著者
中村 和生
出版者
関東社会学会
雑誌
年報社会学論集 (ISSN:09194363)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.14, pp.174-186, 2001-06-05 (Released:2010-04-21)
参考文献数
40

This paper tries to demonstrate that relativism, scepticism, and anti-realism that the Sociology of (Scientific) Knowledge inevitably assumes are logically difficult and not useful for empirical investigations. First, by way of Reductio ad absurdum, the Reflexive Programme is examined. Next, a relativist-sceptist orientation is grasped in the empirical studies of Sociology of Scientific Knowledge. This orientation is criticized from the standpoint of ethnomethodological studies of scientific work. A Praxiology of knowledge is proposed.
著者
金子 政彦 中村 誠寿
出版者
九州理学療法士・作業療法士合同学会
雑誌
九州理学療法士・作業療法士合同学会誌 (ISSN:09152032)
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.6, 2004

【はじめに】<BR> 当園では、1997年より地域療育等支援事業を行っており、施設機能を活用して在宅重症心身障害児(者)(以下在宅重症児者と略す)への療育、相談、指導を提供している。この中、作業療法士はリハビリテーションの実施のみならず、家屋改造や生活に即した各種福祉用具製作等に関わりを持っている。<BR>今回、当園の通園事業を利用していた進行性の疾患を持つ対象者について、経時的な状態低下から生活様式が変容し、これに必要な生活援助をその都度検討して作業療法アプローチを行ったので報告する。<BR>【症例紹介】<BR> 脊髄小脳変性症、精神発達遅滞、てんかんを基礎疾患にもつ19歳の女性。身長163cm、体重40kg。家族構成は父母と8歳上の姉(同疾患で、H医療センター入所中)。40週、体重3230gで出生し出生時異常なし。4歳時、痙攣発作、物につまづく、持っているものを落とすなどの症状により発症。5歳時、性格変化、社会的な不適応行動が見られるようになる。10歳時、S医大で検査入院の結果、脊髄小脳変性症の診断があり、身障手帳1級、療育手帳Aの交付を受ける。<BR>【作業療法評価】<BR> 頚座不安定で、自力での姿勢変換は困難。寝たきりであり、随意的な動きはほとんど無く、関節拘縮と非対称肢位での固定化が進んでいる。感情表出に乏しく、外部からの働きかけに対する反応がほとんどない。光に対して痙攣発作を起こす為、日中も遮光カーテンの中で過ごす。摂食機能も近年低下し、誤嚥性肺炎から胃ろうによる栄養管理となっている。日常生活活動はすべて全介助である。<BR>【経過及び作業療法アプローチ】<BR> 1995年(11歳):姉がH医療センター入院。通園が始まる。歩行困難となったため作業療法士による機能訓練を重点的に行う。また、当園の短期入所利用がある。<BR>1998年(14歳):つかまり立ちが困難となる。母の介護負担が増え、通園への出席が困難となる。地域支援事業に登録し、ボランティアによる外出時の付き添いが開始される。作業療法士による訓練は外来にて継続された。<BR>1999年(15歳):痙攣重積し、長期臥床が余儀なくされる。母の介護負担は一層増加し、来園困難となる。外来訓練が中止となるが機能訓練に対する家族の希望から、地域支援事業での訪問リハビリテーションが開始となる。<BR>2000年(16歳):養護高等学校訪問教育となる。家庭での良姿勢保持の為、室内用座位保持装置とトイレチェアを作製。母の介護負担、腰痛、膝痛が悪化し、介護の方法に関する相談がある。高さ可変式のギャッジベッドを導入する事で介護負担の軽減を図る。また、父が踵骨骨折し、父母で行っていた入浴介助が困難となる。浴室改造(居室から浴室までの段差解消と入浴リフト)とシャワーチェアの作製希望あり。地元の訪問看護にて入浴サービスが開始。年末に、浴室改造完了し、シャワーチェア納品。<BR>2001年(17歳)自力での姿勢変換困難となり、寝たきりの状態となる。摂食機能の低下が進み、誤嚥性肺炎を頻発、経鼻管栄養を経て、胃ろう造設術施行。自家用車が介護用のリフトカーになり、車に合わせる形で外出用(通院用)の座位保持装置を作製する。<BR>2002年(18歳):過労により、母が体調不良となる。短期入所サービスの利用がある。コーディネータと利用可能な社会資源の検討を行う。<BR>2003年(19歳):養護高等学校卒業。居住地であるN市の障害者支援センターから、訪問保育2回/月、訪問リハ2回/月、ホームヘルプ1回/週が開始となる。地元施設が支援事業を開始した為、高校卒業を機に、遠隔である当園のサービスを地元施設に移行する見直しを行い、訓練頻度を1回/月とする。<BR>【考察・まとめ】<BR> 今回、当症例に対して様々な作業療法を提供するに至ったが、進行性の疾患で機能低下が進む事、介護者が高齢化する事、取り巻く環境が整備されていない事など数多くの問題が相互に影響を及ぼし、在宅生活の遂行を妨げる要因となって表面化した。これに対して機能低下を緩徐にし、『出来るADL』維持に努めたが、目的達成には至らなかったように思われる。しかし、介護者の高齢化による負担増加や腰痛などの介護疾病に対して各福祉機器の導入や家屋改造あるいは訪問看護といった社会資源を活用することで在宅生活の維持につながったものと考える。この中、作業療法士は症例の身体機能に即した福祉用具の製作や浴室内リフターの導入に関わり、実際の介護をシミュレーションして介護負担の軽減に努めた。<BR> このように在宅重症児者とその家族が在宅生活を続けていく為には、施設の役割として各専門職において症例の生活全般の評価を共通認識し、長期的な予後予測をもとに、生活援助を行なう必要があると考える。また、施設機能として地域で可能となる他の社会資源に繋ぐ役割も特に重要と考える。
著者
根岸 哲 武田 邦宣 中川 寛子 善如 悠介 島並 良 鞠山 尚子 池田 千鶴 泉水 文雄 和久井 理子 川濱 昇 柳川 隆 水野 倫理 中村 健太 川島 富士雄 前田 健 井畑 陽平 手嶋 豊
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2017-04-01

