著者
伊藤 耕一郎
出版者
関西大学大学院文学研究科
雑誌
千里山文学論集 (ISSN:02861852)
巻号頁・発行日
no.101, pp.37-62, 2021-03

精神世界(いわゆるスピリチュアル)に関する研究は、島薗進によって提唱された「新霊性運動」を基礎に、宗教・聖地・サブカルチャーなど多岐に渡る分野で論じられ、関係者のブログやホームページ、著書、市場へのアンケートなどを中心に研究されてきた。一方、現地調査にもとづいて調査対象の実態の分析を行った研究は、筆者の知る限り多くない。本論文はこれまでなされてきた文書研究・文書分析や量的調査に、現地調査にもとづく具体的事例を加えることにより、先行研究の補完・発展を試み、精神世界と関わりの深い「宗教」、「心霊研究」、「聖地」、「サブカルチャー」の視座から検証を行って、精神世界に何が起きているのか、より正確な実態に即した理解に寄与することを目的としている。前編ではなぜ質的現地調査が必要なのか論じつつその事例を扱い、後編では引き続き事例を扱いながら現代の精神世界の実態に迫る。
著者
伊藤 耕一郎
出版者
関西大学大学院文学研究科
雑誌
千里山文學論集 (ISSN:02861852)
巻号頁・発行日
vol.101, pp.37-62, 2021-03-01

精神世界(いわゆるスピリチュアル)に関する研究は、島薗進によって提唱された「新霊性運動」を基礎に、宗教・聖地・サブカルチャーなど多岐に渡る分野で論じられ、関係者のブログやホームページ、著書、市場へのアンケートなどを中心に研究されてきた。一方、現地調査にもとづいて調査対象の実態の分析を行った研究は、筆者の知る限り多くない。本論文はこれまでなされてきた文書研究・文書分析や量的調査に、現地調査にもとづく具体的事例を加えることにより、先行研究の補完・発展を試み、精神世界と関わりの深い「宗教」、「心霊研究」、「聖地」、「サブカルチャー」の視座から検証を行って、精神世界に何が起きているのか、より正確な実態に即した理解に寄与することを目的としている。前編ではなぜ質的現地調査が必要なのか論じつつその事例を扱い、後編では引き続き事例を扱いながら現代の精神世界の実態に迫る。
著者
山田 広幸 伊藤 耕介 坪木 和久 篠田 太郎 大東 忠保 山口 宗彦 中澤 哲夫 長浜 則夫 清水 健作
出版者
公益社団法人 日本気象学会
雑誌
気象集誌. 第2輯 (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.99, no.5, pp.1297-1327, 2021
被引用文献数
11

<p> 2017年台風第21号(ラン)対する上部対流圏の航空機観測を、新たに開発したドロップゾンデシステムを備えた民間ジェット機を用いて行った。これは、日本の研究グループがドロップゾンデを用いて非常に強い台風の内部コアを観測した初めての事例である。本論文では、目の暖気核構造と、それに関連するアイウォールの熱力学的および運動学的特徴について記述する。この台風は観測の2日間において、鉛直シアーが強まる環境で最大の強度を維持した。ドロップゾンデにより、この期間に対流圏中層と上層に温位偏差の極大をもつ二重暖気核構造が維持されたことが捉えられた。この2つの暖気核は相当温位が10 K以上異なり、起源が異なることが示唆された。飽和点分析により、上部暖気核の空気はアイウォールから流入したことが示唆された。鉛直シアーベクトルの左半円側におけるアイウォール上昇気流は、台風の中心側で相当温位が高く絶対角運動量が低い2層の構造を持っていた。飽和点とパーセル法の分析から、この中心側の上昇気流で相当温位が370Kを超える暖かい空気が目の境界層から流入し、最終的に上部暖気核に輸送されることが示唆された。これらの結果から、目の境界層を起源とする高い相当温位の空気の鉛直輸送が、鉛直シアーによる台風強度への負の影響に対抗して、上部対流圏の目の継続的な昇温に寄与するという仮説が導かれた。この研究は、相当温位の計算に必要な温度と湿度の測定が、ドロップゾンデのような消耗型の機器でしか行えない現状において、アイウォール貫通型の上部対流圏航空機観測が暖気核構造の監視に重要であることを示している。</p>
著者
伊藤 寛明 伊藤 耕史 荒井 政大 杉本 公一 松倉 利顕 小飼 俊勝
出版者
公益社団法人精密工学会
雑誌
精密工学会誌論文集 = Journal of the Japan Society for Precision Engineering Contributed Papers (ISSN:13488724)
巻号頁・発行日
vol.70, no.6, pp.807-811, 2004-06-05
参考文献数
15
被引用文献数
3 1

