著者
佐藤 純
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.367-376, 1998-12
被引用文献数
7

本研究は, 学習方略に対する有効性の認知, コストの認知, 好みが, 学習方略の使用に及ぼす影響について調べた。426名の小・中学生が, 学習方略の認知及び使用を評定する質問紙に回答した。その結果, 学習方略の有効性を認知し, 好んでいる学習者ほど使用が多く, コストを高く認知するほど使用が少ないことが明らかとなった。また, メタ認知的方略は, 他の方略よりもコストを高く認知され, 使用が少ないことが示された。さらに, メタ認知的方略を多く使用する学習者は, 学習方略のコストの認知が使用に与える影響が少ないことも明らかとなった。
著者
佐藤 純 溝口 博之 深谷 佳乃子
出版者
日本生気象学会
雑誌
日本生気象学会雑誌 (ISSN:03891313)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.3-7, 2011-04-01
参考文献数
12
被引用文献数
1
著者
佐藤 純子 Junko SATOH 淑徳大学短期大学部こども学科 Shukutoku University Junior College
出版者
淑徳大学短期大学部紀要委員会
雑誌
淑徳短期大学研究紀要 = Bulletin of Junior College of Shukutoku (ISSN:02886758)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.63-80, 2015-02-25

ラーニング・ストーリーとは、ニュージーランドの多くの教育や保育現場において用いられている観察記録の一つの方法である。本研究では、C保育園(後に対象児は、P保育園に転園。P保育園においても調査を継続)において、当時4歳児であったリリコの2年間を観察した。具体的には、K保育士にラーニング・ストーリーの手法に基づいた観察記録を蓄積してもらい、定期的に園全体で振り返る機会を設けた。そして、1 その記録をニュージーランドの幼児教育カリキュラムである「テ・ファリキ」と日本の「保育所保育指針」の双方と照合することによって保育士自身の保育観に影響や変化をもたらすのか、2 観察記録で得られた成果を次の日からの保育実践に活かすことにより、子どもの発達に効果が表れるのかを分析した。ラーニング・ストーリーに記されたリリコの活動を「テ・ファリキ」と照合した結果、保育者に対しては、「保育を客観的に観る力」と「子どもの内なる声を聴く力」を養成していたことが明確となった。また、対象児の発達面でも変化が見られ、とりわけ社会性と表現能力の両面が育まれていた。
著者
佐藤 純次
出版者
気象庁気象研究所
雑誌
Papers in Meteorology and Geophysics (ISSN:0031126X)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.39-49, 1989

エア・トレーサーを有限時間に放出した中規模大気拡散実験において、トレーサープルームが風下方向に引き伸ばされる現象が観測された。このような有限長プルームの引き伸ばされた部分は、トレーサーを瞬間的に放出したパフの拡散の場合と同じであると仮定することによって<i>x</i>方向の拡散パラメータ、σ<sub><i>x</i></sub>を求めることができる。有限長プルームから求めたσ<sub><i>x</i></sub>を 「安定」、「ほぼ中立」、「不安定」 の3階級の大気安定度に分類し、他の類似した規模の拡散実験結果と比較した。安定条件ではσ<sub><i>x</i></sub>の値が僅かではあるが小さい傾向が見受けられたが、σ<sub><i>x</i></sub>の風下方向への変化に対する安定度の影響は認められなかった。<br> さらに、連続条件を満足するようにトレーサーの放出時間、サンプリング時間、トレーサープルームの長さを考慮した時間平均濃度を適正に評価する方法を検討した。この方法はいかなるサンプリングモードにも適用できる。
著者
東 英弥 佐藤 純一 岩田 修一
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.49-70, 2002

