著者
白水 貴 大前 宗之 新井 文彦 稲葉 重樹 服部 友香子
出版者
日本菌学会
雑誌
日本菌学会会報 (ISSN:00290289)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.125-130, 2021-11-01 (Released:2021-12-28)
参考文献数
13

モミ属樹木の材上に発生したキクラゲ属の子実体を採取し,分子系統解析と形態比較によりA. americana s. str.と同定した.本邦におけるA. americana s. str.の報告は初である.
著者
前野 悦輝
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.57, no.9, pp.681-683, 2002-09-05 (Released:2019-04-05)
参考文献数
4
被引用文献数
1
著者
前田 博 進士 五十八 Hiroshi MAEDA SHINJI Isoya 東京農業大学大学院農学研究科環境共生学専攻 東京農業大学地域環境科学部造園科学科 Specialize of Environment Symbiosis Department of Agriculture Tokyo University of Agriculture Department of Landscape Architecture Science Faculty of Regional Environment Science Tokyo University of Agriculture
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.274-282,

平成15年の地方自治法の改正によって公の施設に関して「指定管理者制度」が導入されることとなり,地方公共団体の所有する各種の施設と並んで都市公園もその対象となった。導入時のいきさつから招かれざるものとして公園管理者に受け止められた制度であるが,施行から2年を経過した現在比較的好印象で迎えられているように感じられる。そこで,都市公園管理史の観点から「指定管理者制度」の導入が都市公園の管理行政にどのような意味を持つかを検証した。考察の結果,「指定管理者制度」の導入は太政官布達第16号以来の都市公園管理史における転換期の特徴である外圧性と偶然性を持ち,近年の都市公園管理行政の閉塞感を打破する可能性,むしろ将来的に市民利用本位の公園管理のあり方を示唆する主要方策のひとつであることがわかった。具体的には ○1公園管理を再点検 ○2正確な数量把握による予算確保 ○3評価のための利用者意向把握等の動きが見られ,財政悪化時代を迎え危機的状況にあった公園管理行政の転換点となった。
著者
湯田 厚司 小川 由起子 鈴木 祐輔 有方 雅彦 神前 英明 清水 猛史 太田 伸男
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.64, no.10, pp.1323-1333, 2015 (Released:2015-12-29)
参考文献数
11

【背景】本邦初のスギ花粉症舌下免疫療法(SLIT)薬が発売された.  【目的】スギ花粉症SLITの初年度の臨床効果を検討する.  【方法】初年度(2015年)のスギ花粉飛散ピーク時にSLIT191例,皮下免疫療法(SCIT)48例(治療開始後1年目の他に36例の2年目以降を含む),初期療法191例,飛散後治療141例,未治療169例で,日本アレルギー性鼻炎QOL調査票,visual analog scale,各症状スコアおよび症状薬物スコアで評価した.  【結果】軽微な副反応を40.5%に認めたが,治療中止例はなかった.ドロップアウトは5例(2.2%)で,やむを得ない理由での中断が3例(1.3%)であった.薬剤服用率は89±12%であった.ほぼ全ての項目の平均値でSCITはSLITより良かったが有意な差ではなかった.SCITとSLITは他の薬物療法より有意に良好であった.併用薬の無い,鼻眼症状スコアが1点以下の例はSLITの16.8%であった.  【結語】SLITは,SCITより若干効果で劣るが有意ではなく,初期療法などの薬物治療より有意に良好であった.
著者
前畠 ひろみ Hiromi MAEHATA
雑誌
神戸女学院大学論集 = KOBE COLLEGE STUDIES
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.175-194, 2006-12-20

Naginata appeared as a practical weapon instead of Hoko, which was one of Nagadogu (a generic name of some martial weapons such as spear, sword, and Naginata) in the past, and it was used mainly by samurai, monks or soldiers. From the end of Kamakura era, a weapon for battles switched it from Naginata to spears. Naginata was getting unused by an appearance of Nobunaga Oda. After the Edo era, Naginata revived as a decoration of the entrance hall of high-class samurai's house or as women and children's acquaintance of samurai family. The women's effect in home of such samurai families was not to use Naginata in a battlefield, but to use it for protecting themselves, families and for training their sons. Martial arts declined by the policy of dismantling a family with samurai antecedents in new Meiji government. Afterwards, Japan Butoku Asssociation (1895-1946) was established and the system to commend a martial artist in this group was completed. It was resolved to include Naginata and archery in the regular curriculum of physical education for girls in secondary school in 1936. The leaders and trainers of Naginata were educated in Butokuden (the training school) of Kyoto and Shuutokukan of Tokyo. After that, Naginata education was performed in all the elementary and junior high schools. The education of Naginata came to the prime of time in the provisional system during the Pacific Wars. However, after defeat of August 15, 1945, the class of Naginata at school carried out under the wartime was called off. Butoku Festival was performed in Kyoto on May 4, 1953 after the war, when the consultation was held to make an organization of Naginata. As a result, All Japan Naginata Federation was founded on May 4, 1955. Though the name of Naginata written in three types of letters had not been unified since the old days, it was finally expressed with the kana letters which are a letter of a woman from Heian period. Now, martial arts Naginata of Mothers revives.
著者
近藤 二郎 前川 佳文 馬場 悠男 中井 泉
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2015-04-01

