著者
髙濱 聡 溜渕 功史 森脇 健 秋山 加奈 廣田 伸之 山田 尚幸 中村 雅基 橋本 徹夫
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2016年大会
巻号頁・発行日
2016-03-10

気象庁では,地震調査研究推進本部の施策に基づき,全国の高感度地震計のデータを収集し震源決定等の処理を一元的に行い,その結果を地震カタログとして公表している。 現在の地震カタログは,精査により一定の基準を満たしたものを掲載することとしている。しかし,東北地方太平洋沖地震後の余震域では余震活動は低下してきているものの以前と比べれば活発な状況にあり,処理対象地震の規模の下限を上げた処理を行っていることから,検知されても処理基準未満であるため地震カタログに掲載されない地震がある。 これに対処するため,平成25年度に同本部地震調査委員会の下で検討が行われ,1)これまでの検知能力は維持し,2)検知された地震のすべてを地震カタログへ掲載する,3)精度に段階をつけた品質管理を行う,の3つの方向性を示した報告がまとめられた。 気象庁ではこの報告を踏まえ,自動震源を活用するなど,震源決定処理手順を変更し改善する。具体的には,領域と深さごとに精査を行う地震のMの閾値(以下,Mthと記す)を設定し, Mth以上の地震については,現行通りに精査した震源決定を行い,Mth未満の地震については自動震源を基本とし,検知されても自動震源が求まらない地震については,最大10点程度の観測点を検測する簡易な手順により震源決定を行うことで、処理の効率を高める。精査される震源の目安は、内陸の浅い地震はM2以上とし,海域については陸域(観測網)からの距離に応じてMを上げて最大でM4以上とする。また,処理方法と精度の違いがわかるような登録フラグを新たに設ける。 ここでは、新たな地震カタログを用いて気象庁が作成する震央分布図等の資料について、具体例を紹介する。
著者
永井 秀利 金井田 早紀 宮武 一志 中村 貞吾
出版者
電気・情報関係学会九州支部連合大会委員会
雑誌
電気関係学会九州支部連合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.84, 2012

我々は,声を出さずに話した内容(いわゆる口パク)を表面筋電信号に基づいて認識する研究(黙声認識)を行っている.自然な連続黙声は口唇形状を絶えず変化させつつ行われるため,信号強度のような単純な特徴で変化を追うのは困難である.そこで我々は,発声変化を追うための道具として,表面筋電信号のウェーブレット係数の重心推移法を提案し,重心推移の特徴を活用して変化位置の検出を試みた.しかし従来手法は,活動中に口唇形状維持のために生じる揺らぎやゆっくりとした変化に対して弱いという傾向があった.そこで本稿では,そうした変化による悪影響を抑制しつつ,黙声発声の推移を捉えるための新たな手法を提案する.
著者
永井 秀利 橋口 聖史 中村 貞吾
出版者
電気・情報関係学会九州支部連合大会委員会
雑誌
電気関係学会九州支部連合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.25-25, 2008

我々は声を出さずに発声した内容(いわゆる口パク)を口裂周辺の表面筋電信号に基づいて認識する研究を行っている.我々の従来の研究では,上唇から下唇までに配置した電極から得られる表面筋電信号を使用し,自然な口の動きでの黙声単母音の認識において87%程度の精度を得ている.利用者の利便性等を鑑みた場合,計測はできるだけ小さな領域でかつ少ない電極数で行えることが望ましいが,それは同時に計測できる信号の種類の減少や品質の低下をもたらす.そこで本稿では,認識精度の低下をできるだけ抑えつつ表面筋電位の計測を行う領域の縮小と装着する電極数の削減とを実現すべく試みた結果について報告する.
著者
渡邉 裕 中村 貞吾
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2011論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.6, pp.62-67, 2011-10-28

人間がゲームをプレイする際には癖などの個人の特徴がプレイスタイルとして現れる.囲碁においてプレイスタイルは棋風と呼ばれており,本研究はプロ棋士の棋風を囲碁AIに模倣させることを最終目的としている.しかし,棋風を形成する要素は今のところ不明なので,それらを統計的分析によって明らかにすることを試みた.「盤上における着手の絶対位置」「獲得しようと狙う領域の相対的な位置関係」「攻撃/防御に対する積極性」の3つの要素を定式化し,特定の棋風を持つ棋士と棋士全体とで特徴要素の比較を行ったところ,いくつかの要素で有意差が見られた.
著者
中村 芳久
出版者
金沢大学
雑誌
金沢大学文学部論集. 言語・文学篇 (ISSN:13424289)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.1-23, 2001-03-18

金沢大学文学部The Faculty of Letters, Kanazawa University
著者
中村 敦志
出版者
札幌学院大学
雑誌
札幌学院大学人文学会紀要 (ISSN:09163166)
巻号頁・発行日
vol.69, pp.1-12, 2001-03-21

マーク・ストランドの新詩集, Blizzard of One (1998)は, どのような特徴があるのか。そのタイトルは何を表すのか。果たしてブリザード(猛吹雪)は起きるのだろうか。これらの点を念頭に置きながら, 4つの視点から考察する。まずは, 消滅を扱った2篇, "A Piece of the Storm"と"The Night The Porch"を考察する。2番目に, "Precious Little"を例に, 詩集に頻出する風について考える。3番目には, 詩人の問題を扱った3篇, "The Disquieting Muses", "The Great Poet Returns", "Five Dogs"を取り上げる。そして最後に, 日没を描いた2篇"The Next Time"第III部と"The View"について考えてみる。その結果, 以下のように結論付ける。この詩集の世界で, 嵐や吹雪が実際に起きることはない。だが, 起きるかもしれないという不安が, 絶えず付きまとう。例えば, 強風にもなり得る風が, 詩の中で頻繁に吹いている。それは今すぐ起こる猛吹雪ではないにしろ, 近い将来に起こり得る, とストランドは言っているようだ。つまり, Blizzard of Oneの世界そのものが, そんなブリザードの前兆となっているのである。
著者
田村 博康 平田 大 栗林 喬 久米 一規 五島 徹也 中村 諒 渡邊 健一 赤尾 健 下飯 仁 水沼 正樹
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.110, no.12, pp.820-826, 2015
被引用文献数
2

