著者
水越 美奈 北口 めぐみ 関口 歩 中村 透
出版者
日本身体障害者補助犬学会
雑誌
日本補助犬科学研究 (ISSN:18818978)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.44-47, 2010 (Released:2011-03-01)
参考文献数
10

過去のいくつかの報告では、犬種だけでなく雌雄間においても行動特性の違いが見られると報告されている。このような行動特性の違いは飼育上で発現する問題行動にも差がもたらされるのではないかと考え、比較的飼育方法が平均化している盲導犬候補の子犬に対して、さらに犬種を1つに固定することにより犬種差による行動の違いを排除したうえで生後1 歳齢までの問題行動を調査したところ、ほとんどの特性に雌雄による違いは見られなかった。今までの調査では対象となる個体の不妊手術の有無は考慮されていなかったが、今回調査したオスでは全てが性成熟前に不妊手術が行われていた。つまり性成熟前の不妊去勢は性的な機能をなくすだけでなく、行動特性の性差を縮めることで、望ましい特性を強調することができることが示唆された。
著者
劔 義隆 中村 恒
出版者
日本リアルオプション学会
雑誌
リアルオプションと戦略
巻号頁・発行日
vol.9, no.3, pp.23-31, 2017

スチュワードシップコードやコーポレートガバナンスコードが日本において制定され、機関投資家は株主としての経営監視責任の強化・企業との対話促進をより一層求められ、企業側は株主などのステークホルダーに対するアカウンタビリティをより強化させていく必要に迫られている。余剰現金の保有に対する株主からの配当増額要請や自社株消却要請、M&A・設備投資などの戦略・ファイナンス方法・リスクマネジメントなどを、株主・債権者などのステークホルダーに理論立てて説明しなければならない機会はますます増大していくことが想定され、これまで日本の実務界では欧州との相対比較であまり重要視されてこなかったコーポレートファイナンス・統合リスクマネジメントの領域の知識武装がますます求められてきている。なぜ、企業はリスクマネジメントを行わなければならないのかについては、海外では早くから学術的に理論分析や実証分析が行われてきた。また、教育の場でも欧米のMBAにおいてファイナンス理論の世界から統合リスクマネジメントを 学ぶ授業が展開され、本論文で紹介するケーススタディが掲載されたテキスト、ニール・ドハティの『Integrated Risk Management』(邦訳『統合リスクマネジメント』(米山高生、森平爽一郎監訳)は、まさにそのMBAに使われる標準的テキストとして名声を得ている。本テキストでは、難解な数式を用いることなく簡単な四則演算で計算できるケーススタディを多数用意し、これらのケーススタディを丹念に読み解いていくことで、企業がなぜリスクマネジメントを行わなければならないのかについて、その理論を体系的に習得することが可能となっている。原書はやや古いものではあるが、内容は現在でも全く色あせておらず、多くの実務家の方々に対して有益な実務的指針を提供してくれるものである。筆者らは、一橋大学MBA(大学院商学研究科経営学修士コース)においてこのテキストを用いた授業「統合リスクマネジメント」を開設し、本テキストをよりわかりやすく理解できるようにするため、特に重要と思われるケーススタディをピックアップし、各ケーススタディの意味付け、バランスシートによる解説、考察および事後課題を付したスタディ・マニュアルを新たに作成し、授業では実際にこの副教材が大いに学生の理解の手助けとなった。本稿では、このテキストに掲載されたケーススタディの中からオプションに関連するケーススタディを取り上げ、スタディ・マニュアルの内容を盛り込みつつ内容の紹介を行う。紙面の関係で、ここに取り上げるケーススタディはごくごく一部でしかなく、興味を持たれた方はぜひテキストに加えて、ウェブサイト にて公開しているスタディ・マニュアルを併用し、他のケーススタディにも触れていただければ幸いである。
著者
中村 雅哉
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1058, pp.160-163, 2000-09-18

ゲーム大手のナムコ会長兼社長にして、再建途上の映画大手・日活(東京・文京区)の社長も務める男——それが、今年12月で75歳になる中村雅哉だ。怒ったときこそ迫力を増すが普段は好々爺然とした風貌と、柔らかく律義そうな物腰で、日々、社内外を歩き回る中村は、普通の人に比べて少々変わった生活リズムを持っている。1日に3回、起床・就寝を繰り返すのだ。
著者
向野 晃弘 樋口 理 中根 俊成 寶來 吉朗 中村 英樹 松尾 秀徳 川上 純
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.36, no.5, pp.379a, 2013

