著者
中村 昇平
出版者
京都大学東南アジア地域研究研究所
雑誌
東南アジア研究 (ISSN:05638682)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.204-240, 2021-01-31 (Released:2021-01-29)
参考文献数
89

The fall of Suharto’s authoritarian regime and the subsequent dissolution of vertical political patronage led to an upsurge of mass mobilization based on religion and/or ethnicity. In Jakarta, newly emerged vigilante groups that initially sought to represent small-scale neighborhood communities rapidly grew in size by receiving endorsements from local political authorities as well as by gaining extensive popular support. Despite their persistent association with violence and illicitness in popular discourse, some of those vigilante groups quickly increased their membership to hundreds of thousands. Highlighting the activities of the Forum Betawi Rempug (FBR), one of the biggest of these groups, this paper explains the causes, processes, and consequences of its expansion.The nature of the Betawi ethnic identity that has been constructed over decades, as well as an alternative mode of populist discourse that became prevalent in Jakarta during the last couple of decades, were the key background conditions through which such groups expanded in both size and geographic reach. These conditions also led to a loosely disciplined and highly autonomous organizational structure.An explanation of this process calls for a radical revision of the conventional model of ethnic mobilization that takes for granted disciplined organization and hierarchical control. In contemporary Jakarta, successful mass mobilization is not the sheer result of people’s response to populist calls. Attention must be paid to the logic of the mobilized in order to explain why vigilante organizations have been able to gain popular support despite their notorious reputation. This paper investigates the perspectives of the mobilized by focusing on neighborhood-level activities of the FBR. In so doing, it exemplifies how some residents perceive the FBR as a provider of potential socioeconomic resources for the enhancement of their life environment.
著者
木村 五郎 赤木 博文 岡田 千春 平野 淳 天野 佳美 大村 悦子 中重 歓人 砂田 洋介 藤井 祐介 中村 昇二 宗田 良 高橋 清
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.61, no.5, pp.628-641, 2012

【背景・目的】Lactobacillus acidophilus L-55 (L-55株)には,マウスアレルギーモデルに対する症状緩和効果が認められている.そこでL-55株含有ヨーグルト飲用による,スギ花粉症臨床指標への影響について検討した.【方法】スギ花粉症患者にL-55株含有ヨーグルト(L-55ヨーグルト群, n=26)あるいは非含有ヨーグルト(対照ヨーグルト群, n=26)を花粉飛散時期を含む13週間飲用してもらい,症状スコア,症状薬物スコア,IgE抗体について検討した.【結果】L-55ヨーグルト群の総症状スコアと症状薬物スコアは,対照ヨーグルト群より低い傾向が認められた.特に治療薬併用例(n=23)では, L-55ヨーグルト群の花粉飛散後第5週の総症状スコア,第4週の咽喉頭症状スコアおよび第1週の総IgEの変化比が有意に低値であった.【結語】L-55株はスギ花粉症に対する緩和効果を有し,治療薬の併用により効果的に症状を軽減,あるいは使用薬剤を減量することが期待された.
著者
木村 五郎 赤木 博文 岡田 千春 平野 淳 天野 佳美 大村 悦子 中重 歓人 砂田 洋介 藤井 祐介 中村 昇二 宗田 良 高橋 清
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.61, no.5, pp.628-641, 2012-05-30 (Released:2017-02-10)
参考文献数
25

【背景・目的】Lactobacillus acidophilus L-55 (L-55株)には,マウスアレルギーモデルに対する症状緩和効果が認められている.そこでL-55株含有ヨーグルト飲用による,スギ花粉症臨床指標への影響について検討した.【方法】スギ花粉症患者にL-55株含有ヨーグルト(L-55ヨーグルト群, n=26)あるいは非含有ヨーグルト(対照ヨーグルト群, n=26)を花粉飛散時期を含む13週間飲用してもらい,症状スコア,症状薬物スコア,IgE抗体について検討した.【結果】L-55ヨーグルト群の総症状スコアと症状薬物スコアは,対照ヨーグルト群より低い傾向が認められた.特に治療薬併用例(n=23)では, L-55ヨーグルト群の花粉飛散後第5週の総症状スコア,第4週の咽喉頭症状スコアおよび第1週の総IgEの変化比が有意に低値であった.【結語】L-55株はスギ花粉症に対する緩和効果を有し,治療薬の併用により効果的に症状を軽減,あるいは使用薬剤を減量することが期待された.
著者
望月 祐志 中村 昇太 山中 正浩 山田 康之 工藤 光子 常盤 広明 川上 勝 北本 俊二
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.66-67, 2016 (Released:2016-10-08)
参考文献数
9
被引用文献数
1

Recently, technologies and applications of 3D-printers have attracted practical interests in the contexts of manufacturing and research developments. In contrast, the educational usages have still been underway. In this Letter, we report a variety of demonstrative 3D-printed molecular models used for education of chemistry and biology in our faculty of Science.