エジプト、ルクソール西岸アル=コーカ地区で、平成29年12月~平成30年1月に、さらに平成30年3月の2回にわたり調査を実施することができたことで、前年度同様、研究を進展することができた。当該地区には、第18王朝アメンヘテプ3世治世末期の高官ウセルハトの墓(TT47)の大規模な前庭部を中心として、数多くの岩窟墓が存在している。しかしながら厚い堆積砂礫に覆われていたため、未発見の岩窟墓が存在していることが想定された。これまでの調査によって、ウセルハト墓の前庭部の南側からKHT01とKHT02(コンスウエムヘブ墓)が、そして前庭部北東部からKHT03(コンスウ墓)の3基の岩窟墓を新たに発見することができ、従来の当該地区における岩窟墓の立地に関して新知見を売ることができた。平成29年度の調査によって、さらにKHT02(コンスウエムヘブ墓)前庭部の南側とTT47(ウセルハト墓)の前室南側上部の2か所において、新たな岩窟墓の存在を確信する箇所を確認することができた。これら2か所には、周辺の岩窟墓の状況から、いずれも第18王朝トトメス4世時代に属する岩窟墓の存在が予想される。そのため今後の調査により、この地区における岩窟墓の造営の変遷が一層明確になることが期待される。平成28年度に実施した大規模な堆積砂礫の除去作業によって出土した膨大な量の葬送用コーンの分析を通じて、当該地域における未発見の岩窟墓の複数の所有者の推定を可能とすることができた。これらの成果をまとめ発表することができた。平成29年度には、KHT02(コンスウエムヘブ墓)を中心として、岩盤工学の専門家と壁画の修復家の協力を受け、岩窟墓内部の壁面の保存修復作業を重点的に実施し、大きな成果をあげることができた。この結果、今後の岩盤脆弱で発掘作業が困難な部分の調査に対する目途を立てることを可能にした点でも意義は大きいと考えられる。
著者
松井 奨吾 徳永 正浩 吉川 慎一 長谷川 千紘 近藤 篤史 西浦 伸子 井上 慎也 冨永 信彦 前田 哲生
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.63, no.11, pp.1513-1519, 2022 (Released:2022-12-08)
参考文献数
15

症例は34歳男性で,特記すべき医学的背景はなし。1回目のmRNA-1273 COVID-19ワクチン接種4日後に発熱が出現した。SARS-CoV-2 PCR検査は陰性で,抗生物質で改善を認めず。接種10日目に好中球・血小板減少および肝機能障害により紹介入院となった。フェリチンと可溶性IL-2レセプターの上昇も認めた。活動性ウイルス感染症は否定的で,CTでは感染巣はなく肝門部リンパ節腫脹と軽度の肝脾腫を認め,血液培養は陰性であった。骨髄検査で血球貪食像を認めたがリンパ腫細胞の浸潤はなし。血球貪食性リンパ組織球症と考えてmethylprednisolone(2 mg/kg)を入院当日に開始し,発熱は速やかに消失し,検査値異常も改善後に再燃を認めず。他の誘因がなく接種直後に発症したことからワクチンによる二次性血球貪食性リンパ組織球症と最終診断した。極めて稀ではあるがCOVID-19ワクチンの種類によらず報告されており,致命的となりうるため早急な診断と治療が重要と考える。
著者
佐藤 友哉 田中 恒彦 前田 駿太
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.94.21405, (Released:2023-02-01)
参考文献数
84

The purpose of this study was to conduct a systematic review of the literature on exposure therapy based on an inhibitory learning approach and to comprehensively summarize the accumulation of studies on this approach and its effectiveness. A literature search was conducted using PubMed, PsycINFO, and Web of Science. A screening and eligibility assessment identified 59 articles on exposure therapy based on the inhibitory learning approach. The literature was categorized according to the inhibitory learning approach’s specific strategies, and the intervention’s effects were reviewed. As a result of the overview, it became clear that there was an insufficient number of studies for each study, except for those pertaining to the use of partial agonists of NMDA receptors. Furthermore, although 33 of the 59 studies showed intervention effects, the breakdown of the studies was skewed. Therefore, it is thought that the inhibitory learning approach is not adequately effective, and further research data and research methods should be devised in the future.
著者
前田 義郎
出版者
日本医学哲学・倫理学会
雑誌
医学哲学 医学倫理 (ISSN:02896427)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.1-10, 2014 (Released:2018-02-01)

