著者
佐藤一郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.556-569, 2005-02-15
被引用文献数
1

複合ドキュメントを実現するコンポーネントフレームワークを設計・実装する.これはテキストや画像などの多様なコンテンツを実現するコンポーネントとその合成によって高次なドキュメントを実現するものである.従来の複合ドキュメントと同様にコンポーネントの合成やシームレスなコンテンツ表示・編集能力を提供するとともに,このフレームワークでは各コンポーネントがコンテンツに相当するデータ部分に加えて,そのコンテンツを表示・編集するプログラム部分も内蔵できるという自己完備性を導入する.さらにモバイルエージェント技術を利用することにより,コンポーネントにコンピュータ間移動性を与える.これによりネットワークを自律的に移動しながら情報配信を行うドキュメントが実現できるようになる.本論文ではこのフレームワークの概要を述べるとともに,Java言語を用いた設計・実装について概説し,さらに応用事例を示す.This paper presents a new framework for building mobile compound documents in distributed system, where a compound document to be dynamically and nestedly composed of software components corresponding to various contents, e.g., text and image. The framework enables each component to migrate over a network under its own control by using mobile agent technology and be are self-contained in the sense that they include not only their contents but also their programs for viewing and editing the contents. It also provides several value-added mechanisms for visually manipulating components embedded in a compound document and for seamlessly combining multiple visible components into a single one. Therefore, we can easily create and operate autonomous documents, which can change their contents and distribute themselves over a distributed system. This paper describes this framework and its implementation, currently using Java as the implementation language as well as a component development language, and then illustrates several interesting applications to demonstrate the utility and flexibility of this framework.
著者
馬場 尚一郎 堀 政義 佐藤 建樹
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学会関東支部総会講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2003, no.9, pp.61-62, 2003-03-13

On Dynamic-type ice storage system, the continuously preventing technique of the ice growing and adhering to the pipe wall from supercooled releaser to Supercooling chiller is proposed. -2.0 degree level supercooled water cooled by the evaporator of an electric refrigerator is able to be changed to sherbet ice perfectly by the supercooled releaser. Heating (less than 100W) the plastic pipe prevents the ice growing and adhering. 50USRT level experiment results are discussed and the stability prevention of the ice growing and adhering condition is shown.
著者
佐藤 博
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獸醫學雜誌 (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.43, no.6, pp.915-917, 1981-12-25

山羊と緬羊における尿中リン(P)濃度の日内変化を調べた. 毎日午前9時に給飼されている山羊の尿を6時間毎に72時間続けて採取してP濃度をみると, 採食後6時間に最も高濃度となる場合が多かった. 緬羊を午前6時あるいは午後6時の給飼条件にそれぞれ2週間以上慣らして同様に6時間毎に96時間採尿したところ, いずれの場合も給飼後にP濃度の高まる傾向がみられた. 同一個体で朝から夕刻へと給飼条件を変えると, 尿中P濃度の日内変動も逆転した例が多かった. 1日に1回給飼のような飼養条件下では尿中P排泄量は給飼時刻に最も強く影響されることが判明した.
著者
佐藤 甲葵 道下 幸雄 小林 茂 樋口 和人 勝間 ひでとし
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会年次大会講演予稿集 (ISSN:09191879)
巻号頁・発行日
no.27, pp.229-230, 1991-07-28

本研究は将来のホログラフィ立体テレビをめざして, 現在入手できる液晶表示デバイスを用いてホログラフィテレビジョンシステムを構築し, その入力系, 伝送系, 出力系の特性について検討する.そのためにホログラフィ基礎実験システムを作成し, それを用いてリアルタイムホログタムを作成し, 更にテレビ信号の伝送系を用いて伝送し, コントローラを介して液晶パネルにホログラムとして表示したものに, 再生用のレーザを照射して実時間で像を再生した.in-lineホログラムとなっているために再生像は0次透過光に重なっており, そのために再生像のS/Nが非常に低下している.また再生像には高次の像が同時に現れているのがわかるが, 再生像の結像位置と回折光の結像位置がずれていることを利用して, 回折光の結像位置に空間的フィルタを設置して透過光および回折光を除去することができた.
著者
津村 宣彦 櫻木 範明 晴山 仁志 野村 英司 大河内 俊洋 山本 律 武田 直毅 西谷 雅史 平畠 功二 藤野 敬史 大久保 仁 佐藤 力 牧野田 知 川口 勲 藤本 征一郎
出版者
社団法人日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.48, no.7, pp.508-514, 1996-07-01