1 海外調査(i)和久井・池田が、欧州諸国において、競争・情報通信当局及び競争法の研究者との間で、特にプラットフォームと競争法の関係につき、相互の意見交換と実務と研究動向の調査を行い、(ii)川島が、北京社会科学院・上海交通大学での長期研究により、科研に係る全般的な論点に係わり、中国独禁法の研究者との相互の意見交換と中国独禁法の対応状況の調査研究を行った。2 研究会、ワークショップ等(i)医薬品・機器規制の競争に及ぼす影響及び先発医薬品・後発医薬品間の競争に係る問題を解明するべく、外資系医薬品企業の2人の法務部長弁護士とのヒアリング・研究会及びSokol米国フロリダ大学教授との研究会を通じ、日米における現状と課題を把握し、(ii)競争法と知的財産権の関係を検討するべく、仁ラボ代表鶴原稔也氏との研究会及びCheng香港大学准教授との研究会「特許・イノベーションと競争法」・「不争条項」を通じ、現状と課題の把握し、(iii)日中米欧の研究者・実務家が参加した国際ワークショップ「企業結合規制の先端的問題-プラットフォーム・ビジネスとイノベーション時代の諸課題」を開催し、企業結合規制の先端的問題の把握に努め、(iv)世界的プラットフォーム事業者アマゾンの最恵国待遇条項の競争上の問題につき、アマゾン側担当の平山賢太郎弁護士との研究会を通じて、研究を深めた。3 シンポジウム(i)日本の研究者・実務家によるシンポジウム「景品表示法の実現手段の多様性-独禁法の視点も含めて」、(ii)日中米欧の研究者・実務家が参加した公正取引委員会競争政策研究センター主催の大阪国際シンポジウム「デジタル・エコノミーの進展と競争政策-IoT、データ、プラットフォーム・ビジネスと法-」に本科研チームが共催者として参加し、国際的な動向把握とともに日本の状況につき発信を行った。
著者
渡部 恵 杉浦 宗敏 清野 敏一 光永 義治 中村 均 山田 安彦 土屋 文人 大江 和彦 伊賀 立二
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 = Journal of the Pharmaceutical Society of Japan (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.122, no.10, pp.841-847, 2002-10-01
参考文献数
4
被引用文献数
4 4