【目的】シェーグレン症候群(SS)ではヒトムスカリン性アセチルコリン受容体M3(AChRM3)に対する自己抗体の関与が指摘されている.抗AChRM3抗体の検出は,細胞外領域に相当する合成ペプチドを用いたELISA法等が既に報告されている.今回,我々は複数貫通膜分子に対する抗体の検出に効果的であるカイアシルシフェラーゼ免疫沈降法(GLIP法)による抗AChRM3抗体測定系を評価した.【対象・方法】SS 37例,健常者39例を対象とし,GLIP法による測定を行った.全長ヒトAChRM3とカイアシルシフェラーゼ(GL)の融合組換えタンパク質をリポーターとしヒト血清(あるいは既製抗体)を反応させた後,プロテインGセファロースを用いて反応溶液中のIgGを回収した.免疫沈降物中のルシフェラーゼ活性の測定で,抗AChRM3抗体の有無を評価した.【結果】1.アミノ末端およびカルボキシル末端領域を標的とする2種類の既製抗AChRM3抗体でGLIP法を実施した結果,本法の抗AChRM3抗体検出における有効性を確認した.2.健常群血清を対象にGLIP法を実施し,カットオフをmean+3SDに設定した.3.SS 3例を抗体陽性と判定した.【結論】全長のヒトAChRM3を抗原に用いた新たな抗AChRM3抗体検出系を確立した.今後は各測定法によるvalidationを行うことを計画している.<br>
著者
笹谷 勇太 中村 拓人 塚本 彰 糸川 秀人 丸箸 兆延
出版者
東海北陸理学療法学術大会
雑誌
東海北陸理学療法学術大会誌 第26回東海北陸理学療法学術大会
巻号頁・発行日
pp.70, 2010 (Released:2010-11-02)

【はじめに】腓骨筋腱脱臼は、足関節背屈および外反が強制された場合に受傷するとされる。今回、足関節外反となるダイナミックアライメント(以下、DA)の改善を図るとともに、足関節外反となる要因にも着目して理学療法(以下、PT)を実施したため、考察を加えて報告する。【症例紹介】16歳女性。バレーボール歴7年。ポジションはセッター。2009年12月初旬、トスをあげようとしゃがみ込み、右足関節外反位にて伸びあがろうと底屈した際に腓骨筋腱脱臼を受傷。2010年2月9日にDas de法を施行。術後3週でギプスカットし、エバーステップ装着にて全荷重を開始。その後、競技復帰を目的に週1回の外来PTを開始。既往歴として、両足関節内反捻挫の反復がある。【PT初期評価】立位時、両側ともに踵骨回内位。スクワッティングテストでは、両脚ともに踵骨回内が起こり、Knee inが出現。振り向きテストでは、踵骨保持が困難であり、外側荷重に不安感を訴えた。【PT経過】術後5週からclosed kinetic chainでの運動を開始し、足関節だけでなく複合関節の連動による足関節内外反の制御を目指した。まず意識下において足関節内外反を制御したDAでのステップ動作などから開始し、動作の習得とともに、ジャンプやボールを用いての実際の競技動作に近い練習へと進めた。また、足関節内外反を制御するためのテーピング指導も行い、術後20週で競技に復帰した。【考察】本症例が受傷に至った要因として、内反捻挫の反復により外側支持機構のひとつである腓骨筋支帯の脆弱化があったこと、足部外側不安定性から踵骨回内位での競技動作であったことが考えられた。競技復帰のためには、回内位でのDAを修正する必要があったが、過度の矯正は内反捻挫を惹起する可能性があった。よってPT実施上、足関節内外反を制御したDAを獲得させることが再発・二次的障害予防のために必要であったと考えられた。
著者
中村 敏明 岩尾 岳洋 東 高士 谷 大輔 矢野 良一 政田 幹夫
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.37, no.9, pp.551-558, 2011 (Released:2012-09-10)
参考文献数
13

Paclitaxel injection [NK] (PTX [NK]) is a generic of Taxol® Injection (Taxol) but no non-clinical study comparing the safety of the 2 drugs has been conducted because the active ingredient is the same.We compared the safety of PTX [NK] and Taxol in rats to see if there were any differences. PTX [NK] and Taxol were intravenously administered to CD (SD) male rats at doses of 2.0 and 4.0 mg/kg/day for 9 days. There were very slight differences in toxicological findings regarding such items as clinical observations, food consumption, gross necropsy, organ weight and histopathology. These differences, however, were generally observed after administration of a cytocidal anticancer drug. Therefore, such differences were not thought to be toxicologically significant and we concluded that the safety of PTX [NK] was no different from that of Taxol in rats.
著者
渡辺 享平 矢野 良一 五十嵐 敏明 塚本 仁 中村 敏明 政田 幹夫
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.9, pp.622-628, 2009 (Released:2011-01-14)
参考文献数
12

