著者
大前 元伸
出版者
『年報 地域文化研究』編集委員会
雑誌
年報地域文化研究 (ISSN:13439103)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.1-21, 2014-03-31

Le présent article veut traiter du « discours » comme question centrale chez Jean-François Lyotard, en examinant notamment son oeuvre Discours, figure. Notre discussion commencera par clarifier la problématique générale de Discours, figure. Suivant une hypothèse selon laquelle Lyotard vise à décrire l’ « extériorité » de la langue, nous analyserons l’interprétation lyotardienne des théories de Freud qui, selon le philosophe, porte sur la relation entre le linguistique et le non-linguistique, permettant au philosophe d’introduire dans sa discussion la pulsion forclose qu’est la figure et le désir qu’est son expression. L’impossibilité de verbaliser la figure conduit Lyotard à analyser la fonction du désir. Il reconnaît dans le discours le désir à l’oeuvre, qui a les deux aspects contradictoires : régulation discursive et destruction figurale. Grâce à l’interprétation originale de la pulsion de mort, cette contradiction est considérée comme conflit entre le réglage et le déréglage de l’énergie, ce qui lui permet de déclarer que le discours tend à se détruire tout en se stabilisant. Cet argument nous amène à nous poser la question radicale de savoir si la philosophie lyotardienne n’est plus vraie vu que sa critique du discours s’applique au sien. Toutefois, elle consiste à affirmer que le discours ne représente pas une vérité, mais il est un lieu où advient ce qui est à penser. En commentant d’autres ouvrages tels qu’Économie libidinale et Le différend, nous montrerons que Lyotard a pour objectif la déconstruction de l’opposition extériorité-intériorité du discours et que cette problématique persiste pendant tout son parcours philosophique. Ainsi la pensée de Lyotard se manifeste-t-elle comme une quête sans cesse de problèmes plutôt que de la solution.
著者
秦 康範 前田 真孝
出版者
日本災害情報学会
雑誌
災害情報 (ISSN:13483609)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.107-114, 2020 (Released:2022-07-20)
参考文献数
19
被引用文献数
1

我が国は2008年をピークに人口減少局面に入っており、長期的な人口減少社会を迎えている。本研究では、洪水による浸水リスクに着目し、全国ならびに都道府県別の浸水想定区域内外の人口および世帯数を算出し、1995年以降の推移とその特徴について考察することを目的とする。対象地域は全国の都道府県で、使用するデータは500mメッシュの国勢調査(1995年~2015年の5年分)と国土数値情報浸水想定区域データである。地理情報システムを用いた解析の結果、浸水想定区域内人口および世帯数は、1995年以降一貫して増加しており、区域内人口は1995年(33,897,404人)から2015年(35,391,931人)までに1,494,527人増加し、区域内世帯数は1995年(12,165,187世帯)から2015年(15,225,006世帯)までに3,059,819世帯増加していることが示された。都道府県別の浸水想定区域内の人口および世帯数は、1995年を基準とすると、2015年において浸水想定区域内人口は30都道府県が、浸水想定区域内世帯数は47都道府県が、増加していることが示された。区域内人口が減少している地域を含め区域内世帯数が大きく増加しているのは、浸水リスクの高い地域の宅地化が進んでいるためと考えられる。
著者
三宅 康史 有賀 徹 井上 健一郎 奥寺 敬 北原 孝雄 島崎 修次 鶴田 良介 前川 剛志 横田 裕行
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.19, no.6, pp.309-321, 2008-06-15 (Released:2009-07-25)
参考文献数
9
被引用文献数
7 10

目的:日本救急医学会熱中症検討特別委員会は,全国の救命救急センター及び指導医指定施設に対し平成18年6-8月に診療した熱中症患者に関する調査を依頼し,66施設から収集された528症例につき分析を行った。結果:平均年齢は41.5歳(3-93歳),男女比413:113(不明2),日本神経救急学会の提唱する新分類でI° 62%,II° 18%,III° 20%であった。発生状況で,スポーツの若年男女(平均年齢25歳),肉体労働の中年男性(同47歳),日常生活中の高齢女性(同59歳)の 3 つのピークがあった。 7 月中旬と 8 月上旬に多く発生し,高い平均気温の時期と同期していた。 1 日の中では11時前後と15時頃に多かった。意識障害(Japan coma scale: JCS)の変化では現場0/JCS:43%(=I°),1/JCS:15%(=II°),2-300/JCS:42%(=III°)に対し,来院時では61%,12%,27%と応急処置による改善がみられた。外来診療のみで帰宅したのは285例(平均年齢38歳),入院は221例(同51歳)あり,収縮期血圧≤90mmHg,心拍数≥120/min,体温≥39°Cを示す症例は入院例で有意に多かった。入院例のALT平均値は240 IU/l(帰宅例は98 IU/l),DIC基準を満たすものは13例(5.9%)であった。入院例における最重症化は死亡例を除きほぼ入院当日に起こり,入院日数は重症度にかかわらず 2 日間が最も多かった。死亡例は13例(全症例の2.5%)あり,III° 生存例との比較では,深昏睡,収縮期血圧≤90mmHg,心拍数≥120/min,体温≥40°C,pH<7.35の症例数に有意差がみられた。日常生活,とくに屋内発症は屋外発症に比べ高齢かつ重症例が多く,既往歴に精神疾患,高血圧,糖尿病などを認め,死亡 8 例は全死亡の62%を占めた。考察:予後不良例では昏睡,ショック,高体温,代謝性アシドーシスが初期から存在し,多臓器不全で死亡する。高齢者,既往疾患のある場合には,日常から周囲の見守りが必要である。後遺症は中枢神経障害が主体である。重症化の回避は医療経済上も有利である。結語:熱中症は予防と早い認識が最も重要である。
著者
木村 典夫 志田 勝義 前村 誠
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
雑誌
Progress of Digestive Endoscopy (ISSN:13489844)
巻号頁・発行日
vol.83, no.1, pp.178-179, 2013-12-14 (Released:2013-12-21)
参考文献数
5

