することから、対称性・非対称性分裂の両方の分裂様式で機能することが示唆された。さらに成体脳では側脳室前角のSVZのわずかな細胞に発現が限局される。これら陽性細胞では、胎生期と同様に、分裂期の紡錘体で発現が見られ、さらにその周囲のnestinまたはGFAP陽性の細胞突起にも発現が認められることから、RadmisはTypeB、TypeCなどの成体の神経幹細胞および神経前駆細胞に発現することが示された。また培養細胞系においてRadmis遺伝子の強制発現を行なったところ、mitotic indexの亢進と異常な紡錘体微小管形成が観察された。以上のデータから、Radmisは神経発生期、成体期を通して神経幹細胞あるいは前駆細胞の分裂時の細胞骨格再編成、あるいは紡錘体微小管の形成調節などを通してこれらの細胞の維持機構に役割を担っている可能性が考えられる。
著者
野田 隆裕 白井 治彦 黒岩 丈介
出版者
福井大学
雑誌
福井大学大学院工学研究科研究報告 (ISSN:04298373)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.69-76, 2008-03-31

The purpose of this research is to decrease the complicated selection operation in the Japanese input of a Personal Digital Assistant by using the Classified Examples Dictionary.Miniaturization technology for the Personal Digital Assistant using an interface without a keyboard has progressed.However,the method of a Japanese input is a problem.The Personal Digital Assistant has a characteristic interface using a small touch panel.Some techniques exist to help input characters.For example,the Graffiti,prediction conversion including POBox,etc. However,for any technique's writing a Japanese long sentence,especially a Japanese e-mail document,it becomes a big burden for a user.In many cases,e-mail documents are constituted combining certain sentences.So it is significant,if the dictionary which arranged many examples is drawn up and Japanese is inputted using that dictionary.In this paper,it is called The Classified Examples Dictionary.The purpose of this research is to ease a user's burden by using the dictionary.
著者
柳沢 進也 高橋 和司 安田 昂樹 田邉 一寿 種岡 優幸 細谷 竜平 小芝 力太 齋藤 祐太 野田 隆文 齋藤 孝道
雑誌
第80回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, no.1, pp.473-474, 2018-03-13

WebサーバがWebブラウザから,端末の特定に繋がる情報(以降,特徴点と呼ぶ)を採取するBrowser Fingerprintingという手法がある. Browser Fingerprintingはユーザの許可を得ずに行うことが可能であるので,対策ツールを用いて特徴点の偽装を行うユーザもいる.しかし,多くの対策ツールで有効性は示されていない.そこで本論文では,Firefox,Chromeそれぞれで特徴点の偽装を行うアドオンを対象に,特徴点がどの程度偽装できるのかを調査した.その結果,特徴点の一部を偽装できるアドオンと,全く偽装ができていないアドオンが明らかになった.
著者
廣澤 春任 名取 通弘 紀伊 恒男 高野 忠 橋本 樹明 大西 晃 井上 浩三郎 村田 泰宏 三好 一雄 井上 登志夫 野田 隆彦 栗林 豊 田嶋 隆範 近藤 久美子 佐々木 崇志 箭内 英雄 萩野 慎二 小倉 直人 岡本 章 杉山 祥太郎 HIROSAWA Haruto NATORI Michihiro KII Tsuneo TAKANO Tadashi HASHIMOTO Tatsuaki OHNISHI Akira INOUE Kouzaburo MURATA Yasuhiro MIYOSHI Kazuo INOUE Toshio NODA Takahiko KURIBAYASHI Yutaka TAJIMA Takanori KONDOH Kumiko SASAKI Takashi YANAI Hideo HAGINO Shinji OGURA Naoto OKAMOTO Akira SUGIYAMA Shohtaro 中川 栄治 NAKAGAWA Eiji
出版者
宇宙科学研究所
雑誌
宇宙科学研究所報告 (ISSN:02852853)
巻号頁・発行日
vol.101, pp.1-27, 1998-06

科学衛星「はるか」は, スポース VLBI に必要な工学諸技術の実験ならびにスペース VLBI による電波天文観測を行うことを目的として, 1997年2月12日, 宇宙科学研究所の新型ロケット M-V の初号機により打ち上げられた。「はるか」では数々の工学的課題への取り組みがなされたが, それらの中で, ケーブルとメッシュからなる, 有効開口径8cmのパラボラアンテナの軌道上での展開が, 最大の工学的課題であった。打ち上げ約2週間後の2月24日から28日にかけてアンテナ展開実験を行い, 展開に成功した。本稿は「はるか」のアンテナ展開実験を, 衛星システム全体としてのオペレーションの観点から詳述するものである。
著者
佐野 主一 立川 博邦 木之瀬 正 相野田 隆雄 宮崎 吉規 山本 安幸 池田 昌弘 赤羽 賢浩 藤野 雅之 鈴木 宏
出版者
山梨医科大学医学会
雑誌
山梨医科大学雑誌 = 山梨医科大学雑誌 (ISSN:09120025)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.125-130, 1988

