著者
小川 和夫 巖城 隆 荒木 潤 伊藤 直樹
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.78, no.6, pp.1193-1195, 2012 (Released:2012-11-28)
参考文献数
13
被引用文献数
4 5

根室に水揚げされたサンマのフィレ内のアニサキス寄生の有無を目視で検査した。その結果,フィレ 1 枚あたり 0.9% の寄生が認められた。虫体の形態観察とミトコンドリア Cox2 遺伝子の解析によってヒトのアニサキス症の主原因となっている Anisakis simplex sensu stricto(狭義の A. simplex)と同定された。これによって,サンマ加工食品の生食によるアニサキス感染のリスクが初めて確認された。フィレ内の虫体は目視で発見できるので,加工や調理の際に確実に取り除くことが推奨される。
著者
伊藤 直樹 ヨハン ライフ 徳弘 一路 西口 磯春 高澤 嘉光
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.249, pp.1-6, 2002-07-19
参考文献数
14
被引用文献数
6

個人が所有する多数の楽曲データを自動的にジャンル分類することにより,楽曲データを管理可能なシステムはまだ存在しない.そこで,このようなシステムの開発のために,著者らが開発した楽曲からゆらぎ情報とスペクトル情報を抽出できるプログラムと多変量解析を用いてジャンル分類実験を行い,報告した.そして今回,これまでの成果を自動音楽ジャンル分類システムとしてまとめ,インストルメンタル,クラシック,ポップス,演歌の4ジャンル計443曲に対して正準判別分析を用いたジャンル分類実験を行い,73.8%の分類精度を得た.また,ここで求められた正準判別係数を用いて,分類が未知の楽曲20曲のジャンル分類実験を行い,75.0%の分類精度を得た.
著者
堀田 浩貴 熊本 悦明 青木 正治 山口 康宏 佐藤 嘉一 鈴木 伸和 和田 英樹 伊藤 直樹 塚本 泰司
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.82, no.12, pp.1939-1946, 1991-12-20
被引用文献数
1

夜間睡眠時勃起現象(NPT)は,ほとんどすべての健康男子に見られる生理現象であるが,小児での検討は少ない。そこで今回我々は,3歳から18歳までの小児30例で,NPT測定を行い,身体的発育と性的成熟度との関連について検討した。1.NPTの回数は各年齢でバラつきが大きいが,10歳過ぎ頃より増加傾向を認め,13,14歳の2例で14回と最高値を示した。2.陰茎周増加値(一晩のNPTのエピソード中,最大の陰茎周変化の値)は10歳まではすべて10mm以下であったが,12歳過ぎ頃に急激な増加が見られた。3.NPT時間(一晩のNPT時間の合計),%NPT時間(睡眠時間に占めるNPT時間の割合)は,ともに12歳頃より急激な増加が認められた。%NPT時間は,血清LH値とほぼ正の相関を示していた。また思春期発来の指標と考えられている夜間睡眠時のLH pulseが認められた例では,認められなかった例に比し,%NPT時間は明らかに高値であった。4.以上から,小児におけるNPTの測定は,他の内分泌的指標とともに思春期発来を知る上での生理学的指標となり得る可能性が示唆された。
著者
伊藤 直樹
出版者
一般社団法人 日本学生相談学会
雑誌
学生相談研究 (ISSN:09146512)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.43-52, 2023-07-31 (Released:2023-11-06)
参考文献数
51

本研究の目的は、台湾における学生相談・学生支援に関する研究のレビューを行い、台湾における最近の研究課題に関する基礎的資料を得ることにより、日本における研究に資する知見を得ることであった。文献データベースから選択された43編の研究論文のレビューを行ったところ、これらは、(1)大学生の学生生活の状況に関する研究、(2)大学生の精神的健康に関連する諸要因に関する研究、(3)学生相談機関の利用促進及び相談・支援の質的向上に関する研究、(4)大学生の家族関係に関する研究、(5)大学生を取り巻く社会的問題に関する研究、の5つの研究課題に整理された。また台湾において大学生の学生生活への適応や学生相談機関の利用促進に関する研究が多いことは日本との共通点と考えられたが、発達障害学生支援に関する研究課題が見出されないこと、社会的・文化的背景が大学生に及ぼす影響を意識した研究が多く行われていることは日本との相違点と考えられた。さらに大学生を取り巻く社会的問題に焦点を当てた研究は、日本における学生相談・学生支援に示唆を与えうることを指摘し、今後の課題として、台湾と日本の研究の相違をさらに精査することを挙げた。
著者
伊藤 直樹
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.88, no.1, pp.79-85, 2017 (Released:2017-04-25)
参考文献数
25