As the effect of the filling process of portable pumps on the homogeneity of drug concentrations had not been investigated,in this study,we examined the influence of the filling process of the anticancer agent 5-fluorourcil (5-FU) and saline in this respect.We used 3 types of pump and filled the pump in 3 different ways (5-FU first and then saline,saline first and then 5-FU,and mixing 5-FU and saline beforehand and then filling).There was a significant variation in the 5-FU concentration when 5-FU and saline were added separately but the drug concentration did not vary when 5-FU and saline were mixed before filling the pumps.The result also varied with the type of pump.Our findings suggested that the drug and saline were not mixed uniformly in some types of pump when 5-FU and saline were added separately.Therefore,it is important to mix the drug and saline well before filling pumps.
著者
根來 寛 矢野 良一 谷 大輔 渡辺 享平 塚本 仁 五十嵐 敏明 中村 敏明 脇屋 義文 後藤 伸之 横山 照由 政田 幹夫
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.320-327, 2008 (Released:2009-09-04)
参考文献数
23
被引用文献数
2 1

During cancer chemotherapy,myelosuppression is a frequently observed toxicity manifestation which may sometimes cause severe infections.In this regard,though leukopenia-induced infections are more closely related to neutrophil counts than leukocyte counts,it is important to evaluate both leukocyte counts and neutrophil counts as markers of myelosuppression.Neutrophil counts,however,are sometimes estimated to be half leukocyte counts without conducting differential leukocyte counts.In the present study,the authors evaluated the necessity of differential leukocyte counts during cancer chemotherapy using pooled laboratory data at the University of Fukui Hospital.Variation in the percentage of neutrophils in leukocytes was observed in each leukocyte range,with the neutrophil count decreasing in pace with decreases in the leukocyte count.As an alternative index to the neutrophil count,the utility of the leukocyte count is thus considered to be low in cancer chemotherapy.There was also a divergence between adverse event grade between neutrophil and leukocyte numbers.In addition,neutrophil counts in 14.8% of the patients (26)were less than 1000/μL in spite of the fact that their leukocyte counts were higher than 3000/μL,and it was noted that 23 of them had undergone a paclitaxel-containing regimen.These results suggested that leukocyte differential counts should be measured during cancer chemotherapy,especially during the nadir period and when receiving chemotherapy containing paclitaxel.
著者
矢野 良一 中村 敏明 谷 大輔 西里 洋平 後藤 伸之 脇屋 義文 政田 幹夫
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.33, no.12, pp.998-1002, 2007 (Released:2009-09-04)
参考文献数
9
被引用文献数
3 5

The purpose of this study was to evaluate the quality of the original and 3 generic formulations of Iopamidol injection.To do this,the free iodine concentration and osmotic pressure were measured.In addition,impurities were tested for using high performance liquid chromatography-tandem mass spectrometry.There were no major differences between the original and generic formulations as regards free iodine concentration and osmotic pressure measurements,though one lot of the original formulation failed the free iodine concentration test.However,in the HPLC analysis,some substances not present in the original product were detected in the generic formulations.One of them was identified as DM 1/2,a substance related structurally to Iopamidol.
著者
秋穂 裕唯 中村 和彦
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.111, no.7, pp.1353-1358, 2014-07-05 (Released:2014-07-05)
参考文献数
32

過敏性腸症候群(irritable bowel syndrome;IBS)の薬物療法について概説した.薬物療法は食事と生活習慣を指導した後に,消化管主体の治療を行う.第1選択薬としてプロバイオティクス,高分子重合体,消化管機能調整薬を使用する.症状の改善が不十分な場合は,症例ごとに優勢な症状に対して止痢薬,抗コリン薬,下剤などの薬物を追加する.また5-HT4刺激薬,抗アレルギー薬,漢方薬,抗うつ薬,抗不安薬も治療効果を有する.近年有効性の高い男性下痢型IBSに対する5-HT3拮抗薬,便秘型IBSに対するCIC-2賦活剤が登場した.IBSの病態機序のさらなる解明と治療薬の開発が期待される.
著者
飯野 光喜 新津 恒太 中村 芳樹 大谷 宣夫 福田 雅幸
出版者
特定非営利活動法人 日本顎変形症学会
雑誌
日本顎変形症学会雑誌 (ISSN:09167048)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.77-83, 2002-08-15 (Released:2011-02-09)
参考文献数
14
被引用文献数
3 5