今現在,大吟醸酒に代表される高級清酒の醸造には,広くカプロン酸エチルを高生産する酵母が使用されているが,様々な変異処理をほどこしているために,発酵が緩慢となり,さらには目的以外の変異がはいるというリスクもあった。筆者はそのリスクを取り除くための自然発生的な方法で目的株を分離することに成功し,遊離脂肪酸を測定することで迅速に識別する方法まで示した大変興味深い解説文である。ぜひご一読願いたい。
著者
藤村 彰夫 安部 正真 中村 智樹 野口 高明 岡崎 隆司 矢田 達 石橋 之宏 白井 慶
出版者
一般社団法人日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.63, 2010

小惑星イトカワを探査した「はやぶさ」の回収カプセルが無事相模原のキュレーション設備のクリールームに搬入された。回収カプセルは、開梱、外観チェック、内部のCT撮像、アブレータ取外し、サンプラコンテナ清掃、チャンバー搬入準備が行われ、クリーンチャンバーに搬入された。サンプラコンテナの開封、コンテナ内部の光学観察の後に、サンプルの取出し、分配、保管作業を順次実施する。これらのキュレーション作業は、サンプル1次分析チームから選抜された研究者とともに数か月程度実施され、その後、米豪の研究者も迎え、日本国内で1次分析が行われる予定である。本講演では、カプセル回収から、キュレーション設備搬入後のキュレーション作業についての現状を報告する。
著者
板垣 康治 中村 丁次 土橋 朗 鈴木 志保子 杉山 久仁子
出版者
(財)神奈川科学技術アカデミー
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

魚類の主要なアレルゲンであるパルブアルブミン(PA)に着目して、約130魚種のPA 含有量を調べたところ、魚種によって含有量が大きく異なり、検出限界以下の魚種もあった。また調理・加工によってもアレルゲン性が低減されることが明らかとなった。得られた情報を属性に基づいて整理し、データベース化を行った。また、構築したデータベースを活用するのに先立ち、教育、行政、医療現場等における食物アレルギーの対応状況について現状把握を行った。今後、食物アレルギーの治療に活用するとともに、保健、栄養指導などにおいて、予防にも役立てたい。
著者
中村 達也 加藤 真希 雨宮 馨 鮎澤 浩一 小沢 浩
出版者
日本言語聴覚士協会
雑誌
言語聴覚研究 (ISSN:13495828)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.332-341, 2018-12-15

Angelman症候群(以下,AS)の児は,乳幼児期には哺乳障害や摂食嚥下障害を示し,学童期には未熟な咀嚼機能にとどまる場合が多い.しかし,離乳期AS児の摂食嚥下機能の獲得に関する報告は少なく,経過には不明な点が多い.今回,1歳から就学までの間,摂食指導を継続したAS児を経験した.症例の摂食嚥下機能の獲得時期を,粗大運動および認知・言語機能の発達の観点から診療録を後方視的に検討したところ,運動発達において四つ這い獲得後に舌挺出のない嚥下と捕食,伝い歩き獲得後に押しつぶし,独歩獲得後に咀嚼を獲得したが,口唇閉鎖が伴わず食塊形成は不十分であった.本児は定型発達とは異なり,運動発達が進んでから摂食嚥下機能を獲得したが,獲得された粗大運動は,両膝伸展位の座位や,手指屈曲位で手掌が接地しない四つ這いなど,定型発達とは質的な差があった.また,乳幼児期から口腔領域の感覚過敏が強く,就学前も感覚過敏は軽減したものの残存していた.
著者
浦松 雅史 斉田 芳久 長尾 二郎 渡邉 学 岡本 康 中村 陽一 榎本 俊行 浅井 浩司 桐林 孝治 草地 信也
出版者
日本外科系連合学会
雑誌
日本外科系連合学会誌 (ISSN:03857883)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.29-33, 2012 (Released:2013-02-25)
参考文献数
2

【緒言】同意書は私文書であるので,署名があれば押印がなくても文書の真正を推認する点で差はない.押印欄廃止に向けて,押印の必要性についての意識を調査した.【方法】医師,看護師,患者に,同意書に関する意識等を尋ね,押印の法的意義を説明した後,意識の変化を調査した.【結果】外科医24名,看護師35名,患者20名から回答を得た.同意書押印欄の不備を経験した外科医は8名33%,看護師は18名51%であった.対処方法は,両群とも患者拇印が最多で,患者押印,家族押印が続いた.法的説明後は,同意書には署名のみ必要と考える者が増加した.医療従事者では,押印を廃止すべきとの意見が増加したが,患者では病院次第であるとの考えが多かった.【結語】同意書での押印要求は,法的に不要なだけでなく,拇印の半強制などの不適切な事項の原因になる.廃止について患者の不安の増強もなく,同意書の押印欄廃止を早急に図るべきである.
著者
中村 俊定 雲英 末雄
出版者
早稲田大学国文学会
雑誌
国文学研究 (ISSN:03898636)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.105-131, 1967-03-01