著者
中村 友也 一條 裕之
出版者
富山大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

過度の幼少期ストレスが成長後の不安やうつを惹起するメカニズムを明らかにするため、生後10-20日のマウスの仔を母親から毎日3時間分離し,成長後の個体の行動とストレス関連部位の外側手綱核、海馬、扁桃体の神経回路変化を調査した。幼少期ストレスを与えた群では、コントロールと比較して外側手綱核特異的に抑制性のParvalbumin陽性細胞数が減少し、ストレス下の興奮性神経細胞の活動性が上昇し、不安様行動とうつ様行動がみられた。本研究では不安やうつを引き起こす幼少期ストレスが外側手綱核特異的に抑制性回路を改変して高次機能に影響を及ぼすことを明らかにした。
著者
中村 省吾 大場 真 森 保文 根本 和宣
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.131, 2020

<p>地方創生に向けた地域資源活用による活性化方策の一環として、木質バイオマス利用には多くの期待が寄せられているが、その具体化にあたっては多様なステークホルダーの存在もあり課題が山積しているのが現状である。</p><p>本研究では、福島県奥会津地域に位置する三島町(本町は人口約1,600人の小規模な自治体で、地域資源を活用したエネルギー施策の検討を進めている)が近年進める森林利活用施策に注目し、同町における木質バイオマスに関する取組の現状を把握することを目的として、町役場担当者に対するヒアリング調査を行った。</p><p>三島町では2016年から町内の森林活用の観点から木質バイオマスの検討が開始され、その中で木質バイオマスの事業利用(年間数千m3)と家庭利用(年間数m3)を並行して推進する必要性が確認された。特に後者では薪ボイラーによる冷暖房システムを町内施設に整備し、燃料供給を町主体の木の駅プロジェクトにより収集する方式を採用した。2019年度には上流(山主)、中流(森林事業者)、下流(エネルギー需要家)の各ステークホルダーが一体的に検討する場として協議会の設立が予定されていた。</p>
著者
中村 琢巳
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.18, no.39, pp.765-770, 2012-06-20 (Released:2012-06-20)
参考文献数
13
被引用文献数
2 4

This paper deals with the evaluation of cultural heritage in the historic center of Kyoto. In order to clarify the distribution of cultural heritage, I constructed GIS database on historic buildings by overall fieldwork of Buddhist temples and Shinto shrines. As a result of this investigation, 2170 buildings and 597 sites were listed, which reached 78 percent of all places. By distribution map concerning the construction period, I can point out the historical significant area, where amount of survived buildings from the conflagration in 1788 are existed. By making the density map, the area where historic buildings concentrated is made visible.
著者
中村 航洋 浅野 正彦 渡邊 克巳 尾野 嘉邦
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.23, 2021

<p>政治的意思決定や選挙行動は,政治家の掲げる公約や政策の内容だけでなく,有権者の偏見や政治家の容姿といった,政治とは直接的関連の薄い要因にも左右される。しかしながら,人々がどのような容姿を政治家としてふさわしいと感じ,なぜそれが政治的意思決定に影響を及ぼすのかは明らかにされていない。本研究では,逆相関法を用いた顔画像分類から,日本人が心のなかで想像する政治家の顔ステレオタイプを可視化し,政治家らしいと判断される顔の特性について明らかにすることを目的とした。実験では,2016年の参議院議員選挙候補者の平均顔にランダムノイズを付加した2枚の画像を生成し,実験参加者に「内閣総理大臣」あるいは「防衛大臣」にふさわしい顔つきの写真を繰り返し選択してもらう課題を実施した。参加者の画像分類を逆相関法により解析した結果,各大臣としてふさわしい男性顔および女性顔のステレオタイプを可視化することができた。</p><p></p>
著者
有川 一 田下 智栄子 中村 浩二 高橋 哲平 三川 浩太郎 寺田 知新 渡邉 孝士郎 今井 一 惠良 聖一
出版者
日本教育医学会
雑誌
教育医学 (ISSN:02850990)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.192-201, 2020 (Released:2020-03-01)
参考文献数
11