To apply glass-like carbon (GC) to precision die for press-molding of optical glass lens, the wettability between optical glasses and the GC materials was investigated in nitrogen, argon or air atmosphere heated up to 900-1050&deg;C. The GC material calcinated at about 2000&deg;C (GC20) exhibited larger contact angle than that of the GC materials calcinated at 1300&deg;C or 3000&deg;C. This was caused by that calcination at 1300&deg;C or 3000&deg;C promoted graphite reaction of the GC materials. When the contact angle between the GC20 material and some commercial glasses with different chemical composition was compared, kron (Crown) glass achieved the same large contact angle as flint glass. In the kron glass, lower adhesion or more melted fragment of glass was also observed on the GC20 surface. It was expected that a lack of PbO, Na<sub>2</sub>O and K<sub>2</sub>O brought on good characteristics of the kron glass.
著者
古沢 浩 伊藤 耕三
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
オレオサイエンス (ISSN:13458949)
巻号頁・発行日
vol.3, no.11, pp.583-589,581, 2003

脂質ナノチューブは, カーボンナノチューブと違って, 外孔・内孔ともに親水性である。そのため, いくつかの潜在性をもっている。一つは, 生体系・微小管の代替品としての可能性である。そしてもう一つは, 内孔という一次元ナノ空間を, 化学反応や生体分子輸送の場として使用できるかもしれないという将来性である。本稿では, この脂質ナノチューブをマニピュレーションする方法を, 2つ紹介する。一つは, 顕微授精などで用いられる微小注射針を利用する方法である。この方法を用いると, ガラス基板上に, 単離したナノチューブを自由自在に任意の方向へ配列固定することが出来る。この我々の発見したマニピュレーション法は, 応用上有望であると思われる。例えば, 半分ほどチューブを注射針から出した状態で固定できれば, ナノピペットが作れるかもしれない。一方, もう一つのマニピュレーション法は, レーザピンセットを用いた方法である。これにより, 例えば, 一本のナノチューブを弓状に曲げることが出来る。そこで, この曲げた状態でレーザスイッチを切ったときの, 元の直線形態へと緩和する所要時間から, チューブの剛性 (ヤング率) を求めた。その結果, 微小管とほぼ同程度のヤング率をもつことがわかった。このことからも, 脂質ナノチューブは, 微小管・代替品としての可能性を持っていることが示唆される。さらに, ヤング率の温度依存性も調べた。この結果から, ベシクルへの形状転移温度よりも手前で, チューブが柔軟化する (すなわち, 壁面脂質の面内秩序が緩む) ことが明らかとなった。
著者
西嶋 一欽 丸山 敬 林 泰一 高橋 徹 友清 衣利子 伊藤 耕介
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究は、台風に先回りして容易に設置可能な風圧計測デバイスを開発することで、台風通過時に建築物が密集した都市部に位置する低層建築物に作用する風圧を実測する。さらに、実測した建築物に対して、その周辺の遮蔽物の有無を段階的に変化させた風洞実験を実施し、実測値と比較することで、都市部に位置する低層建築物に作用する風圧特性を決定づける要因を類型化し、周辺環境の何をどこまで再現すれば十分な精度で風圧を評価できるかを明らかにする。得られた知見を用いれば、都市のどこに大きな風圧が作用し得るかを明らかにすることが可能になり、都市型強風災害リスク分析の高度化や耐風補強に関する意思決定に貢献できる。
著者
伊藤 耕介 WU Chun-Chieh CHAN Kelvin T. F. TOUMI Ralf DAVIS Chris
出版者
公益社団法人 日本気象学会
雑誌
気象集誌. 第2輯 (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.98, no.1, pp.5-17, 2020
被引用文献数
13

<p>台風の移動の基礎的な理解はかなり成熟しているが、注目に値する研究の進展が近年も見られる。本論文では、単純化された順圧モデル・精緻な物理モデル・データ解析によって、主に2014年以降に得られた台風の移動に関する新しい概念や既存の概念に関する新たな知見を集約する。これには、台風の移動に関する環境場と台風の相互作用、および、予測可能性の研究を含んでいる。指向流・βジャイア・非断熱加熱といった従来の概念は依然として重要であるが、台風の進路を説明するメカニズムをより正確に理解することは、さらなる進路予報の精度向上に向けて、重要な基礎をなすであろう。</p>
著者
伊藤 耕作 小泉 卓也
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.68, pp.280_1, 2017

<p> 本研究ではタブレット端末を活用した体育実技の課題解決型学習の可能性を探る。具体的には、本学体育実技で採用しているバレーボールの授業に、iPadアプリ(ゲーム分析アプリ「V-Notes」や映像分析アプリ「Dartfish Express」など)を活用することで、内容への動機づけ、課題解決力、コミュニケーション活動などにおいていかなる効果があるかを、授業を受けた学習者の反応から検討する。対象は山口県内の国立高等専門学校1年生4クラス160名とし、調査は2017年4月から5月の期間に行った。調査期間中の授業は、グループミーティング(10分)、グループワーク(20分)、メインゲーム(50分)、振り返り(10分)の順で行い、90分の授業時間内に、課題解決の手順に基づく4つのタスク(T1:課題の発見 T2:解決策の立案 T3:計画の実行 T4:解決策の評価)を各グループに課した。調査の結果、タブレット端末を活用した課題解決型学習の利点や課題がいくつか明らかになったが、その詳細は当日の発表で紹介する。</p>