In this paper, I discuss the significance of informed consent( IC) at the time of its origin in the United States. There are two settings wherein IC is applied ― human research and clinical medicine. In clinical medicine, two legal principles ― battery and negligence ― are relevant in lawsuits. I show that the core of IC comprises the principle of “negligence,” whose significance is clarified in this paper in detail. This principle means “an enlargement of the scope of doctors’ responsibility”, which urges us to redefine the relationship between doctors and patients. Finally, on these grounds, I consider the ethical implications of “self-determination of patients.” The essence of IC is that it changes the order of priority, from the previous relation, “the benefit of the patient > the will of the patient,” to the current relation “the will of the patient > the benefit of the patient”. In other words, the essence of IC is to respect the will of patients and provide medical benefits by assisting them.
著者
岩尾 俊兵 前川 諒樹
出版者
特定非営利活動法人 グローバルビジネスリサーチセンター
雑誌
赤門マネジメント・レビュー (ISSN:13485504)
巻号頁・発行日
vol.15, no.6, pp.341-350, 2016-06-25 (Released:2017-02-25)
参考文献数
25

Thompson (1965) は、既存の官僚制組織が仕事を細分化・専門化させることで企業の生産性を向上させると同時に、仕事の過度な細分化を生じさせイノベーションを阻害する可能性があると指摘した論文である。しかしながら、Thompsonの議論は官僚制組織 (官僚的な組織) と創造性を単なる対立関係にあると想定したものではなく、官僚制組織にいくらかの修正を加えることで生産性と創造性が両立できるのではないかと論じている。たとえば、この論文では、官僚制組織において創造性を担保する役割がプロフェッショナルに求められており、イノベーティブな活動に従事するそのようなプロフェッショナルを処遇するには単線評価でなく総合評価がよく、仕事自体の面白さによって内発的動機づけが行われる必要があるという。
著者
前川 佳徳 牧本 展政 斉藤 文昭
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.85-86, 1996-03-06

前報で、女性の体に関するかたちの美しさの評価として、バストを例にその評価方法を提案した。評価にあたっては、感性表現(張りがある、セクシー、可愛いなど)を用いた。本報ではそれを発展させた、対象形状のデータからそのかたちを評価し、好適形状補整を提案、その補整後形状を表示する、一連のシステムを紹介する。
著者
斎藤 豊治 前野 育三 西村 春夫 西田 英一 土井 政和 足立 昌勝 林 春男
出版者
甲南大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1998

日本では、大震災後には無警察状態となり、社会が解体して犯罪が急増するという認識が広がっているが、そのような認識は妥当ではない。一般に自然災害は被災者の間や社会全体で連帯意識を生成、強化させ、犯罪を減少させる効果を持つ。例外的に災害後に犯罪が増加するケースでは、社会解体の状況が先行して存在し、災害が引き金となっている。1923年の関東大震災では朝鮮人に対する殺害が広がったが、それに先行して朝鮮半島の植民地経営による窮乏化と日本本土への人口流出、1929年の三・一独立運動に対する軍事的制圧などが行われ、民族的偏見が強まっていた。戒厳令布告の責任者たちは、三・一独立運動弾圧の当事者であった。阪神大震災後、治安は良好であり、自然災害は犯罪を減少させるという一般的な傾向を裏付けた。阪神大震災後には民族の壁を越えて食糧の配給や相互援助が行われた。もっとも、被災者の間での社会連帯の強化は、外部から侵入する者の犯行を抑止するだけではなく、「よそ者」、とりわけ在日外国人に対する不合理な排除を生み出しかねない。ベトナム人たちは日本人による排除を感じて、避難所を出て公園での集団生活を開始した。また、ボランティアたちはFM局を開設し、外国人への正確な情報の提供につとめた。われわれは、社会連帯の核の一つとして自治会に着目し、神戸市東灘、中央、長田および西宮市の自治会長全員に対し震災後の地域防犯活動についてアンケート調査を実施した。その結果、以下の点が確認さねた。これらの活動は、基本的に警察や行政から独立した自発的な取組であった。自警活動として最も多く行われていたのは、夜の巡回であり、以下危険個所の点検、昼の巡回、立ち番・見張りと続き、さらに立ち入りの禁止・道路の遮断、街灯増設の要望等であった。そうした活動について、多くの回答は不安感の軽減、犯罪予防の双方にとって有効であったとしている。