著者
南雲 直二
出版者
The Japan Society of Logopedics and Phoniatrics
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.132-136, 2008-04-20 (Released:2010-06-22)
参考文献数
7

People with disabilities experience two kinds of distress. One originates directly from their disability or disabilities, and the other derives from the social treatment accorded to them as a disabled individual. The palliative method for coping with the former type of distress is acceptance of one's disabilities, although this may involve numerous methodological difficulties. The palliative method for dealing with the latter form of distress is social acceptance of persons with disabilities. Many approaches have been devised to secure such social acceptance, and collectively these have resulted both in improved social participation by persons with disabilities and, as a by-product, easing of the distress originating from their disabilities.
著者
南雲 修司
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.71, no.8, pp.343, 2021-08-01 (Released:2021-08-01)

2021年8月号の特集は「図書館とゲームのいま」です。欧米の図書館では,ゲームを図書館資料として扱う取り組みが一般的に行われていますが,国内でも,公共図書館を中心として,同様の取り組みを行う図書館が増えてきています。一言でゲームと言っても様々ですが,囲碁・将棋などの「伝統ゲーム」だけでなく,「ボードゲーム」や「デジタルゲーム」,「テーブルトーク・ロールプレイングゲーム(TRPG)」なども対象としているのが近年の取り組みの特徴です。取り組みの内容も,館内利用や体験イベントの開催に留まらず,図書館の情報資源としてゲームを収集・整理して館外貸出を行っている事例など幅広くなってきています。一方,図書館でゲームを扱うことについては,その目的・意義が,一般の図書館利用者はもとより,図書館関係者にも十分に浸透しているとは言い難い状況かと思います。そこで今回の特集では,図書館とゲームの関わりについて,様々な視点でご執筆いただきました。まず,日向良和氏より,図書館とゲームの関わりについて,海外の事例も交えた近年の動向,情報資源としてのゲームの位置付け,図書館でゲームを扱うことの意義や効果,今後の展望についてご解説いただきました。高倉暁大氏にはイベント開催の豊富なご経験から,公共図書館における事例を中心に,イベントの目的や効果,開催にあたっての課題についてご紹介いただきました。実際にボードゲームの館外貸出を行われている中札内村図書館の小山洋子氏,杉浦慶美氏には,ボードゲームの館外貸出を始めた経緯や狙い,実際の利用状況や反響,運用上の課題についてご紹介いただきました。井上奈智氏には,実際に図書館でアナログゲームを導入する際の,情報収集や選定,購入手続きを進めるにあたって,どのような情報やツールを用いることができるか,ご解説いただきました。福田一史氏には,ビデオゲームを収集・保存するために必要不可欠となる目録について,立命館大学ゲーム研究センターのゲーム保存の事例を通じて,そのデータモデルやデータ公開の手法についてご詳説いただきました。本特集が,図書館でゲームを扱う意義やサービス上の位置付けを考える参考資料として,また実際の導入を検討する際の足掛かりとなれば幸いです。さらにこうした新しい取り組みを通して,これからの図書館のあり方を再考するきっかけとなりましたら望外の喜びです。(会誌編集担当委員:南雲修司(主査),今満亨崇,大橋拓真,中川紗央里)
著者
和田 宗一郎 野上 正雄 田村 卓也 齋 秀二 上野 倫彦 長谷山 圭司 南雲 淳
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.110-113, 2021-03-01 (Released:2021-03-01)
参考文献数
11

患者搬送固定翼機(メディカルジェット)による補助循環用ポンプカテーテル(IMPELLA®)装着下転院搬送を行った。症例は12歳女児で,急性心不全の加療目的に約300 km遠方の病院から回転翼機で当院に搬送された。拡張型心筋症の診断で治療を行ったが,転院から約1か月後に心原性ショックに陥り,IMPELLA®を装着した。1,000 km離れた小児心臓移植施設への転院のためメディカルジェットの使用を決定した。機材の一体化・超音波検査装置の携行・場面別シミュレーションにより搬送中のカテーテルの位置変動リスクを低減し,合併症なく搬送を完遂した。非医療職を含めたスタッフの普段からの搬送業務への関与が,メディカルジェットの円滑な運用に寄与したと考えられた。
著者
南雲 清二
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.131, no.11, pp.1527-1543, 2011-11-01 (Released:2011-11-01)
参考文献数
20
被引用文献数
1 1