In the computerized prescription order entry system, it has been pointed out that a physician's input mischoice for medicine is one of the causes of medication errors. We therefore investigated the input mischoices by physicians at the time of writing prescriptions. Subsequently, the number of input characters in a prescription order was changed to three characters from two characters. Furthermore, 105 items of high-alert medications, which are likely to result in injury if errors occur, were established. A warning screen display system that requests reconfirmation of the effect, name, usage, and dosage of those medicines was also built. It was found that 70% of input mistakes were caused by choosing the medicine displayed immediately above or below the desired drug. By changing the number of input characters of a prescription order to three characters from two characters, the rate of specification of a trademark improved sharply from 36% to 85%. Consequently, the rate of choice of a drug with another trademark decreased significantly from 0.028% to 0.0047%. In 5% of cases when the warning screen was displayed for a high-alert medicine, the prescription was stopped, and 25% were changed to other medicines. The above results show that the system that requires the input of three or more characters for the physician order entry and displays a warning screen for high-alert medicines is useful in preventing mischoices at the time of prescription input.<br>
著者
宮崎 誠司 佐藤 宣践 橋本 敏明 白瀬 英春 山下 泰裕 中西 英敏 上水 研一朗 恩田 哲也 中村 豊
出版者
東海大学
雑誌
東海大学紀要. 体育学部 (ISSN:03892026)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.91-95, 2007
被引用文献数
1

A clinical evaluation using lysholm score was done about micro current electric stimulation (MENS) to the sports injury. The reduction of the pain was seen at the early stage of medial collateral ligament injury of the knee. The motor function was improved at the early stage, compared with the group that doesn't enforce MENS. In 56 days after injury, we evaluate by Lysholm score. In using MENS eight all examples were excellent (mean 97.9), on the other hand, without using MENS excellent was only one example in ten(mean93.0). The effect of MENS was thought to be the one by the injury current. There is a possibility of taking part in the electron transport system for the ATP synthesis.
著者
中村 恵美子 伊藤 誠治 林 敬子 馬場 孝秀
出版者
日本作物學會
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.75, no.3, pp.318-326, 2006-07-05
参考文献数
34
被引用文献数
3

北陸地域においてより安定的した収量性、精麦品質をもつ新品種を育成するために、現在栽培されているミノリムギとファイバースノウを含む精麦用オオムギ4品種を用い、収量や精麦品質の年次変動の品種間差を調査した。その結果、穂数、千粒重、整粒歩合、粗蛋白含有率、硝子率、硬度差の各形質では、品種と年次との交互作用は検出されなかった。一方、整粒重、リットル重、55%搗精白度、55%搗精時間には交互作用があった。ミノリムギはオオムギの生育に良好な年では整粒重が多かったが、多雪年や登熟期に降雨が多い年では整粒重の低下が著しかった。一方、北陸皮35号は整粒重の年次変動が少なく安定的な品種であった。リットル重は年次によって最も重い品種と軽い品種が異なっていた。55%搗精白度と55%搗精時間においては、シュンライが年次変動が最も小さく安定していた。ミノリムギは年次にかかわらず55%搗精白度が最も低く、55%搗精時間が最も長かった。整粒重には登熟期の降水量や積雪の多少が、リットル重、55%搗精白度、55%搗精時間には登熟期の降水量がそれぞれ影響を及ぼし、その程度は品種により異なっていた。整粒重、リットル重、精麦品質が安定して高位である形質をもった品種育成のためには、多雪年を含み登熟期の降水量の異なる複数年の試験を行うことが必要であると考えられた。雲形病発病程度は年次間差のみあり、罹病性品種は自然感染の条件下では安定して発病しなかった。
著者
三木 恒治 黒田 昌男 清原 久和 宇佐美 道之 中村 隆幸 古武 敏彦
出版者
社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雑誌
巻号頁・発行日
vol.71, no.3, pp.264-272, 1980