This study aimed to compare information provided on student counseling center websites of universities and colleges in Japan, the United States, the United Kingdom, and Taiwan. A survey was conducted on websites of 315 centers in Japan, 282 centers in the United States, 70 centers in the United Kingdom and 61 centers in Taiwan. Trends in the provision of information on websites in each country were analyzed and compared for the rate and quantity of information published. Results of multiple correspondence analyses indicated two basic dimensions of information that could effectively distinguish information provided in the four countries. These were provision of necessary information and provision of information for use of individual counseling or support of community. Finally, issues related to websites in student counseling centers of Japanese universities and colleges are discussed.
著者
伊藤 直樹
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究
巻号頁・発行日
2018

<p>This study aimed to compare information provided on student counseling center websites of universities and colleges in Japan, the United States, the United Kingdom, and Taiwan. A survey was conducted on websites of 315 centers in Japan, 282 centers in the United States, 70 centers in the United Kingdom and 61 centers in Taiwan. Trends in the provision of information on websites in each country were analyzed and compared for the rate and quantity of information published. Results of multiple correspondence analyses indicated two basic dimensions of information that could effectively distinguish information provided in the four countries. These were provision of necessary information and provision of information for use of individual counseling or support of community. Finally, issues related to websites in student counseling centers of Japanese universities and colleges are discussed.</p>
著者
堀田 浩貴 熊本 悦明 青木 正治 山口 康宏 佐藤 嘉一 鈴木 伸和 和田 英樹 伊藤 直樹 塚本 泰司
出版者
一般社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.82, no.12, pp.1939-1946, 1991-12-20 (Released:2010-07-23)
参考文献数
18
被引用文献数
1

夜間睡眠時勃起現象 (NPT) は, ほとんどすべての健康男子に見られる生理現象であるが, 小児での検討は少ない. そこで今回我々は, 3歳から18歳までの小児30例で, NPT測定を行い, 身体的発育と性的成熟度との関連について検討した.1. NPTの回数は各年齢でバラつきが大きいが, 10歳過ぎ頃より増加傾向を認め, 13, 14歳の2例で14回と最高値を示した.2. 陰茎周増加値 (一晩のNPTのエピソード中, 最大の陰茎周変化の値) は10歳まではすべて10mm以下であったが, 12歳過ぎ頃に急激な増加が見られた.3. NPT時間 (一晩のNPT時間の合計), %NPT時間 (睡眠時間に占めるNPT時間の割合) は, ともに12歳頃より急激な増加が認められた. %NPT時間は, 血清LH値とほぼ正の相関を示していた. また思春期発来の指標と考えられている夜間睡眠時のLH pulseが認められた例では, 認められなかった例に比し, %NPT時間は明らかに高値であった.4. 以上から, 小児におけるNPTの測定は, 他の内分泌学的指標とともに思春期発来を知る上での生理学的指標となり得る可能性が示唆された.
著者
伊藤 直樹 花輪 壽彦 及川 哲郎
出版者
北里大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では、社会的ストレスで誘発されるマウスのネガティブ思考に対する香蘇散の改善効果は観察されなかったものの、うつ様行動に対して香蘇散は抑制効果を発揮し、その作用メカニズムに脳内炎症抑制作用が深く関与することを明らかにした。また、うつの再発防止に香蘇散が有効である可能性も示された。これらの成果は、社会的ストレスによるうつの発症や再発における香蘇散の有用性を示唆するものであり、またこの研究を通して脳内炎症がうつの病態に深く関与することが検証され、今後の創薬研究に役立てられることが期待できる。
著者
伊藤 直樹
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.43-54, 2012-09-30 (Released:2017-08-01)
参考文献数
26
被引用文献数
1 1

In this paper, I will explore the metatheory in psychology and human science in relation to Dilthey's psychology. I will utilize two methods. First, I will examine Dilthey's psychology in late 19th-century Germany. I have found that Dilthey's psychology has two characteristics; not only empirical psychology but also metatheory of psychology. However, due to this ambiguity his psychology was criticized by both psychologists and philosophers in his day. And at the same time, the metatheory which his psychology contained vanished from the main stream of psychology. Second, I will reconsider Dilthey's psychology from these two characteristics. His empirical psychology is the foundation of various sciences in that it stands between the sciences and their object. On the other hand, his meta-psychology provides a principle to his psychology which is considered a basic science. As a result, Dilthey's meta-psychology opens up a world of a person-centered point of view to psychology and the human sciences.
著者
金谷 裕幸 小林 智也 千葉 慶人 伊藤 直樹 西本 一志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.32, pp.85-90, 2007-03-22

