著者
中島 そのみ 仙石 泰仁 中村 裕二 加藤 静恵 岸 玲子
出版者
日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.309-316, 2010-06-15

要旨:ベイリー乳幼児発達検査一第2版(以下,BSID-Ⅱ)は乳幼児期の発達状況を評価できる,国際的にも用いられることの多い検査の一つである.しかし,日本では標準化されておらず使用報告が少ない現状にある.本研究では,生後6ヵ月児192名にBSID-Ⅱを実施し,日本版デンバー式発達スクリーニング検査(以下,JDDST)から見たBSID-Ⅱの有用性を検討した.BSID-ⅡのMentalとMotorの平均得点は米国の標準値よりも約10低い値であった.また,BSID-ⅡのMental,MotorはともにJDDSTの関連領域との間で感度・特異度が高く有用性が認められた.しかし,本邦においてはBSID-ⅡのMotorは過剰に遅れと判定する可能性があった.
著者
鵜島 三壽 中村 真 Mitsuhisa Ushima Makoto Nakamura
出版者
関西外国語大学・関西外国語大学短期大学部
雑誌
研究論集 = Journal of Inquiry and Research (ISSN:03881067)
巻号頁・発行日
vol.102, pp.131-151, 2015-09

シルクロードに関する無形文化遺産として、中央アジアから西アジアにかけての分布するムカーム(マカーム)をあげることができる。これは、多様な旋法による旋法音楽で、長大な組曲形式をとることが特徴である。ムカームに用いられる楽器は多種多様で、形態はもちろんのこと、多くの点で共通点がある。ムカームが広範囲に分布するだけに楽器にも共通点があるのだが、これまで詳しい楽器製作工程は報告されていない。 今後研究の深化をはかるには、技術的な視点を持ち、製作過程を通した楽器それ自体の検討が必要である。本稿では弦楽器の習得のみならず、弦楽器製作でも基本となるドゥタールを取り上げ、ウズベキスタン国立音楽院伝統楽器製作修復工房でのドゥタール製作を紹介する。ここで製作される楽器は、学生からプロの演奏家までが使用しているため、ウズベキスタンにおける楽器製作の全体像をつかむ上でも定点とすべき位置にある。
著者
中村 康香 跡上 富美 竹内 真帆 吉沢 豊予子
出版者
日本母性衛生学会
雑誌
母性衛生 = Maternal health (ISSN:03881512)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.313-321, 2012-07-01
参考文献数
19

入院中の切迫早産妊婦がどのように妊娠を受けとめているのか明らかにするため,産科を取り扱う7医療施設において,切迫早産の診断がつき, 1週間以上持続点滴を伴う治療にて入院している妊婦189名に対して,妊娠についてどのように思っているかについて自由記述の回答を依頼した。分析は,自由記述の内容を,質的帰納的に分析した。その結果,肯定的受けとめとして,【うれしさと感動】【母親とわが子の実感】【付き合っていけそうな妊娠】【妊娠によるメリットを実感】【人生の糧となる体験】【家族とのつながりを実感】【出産を意識】【感謝の気持ちを実感】の8つのカテゴリ,両価的受けとめとして,【妊娠の喜びと不安】【妊娠の現実感と非現実感】【妊娠の喜びとつらさ】【妊娠継続と早期終了】の4つのカテゴリ,否定的受けとめとして,【拒否したい妊娠】【予想と異なる妊娠】【他人事の妊娠】【不安だらけの妊娠】【自分への負担がある妊娠】の5つのカテゴリが認められた。入院している切迫早産妊婦に対して,胎児の安全性が確保されるような支援を行い,妊娠に対する受けとめが少しでも肯定的になるように援助していくことが大切である。
著者
松井 洋 中村 真 堀内 勝夫 石井 隆之
出版者
川村学園女子大学
雑誌
川村学園女子大学研究紀要 (ISSN:09186050)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.109-122, 2007-03-15