症例は58歳男性,海外渡航歴なし。右側腹部痛,発熱を主訴に昭和60年10月当科入院。入院時検査所見では WBC 28300,CRP 6(+),梅毒反応陽性,HBs抗体陽性であった。US,CTで,肝右葉に径7cmと4cmの中心部壊死を思わせる局在性病変を認め,肝膿瘍と診断。ドレナージ施行。膿汁の鏡検でEntamoeba histolyticaを確認。内視鏡検査にて腸管病変は確認し得なかったが,糞便の鏡検でも同様の原虫を認めた。このため metronidazole 1500mgを18日間,tinidazole 2000mgを11日間投与した結果自覚症状は消失し,白血球数も正常化し,CT上膿瘍腔の縮小化も認めた。現在は再発なく外来通院中である。近年アメーバ性肝膿瘍は男性同性愛者に多発すると報告されているが,本例では確認し得なかった。
著者
紀藤 典夫 野田 隆史 南 俊隆
出版者
日本第四紀学会
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.25-32, 1998-02-28
参考文献数
47
被引用文献数
4 8

函館から発見されたシオフキ・ハマグリ・イボキサゴなどからなる暖流系貝化石群集の<sup>14</sup>C年代値は約2,400~2,300年前で,従来知られていた縄文海進期の年代よりも新しかった.新たに年代測定された群集を含めると,北海道南部における温暖種の産出年代は7,500年前,4,000年前,および2,400~2,300年前の3つの時期がある.この温暖種の産出年代は,対馬海流の強勢期によく一致する.温暖貝化石群集は,対馬海流の脈動に対応して分布を北海道まで拡げたが,このような事件は完新世に3回生じた可能性がある.
著者
野田 隆三郎 洞 彰人 神保 秀一 池畑 秀一 石川 洋文
出版者
岡山大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

1 タイトt-デザインの分類については ウイルソン多項式の根の整数条件が有力な手がかりであるが これの処理方法においてかなりの進展が得られた。今後はこれ以外に入の整数性をうまく結びつけて 最終的な解決をはかりたいと考えている。2 擬対称4-デザインはタイト4-デザインに他ならず すでに分類が完成している。条件を擬対称3-デザインに弱めても 同じ手法がかなりの程度まで使えることが分かった。デザインの諸パラメーターの整数性および付隨する強正則グラフの結合行列の固有値の整数性が 強い制約を与えており これらをうまく処理して分類を完成させる 見通しができた。3 スタイナーシステムS(t,k,v)において よく知られているキャメロンの不等式 V≧(b+1)(k-t+1) および私の証明した不等式 V≧(b+1)(k-t+1)+(k-t)の改良として次の結果を得た。 定理 tが奇数で V>(t+1)(k-t+1)とすると V≧(t+2)(k-t+1) が成りたつ.さらに等号が成りたつのは(t,k,v)=(t,b+1,2t+4)のときに限る.この結果は近く論文にまとめる予定である.4 等周問題については3次元におけるミンコフスキーの不等式 M^2≧4πA,およびA^2≧3VMの改良がいま一歩のところまで進展した。これは有名なブルン・ミンコフスキーの不等式の改良とも結びついているので完成すれば大変面白い結果であると考ている。近いうちに是非完成したい。また逆向きの等周不等式については 2次元におけるゲージの証明はそのまま3次元以上に適用することはできないがボンネゼンの定理をうまく使う事によって解決への重要な手がかりが得られた。
著者
野田 隆三郎 池畑 秀一 石川 洋文 梶原 毅 脇本 和昌 堤 陽
出版者
岡山大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1986

1 tight3とtight5-orthogonal array(つまり Raoのboundを達成する直交配列)の分類を完成した。(別掲論文)。その他のtight orthogonal arrayの分類の研究は現在進行中である。2 Steiner system(つまりt-(v,k,l)デザイン)に関する次の新しい不等式が得られた(論文準備中)。これはP.J.Cameronが与えた不等式の改良になっている。tが隅数の時 v≧(t+1)(k-t+1)+(k-t)がなりたつさらに等号がなりたつのは 4-(23,7,1)がt-(2t+3,t+1,1)に限る。また tが奇数で v>(t+1)(k-t+1)とあると v≧(t+2)(k-t+1)がなりたつ3 orthogonal arrayに関する不等式も得られたが、更なる改良を、現在考慮中である。
著者
野田 隆弘
出版者
岐阜市立女子短期大学
雑誌
岐阜市立女子短期大学研究紀要 (ISSN:09163174)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.153-159, 2003