本稿では、コミュニティメンバーの登下校時の様子と、登校したメンバーが考えた思いやりのある「おはようメッセージ」を、起床時に携帯電話を通じて伝えることにより、起床時の意欲の向上と、定期的な外部との繋がりを維持して、不登校や引きこもりを予防することを目的とした、相互扶助型目覚まし時計「モーニング・コミュニティ」について述べる。実験の結果、以前と比較して、外に出掛けたくなったり、気持ちが前向きになったり、メンバーに対し親しみが増す効果が確認された。また、メッセージが会話のきっかけや話題になるという、対面コミュニケーション活性化の効果が見られた。This paper describes a mutual-assistance based wake-up call system named "Morning Community," which shows users their colleagues' presence and caring "morning messages" from them on the mobile phones at the time to wake up. Purposes of this system are to strengthen motivation for wake-up and to prevent the users from "refusal to go to school" and "social withdrawal" by keeping up emotional connection routinely. As a result of the pilot study using this system, some subjects said that the system enabled them to go out more frequently than before, made them positive, and let them feel more friendship for the members. Additionally, the "morning messages" could become triggers of face-to-face conversations, and could revitalize the face-to-face communications.
著者
高柳 明夫 小林 皇 橋本 浩平 加藤 隆一 舛森 直哉 伊藤 直樹 塚本 泰司
出版者
一般社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.99, no.7, pp.729-732, 2008-11-20 (Released:2011-01-04)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

症例は32歳, 男性. 両側精巣萎縮と性欲減退を主訴に2006年2月9日に当科を初診した. 問診より1999年からのアナボリックステロイド (AAS) の濫用が判明した. 身体所見では両側精巣容積が13mlと萎縮していた. 内分泌的検査では黄体化ホルモン, 卵胞刺激ホルモン, 総テストステロンは低値であり, 遊離型テストステロン (Free T) は高値だった. また, 後日判明した sex hornomne binding globulin (SHBG) も低値であり, 算出された calculated Bioavailable testosterone (cBAT) も低値だった. 以上の所見からからAASの濫用による低ゴナドトロピン性性腺機能低下症と診断した. AASの中止のみで経過観察を行ったが改善を認めなかったため, 5月18日より週1回のヒト絨毛性ゴナドトロピン (hCG) 3,000単位筋肉注射を開始した. その後6月22日に内分泌学的検査を施行したが自覚症状, 内分泌検査所見ともに改善は認めていない. AASの濫用により低ゴナドトロピン性性腺機能低下症となることが知られており, 一部の患者ではAAS中止後も性腺機能低下症が改善しないことが報告されている. 本症例においてはhCG注射を早期に開始したことが早期に精巣機能を改善するかどうかについて今後の注意深い観察が必要である. また, 本症例の病状を把握する上では free T よりもcBATを用いることが有用だったと考えられた. AASには多くの重篤な副作用があり安易な使用は控えるべきである. またAASの副作用に関しての広い啓発により濫用を防ぐことが必要と考えられた.
著者
伊藤 直樹 花輪 壽彦 及川 哲郎 山田 陽城 矢部 武士 永井 隆之
出版者
北里大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究課題で我々は、新たな生理的な活性として、OX-Aに海馬神経系前駆細胞の増殖促進作用を介した抗うつ様作用が存在する可能性を初めて示唆した。このことは新たな作用機序を有する抗うつ薬の開発に役立つものと考えられる。またこれまでに、漢方方剤である香蘇散が脳内OX-A発現挙動に対して作用を示した結果が得られていることから、本研究課題で得られた結果は、香蘇散の抗うつ様作用メカニズムの探索に役立つと考えられた。
著者
伊藤 直樹 高野 映子 相本 啓太 小早川 千寿子 太田 隆二 谷本 正智 近藤 和泉
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.44 Suppl. No.2 (第52回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0371, 2017 (Released:2017-04-24)

