著者
森 龍丸 藤原 裕司 前田 浩二 神保 睦子 小林 正
出版者
公益社団法人 日本表面真空学会
雑誌
表面科学学術講演会要旨集 2016年真空・表面科学合同講演会
巻号頁・発行日
pp.143, 2016 (Released:2016-11-29)

グラフェンは様々な分野で注目を集めているが,我々は磁気特性に注目している.本研究では,多層の酸化グラフェンを還元し,各種処理を施し,グラフェンの磁性の変化を調査した.アルゴン雰囲気600度で還元された試料は反強磁性であったが,水素含有雰囲気600度で還元された試料の一部は強磁性的特徴を示した.また,超音波処理を行うことで磁気モーメントの増大が観測されており,強磁性グラフェンの存在が示唆された.
著者
前川 真帆香
出版者
東京大学大学院新領域創成科学研究科環境学研究系社会文化環境学専攻
巻号頁・発行日
2010-03-24

報告番号: ; 学位授与年月日: 2010-03-24 ; 学位の種別: 修士 ; 学位の種類: 修士(環境学) ; 学位記番号: 修創域第3535号 ; 研究科・専攻: 新領域創成科学研究科社会文化環境学専攻
著者
前田 友吾 結城 雅樹
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.94.22032, (Released:2023-09-01)
参考文献数
66

Previous research has found that, in successful situations, East Asians tend to feel less pride and greater embarrassment than Westerners. From a socio-ecological perspective, we propose that these cultural differences in self-conscious emotions after success could be due to cross-societal differences in the expected reward or punishment that others would assign to the actor for high achievement, which in turn stems from different levels of relational mobility. Supporting our theory, a vignette study with American and Japanese participants showed that (a) Japanese felt more embarrassment and less pride in successful situations than Americans; (b) the cultural differences in embarrassment were mediated by relational mobility and the expected punishment for high achievers; (c) the indirect effect of relational mobility and the expected reward for high achievers on pride was in the predicted direction but was not significant.
著者
窪田 泰夫 森上 徹也 森上 純子 中井 浩三 横井 郁美 藤田 名都子 宗廣 明日香 前田 麗子 石川 絵美子 細川 洋一郎 小浦 綾子 米田 耕造
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.74, no.4, pp.432-438, 2012-08-01 (Released:2012-11-15)
参考文献数
7
被引用文献数
1

アトピー性皮膚炎 (AD) 患者を対象に標準的 AD 治療のひとつとしてスキンケアにビーソフテン® ローション (B) およびヒルドイド® ローション (H) を使用し,患部皮膚の角質水分量,経皮水分喪失量の推移,AD の皮膚症状に及ぼす影響を左右半身比較による検討を行った。両製剤の使用感や利便性に関する評価と満足度も検討した。両製剤とも4,8週後に皮膚症状は有意に改善し,製剤間に差はなかった。角質水分量,経皮水分喪失量については,治療前後および製剤間の差はなかった。Visual Analogue Scale (VAS) による評価では「皮膚のうるおい」,「皮膚のなめらかさ」,「患部皮膚の色調」では,両製剤とも4,8週後に有意に改善し,製剤間に差はなかった。「痒み」は4週後では両製剤とも有意な改善を認め,8週後では (H) のみが有意に改善したが,製剤間には差はなかった。薬剤使用感のVAS評価では,「薬剤塗布時の使用感」で (B) が有意に優れていたが,「塗りやすさ」,「薬剤塗布時のにおい」,「薬剤塗布した翌朝の皮膚の状態」,「薬剤の継続使用希望」は製剤間に有意差はなかった。AD 外用治療の基礎であるスキンケアにおける保湿剤の使用は皮膚炎の軽重にかかわらず長期にわたる。患者の好み,塗布範囲,季節,発汗などに応じた剤形選択がアドヒアランス向上をもたらし,高い治療効果や QOL の改善にも寄与するものと考えられた。
著者
劉 安基 前田 泰昭 池田 有光 坂東 博
出版者
Japan Society for Atmospheric Environment
雑誌
大気環境学会誌 (ISSN:13414178)
巻号頁・発行日
vol.30, no.6, pp.410-413, 1995-11-10 (Released:2011-11-08)
参考文献数
5
被引用文献数
1

都市ごみ焼却炉において, ダイオキシン類およびNOxなど有害物質発生を抑制するためには, 焼却炉での燃焼ガスの混合, 反応, 伝熱などによる完全燃焼を図ることが重要である。本研究では, 実際のごみ焼却プラントにおける各種条件が, ガス化燃焼に与える影響度合いを把握することを目的とした。実験では, 焼却炉内へ二次空気を吹き込むとともに, 炉内への水噴霧および排ガス循環を行い, COとNOx濃度の変化を調べた。その結果, CO濃度を低減すると同時に, NOxの発生量も低レベルでコントロールすることができた。
著者
三好 真琴 宇佐美 眞 藤原 麻有 青山 倫子 前重 伯壮 高橋 路子 濵田 康弘
出版者
日本静脈経腸栄養学会
雑誌
静脈経腸栄養 (ISSN:13444980)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.915-921, 2013 (Released:2013-08-23)
参考文献数
23
被引用文献数
1