61歳男子の前立腺原発カルチノイドの1例を報告した. 主訴は排尿困難と肛門部疼痛であつた. またカルチノイド症候群は示さなかつた. 膀胱尿道造影, 直腸指診より前立腺癌と診断したが, 経直腸的前立腺生検による診断はカルチノイドであつた. しかし, 胸部ならびに胃腸レントゲン検査, 直腸鏡にて異常は認めなかつた. その他血清セロトニン値が345μg/lとやや高値を示した他血液学的検査で異常を認めなかつた. 患者は1976年11月11日直腸膀胱前立腺全摘, 回腸導管造設人工肛門造設術を施行した. また右腸骨リンパ腺に転移を認めた. 摘除標本は肉眼的には充実性腫瘍で前立腺部に相当する位置に存在し, 正常前立腺組織は殆んど認めなかつた.<br>組織学的には, 腫瘍は, 胞巣形成, ロゼット形成を示し, 組織化学的にはグリメリウス染色陽性で, マッソニフォンタナ染色陰性であり, 電子顕微鏡的には特徴的な分泌顆粒を認めた. 以上の所見より前立腺原発カルチノイドと診断した.<br>患者は術後1カ月5-FUの静注を行なつたが, 徐々に全身衰弱, 腰痛を来し, 術後4カ月後に死亡した. 剖検は施行されなかつた.
著者
清元 晃 加藤 哲夫 大塚 宗臣 並川 和男 中村 弘 由布 雅夫 松本 孝一 光野 利英 大島 和海 仲村 保広
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.654-658, 1978

昭和45年から48年までの4年間の熊本県の胃癌死亡者の死亡個票を調査した.<br>総数2783名, 各年度ほぼ700名前後, 男女比は1.4:1と低く, 最多罹患年令層は70才台前半であつた. 官公立病院における死亡は約25%, 診療所では約20%, 自宅死亡者は漸減していたが約45%と半数近かつた. 期間不明を除いた2282名の80%弱の1794名が1年以内に死亡し, 5年以上生存したものは24名であつた. 死亡診断書記入医師の所属は官公立病院においては内科外科のみであり, 外科からの比率がふえていたが, 診療所及び自宅においては外科からの診断書(25%)より内科からの診断書(50%)が多く, その他の診療科からのものも10%前後認められた. 熊本県の胃癌死亡者には進行癌が多く見られ, この原因究明のための逆視的追求の必要性について論じた.
著者
木曽 良明 宇川 和子 中村 静夫 伊藤 薫 秋田 正
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.673-676, 1980-02-25 (Released:2008-03-31)
参考文献数
18
被引用文献数
41 58

A thioanisole-trifluoroacetic acid (TFA) system was found to deprotect Tyr (Bzl) quantitatively at 25°within 3 hr by a push-pull mechanism without O-to-C rearrangements. This new deblocking system did not completely deprotect Ser (Bzl) and Thr (Bzl), but deprotected Lys (Z) quantitatively.
著者
中村 靖子 NAKAMURA Yasuko
出版者
名古屋大学文学部
雑誌
名古屋大学文学部研究論集. 文学 (ISSN:04694716)
巻号頁・発行日
vol.60, pp.51-83, 2014-03-31