In our previous study, we found that FetCO2 (PaCO2) increased during kendo with vocalization. Cerebral blood flow may increase during kendo exercises because PaCO2 has cerebral vasodilator effects. In this study, we measured the blood flow of the common carotid artery during intermittent bicycle ergometer exercise with vocalization as a basic study to elucidate the physiological characteristics of kendo. As a result, at the 80% V・O2peak with vocalization (same load as “kakari-keiko”), we observed a significant increase in FetCO2 (P = 0.022) and blood flow in the common carotid artery (P = 0.040). At the 60%V・O2peak with vocalization (same load as “kirikaeshi”), there was no significant increase in FetCO2; however, we observed a significant increase in blood flow in the common carotid artery (P = 0.035). In addition, in an ultrasonic image of the common jugular vein during exercise with vocalization, we observed the over-swelling of an internal jugular vein with partial blood regurgitation. This indicated that blood flow was temporarily stagnant. These results suggest that the increase in common carotid arteryblood flow was induced during exercise with vocalization. The increase in FetCO2 caused by vocalization, however, was not considered to be the main factor. One of the factors causing the increased common carotid artery blood flow was revealed to be related to an increasing-canceling of intrathoracic pressure due to vocalization-no-vocalization.
著者
内田雅代 古谷 佳由理 兼松 百合子 中村 美保
出版者
千葉大学看護学部
雑誌
千葉大学看護学部紀要 (ISSN:03877272)
巻号頁・発行日
no.15, pp.35-43, 1993-03
被引用文献数
1

千葉大学看護学部3・4年次学生に対して,保育園実習前,後,小児病棟実習前,後の計4回,「こどもに対するイメージ」を調査し,小児看護実習を通してのイメージの変化とその要因を分析した。その結果,保育園実習で多項目にわたりイメージの強さが変化し,そのうち「かわいい」「好き」などは病棟実習前に弱い方向に変化し,病棟実習体験により再び強く感じる項目であった。一方イメージの強さが変化しない項目は「わがまま」「自分本位」であった。各時期のイメージの結果を因子分析したところ,こどもとの直接の接触によると思われる変化がみられた。小児病棟実習での各項目のイメージの変化と受持ち児の年齢,疾患,こどもとのかかわり方のよさは,関係がなかった。実習指導において,学生が実習で体験し感じたことを明確にすることが大切であると考えられた。
著者
横田 哲士 中村 浩 多田 弘幸 菖蒲 敬久 片山 聖二 川人 洋介 近藤 勝義 吉田 悟 今井 久志 川上 博士 富沢 雅美 中島 裕也
出版者
一般社団法人 溶接学会
雑誌
溶接学会全国大会講演概要
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.158-159, 2015

溶接における重大欠陥のひとつである割れの発生機構の解明は重要な課題である.大型放射光施設Spring8を用いてX線位相差法による透過観察およびレーザ溶接時における割れの発生過程の撮影を行い,割れの発生速度や割れ発生時に周辺で起こる溶融池の変化について報告する.
著者
中村 潤平 本村 浩之
出版者
一般社団法人 日本魚類学会
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
pp.21-001, (Released:2021-04-30)
参考文献数
25

The threadfin bream genus Nemipterus Swainson, 1839 (Perciformes: Nemipteridae) currently includes 29 valid Indo-West Pacific species, eight of which have been recorded from Japanese waters. During an ichthyofaunal survey of Tanega-shima Island, Osumi Islands (Kagoshima Prefecture), Japan, a single specimen (246.9 mm standard length) of the Japanese Threadfin Bream Nemipterus japonicus (Bloch, 1791) was collected at a depth of 10 m on 13 January 2020. The specimen was characterized by seven anal-fin soft rays, 47 lateral-line scales, 6 + 10 = 16 gill rakers, a moderately deep body (depth 33.9% of standard length), long pectoral fin (posterior tip vertically level with anal-fin origin), posterior tip of depressed pelvic fin reaching between anus and anal-fin origin, upper lobe of caudal fin filamentous, and body pinkish dorsally and silver ventrally, with 1 longitudinal yellow stripes on the lateral surface, and a reddish blotch on the lateral line above the pectoral fin. Although the species is widely distributed in tropical and subtropical Indo-West Pacific waters from the Red Sea and the east coast of Africa to Taiwan and the Malay Archipelago, and bears the specific and Japanese names japonicus and Nihon-itoyori, respectively, it has at no time been recorded from Japanese waters. Therefore, the present specimen of N. japonicus, described here in detail, represents the first reliable record from Japan and northernmost record of the species in the western Pacific Ocean. The specimen collected from Tanega-shima Island was most likely to have been transported from Taiwan or the Philippines by the Kuroshio Current, the species being unlikely to reproduce in Japanese waters.
著者
中村 真理 長崎 絵美 米山 奏 坂口 俊二
出版者
社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.252-259, 2013 (Released:2014-04-23)
参考文献数
14