骨盤リンパ節 (PLN) および傍大動脈リンパ節 (腹大動脈節: PAN) を含む系統的後腹膜リンパ節郭清 (RPLND) を行った原発性上皮性卵巣癌137例の手術治療について後腹膜リンパ節 (後腹膜LN) の部位別転移頻度を求めた。137例のうち, 97例は化学療法施行前の初回手術時に, 40例は化学療法施行後の二次的手術 (secondary cytoreductive surgery) の際にRPLNDを行った。本研究で用いた臨床進行期は後腹膜LN転移所見を考慮せずに術中の腹腔内所見だけに基づいて決定した暫定的進行期である。得られた結果は以下のとおりである。1. 後腹膜LN転移は137例中30例 (21.9%) に認められた。PLNのみの転移が13例, PLNおよびPAN両方に転移を認めたものが11例あり, PANのみの転移が6例あった。2. 部位別のLN転移頻度はPANが12.4% (17/137) と最も多く, ついで総腸骨節, 閉鎖節, 外鼠径上節などと続いた。3. 化学療法施行前の初回手術時にRPLNDを行った症例における孤立性のLN転移はPANあるいは総腸骨節に認められた。4. PLN転移陽性24例のうち, PAN転移陽性例のPLN 転移部位数は5.27±3.00 (mean±SD) であり, PAN転移陰性例のPLN転移部位数2.62±1.66との間に有意差 (p<0.05) を認めた。これらの結果は卵巣癌のLN転移部位としてPANおよび総腸骨節が最も重要であること, PANとは独立して閉鎖節や内腸骨節などのPLNに転移が起こること, さらにPAN転移は直接の経路によるほかにPLN転移の拡大の結果として起こることを示している。したがってLN転移の有無を明らかにするためにはPANおよびPLN両方の系統的検索が必要と思われた。
著者
白土 男女幸 久米 雅 大西 明宏 仲井 朝美 佐藤 ひろゆき 牧 道太郎 芳田 哲也
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
ジョイント・シンポジウム講演論文集 : スポーツ工学シンポジウム : シンポジウム:ヒューマン・ダイナミックス : symposium on sports engineering : symposium on human dynamics
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.254-257, 2007-11-13

The purpose of this study is to examine the optimum fermentation period of clay by analyzing the technical properties of daubing motion among several kinds of clay. An expert wall craftsman (right-handed male, 56 years old, 28 years of work experience) and a non-expert (right-handed male, 37 years old, 6 years of work experience) daubed on the wall using 4 kinds of clay with different fermentation period (1-day, 1-, 2-, 3-week). The shape-maintenance property of clay was evaluated by slump test. The motion of daubing was measured using a three-dimensional motion analysis system. The slump value under 1- and 2-week clay condition was higher than 1-day and 3-week. Under 1-day clay condition, speed and acceleration of the right hand (vertical direction) were lower than other conditions. Moreover, daubing motion of the expert was hardly influenced on clay condition compared with the non-expert. These results suggest that the optimum fermentation period of clay is 1 or 2 weeks.
著者
佐藤 勝善 飯草 恭一 原田 博司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.425, pp.133-138, 2009-01-28

ITSは渋滞や事故の低減など多くの役割を期待されている.ITSにおいて,車両間通信・路車間通信は大きな役割を果たすが,車両間通信は特に安全運転支援への適用が期待されている.その応用例の一つとして交差点見通し外環境における衝突防止が挙げられるが,このような用途のため比較的周波数が低く回折による回り込みが期待できる720MHz帯がITS用に割り当てることとなった.この周波数帯における車両間電波伝搬特性は現在必ずしも十分に明らかではなく,信頼性の高いシステムを開発するためにはその特性を知ることは重要である.本稿では擬似的交差点構造を用いた720MHz帯における車両間電波伝搬特性について測定を行ったのでその報告する.
著者
石島 力 佐藤 安志 大泰司 誠
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.193-200, 2008-11-25
被引用文献数
1