2 0 0 0 OA 土方巽試論

著者
中村 昇
出版者
中央大学人文科学研究所
雑誌
人文研紀要 (ISSN:02873877)
巻号頁・発行日
vol.92, pp.297-320, 2019-09-30

1960年代,日本の舞台芸術,そしてアンダーグラウンドの世界を席巻し,後にヨーロッパでも,BUTOH という新たなジャンルを生みだした土方巽の暗黒舞踏について論じる。土方の舞踏とは,どのような芸術であり,どのようなパフォーマンスだったのか。土方の稀代の名著『病める舞姫』を中心にすえ,その内容を分析することによって,土方の世界のとらえ方,存在論,認識論を解明していく。世界を構成するさまざまな要素の融合や多層化によって,世界の見方を根底から覆す土方の方法論の秘密を探っていく。最終的に,土方の舞踏の定義「命がけで突っ立った死体」という概念をあらためて考え再定義する。
著者
中村 昇平
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2020, 2020

本発表は、武術実践を通して醸成される集落の帰属意識が、同時に民族意識に現実味を与える実態を説明する。発祥地が明確に把握されたまま各地に伝播した武術流派がいかにして「集落独自の伝統実践」として実感され、それがいかにして民族意識とつながるのかを、技の「理解」と「改変」への態度から説明する。からだの感覚に染みつくような種類の技法の教授・学習の実践を通して帰属意識が実感され、強化される過程を明らかにする。
著者
野崎 守英 加藤 敏 弘 睦夫 加藤 信朗 中村 昇 土橋 茂樹 田中 久文 清水 正之
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

言葉には価値を示す言葉と事実を示す言葉とがある。その二つの性格が一つの言葉のうちで重なる場合もある。本研究では、言葉のそうした面について、参加者のさまざまな視角を提示し重ね合わせることを通して、倫理的な価値の多様なあり方の諸相を検討することを試みた。三年間の共同研究を経て明らかになったことを要約すると次のようになると思える。価値語・評価語のあり方にかかわって考えを進めるあり方には、大旨、少なくとも三つの方向がある。第一にあるのは、価値を含む言葉はそもそもどのような組成を備えて成り立つ、と見定めるのが妥当なのか、事実を示すとみなされる語と価値を示す語とは、どんな位相の差を示すものとしてあるのか、あるいはそうした位相の違いといったものなどはそもそもないと定める視点を立てることもできるのかどうか、といった点について、事を抽象する方向に眼を据えて思索を試みる、といった質の究明である。第二にあるのは、徳目としてしばしば話題にされる質の概念、あるいはもう少し広い幅で、人の価値指針となるような概念の成り立ちや意味を問う、といった視点からの究明である。儒学が倫理思想の体裁をとって問題にされる際には、そうした側面がとりわけ立ち上がることになる。旧来、この面の検討は、かなりなされることがあった、といえる。第三としてあるのは、広く日常にも用いられている言葉のうちに含まれている価値指示のあり方(たとえばさまざまな形容詞のうちに籠められているさまざまな価値内包性といったあり方)について、その意味内包のいろいろな方向の検討を試みるといった質の究明である。仔細は、報告集の参加者の論文のうちに見られる。
著者
川嶋 雅則 中村 昇 沼田 雅彦 山下 勝行 藤谷 達也
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.49, pp.108, 2002

微少量の固体惑星物質中の塩素同位体の精密分析は困難であり、研究例は少ない。特に隕石の塩素同位体組成の分析データは皆無に近い。本研究は、表面電離型質量分析計を用いた微小量の隕石の塩素同位体精密分析を目的にしており、先の分析法の確立についての報告に次ぐものである。今回は、Allende隕石の分析結果とその試料による再現性の問題と普通コンドライトの結果、Allendeとの塩素37/35比の差を見出した結果について報告する。
著者
泰地 美沙子 山崎 俊正 河原 一樹 元岡 大祐 中村 昇太 豊島 正 大久保 忠恭 小林 祐次 西内 祐二
出版者
天然有機化合物討論会実行委員会
雑誌
天然有機化合物討論会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.53, pp.199-204, 2011