1 0 0 0 OA 歳端唱酬録

著者
伊藤耕餘 編輯
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
vol.第3集, 1920
著者
柴山 充弘 伊藤 耕三 遠藤 仁
出版者
東京大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2006

高分子ダイナミクスの強力な測定手段である光子相関法を中心とし、小角中性子散乱、中性子スピンエコー測定(スピン相関法)を相補的に使用して高分子ゲルを対象とした高分子凝縮系ダイナミクス物理の構築・展開を目指した研究を遂行した。
著者
中村 由美子 宗村 弥生 内城 絵美 伊藤 耕嗣 杉本 晃子 鳴井 ひろみ 吹田 夕起子 澁谷 泰秀 浜端 賢次 杉本 晃子 権 美子
出版者
青森県立保健大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究では,病気の家族メンバーがいる家族へのケアを支援するために,項目反応理論を用いた家族機能尺度の有用性について検討することを目的とした。病気の家族メンバーには、がん患者や介護の必要な高齢者を含んでいた。有効回答を得られたのは195名(男性52名,女性142名)であった。構造方程式モデリング手法(共分散構造分析)を用いてモデルを構築した結果,"家族機能"と"QOL"という2つの構成概念が直接影響を及ぼすことが示された。また,項目を洗練化するために,合計19項目からなる尺度を項目反応理論(IRT)によって分析した。項目反応理論を用いた分析は,項目の洗練化だけではなく家族機能モデルの開発にも有用であった。
著者
伊藤 耕介
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

台風の強度に関する研究は,防災上の観点からはもちろんのこと,温暖化に代表される気候変動によってインパクトがどのように変化するのかを評価するという意味でも重要性を増している.中でも,台風状況下の海面付近の観測は限られるため,本研究では,観測可能な物理量の情報と数値モデルを用いて,海面から大気に渡される運動量フラックス・熱フラックスの影響を調べる研究を進めてきた.本年度は「運動量・熱フラックスを修正した場合の台風強度変化に関する詳細な物理プロセスの解明」及び「3次元モデルへの本スキームの適用」についての数値実験を行った.前者については,台風の最大接線風速をターゲットとして,アジョイント方程式を用いた後方時間積分によって感度解析を行い,最大風速変化に寄与する物理場を過去にたどることとした.この感度解析の結果,海面付近の擾乱成分が1時間以内というごく短時間スケールで台風の最大風速を強めるというプロセスが存在することが新たに明らかとなった.本研究の成果については,国際学会で発表を行ったほか,論文にまとめて国際誌Journal of the Atmospheric Sciencesに投稿し,すでに受理された.後者については,非静力学メソ4次元変分法データ同化システム(JNoVA)に本スキームを導入して,運動量フラックス及び熱フラックスの推定に関するスキームが動作するかについて調べた.結果として,運動量交換係数は元の値に比べ,台風の進行方向右側前方で大きく,左側後方で小さくなるように修正されれば,観測値との整合性が高められることが分かった.本研究で行った海面フラックスの最適化により,台風予報性能向上することが貢献することが期待される.本研究の結果は,国際会議において既に口頭発表済みであり,現在,国際誌への投稿を準備している段階にある.
著者
伊藤 耕三 木戸脇 匡俊 酒井 康博
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、超分子を利用した新規高分子材料の創成を目指しており、超分子構造の一種であるポリロタキサンを応用して、側鎖が軸高分子上を自由に動く様々なスラディンググラフトコポリマー(SGC)を合成し、これを用いて新しいミクロ相分離構造と物性を示す高分子材料を構築することを目的としている。本年度はまず、軸高分子(ポリエチレングリコール)の長さが一定で、グラフト鎖の長さと数が制御されたSGCの合成を試みた。我々のこれまでのポリロタキサンの修飾法は、多数あるシクロデキストリン(CD)水酸基に対してランダムに置換基を導入していたため、1つのCDに対する置換基の数や位置を厳密に定義するのは困難であった。本研究では予め官能基を導入したCDを用いてポリロタキサンを合成し、反応サイトを限定する。CD誘導体については、初めはMono-hydroxy α-CDのように市販されているものを購入して使用した。あるいは、多くの論文や成書で確立した合成法が報告されているので、それらに従い合成することも可能である。一方、グラフト鎖の導入方法としては、酸クロライドなどの水酸基と反応性の高い末端を有する高分子を結合させる方法と、ポリロタキサンからモノマーの重合反応により高分子鎖を成長させる方法が考えられる。本研究ではまず、精密な反応の制御が可能なリビング重合の一つであるATRP法により、モノマーとして疎水的なブロック鎖を形成するメタクリレート誘導体を用いた重合反応を試みた。合成した試料の同定は主にNMRによって行い、また、分子量の評価には本年度新たに導入した示差屈折計検出器を用いた。尚、本研究は、科学研究費補助金(基盤研究(S)・課題番号:20221005・研究代表者:伊藤耕三)の採択に伴い、平成20年8月11日付けで廃止となった。