日本とトルコの中学生,高校生,大学生,親,3820人を対象に,恥意識について調査を行い,日本とトルコの文化比較と世代間比較を行った。親に対する質問項目の因子分析の結果,「他律的恥意識」,「他者同調的恥意識」,「自律的恥意識」の3因子を抽出した。この3因子構造は,生徒とほぼ同一であった。この3因子を基に層別の分散分析の結果,3つの恥意識について,グループ間に有意な違いがあった。自律的恥意識は,トルコの父母とトルコの中学生女子,それに日本の母が高く,日本の若年層で低い。他律的恥意識は,おおむね,大人,女子,男子という順になった。他者同調的恥意識は,日本の女子とトルコの中学生が高く,日本の父親が最も低かった。以上のことから,恥意識の強さは文化と世代によって質的に異なると言える。つまり,世代や文化によって,恥を感じる場面が異なる。日本の親は,自律的恥意識と他律的恥意識が強く,子どもは他者同調的恥意識が強い。また,女子は他律的恥意識と他者同調的恥意識が男子より強い。このようなことは,日本の若年層で問題行動を抑止する恥意識が弱いことを示している。このことは,わが国における恥意識の質が変容した可能性を示していると考えられる。
著者
小林 みどり 武藤 伸明 喜安 善市 中村 義作
出版者
静岡県立大学
雑誌
経営と情報 : 静岡県立大学・経営情報学部/学報 (ISSN:09188215)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.1-6, 2000-12-15

Dudeney's round table problem was proposed about one hundred years ago. It is already solved when the number of people is even, but it is still unsettled except only few cases when the number of people is odd. In this paper, another solution of Dudeney's round table problem is given when n=p+2, where p is an odd prime number such that 2 or -2 is a primitive root of GF(p). The method of constructing the solution is new.
著者
力石 照山 小林 みどり 武藤 伸明 中村 義作
出版者
静岡県立大学
雑誌
経営と情報 : 静岡県立大学・経営情報学部/学報 (ISSN:09188215)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.15-20, 2011-11

In this paper, we show that there is a normal magic square with k-powered sum for every integer k^2. The order of our example is 2^{⌈k=2⌉+1}.
著者
小林 みどり 武藤 伸明 喜安 善市 中村 義作
出版者
静岡県立大学
雑誌
経営と情報 : 静岡県立大学・経営情報学部/学報 (ISSN:09188215)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.69-76, 1998-11-30

A set of Hamilton cycles in the complete graph K_n is called a [double] Dudeney set, if every path of length two lies on exactly one [two] of the cycles. It has been conjectured that there is a Dudeney set for every complete graph. It is known that there exists a Dudeney set of K_n when n is even, but it is still unsettled when n is odd. In this paper, we define a black 1-factor and we show that if there exists a black 1-factor of K_n, we can construct a Dudeney set of K_<n+1>. Furthermore, we extend it to a double Dudeney set.
著者
小林 みどり 宮内 美樹 武藤 伸明 中村 義作
出版者
静岡県立大学
雑誌
経営と情報 : 静岡県立大学・経営情報学部/学報 (ISSN:09188215)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.15-27, 2009-03

本論文では「一般化アダマール行列」を新しく定義し,いくつかの次数についてそれらを構成する.一般化アダマール行列を重回帰分析の計画行列へ適用すると,効率的な解析ができることを示す,さらに,実験計画法の構造式を一般化し,一般化アダマール行列を適用することで,線形関係を持つ因子も解析が可能になることを示す.
著者
小林 みどり 中村 義作
出版者
静岡県立大学
雑誌
経営と情報 : 静岡県立大学・経営情報学部/学報 (ISSN:09188215)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.1-3, 1995-12-20

A set of Hamilton cycles in a graph G is called a Dudeney set when every 2-path (path of length two) lies on exactly one of the cycles. In this paper, we construct a Dudeney set for some graphs.
著者
小林 みどり 中村 義作
出版者
静岡県立大学
雑誌
経営と情報 : 静岡県立大学・経営情報学部/学報 (ISSN:09188215)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.21-24, 2003-03-25

In this paper, we prove that there exists a perfect 1-factorization of the complete bipartite graph K_<n,n> if there exists a perfect 1-factorization of the complete graph K_<n+1>, and when n > 2 is even, there does not exist perfect 1-factorizations of K_<n,n>.
著者
中村 義作 小林 みどり
出版者
静岡県立大学
雑誌
経営と情報 : 静岡県立大学・経営情報学部/学報 (ISSN:09188215)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.85-96, 1995-12-20

We will show that logistic curves explain many trends of growth, such as economic growth and increase in population, taking the case of the telephone penetration rate. We will extend logistic curves to the general sigmoid curves and give some examples using probability density functions.
著者
小林 みどり 喜安 善市 中村 義作
出版者
静岡県立大学
雑誌
経営と情報 : 静岡県立大学・経営情報学部/学報 (ISSN:09188215)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.31-36, 2002-03-25