チャのハマキガ類の卵寄生蜂キイロタマゴバチの発育速度,性比,羽化率および体サイズを,チャノコカクモンハマキ卵およびチャハマキ卵を寄主とした場合について5つの温度(16,20,24,28,および32℃)で調査した.ハマキガ類の卵で飼育したキイロタマゴバチの発育速度は,どちらの卵で飼育した場合においても,温度と有意な関係がみられたが,卵サイズの大きいチャハマキ卵の方がチャノコカクモンハマキ卵に比べ,温度に対する発育速度の上昇率は有意に高かった.チャノコカクモンハマキおよびチャハマキ卵で飼育した発育零点と有効積算温度は,雌,11.7℃,120.5日度,雄,11.5℃,119.0日度,および雌,11.7℃,114.9日度,雄,11.7℃,116.3日度となった.チャノコカクモンハマキおよびチャハマキ卵から羽化した成虫の性比(雌個体数/合計個体数)は,それぞれ0.76〜0.89および0.71〜0.77であり,羽化成虫の性比については,チャノコカクモンハマキがチャハマキに比べ有意に高かった.また,チャノコカクモンハマキおよびチャハマキ卵から羽化した成虫の羽化率[{羽化個体数/(羽化個体数+卵塊内死亡個体数)}×100]は,それぞれ23.7〜73.4および41.8〜85.0であった.羽化率は,両寄主ともに,温度の上昇に従って,加速的に低下した.チャノコカクモンハマキ卵から羽化した雌および雄成虫の頭幅は雌0.172〜0.186mmおよび0.168〜0.188mmであった.チャハマキ卵から羽化した雌および雄成虫の頭幅は0.202〜0.216mmおよび0.195〜0.212mmであった.チャノコカクモンハマキで飼育した場合,ハチの頭幅は温度が上昇するに従って大きくなることが示唆された.一方,チャハマキで飼育した場合,ハチの頭幅は温度が上昇するに従って加速的に小さくなることが示唆された.
著者
関根 達郎 佐藤 治雄
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.241-248, 1992-12-10
被引用文献数
24

Bark stripped from tree trunks and butts by Sika deer, Cervus nippon TEMMINCK, was surveyed in twelve 20×20m^2 plots within 3 forest types on Mt. Odaigahara, Nara Prefecture, Japan. About 90% of Picea jezoensis (SIEB. et ZUCC.) CARRIERE var. hondoensis (MAYR) REHDER and 57% of Abies homolepis SIEB. et ZUCC. trees were barked while deciduous broad-leaved trees such as Fagus crenata BLUME and Quercus mongolica FISCHER ex TURCZ. var. grosseserrata (Bl.) REHDER et WILSON were not barked. The percentages of barked trees in 5 Picea jezoensis var. hondoensis-Sasa nipponica MAKINO et SHIBATA plots on the eastern part of the mountain (1550-1600 m in alt.) were 57% whereas they were 49% in 3 Fagus crenata-Sasa nipponica plots (1450-1550 m) and 17% in 4 Fagus crenata-Sasamorpha borealis (HACK.) NAKAI plots (1300-1450 m) on the western part of the mountain. These percentages appeard to be closely correlated with the intensity of the habitat utilization by Sika deer, assessed by the grazing intensity on Sasa and Sasamorpha leaves and fecal pellet density.
著者
河村 晃好 黒武者 健一 佐藤 亮一 芥子 育雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.192, pp.9-16, 2001-07-11

膨大な量のデジタルコンテンツが蓄積されるようになり, ユーザが興味を持っている情報を選択的に探し出すのは困難になってきている.ユーザが欲しい情報を得るためには, 検索についての専門的な知識や技術も必要になってくる.そのため, ユーザの嗜好を学習し, 嗜好に合致した情報だけを推薦するリコメンダシステムが注目されている.本論文では, 簡単なアンケートを元にユーザグループを決めた後, グループ嗜好モデルを利用して検索キーワードを拡張するコンテンツの検索方式と視聴履歴による検索とを融合した嗜好類推型検索方式を提案する.さらに, ユーザにお薦めコンテンツを推薦する検索サーバのプロトタイプについて紹介する.