Blaubart (1982) ist das letzte literarische Werk von Max Frisch. Das Motiv des Frauenmords, den die Protagonisten in Stiller (1954) und Rip van Winkle (1953) behaupten begangen zu haben, bleibt also bei Frisch bis zum Ende seines Schaffens ein Hauptthema. Der Blaubart-Stoff stammt aus einem Märchen Perraults und wurde auch in die erste Ausgabe von Grimms Märchen aufgenommen. Das Neugier-Verbot taucht, wie Perrault zutreffend feststellt, schon in der Geschichte von Amor und Psyche bei Apuleius auf. Die Vielzahl und die Willkürlichkeit, mit der Gilles de Rais, das Modell für Blaubart, bei der Wahl der Opfer verfuhr, übernahm das Volkslied Ulrich und Ännchen. Das Eifersuchtsmotiv tritt erst in Herders Lied des eifersüchtigen Knaben in den Vordergrund, in dem ein goldener Ring an dem Finger des geliebten Mädchens wie Desdemonas Taschentuch den Verdacht des Knaben weckt. Seine unbegründete Eifersucht verleitet ihn schließlich zum Mord an dem Mädchen. Diese verschiedenen Motive waren mit dem Blaubart-Stoff verknüpft, den Frisch seiner Erzählung unterlegte. Stiller wird wegen einer Ohrfeige verhaftet und behauptet dann im Gefängnis, seine Frau ermordet zu haben. Er wird deswegen jedoch nicht angeklagt, sondern zuletzt wegen des ursprünglichen Tatbestandes verurteilt. Während seine Aufzeichnungen mit der Verurteilung enden, beginnt in Blaubart die Erzählung von Dr. Schaad mit dessen Freispruch. Rosalinde, eine seiner Ex-Frauen, war ermordet worden, und am Tatort hatte man seine blaue Krawatte gefunden. Der Text stellt eine innerseelische Wiederholung der Gerichtsverhandlung nach dem Freispruch dar, gibt die Befragungen und Zeugenaussagen wieder, bald beim Wandern im Wald oder beim Billard-Spiel, bald in einer Bar oder in seiner Arzt-Praxis. Schaad unternimmt keinen Versuch, sein früheres Leben wieder aufzunehmen, so als halte er das gar nicht mehr für möglich. Er schreibt selbst an den Entlastungszeugen keinen Brief und verkauft seine Praxis. Ohne Richter oder Zeugen lebt er ganz allein mit sich und den Stimmen der Prozessteilnehmer, die er vernimmt. Sein alltägliches Leben nimmt vollständig die Gestalt eines inneren Gerichts an. In diesem Werk ist also nicht nur der Blaubart-Komplex verarbeitet, sondern auch das seit Kafkas Prozess bekannte Gerichts-Motiv. Über Rosalinde als Prostituierte sagt Frischs Dr. Schaad einmal, sie sei keine Nymphomanin gewesen. Die Verteidigung klingt aus seinem Munde recht unangebracht, insofern er als der Angeklagte, dessen Spitzname nicht von ungefähr "Ritter Blaubart" ist, doch viel eher selbst als abnormal oder pervers anzusehen wäre. Offenbar will er damit andeuten, dass dies keineswegs der Fall sei. In der Tat bezeichnen manche Zeugen ihn als "ritterlich" und sagen, er sei "ein Mensch, der keiner Fliege auch nur ein Bein krümmen könnte", obwohl nicht nur seine maßlose, manchmal grundlose Eifersucht in seinem ganzen Freundeskreis bekannt ist, sondern sogar eine Notiz gefunden wurde, worauf zu lesen war, dass er Rosalinde erwürgen wolle, von anderen Indizien ganz abgesehen. So wird eine große Kluft zwischen seinen heftigen Eifersuchtsgefühlen und der schließlich vollbrachten Tat sichtbar. Schaad glaubt, dass Mann und Frau vor und nach der Liebe Freunde sein können. Er behauptet, von seiner Eifersucht endlich befreit worden zu sein, als er die Gelegenheit hatte, Rosalinde mit ihren Kunden auf einem Video zu beobachten. Dadurch habe er erfahren, dass dieser Geschlechtsakt für sie "nichts mit persönlicher Sympathie zu tun hatte". - Es handelt es sich hierbei um eine Variante der verbotenen Kammer, nur dass der Beobachter der Mann ist und dass er statt der Leichen der Exfrauen den Geschlechtsverkehr seiner Exfrau mit anderen Männern mitansieht. Bei Apuleius verschwindet GeliebterAmor (Eros), als Psyche sein Gesicht beim Lampenlicht erblickt. Schaad dagegen wird, als er die Prostitutionsszene am Bildschirm verfolgt, von seinen "Vermutungen" befreit. Die Kaninchen-Episode ist eine Variante des Öffnungs-Verbots. Das graue Kaninchen unter