【目的】月経随伴症状 (以下月経症状) は月経開始直前や月経中などに発生する不快な症状の総称である。 今回、 診療録を3年間後ろ向きに調査し、 月経症状に対する鍼灸治療効果の実態を検討した。 【方法】対象は 2009 年1月から 2012 年3月に本鍼灸院に来院した月経症状を有する初診患者 203 名とした。 鍼灸治療は本治法として中医弁証論治と、 月経症状に対する標治法 (共通穴) として次リョウ (BL 32)、 会陽 (BL 35)、 腰兪 (GV2)、 関元 (CV4)、 三陰交 (SP 6) を用いた。 40 ミリ・16 号、 ステンレス鍼を次リョウに 20㎜、 三陰交に 10㎜刺入して 10 分間置鍼した。 その他には9分灸で熱感を感じてから3壮行った。 効果判定には月経随伴症状日本語版 (Menstrual Distress Questionnaire:MDQ) を用いた。 解析は対象者を婦人科疾患有りと診断されている 46 名 (以下、 あり群) と診断されていない 157 名 (以下、 なし群) に分け、 治療前と治療開始後一月経周期 (以下治療後) における月経前・中の MDQ の8尺度得点で比較した。 さらに、 あり群では三月経周期まで追跡した。 【結果】一月経周期での治療回数は平均 2.2 回であった。 月経前は両群とも6尺度で、 月経中ではあり群で3尺度、 なし群で5尺度の得点が有意に減少した。 あり群の三月経周期にわたる継続治療による効果については、 月経前では、 「痛み」、 「水分貯留」、 「集中力」 で、 月経中では、 「痛み」、 「水分貯留」、 「行動の変化」 で有意に得点が減少した。 【結論】月経症状に対する鍼灸治療は、 短期的にはなし群で効果的であるが、 あり群でも継続治療により効果のあることが示唆された。
著者
北川 守 朝長 圀夫 江川 正 中村 泰 後藤 正治 三原 茂
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.652-656, 1989-10-25 (Released:2010-02-25)
参考文献数
5

A comparative study was conducted on the 20 knees of 10 females with normal knee joints (age, 22-35 years) and on 7 knees of 7 patients with subluxation syndrome (age, 15-24 years), using axial radiography and CT. In axial radiography where the angle of knee flexion was 30° or 60°, no significant difference was recognized between the two groups with respect to tilting angle, patellofemoral angle, congruence angle and lateral shift. However, a significant difference was found using CT. Thus, CT was considered useful for diagnosis. Because of these results, all 7 cases underwent surgery for detachment of the lateral side and tightening of the medial side. Three cases underwent shifting of the tibial tuberosity to the anteromedial side, resulting in a favourable outcome. Here, we report the study.

1 0 0 0 OA 絵本太平記

著者
中村頼治 増補
出版者
東京同益出版社
巻号頁・発行日
vol.27,28, 1884
著者
吉野 槇一 中村 洋 判治 直人 黄田 道信
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.36, no.7, pp.559-564, 1996
参考文献数
19
被引用文献数
6

RA患者と健常者の笑いによる神経内分泌-免疫系の変化を, 落語観賞前後で調査した。その結果, RA患者の血漿中メチオニン-エンケファリン, ACTH, IL-6,IFN-γが, また健常者の血漿中メチオニン-エンケファリン, サブスタンスP, ノルエピネフリン, ACTH, CD4/CD8,%CD57,IFN-γが落語後に変化した。特に, RA患者で疾患の活動性に相関するIL-6値が, 落語後には落語前の1/3に低下し, 健常者の値に近づいた。これらより, 楽しい笑いは神経内分泌-免疫系に作用し, RAの活動性を改善させうることが示唆された。
著者
美濃 英雄 丸谷 一耕 中村 修
出版者
長崎大学 環境科学部
雑誌
長崎大学総合環境研究 = Journal of Environmental Studies (ISSN:13446258)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.15-20, 2010-10

The Certification Board is functioning for diffusion of ISO14001 that is a part of the environmental management system. Recently, the Certification Board is shifting from the conventional conformity audit to the effectiveness audit. Therefore, the definition of the effectiveness audit and the reality were investigated.
著者
福田 豊 畑瀬 卓司 佐藤 彰洋 中村 豊 和田 数字郎
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2021-IOT-53, no.19, pp.1-7, 2021-05-06

IEEE 802.11ax は稠密環境での実効スループット特性の向上が図られており,講義棟など AP (Access Point) 密度が高い環境を含むキャンパス無線 LAN で通信特性の向上が期待できる.一方で安定した運用のためには,総スループット特性を考慮したチャネルボンディングの活用範囲や,後方互換性による旧規格との混在時の通信特性を明らかにする必要がある.そこで本研究では複数台の端末を準備し,異なるチャネル幅や旧規格との混在時におけるスループット特性を iperf3 を用いて計測し,キャンパス無線 LAN で IEEE 802.11ax を効果的に運用していくための知見を明らかにする.実験の結果,チャネルボンディングは同時接続端末数が 2,3 台程度と少なく,電波干渉の影響も低い場合に有効であること,また,IEEE 802.11n 端末が 1 台混在すると総スループット特性は 100 Mb/s 以上低下するため,対策が必要であることがわかった.
著者
中村 宣一朗
出版者
甲南大学経営学会
雑誌
甲南経営研究 (ISSN:04524152)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.97-125, 1974-03