The Apparel Industry in Gifu has been developing after World War. It became one of the three biggest apparel production districts, which are Tokyo, Osaka and Gifu. But recently the existence of local production districts has been unstable because of changing overseas into production and import of enormous quantity of apparel products. First in this research I stated the developing process of apparel industry in Gifu with industrial statistics from 1955 to 1999. Next the developing process of major apparel enterprises from 1984 to 2001. In addition, the new wave of apparel industry. I made it clear the new indications were born and began.
著者
野田 隆弘
出版者
岐阜市立女子短期大学
雑誌
岐阜市立女子短期大学研究紀要 (ISSN:09163174)
巻号頁・発行日
vol.62, pp.101-106, 2012

Recently, the design of Northern Europe, or the Scandinavian design has come to be accepted by consumers in Japan rapidly. To analyze the reason, I visited three countries - Norway, Sweden, Finland -in Northern Europe on a business trip in August 2012. I visited 4 typical fashion apparel companies in each country. Then I made a market research (Oversea trip organized by Japan Association of Specialists in Textile and Apparel). I examined them. I also examined TV programs of northern Europe which were broadcasted then. From them, I found that the features of Scandinavian design are linear, no decorative and simple. This kind of design is rare in Japan, so that it is very attractive to Japanese consumers and it has been accepted by this.
著者
仲岡 雅裕 田中 法生 堀 正和 四ッ倉 典滋 宮下 和士 磯田 豊 野田 隆史 灘岡 和夫 山本 智子 浜口 昌巳
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、日本の温帯と冷温帯の沿岸生物群集を対象に、生産者と消費者の広域分散過程、および温度変化に伴う生産者と消費者の相互作用の変異を調べることにより、地球規模での環境変動に伴う沿岸生物群集の変化を理解し、沿岸資源生物および沿岸生態系の保全・管理に資することを目的とする。広域野外調査、リモートセンシング・GISを用いた長期変動解析、メタ群集決定構造の数理的解析、集団遺伝解析、野外操作実験を組み合わせたアプローチにより、沿岸生物群集の構成には、水温等の広域スケールの変動要因と、競争・捕食等の局所スケールの変動要因が複雑に関与していることが判明した。今後の気候変動に伴い、沿岸生物群集の動態は、植物-動物間相互作用の変化を通じて不安定化する可能性が高いことが予測された。
著者
松澤 正 目黒 力 田子 利法 野田 隆基
出版者
群馬パース大学
雑誌
群馬パース大学紀要 (ISSN:18802923)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.427-433, 2007-03
被引用文献数
1

温熱療法は痛みの治療、循環の改善、筋緊張の緩解等の治療で、最もよく使われる治療法である。その温熱療法の中では、その手軽さからホットパック療法がよく使われる。ホットパック療法は、シリカゲルを厚手の布袋に詰めたものを熱水(80〜90℃)に浸した後、バスタオルでくるみ患部に当て、温熱刺激を与えるものである。シリカゲルは、多孔質で、比熱のきわめて高い物資で、水分を含んだシリカゲルは、ゲル状の半固形化することで、水分子の対流を防止する。このようなことから、比熱が高いので熱容量が大きく、また、対流をなくすことで、熱エネルギーをゆっくりと身体に伝えることができる。このホットパックの熱伝達の特徴を表面温、深部温、皮下血流量を指標として、ホットパック療法の最も適した治療時間を研究したものである。実験は、右下腿部にホットパック療法を30分間行なった時の表面温、深部温、皮下血流量を測定し、その変化から最適な治療時間を求めた。その結果、表面温は、治療開始後18分で最高温度に達し、その後9分間ほぼ同じ温度を保ち、治療終了後徐々に下降した。治療終了後30分においても治療前の温度よりも高い状態であった。深部温は、治療開始後26分で最高温度に達し、治療終了後1分まで同じ温度を保ち、その後徐々に下降した。治療終了後30分においても治療前の温度より高い状態であった。皮下血流量は、治療開始後30分において最高の増加を示し、その後、徐々に減少するが、治療終了後30分においても治療前より増加を示した。また、治療側と反対側の表面温と深部温を同時に測定し、その変化を調べた。その結果、非治療側の表面温、深部温のわずかな上昇をみた。以上のようなことから、ホットパック療法は、20〜30分の治療時間が必要と認められた。また、治療側と離れた部位の温熱刺激を行なうことができることも確認できた。