The aim of this article is to discuss the effectiveness of clockwise rotation of the occlusal plane for skeletal class III deformities with the use of two-jaw surgery.The most popular orthognathic surgical management for class III malocclusion is mandibular setback using a bilateral sagittal splitting ramus osteotomy (SSRO). However, it has been suggested that, with the aid of an operative method using SSRO alone, complete elimination of the protruded appearance in the mental region is hardly attainable, in some cases. To obtain better functional and esthetic results for patients with class M deformities, clockwise rotation of the occlusal plane, using two-jaw surgery, appears to be considerably useful surgical management. The changes provided by an increased occlusal plane angle include 1) advancement of the midface; 2) rotation of the chin posteriorly; 3) a decreased maxillary incisor angle; 4) an increased mandibular plane angle; 5) decreased posterior facial height. We emphasize that, by appropriate usage of clockwiserotation of the occlusal plane, more favorable functional and esthetic results for the correction of skeletal class deformity will be enabled in some cases.
著者
中村 満喜男
出版者
愛知工業大学
雑誌
愛知工業大学研究報告. B, 専門関係論文集 (ISSN:03870812)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.335-343, 1978-03-31

常時微動を測定・解析することは地盤・構造物等の動特性を明らかにし,強震時における災害の可能性を把握する上で非常に有効である。本論文では測定された常時微動の波動の性質を振巾に関する確率密度分布,周期に関するフーリエ振巾スペクトルとゼロクロッシング法による周期一頻度スペクトルとの比較検討を行い波動解析に関する若干の考察を行ったものである。測定はナゴヤ球場で行われたものである。
著者
中村 隆宏
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.383-390, 2008-12-15 (Released:2016-10-31)
参考文献数
3

「危険体験」をはじめ「体験型教育」,「体感教育」といった安全教育手法が注目されている.その内容や手法は多岐にわたり,今後ともさまざまに発展する可能性を示している.一方で,今後の普及およびさらなる発展のためには,どのようなコンセプトに基づく教育であるべきかといった議論が不可避であり,危険体験という教育手法についてその成り立ちや経緯,実施上の問題点や課題についても検討・整理する必要がある. 本研究においては,さまざまな展開を示しつつある危険体験教育について,安全教育としての実質的な効果を高め有効な教育手法としての発展の方向性を探る観点から,危険体験教育を実施する教習機関などへの聞き取り調査を実施した.本稿では,調査結果の報告を含め,教育手法開発の背景,教育実施上の課題など,危険体験教育の問題点と今後の展開について検討する.
著者
中村 隆宏
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.82-88, 2007-04-15 (Released:2016-11-30)
参考文献数
9

労働安全教育の現場では,「体験型教育」「体感教育」等の疑似的な体験を取り入れた教育手法が展開されている.しかし,その理論的背景について十分な検討がなされないまま「体験すること」のみが重視された結果,労働者の実質的な安全態度の向上につながらず,むしろ労働者の不安全行動を助長する事態が生じることも懸念される. 本稿では,労働安全教育における疑似的な体験の意義と諸課題について検討した.教育効果向上のためには,単なる体験にとどまることなく,実際場面で遭遇する危険とその対処方法について具体的なイメージを形成し,過去経験と結び付けて展開を図ることが重要である.また,危険補償行動に対して適切な対応を図らなければむしろ災害発生率を高める可能性があり,新たな教育手法の普及・展開においてはこうした副作用を十分に考慮する必要がある.
著者
中野 拓治 中村 真也 松村 綾子 高畑 陽 崎濱 秀明 大城 秀樹 幸地 優作 平田 英次
出版者
公益社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業農村工学会論文集 (ISSN:18822789)
巻号頁・発行日
vol.87, no.1, pp.I_9-I_15, 2019

<p>沖縄本島北部に分布する国頭マージ土壌を用いて油汚染土壌の室内浄化試験を実施し, 島内で産出される琉球石灰岩砕・粒子を含めた浄化促進材の添加を通じて, バイオレメディエーションによる油分浄化特性と影響要因について考察した.軽油模擬汚染土壌に琉球石灰岩を5%以上添加することにより, 土壌含水比が5~20%の範囲で油分の浄化速度(Total Petroleum Hydrocarbons(TPH)浄化速度)を向上させるとともに, 貝殻片や花崗岩砕等を用いた浄化促進材との比較検証の結果, 琉球石灰岩砕が最もTPH浄化速度を高めることを明らかにした.琉球石灰岩砕・粒子は, 油分分解菌の代謝活動に必要となる通気性とその棲息域を確保する細孔を多く有しており, 国頭マージ土壌のpHを酸性域から中性域に中和する効果もあることから, 土壌中の油分分解菌の活性化によりTPH浄化速度が向上したものと推察される.</p>