A double Dudeney set in Kn is a multiset of Hamilton cycles in K_n having the property that each 2-path in K_n lies on exactly two of the cycles. In this paper, we construct a double Dudeney set in K_n when n=p^2+2, where p is an odd prime number.
著者
小林 みどり 喜安 善市 中村 義作
出版者
静岡県立大学
雑誌
経営と情報 : 静岡県立大学・経営情報学部/学報 (ISSN:09188215)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.33-38, 1991-03

We construct new perfect one-factorizations of the complete graphs K_<12168> and K_<29792>.
著者
小林 みどり 武藤 伸明 中村 義作
出版者
静岡県立大学
雑誌
経営と情報 : 静岡県立大学・経営情報学部/学報 (ISSN:09188215)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.37-40, 2002-03-25

A set of Hamilton cycles in the complete graph K_n is called a λ-ply Dudeney set if every path of length two lies on exactly λ of the cycles. The problem of constructing a λ-ply Dudeney set in Kn has been solved when n is even, but it is still open when n is odd. In this paper, we construct a λ-ply Dudeney set in Kn, where λ=n-3 when n=4k + 3 (k ≥ 1), and II^<e-1>_<i=0>(2^<e-i>k_1-2) when n=2^ek_1+1 ≥ 5 (e ≥ 1, k_1 is odd).
著者
中村 真 松田 英子
雑誌
江戸川大学紀要 = Bulletin of Edogawa University
巻号頁・発行日
vol.25, 2015-03-15

中村・松田(2013,2014)は,大学生の中途退学率が増加する背景に心理的要因としての大学生の適応力の低下があると考え,首都圏の4 年制大学の学生を対象に質問紙調査を実施した。その結果,大学不適応に直接影響する要因は「授業理解の困難さ」「大学への帰属意識(大学への愛着)」であったが,「友人関係」は「大学への帰属意識(大学への愛着)」を媒介して大学不適応に影響しており,間接的な影響をもつことが示唆された。ここで言う不適応とは,「大学生活が辛いと感じる」といった,いわゆる主観的な不適応感を指しており,成績不振や怠学を示唆するものではあるが,それらを直接反映するものではなかった。そこで,本研究では,一連の研究で用いた諸変数に大学不適応を客観的に示す指標であると思われる授業の出席率とGPA を加えたうえで,これらの各変数が大学不適応にどのように影響するのかを検討した。その結果,先行研究と同様に,授業理解が困難であるほど,大学への愛着が低いほど大学不適応感が大きくなること,また,友人関係の良好さは大学への愛着を介して間接的に大学不適応感の低さに影響することが示された。一方,大学不適応感は,出席率およびGPA に負の影響を与えていることが示され,怠学や成績不振,牽いては,留年や退学を予測する有効な指標である可能性が示唆された。
著者
中村 太一 斎藤 聡 池田 健次 小林 正宏 鈴木 義之 坪田 昭人 鯉田 勲 荒瀬 康司 茶山 一彰 村島 直哉 熊田 博光
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.94, no.3, pp.157-162, 1997-03-05 (Released:2011-06-17)
参考文献数
12

従来より肝性脳症合併肝硬変症例では頭部MRIT1強調画像にて淡蒼球に高信号域を認めるとされる. 今回各種慢性肝疾患で頭部MRIを施行し若干の知見を得た. T1強調画像の淡蒼球の高信号は慢性肝炎では21例中1例 (4.8%), 肝硬変では41例中32例 (78%) に出現し, Child分類別ではA59%, B78%, C100%であり, 出現率は肝機能と相関がみられた.この所見は経過観察により不可逆性であった.さらに脂肪抑制画像では高信号域はより明瞭となり, その原因が脂肪沈着でないことが示唆された. MRIの所見は慢性肝炎ではほとんどみられず, 肝硬変では脳症を発症する以前より病変を認め, 慢性肝疾患の重症度の予測に役立つと考えられた.
著者
中村 有光
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.33, no.11, pp.901-904, 1979

中国の放送事情については, あまり知られていなかったが, 今年2月, NHKの技術関係代表団が中央広播事業局の招待を受けて訪中し, 中央テレビ局をはじめ各地の放送局や放送関係工場を視察して, 現状を把握し, 交流を深めることができた.今後の日中交流の促進のため, その一端を紹介するものである.