近年、腸内フローラは肥満やメタボリックシンドロームに関与する環境因子として注目されている。腸内フローラは、未消化食物成分を代謝し、アミノ酸、ビタミン、脂肪酸などを宿主に供給しており、その機序の一つとして腸内分泌細胞のI細胞やL細胞上の栄養受容体が関与している。脂肪酸レセプターは、短鎖脂肪酸がGPR41、GPR43、中鎖、長鎖脂肪酸がFFAR1、GPR120と近年同定された。特に腸内フローラの代謝物である短鎖脂肪酸はレセプターやトランスポーターMCT-1を介して多様な機能を発揮し脂質代謝へも効果を及ぼすと考えられている。さらに、短鎖脂肪酸の代謝仮説に基づいて腸内フローラと脂質濃度の関連を解析した我々の結果を交えて、腸内細菌と脂質代謝について概説する。腸内フローラと多価不飽和脂肪酸の関連が新たに得られ、更なる検討が必要であろう。
著者
西野 惇志 前原 裕 橋本 洸哉 内田 泰三 早坂 大亮
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.596-605, 2019-05-31 (Released:2019-07-27)
参考文献数
60

在来植物のクズ(Pueraria lobata)による景観や防災機能,生態系への悪影響が深刻化している。そのため,特に緑化地においては,本種の完全防除が求められている。本研究では,切土法面を対象に,法面植生の保全や回復性に配慮したクズの根絶手法について3年間にわたり探索した。近畿大学農学部周辺に位置する,造成後30年以上が経過した切土法面に20個の調査方形区を設置し,5つの処理を施した(無処理,イマザピル注入,引き抜き,年2回刈り取り,および遮光(試験1年目のみ年1回刈り取り))。各処理のクズ根絶効果に加え,切土法面植生の組成に及ぼす影響も評価した。その結果,引き抜きと遮光処理でクズの根絶が確認された。引き抜き処理を行うと一時的(一年程度)に裸地化するが,時間とともに法面植生の被度・種数は増加し,各種の生活型特性も多様化した。他方,遮光処理では期間を通じて法面植生は回復しなかった。その他の処理はクズの密度抑制には一定の効果を示すものの,根絶には至らなかった。以上のことから,本研究で選定された処理のうち,クズの根絶と法面植生の回復性の両面に貢献できる効果的な方法は,引き抜き処理である可能性が示唆された。
著者
坂部 龍太郎 山口 拓朗 長谷 諭 田原 浩 布袋 裕士 前田 佳之
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.78, no.5, pp.983-987, 2017 (Released:2017-11-30)
参考文献数
14

GISTを疑い切除した寄生虫による胃好酸球性肉芽腫の1例を報告する.症例は65歳の女性で,Helicobacter pylori菌に対する除菌治療を受けていた.上部消化管内視鏡検査で胃体中部大彎に潰瘍を伴う粘膜下腫瘍を指摘された.造影CT検査では,胃壁外へ突出する15mm大の腫瘍を認めた.超音波内視鏡検査では,腫瘍は筋層と連続していた.超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診では十分な組織が採取できず,確定診断できなかった.GISTを疑い腹腔鏡下胃局所切除術を施行した.病理組織学的検査では,粘膜下層に変性した虫体を認め,その周囲に肉芽腫を形成する好酸球性肉芽腫であった.寄生虫による胃好酸球性肉芽腫は稀な疾患であるが,胃粘膜下腫瘍の鑑別診断として認識しておく必要がある.
著者
大石 里歩子 前田 大成 北村 俊平
出版者
特定非営利活動法人バードリサーチ
雑誌
Bird Research (ISSN:18801587)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.A1-A14, 2020 (Released:2020-05-10)
参考文献数
49

種子散布とは種子が親個体から離れて移動することであり,風や水などの媒体を利用する風散布や水散布,鳥類や哺乳類を媒体とする動物散布などがある.サトイモ科テンナンショウ属の多くは秋に赤色の液果をつける.本研究では,自動撮影カメラをもちいてカントウマムシグサ Arisaema serratum の果実消費者とその持ち去り量を3年間にわたり調査し,その量的に有効な種子散布者を解明することを目的とした.さらに量的に有効な種子散布者が散布した種子の発芽実験を行ない,質的な有効性についても検討した.調査は石川県農林総合センター林業試験場と金沢大学角間キャンパス里山ゾーンで行なった.カントウマムシグサの果実を利用する動物を調べるため2013年秋から2016年春にかけて自動撮影カメラを設置した.計60個体(2013年:11個体,2014年:20個体,2015年:29個体)のカントウマムシグサについて果実持ち去り動物を記録し,動物種毎の訪問頻度と持ち去り量を計数した.果実を採食した鳥類の訪問頻度の上位3種は,シロハラ180回(47%),ヒヨドリ118回(30%),コマドリ40回(10%)だった.果実の持ち去り量の上位3種は,ヒヨドリ573個(31%),シロハラ481個(26%),トラツグミ98個(5%)だった.ヒヨドリが散布した種子の発芽率は100%(N=129),シロハラが98.8%(N=163),種子をそのまま播種した場合が97.1%(N=834)で,有意差は見られなかった.異なる調査地で3年間を通して,訪問頻度と果実持ち去り量が上位であったヒヨドリとシロハラはカントウマムシグサの量的に有効な種子散布者と考えられた.さらにヒヨドリとシロハラは発芽能力のある種子を数十メートルの範囲内に散布する可能性があることから,質的にも有効な種子散布者である可能性が高いと考えられた.
著者
前川 美行
出版者
リトン
雑誌
死生学年報 = Annual of the institute of thanatology
巻号頁・発行日
vol.10, pp.187-206, 2014-03-31