dem Rasiermesser gehört zu den Erlebnissen aus Schaads Kindheit, an die er sich bei seiner Verhaftung erinnert. Laut "Aussage" seiner toten Mutter - bei seinem inneren Gericht melden sich auch Tote zu Wort - hatte er wissen wollen, woran es gestorben war. Aber mit den Worten: "auch Tote können sich irren", weist er ihre Erklärung zurück, denn für ihn verhielt es sich genau umgekehrt: Nicht um die Todesursache des Kaninchens ging es ihm, sondern er hatte es "aufmachen" wollen, um zu sehen, wie es kommen konnte, dass sich der zuvor so lebendige Körper nicht mehr bewegte: auch wollte er wissen, ob das Tier, das er so sehr liebte, seinerseits auch ihn geliebt hatte - schließlich hatte er es ja "Pinocchio" genannt. Dahinter versteckt sich die alte Moral von Blaubart: Man soll nicht zu neugierig sein, da man doch nirgends im Leib die Quelle der Liebe finden kann. Als Bezirk des Geheimnisses erregt die verbotene Kammer immer wieder Neugier. Für den Körper gilt das Gleiche, nicht nur in sexueller Hinsicht. Dagegen wird die Stelle der verbotenen Kammer nunmehr vom Gedächtnis eingenommen, das die Toten zum Verhör in den inneren Gerichtssaal zitiert. Im Verlauf des inneren Prozesses wird manches Neue klar: Schaads jetzige Frau hat eine Affäre mit einem anderen Mann und ist zur Scheidung entschlossen. In diesem Sinne gehört sie schon zu den Exfrauen, die Schaad zudem miteinander verwechselt, da sie für ihn ihre Persönlichkeit und Unterscheidbarkeit weitgehend verloren haben - eine Abmilderung des Blaubartgeschehens wie in dem oben genannten Volkslied. Rosalinde als Tote bzw. Ermordete besitzt dagegen Einmaligkeit. Einmal fragt sich Schaad, ob auch für sie ihre Beziehung nach der Scheidung eine, wie er sich ausdrückt, "kameradschaftliche" und "harmonische" gewesen sei. Die Frage wird nun für immer offen bleiben. Da Schaad schon seit seiner Kindheit stark unter Schuldgefühlen leidet, geht er schließlich abermals zur Polizei, um ein Geständnis abzulegen, diesmal aber in seiner Heimat. Sein Bekenntnis zur Mordtat wird jedoch von der Polizei, also in der Öffentlichkeit, als unzutreffend angesehen und Schaad sogleich wieder freigelassen. Als eigentlicher Täter war schon ein Grieche verhaftet worden. Er kann kein Deutsch und konnte also auch mit Rosalinde sprachlich nicht kommunizieren. Für ihn war die blaue Krawatte, die zu Beginn den Verdacht der Polizei auf Schaad gelenkt hatte, das Indiz für einen anderen Mann, das seine Eifersucht entfachte und ihn den Mord an Rosalinde begehen ließ - vergleichbar mit Desdemonas Taschentuch oder dem goldenen Ring im Lied des eifersüchtigen Knaben. Schaad ist letzten Endes also auch daran gescheitert, sich gegenüber Rosalinde in ein Täter-Opfer-Verhältnis zu bringen und so ein unersetzbares Korrelat in der Beziehung mit seiner Exfrau zu werden. Frisch hat in seinen Text Zitate verschiedenster Art aus seinen früheren Werken, aus eigenen Träumen und autobiografischen Tatsachen hinein montiert, sei es als Formulierung, sei es als Episode, oder indem er die Struktur der menschlichen Beziehungen übernahm. Auch das Eifersuchtsthema hatte er schon so häufig behandelt, dass er den Text einmal selbstironisch ein "Selbstplagiat" nannte. Und dem Gerichtsschwur, "nur die Wahrheit und nichts als die Wahrheit zu sagen", stellt er den Wahrheitsbegriff von Heideggers "Lichtung" parodierend gegenüber. Denn Schaad kommt es im Halbschlaf nur so vor, als ob er im Wald wandere: in Wirklichkeit liegt er im Krankenhaus. Wie er am Ende zu Heideggers Wahrheit nicht gelangt, so ist er auch in seinem Leben gescheitert, zuletzt mit seinem Selbstmord. Ihm bliebe nur übrig, zu tun, wozu eine Stimme ihn wiederholt auffordert, und die Augen "auf-" (nicht "zu-"") zu machen, um sich der Wirklichkeit nicht zu verschließen. Frischs Blaubart-Erzählung endet mit Schaads Weigerung, seiner verfehlten Art von SeIbstbewahrung.
著者
額田 均 八木橋 操六 馬場 正之 土原 豊一 根本 孝一 成瀬 桂子 中村 二郎 マルカス ミュラー 小笠原 早織 辻井 麻里 デニース マックラクラン
出版者
(財)額田医学生物学研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