現代社会で生活の基本システムである経済活動の社会連関において、言語を道具とした社会的、経済的活動である広告に着目し、日本唯一の広告専門誌「宣伝会議」の1954年から2000年の47年間613冊の全誌における掲載記事の全タイトルに用いられた言葉の出現頻度について、ビブリオメトリー分析を実施した。50年代から90年代にわたる10年期毎に、第2次大戦後の日本の廃墟からの復興と現在に至るまでの経済、産業、社会の変遷を、広告用語を通して、現象論的な特徴を明確にすることを目的に研究を行った。本稿では、広告業のマーケットコミュニケーションを通じての人間社会、環境への適応への貢献の可能性を探るため、企業製品の消費者への宣伝という狭義の広告に止まらず、産業界の発展や、社会情勢を正しく伝えることで、次の10年期への経済・社会動向、企業意識、さらに環境や国際問題等の理解に日本の広告活動が果たしてきた状況について、半定量的なビブリオメトリーで明らかにした結果を報告する。
著者
向居 暁 佐藤 純 DEHON Hedwige
出版者
高松大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は、実験室におけるDRM課題による虚記憶と現実世界で生起すると考えられる自伝的虚記憶との関連性を、連想活性化、及び、モニタリングに係る個人変数を通して検討することであった。本研究では、日常において空想的に生じる自伝的虚記憶として、「心霊体験」が仮定され、そして、その生起に関与する個人変数として、心霊信奉はもとより、解離体験、認知スタイルなどが検討された。その結果、予測に反して、DRM虚記憶と自伝的虚記憶との間には、それぞれに関与するいくつかの個人変数は示されたものの、強い関連性は認められなかった。
著者
横山 博 金 正鎬 佐藤 純 佐野 元彦 平野 慶二
出版者
The Japanese Society of Fish Pathology
雑誌
魚病研究 (ISSN:0388788X)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.99-104, 1996-06-15
被引用文献数
8 23

Uvitex 2B 蛍光染色をブリ・ヒラマサべこ病の原因微胞子虫 Microsporidium seriolae の胞子検出法として用いた. 体側筋肉ホモジネートの塗抹標本に Uvitex 2B 染色を施した場合の胞子検出率は, 剖検による"シスト"検出率より高く, 迅速診断法として有用と考えられた. パラフィン切片の Uvitex 2B-H & E 染色では, 成熟胞子のみが明瞭に識別でき, 微胞子虫の発育過程や宿主細胞による胞子の貪食, 被包化, 他器官への輸送などが観察され, 病理組織学的研究にも応用可能であった.
著者
輕部 雄輝 佐藤 純 杉江 征
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.386-400, 2015
被引用文献数
4

本研究の目的は, 大学生が企業からの不採用経験をいかに乗り越え就職活動を維持していくかという就職活動維持過程に焦点を当て, 当該過程で経験する行動を測定する尺度を作成し, その信頼性と妥当性を検討することである。2013年および2015年新卒採用スケジュールの就職活動を経験した大学生に対して, 2つの質問紙調査を行った。研究1では, 212名を対象に6つの下位尺度から構成される就職活動維持過程尺度を作成し, 一定の内的整合性と妥当性が確認された。研究2では, 72名を対象に作成尺度と就職活動の時期との検討を行い, 時期によって行われやすい行動が明らかとなり, 過程を測定する尺度としての妥当性が確認された。以上から, 就職活動の当初より行われやすいのは, 不採用経験を受けて当面の活動を維持するための現在志向的行動であり, 当該経験の蓄積や一定の就職活動の継続に伴って次第に, より現実的な将来目標を確立していく思考的作業を含む未来(目標)志向的行動が追加的に行われるようになることが示唆され, 作成尺度が就職活動維持過程における一次的過程と二次的過程を捉えうることが示された。
著者
広田 信一 佐藤 純
出版者
山形大学
雑誌
山形大學紀要. 教育科學 (ISSN:05134668)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.13-27(371-385), 2009-02-15

要旨 本研究は、生きることや働くことをどのように捉えているかをキャリア観と名づけ、高校生がどのようなキャリア観を持つかを検討することを目的とした。149名の高校生を対象に、「何のために働くと思うか」を問うゴール次元と「どのように生きねばならないと思うか」を問うマスト次元から構成されるキャリア観測定尺度を用いて質問紙調査を実施した。ゴール次元尺度を因子分析した結果、9因子が抽出され、多様な価値観が存在することが明らかにされた。また、ゴール次元とマスト次元との聞には有意な正の相関が認められ、両者の平均値を比較すると5つの下位尺度においてマスト次元がゴール次元よりも平均値が有意に高いという結果が得られた。以上の結果から、高校生が働き生きることについて多様な価値観を抱き、特に「どのように生きなければならないか」という視点を比較的強く持っていることが示唆された。
著者
佐藤 純
出版者
八戸工業高等専門学校
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

1930年代におけるイングランド銀行の対外政策に関しては、その影響力が及んだ範囲の大きさゆえに研究者の関心を集めてきた。これに関して先行研究は、同行がスターリング圏(sterlingarea)の安定と拡大を目的として、帝国内外の諸国にアドバイザーを派遣し中央銀行の創設を実現していったことは明らかにしているが、中央銀行創設に至るプロセスや、果たして中央銀行の創設によって上述の目的は達成されたのか否か、以上の点については十分には明らかにしてこなかった。本研究では、これらの点を1934年におけるエル・サルバドル準備銀行の創設に関する事例に即して明らかにした。