【はじめに,目的】高齢者の転倒・転落による骨折は,予後を左右する重要な問題であり,様々な予防策が講じられている。当センターは,2014年10月より地域包括ケアシステムを支える目的で地域包括ケア病棟45床の運用を開始した。当病棟のリハビリテーション(リハビリ)対象疾患としては,大腿骨近位部骨折や脊椎圧迫骨折の割合が多く,在宅復帰を目標に,多職種が協力し離床の促進やバランス練習,基本動作練習,日常生活活動練習を積極的に実施している(リハビリ1日平均単位数2.25)。そこで,本研究の目的は,転倒・転落による骨折後に,地域包括ケア病棟を経由することで再転倒や転落のリスクが減少するか否かを検討することである。【方法】対象は,2014年10月1日から2016年9月30日に当センター地域包括ケア病棟を退院した患者614名のうち,入院中にリハビリを行った主病名が骨折の204名とした。対象者の年齢,在棟日数,転帰先,入棟及び退院時のFunctional Independence Measure(FIM)とバランス評価Standing Test for Imbalance and Disequilibrium(SIDE)の結果をカルテより抽出した。入棟時と退院時のFIMの合計を対応のあるt検定,入棟時と退院時のSIDEをカイ二乗検定で比較分析した(P<0.05)。【結果】入棟時もしくは退院時のFIMとSIDEの評価結果が欠損している者を除外した結果,分析対象者は97名(男性24名,女性73名)となった。対象者の属性は,平均年齢が82±9歳,平均在棟日数は48.7±62.5日,疾患別では,脊椎圧迫骨折が56%,大腿骨近位部骨折が27%,その他(上腕骨,膝蓋骨,大腿骨骨折)17%であった。転帰先は,在宅が83%,施設入所が17%,転院や死亡はいなかった。入棟時と退院時のFIM合計では入棟時78.3±32.8点(平均±標準偏差)であったが,退院時86.4±32.9点と有意に改善した(P<0.001)。SIDEについても入棟時(0:55名,1:12名,2a:16名,2b:4名,3:9名,4:1名)に比べ退院時(0:29名,1:6名,2a:20名,2b:10名,3:28名,4:4名)では有意に改善を認めた(P=0.001)。【結論】地域包括ケア病棟は,在宅復帰を支援するための体制が整えられている一方で,施行単位数の制限や短い在棟期間など制約がある病棟である。一般病床から地域包括ケア病棟を経由することで,退院後を見越した日常生活動作やバランス能力を改善する練習を積極的に提供できる。当センターにおいても多職種が協力して積極的にリハビリを行った結果,FIMやSIDEは有意に改善した。特に,SIDEは転落危険度が高いレベル0と1が減少し,転倒危険度が低いレベル2b,3,4が増加していたことから,転倒転落リスクを軽減できる可能性が示唆された。今後,実施プログラムの内容について検討し,より良いリハビリが提供出来るような体制を築きたい。
著者
伊藤 直樹
出版者
日本ディルタイ協会
雑誌
ディルタイ研究 (ISSN:09142983)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.23, pp.38-55, 2012 (Released:2022-02-01)

In dieser Abhandlung versuche ich die Bedetung der Psychologie Diltheys in drei Kontexten aufzuklären. Erstens möchte ich in Psychologie Diltheys die zwei Seiten ansehen. Einerseits gilt seine Psychologie als Grundwissenschaft für andere Geisteswissenschaften, oder als Antholopologie. Sie macht eine Auffassung vom Menschen zum Gegenstand, die alle Geisteswissenschaften voraussetzen. In seinen Ideen über eine beschreibende und zergliedernde Psychologie hat sie Dilthey als gleichförmige seelische Struktur des Menschen entwickelt. Andererseits ist seine Psychologie auch die Basiswissenschaft, die anderen Geisteswissenschaften eine erkenntnistheoretische Basis gibt. Sie sichert für jede geisteswissenschaftliche Erkenntnis durch seine psychologische Analyse der Tatsache des Bewußtseins die Realität der Objekte. So ist diese Psychologie auch Erkenntnisstheorie. Zweitens erörtere ich die historische Stellung der Psychologie Diltheys. Daraus ergibt sich, dass seine Psychologie zwischen naturwissenschaftlicher Psycholoige und Philosophie liegt, und beide tadeln sie heftig. Warum Dilthey seine Psychologie auf einen so angreifbaren Standpunkt gestellt? Weil das Bewußtsein, das Dilthey behandelt, im Innersten das Bedürfnis nach Metaphysischem, nämlich das metaphysische Bewußtsein enthält. Drittens denke ich darüber nach, was Diltheys Psychologie für uns heute bedeutet. Wie oben erwähnt ist Diltheys Psychologie eine Lehre vom menschlichen Bewußtsein, die das Seelenleben des menschlichen Daseins in der irdischen Welt wissenschaftlich analysiert. In diesem Sinne ist sie Psychologie als Anthropologie. So möchte ich sie hier eine die Fundamentallehre von der auf Personen bezogenen Welt (personhood world) nennen. Von diesem Gesichtspunkt aus kann zum Beispiel 〈Du〉 oder 〈Ich〉, das in der Widerstandserfahrung entdeckt wird, für eine persona gehalten werden; und weiter erscheint auch in der geschichtlichen Welt eine historische Person nicht gleich einer starren Sache in einem Text sondern eben als lebendige persona. Diese Auffassung gibt auch der gegenwärtigen Geisteswissenschaft einen Anhaltspunkt.