1)高血圧が糖尿病性神経障害の発症・進展に関与していることは、大規模疫学調査から証明されたが、高血圧自体が末梢神経障害を惹起するかは不明だった。今回、高血圧ラットを用いた実験において、高血圧自体が末梢神経障害を起こすことが明らかになった。また、高血圧ラットの末梢神経では、糖尿病性神経に認められたのと同様に、虚血・再灌流傷害に対して形態学的・電気生理学的に脆弱性を認める。2)糖尿病性神経障害の発症機序は解明されていない。糖尿病ラットを用いて、神経内鞘マクロファージの活性化が、その発症に関与していることが証明された。3)末梢動脈閉塞症に伴う痛み・灼熱感、血行再建術後に出現するしびれなどの感覚障害に対しては早急な治療法の確立が望まれる。HGF遺伝子の逆行性神経内導入により感覚障害の改善が認められた。本法は虚血再灌流障害に対する有効な治療法となりうると考えられた。
著者
西村 典子 伊藤 栄治 恩田 哲也 中村 豊
出版者
東海大学
雑誌
東海大学紀要. 体育学部 (ISSN:03892026)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.185-190, 2006

The purpose of this study is to report "the circulatory disturbances in the fingers of baseball players", and to analyze those of the tendency and the rate of incidences as each area by the administration of a questionnaire. It also researches the influences of external environments of the position, the practice, and the temperature and so on. The questionnaires were conducted on 274 players belong to the baseball club of 6 high school attached to Tokai University. According to questionnaires, 76 players (27.7%) were aware of circulatory disturbances in their fingers. The circulatory disturbances in the fingers is caused by the hyperextension of the throwing fingers as the repetition of throwing performance and the mechanical stress of catching the ball as the repetition of catching performance. As a characteristic of positions, the catchers and the infielders tend to be aware a tingling and numbness in their catching index fingers, the pitchers throw with index and middle fingers. The various factors such as their position, practice time, teaching technique seem to be relative causing the appearances of circulatory disturbances in the fingers, but air temperature didn't seem to be related.
著者
藤田 直子 吉田 真由美 斎藤 かほり 宮尾 安藝雄 廣近 洋彦 中村 保典
出版者
日本植物生理学会
雑誌
日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.110, 2005

イネのスターチシンターゼ(SS)には10種類ものアイソザイムが存在する。このうち、機能が解明されているのはアミロース合成に関わるGBSSI、我々がTos17ノックアウトイネから変異体を単離したSSIおよびインディカ米、ジャポニカ米のアミロペクチンの構造比較から明らかになったSSIIaのみである。トウモロコシでは登熟胚乳中の最も活性が高いSSはSSIとSSIIIである。SSIIIの変異体である<I>dull-1</I>が古くから知られていたが、イネにおいてはトウモロコシの<I>dull-1</I>に相当する変異体が見つかっておらず、その機能は解明されていない。我々は、イネSSI変異体の単離に引き続き、同じノックアウト集団(約4万系統)からSSIIIa変異体を選抜し、その解析を行った。<br> 得られたSSIIIa変異体は、Tos17がエキソン1に挿入されたものであった。登熟胚乳の可溶性画分のNative-PAGE/SS活性染色を行うと、SSIバンドに加えて非常に移動度の遅い部分にバンドが検出される。SSIIIa変異体ではこのバンドが完全に欠失していたことから、これがイネにおけるSSIIIaバンドであることがわかった。SSIIIa変異体の胚乳アミロペクチンは、野生型に比べて、DP6-8, 17-18, 31-70が低下し、DP10-15, 20-29が増加していた。イネにおけるSSIIIaの機能について、議論する。