A 70-year-old male visited our hospital complaining of diarrhea and hematochezia. Abdominal CT demonstrated multiple sigmoid colonic diverticula and inflammatory changes suggestive of diverticulitis. Colonoscopy revealed diverticula scattered in the sigmoid colon with localized mucosal edema and erosion. A colonoscope could not be passed through the sigmoid colon due to the presence of a stricture. Histological analysis of biopsy specimens showed areas of inflammatory cell infiltration, crypt abscesses and granuloma formation in the sigmoid colon, and normal rectal mucosa. We diagnosed the patient with diverticular colitis, and administered steroids and 5-aminosalicylic acid. Two months later, the inflammation and stricture were shown endoscopically to have improved.
著者
吉川 義之 杉元 雅晴 前重 伯壮 植村 弥希子 高尾 篤 松田 一浩 寺師 浩人
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.200-206, 2013-06-20 (Released:2018-04-12)
参考文献数
19

【目的】本研究の目的は,褥瘡部を陰極とした低強度の微弱直流電流刺激(以下,LIDC)療法が褥瘡治癒期間の短縮に効果があるかを検討することである。【対象】対象は褥瘡を有する高齢者7名とした。褥瘡部位は仙骨部褥瘡2例,胸椎部褥瘡2例,腸骨部褥瘡1例,大転子部褥瘡1例,外果部褥瘡1例であり,すべての褥瘡で治癒が停滞していた。褥瘡創面評価DESIGN-Rは13〜19点であった。【方法】創面上のドレッシング材に陰極の塩化銀電極を挿入し,褥瘡周囲の健常皮膚に陽極を貼付した。刺激強度80μA,周波数2Hz,パルス幅250ms,治療時間40分として週5回実施した。治療時,LIDC療法後に両極間のシャント作業を行った。【結果】LIDC療法を実施することで創が縮小しはじめ,5〜10週で完治した。【結語】LIDC療法により停滞していた褥瘡に創の縮小が認められ,早期に治癒した。それゆえに,褥瘡部を陰極とした低強度のLIDC療法は褥瘡治癒期間の短縮に効果があることが示唆された。
著者
前田 楓 橋本 博文
出版者
日本応用心理学会
雑誌
応用心理学研究 (ISSN:03874605)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.271-282, 2021-03-31 (Released:2021-06-30)
参考文献数
26

The practice of Inochi-tendenko is extremely effective in saving lives. Though this practice has been highly featured since the Great East Japan Earthquake on March 11, 2011, the degree to which people recognize its effectiveness remains low, and very little empirical analysis has focused on the psychological barriers to its practice. Using a newly developed paradigm of a supposed sediment-disaster dilemma, we show that emotional judgment in system 1 decision-making is a key psychological determinant of the hesitation to practice Inochi-tendenko. We also attempt to experimentally demonstrate one possible way to control such emotional judgment. We believe our findings have implications for disaster-prevention education and discuss possible concrete ways to provide education on the practice of Inochi-tendenko based on these findings.
著者
當瀬 規嗣 小林 武志 前田 佐知子 一瀬 信敏 佐藤 達也
出版者
一般社団法人 日本不整脈心電学会
雑誌
心電図 (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.61-64, 2015 (Released:2015-08-03)
参考文献数
7