In this paper, the author discusses “Gakkou no Kwaidan” in relation to the psychological development of schoolchildren. Originally, “Gakkou no Kwaidan” were tales of the supernatural circulated by word of mouth among schoolchildren. After Toru Tsunemitsu, a junior-high-school teacher, collected and edited them into a book in 1990, a boom of new “Gakkou no Kwaidan” publications arose and continued through the 1990s. The author points out, however, that the boom of newly published tales reduced school children’s primitive power of narrating these stories themselves.In this article, the original tales of the supernatural in school, “Gakkou no Kwaidan” will be the focus. Why do children tell “Gakkou no Kwaidan?” Why do they like narrating the tales? The author explains two reasons for this. The first is from the viewpoint of “the sense of self” in childhood, and the second is from the viewpoint of the special space of school where children are experiencing life together.First, many researchers in developmental and clinical psychology have stressed a turning point in an 8-10 year old child’s sense of self. It is a fundamental restructuring of the self. After that occurs, they begin to be aware of the existence of “another me” (an objective self) in themselves. The author proposes that sometimes this can emerge in a mysterious and/or supernatural form.Furthermore, the author explains the significance of the power of narration. Children experience various feelings in school life such as delight, happiness, sadness, distress, rage, loneliness and so on. Unfortunately, there is also severe bullying at some schools that many children go through which can wound them deeply. In this case, narrating tales of the supernatural in school can give children reassurance, and has a great power to bring peace to 206 them and others who have been injured. In other words, the narration of such stories could be seen as a requiem of sorts.In conclusion, the author emphasizes the power of narrating “Gakkou no Kwaidan” and people should be careful not to underestimate or reduce the positive power this may have for children.
著者
前橋 明
出版者
Okayama Medical Association
雑誌
岡山医学会雑誌 (ISSN:00301558)
巻号頁・発行日
vol.102, no.11-12, pp.1229-1239, 1990 (Released:2009-03-30)
参考文献数
15

In order to determine the effects of physical loading on the health status of children who attend swimming classes, subjective and objective changes caused by exercise were studied. In addition, this study also attempts to understand the place of outdoor exercise in daily life and to grasp fundamental problems of health care for children.In my investigation, 43 children exercised in a swimming pool for 75 minutes, and subjective symptoms of fatigue, flicker fusion values, and excretion of uninary protein before and after swimming were analyzed.The results revealed that so-called Group I and III subjective symptoms of fatigue were increased after swimming as compared with before suggesting that physical and nervous symptoms were induced by swimming. However, Group II symptoms, i.e. psychological complaints, were decreased, compared with before swimming.Second, flicker fusion values for the whole sample before and after physical loading were not changed by exercise, though swimming tended to decrease flicker fusion values in boys (p<0.05). On the other hand, the flicker fusion value tended to increase in girls (p<0.05).Third, the excretion of urine per hour was increased (p<0.05) after swimming in an exercise-dependent manner, though the specific gravity of urine significantly decreased (p<0.01).Finally, urinary pH tended to decrease in boys but did not change in girls after swimming, and the concentration of urinary protein was significantly lower after swimming (p<0.01).
著者
朝子 理 前田 武昌
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.69, no.7, pp.1828-1832, 2008 (Released:2009-01-06)
参考文献数
6
被引用文献数
1 1

われわれは日常臨床でよく経験する皮下腫瘤がマンソン孤虫症であった2例を経験したので報告する.症例1は78歳,女性.乳癌として紹介されてきたが,手術の結果,乳癌でなく乳房の皮下腫瘤の原因がマンソン孤虫症によるものであった.この症例は下肢にも皮下腫瘤を認め,そこからもマンソン孤虫症のプレロセルコイドを認めた.症例2は77歳,男性.鼠径部の脂肪腫と診断したが,腫瘤内にマンソン孤虫症のプレロセルコイドを認めた.症例1,2ともに,マムシ,生の鶏肉,スッポンの生血,タニシ,淡水魚の摂取既往歴をもっていた.われわれ外科医は,皮下腫瘤の中にマンソン孤虫症のような寄生虫疾患もごく稀にはあり得ることを考慮するべきである.