Marinostatin (MST) isolated from a marine organism is a serine protease inhibitor consisting of 12 amino acids with two internal ester linkages formed between the β-hydroxyl and (β-carboxyl groups, Thr^3-Asp^9 and Ser^8-Asp^<11>. MST was synthesized by regioselective intramolecular esterification employing two sets of orthogonally removable side chain protecting groups for Ser/Thr and Asp. SAR study revealed that the ester linkage with Thr^3-Asp^9, the cis-conformation at Pro^7 and the N-terminal Phe^1-Ala^2 are the structural requirements for expression of the inhibitory activity. These findings were also supported by analyzing the solution and enzyme-bound structures of MST. Of particular note is that cis-Pro^7 may promote the internal hydrogen bond between the NH proton of Are and the carbonyl oxygen atom of the ester linkage with Thr^3-Asp^9 to protect its scissile bond of Met^4-Arg^5. This could be responsible for enhancing the potency. To elucidate the importance of backbone conformation at position 7, 16 and cis/trans-olefin analogs 17/18, in which cis/trans-olefins are substituted for the amide bond of Tyr^6-Ala^7, were synthesized. Although Ala^7 in 16 takes a trans-conformation in the solution structure, it takes a cis-conformation in the enzyme-bound structure. This implies that Ala^7 would isomerize from a trans to cis conformation when it binds to an enzyme, resulting in a certain inhibitory potency. However, the trans-olefin analog 18 lost the potency while the cis-olefin analog 17 displayed almost the same potency as that of MST. These results clearly indicated that the cis-conformation at position 7 is indispensable for binding to an enzyme in a canonical manner. By applying the structural motif of MST, we were able to rationally design protease inhibitory specificities that differed from those of the natural product.
著者
山下 洋一 井上 弘一 中村 昇一 二川原 淳志 森 保 中尾 亮 伊坪 徳宏
出版者
日本LCA学会
雑誌
日本LCA学会研究発表会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.29-29, 2008

建築内装材料「壁紙」のうち塩ビ系壁紙(製品シェア96%)のインベントリ分析を実施中。原材料、製造、流通・施工、使用(居住環境)、廃棄(リサイクル等)の各段階での構成要素の確認と原単位の確認および調査を実施。この範囲でインベントリ分析に取組むのは初の試み。21年度末までに第一段階の統合化を図る予定。20年度内はカーボンフットプリントに注目、二酸化炭素排出量に絞り研究した経過報告を行う。
著者
松井 隆博 井上 弘一 中村 昇一 二川原 淳志 森 保 坂井 広志 鳥海 臣吾 山下 洋一 中尾 亮 松村 年郎 山口 博司 伊坪 徳宏
出版者
日本LCA学会
雑誌
日本LCA学会研究発表会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.51-51, 2011

塩ビ壁紙が環境へどのような影響があるのかをLIME2によって評価を行った。影響カテゴリーとして地球温暖化と室内空気質汚染等を対象とした。温暖化については1次データにもとづく業界代表値インベントリーを作成し評価した。室内空気質汚染については、パッシブサンプラー法による壁紙の放散量試験を行い、ホルムアルデヒドの放散量からLIME2により人間健康への影響を試算した。
著者
中村 昇平 松尾 直人 部家 彰 山名 一成 高田 忠雄 福山 正隆 横山 新
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.359, pp.17-20, 2014-12-05

DNA(チャネル)/SiO_2/Si(ゲート)構造において,DNAのキャリアの振る舞いを調べた.シリコン基板を使って電極間に120nmのギャップを作り,DNAはギャップの間に作製した.dI_D/dV_Dは0.7Vで極値を示ており,この理由はDNA中のトラップとデトラップが関与していると考える.電子はグアニンにトラップされ,チャネル部における電圧によってデトラップが引き起こされる.p^+Siの場合多数キャリアのホールはDNAチャネル中の電子と再結合し,質量作用の法則により,トレイン電極からチャネルに注入される.