心筋細胞の電気生理学的特性は,発生期の心臓の形態学的な変化に伴って大きく変容する.発生初期のラット胚では,大部分の細胞で自動能が認められる.膜電位ではペースメーカー電位が確認でき,活動電位全体の形状は,成体の洞房結節細胞のそれと同様である.その後,作業心筋の静止膜電位は過分極し,ペースメーカー電位は失われ,自動能は刺激伝導系の細胞に限定される.この過分極は,内向き整流性K+チャネルが増加してゆくことによって引き起こされる.さらに,活動電位持続時間は誕生後に伴い急速に短縮するが,これは一過性外向きチャネルの増加が原因である.このように,胎生期の電気生理学的特性の変化は,細胞膜上のイオンチャネルの遺伝子発現と特性の変化によって引き起こされる.早期のラット胚で心拍動は観察されないが,受精後10日目に心拍動が突然開始する.この拍動開始には,L型Ca2+チャネル(Cav1.3)の突然の遺伝子発現の増大が大きく関係していると考えられる.
著者
前迫 ゆり
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.5, 2022 (Released:2022-04-11)
参考文献数
36

本稿では,照葉樹林に侵入した外来種として、国内外来種ナギNageia nagi (Thunb.) Kuntzeと国外外来種ナンキンハゼTriadica sebifera (L.) Smallの拡散と定着について述べる。春日山原始林に隣接する御蓋山の天然記念物ナギ林から拡散したナギは照葉樹林に侵入し、シカが採食しないことから、数百年かけて拡散し、イチイガシQuercus gilva Blume林の一部はナギ林に置き換わった。ニホンジカCervus nippon subspp.の採食環境下において、耐陰性の高い常緑針葉樹ナギ林から照葉樹林に戻る可能性はきわめて低いことから、この植生変化はシカの影響による森林の不可逆的変化ともいえる。一方、1920年代に奈良公園に植栽されたナンキンハゼは奈良公園一帯および春日山原始林のギャップに広域的に拡散し、ナンキンハゼ群落を形成している。照葉樹林における空間分布の調査から、生態的特性が異なる外来木本種2種の拡散を定量的に把握した。シカの不嗜好植物でもある外来木本種の群落形成にはシカが大きく関与していると考えられた。過密度シカ個体群が生息する照葉樹林の保全・管理についても議論する。
著者
山崎 和彦 鳥山 菜穂 永倉 由貴 前田 亜紀子
出版者
日本生理人類学会
雑誌
日本生理人類学会誌 (ISSN:13423215)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.121-128, 2017 (Released:2017-10-31)

The airflow velocity in clothing (AVC) was measured by using the bi-directional airflow sensor in order to observe the chimney effect and the pumping effect. Eight female participants were asked to wear a separate type raincoat and they kept themselves in a stationary state or performed the rhythmic work. The climatic chamber was controlled at 23℃ or 18℃ (RH50% ). The AVC caused by chimney effect was higher at 18℃ than at 23℃ significantly. The highest value (0.43m/sec) was observed at the chest area. The pumping effect triggered by the rhythmic work caused the air in clothing flowed from the trunk towards the cuff or the hem of a raincoat and overwhelmed the chimney effect.
著者
前野 浩太郎
出版者
国立研究開発法人国際農林水産業研究センター
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

サバクトビバッタの母親は群生相化すると産卵数を減らす代わりに、大型の卵を産むことが知られており、本申請者はこの相変異が関係した繁殖能力の生理・生態学的研究に従事してきた。その中で、大型の卵から孵化した幼虫の方が小型のものよりも飢餓条件に強いことなどを明らかにしてきた。本種の生息地であるアフリカのサハラ砂漠で行ったフィールドワーク中に雌成虫が産卵する現場に遭遇した。一連の観察の中で、どのように群生相が行動し、交尾・繁殖しているのかを調査した。
著者
仲谷 達也 千住 将明 井関 達男 杉本 俊門 西尾 正一 前川 正信
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.29, no.10, pp.1363-1368, 1983-10

1) 1963年4月の大阪市立大学泌尿器科教室開設以来,1982年10月末までにおける膀胱および尿道異物症例41例を報告した.2)自験例および1982年10月末までの本邦報告例をあわせた計1,272例を集計報告し統計的観察をおこなった.1962年以降は男女別発症頻度の一定化,経尿道性異物と非観血的除去例の増加などの傾向を認めた
著者
前田 シン子
出版者
日本武道学会
雑誌
武道学研究 (ISSN:02879700)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.59-61, 1985-01-30 (Released:2012-11-27)
参考文献数
5
著者
道前 洋史 若原 正己
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.33-39, 2007
参考文献数
52
被引用文献数
1

表現型可塑性は生物が環境の変化に対して示す適応的反応であり、理論的にも適応進化できることが報告されている。この場合、自然淘汰は、個々の表現型ではなく反応基準を標的としているのである。しかし、表現型可塑性を適応進化させる生態的・環境的条件の実証的研究結果が十分にそろっているとはいい難い。本稿では、この問題について、北海道に生息する有尾両生類エゾサンショウウオ幼生の可塑的形態「頭でっかち型」を題材に議論を進め、表現型可塑性について、分野横断的(生態学的・生理学・内分泌学的)なアプローチも紹介する。

12 0 0 0 OA 浮世の迷惑

著者
前田時三 著
出版者
前川文栄閣
巻号頁・発行日
vol.初編, 1880