Cinchona is one of the most important medicinal plants as it contains quinine, a potent medicine for malaria. In this review, I reveal the history of cinchona introduction and cultivation in Japan. Cinchona was first introduced to Japan in 1876 from Java based on the proposal submitted by Takeaki Enomoto to the Meiji government. However, the cultivation attempt ended in failure. Later in 1922, Hoshi Pharmaceutical Co. succeeded for the first time in cultivating cinchona in Taiwan, which was then under Japanese colonial rule, and in manufacturing quinine from the cinchona tree in 1934. This was a historic feat in Japan, completing an entire process from cinchona cultivation to quinine manufacture all within the confines of the country. To commemorate this undertaking, the company dedicated a cinchona log harvested for the first time to the Imperial court. It was revealed that a log of unknown origin, which had been left untouched for years at Hoshi University, was the cinchona log from the time of commemoration. Yasusada Tashiro (1856-1928), who has made a great contribution to cinchona cultivation in Japan for over 50 years, led Hoshi Pharmaceutical Co. to success in cultivation.
著者
南雲 直子 久保 純子
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.141-152, 2013 (Released:2013-09-13)
参考文献数
14
被引用文献数
2 8

2011年8月~10月に大規模洪水が発生したカンボジアのメコン川下流平野を対象とし,首都プノンペンを中心とした地域で洪水と微地形に関する調査を行った.衛星画像を用いて浸水範囲を把握し,水文データ等を入手するとともに,2012年3月の現地調査では洪水痕跡より浸水深を測定した.その結果,微地形と浸水範囲・浸水深の対応が良好に見られた.洪水はメコン川の氾濫原を利用して流下するとともに,トンレサップ川沿いでは深く湛水し,通常の雨季には浸水することのない高位沖積面にまで洪水が達した.これは近年最大規模といわれた2000年洪水に匹敵する規模であった.また,浸水域に比較すると相対的な被害は大きくなかった.カンボジアのメコン川はほとんど築堤が行われておらず,伝統的な地域に住む人々は毎年の洪水を経験しながらも,その環境に適応し,洪水リスクを最小限にするような土地利用や生活様式を続けている.
著者
近藤 佐保子 南雲 浩二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SITE, 技術と社会・倫理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.526, pp.39-46, 2007-01-31
被引用文献数
1

近時,ネットワークを巡って著作権問題が顕在化し,また,ファイル共有ソフトの作成者が著作権侵害の幇助で逮捕されるという事件が発生するにいたって,著作権侵害の問題は再考察せざるを得ない状況になっていると思われる.本稿では,いわゆるWinny事件に焦点を当て,現行著作権制度をインターネットに適用した場合の問題点を指摘し,今後の著作権制度とその規制のあり方を検討するものである.
著者
南雲 千歌
出版者
国際基督教大学
雑誌
ICU日本語教育研究センター紀要 (ISSN:13447181)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.72-98, 1994-03-31

"...Teki" words are widely used in modern Japanese language. The affix "teki" was introduced into the Japanese language during the Meiji era, based on the "tic" sound of English adjectives-sytematic, automatic, etc. Establishment of "...teki" word usage in contemporary Japanese language within just a century manifests foreign influence in the diversification of Japanese vocabulary. Imbedded in the characteristics of "...teki" words are certain characteristics of the Japanese language. To study these characteristics, this paper analysed 1152 "...teki" words that appeared in the magazine CHUO-KORON (1992.11). Concluding from the analysis are five distinctive points: (I) Frequency of the usage of "...teki" words is dependent on the article's topic. Frequency of usage is comparatively higher in writings on publics compared to culture, (ii) The type of vocabulary used as prefix differs according to the topic of writing. The variation could be distinct as: (1) Kango, wago, gairaigo in topics on politics and social problems. (2) Kango and gairaigo in topics on culture. (3) Kango and wago in topics on literature. (4) Only kango are used in topics on history, health and advertisement, (iii) Notation of the prefix varies by the type of vocabulary. (1) kango are written in kanji. (2) Wago are written in kanji or kanji+hiragana. (3) gairaigo are written in katakana. (iv) Frequency of repeating the same "...teki" is higher in politics than in literature, (v) The range of the meaning of the prefix varies according to the article's topic.
著者
南雲 直子 大原 美保 藤兼 雅和 井上 卓也 平松 裕基 ジャラニラ サンチェズ パトリシア アン
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.123-136, 2022 (Released:2022-06-04)
参考文献数
17

地理情報や被災記録に乏しい途上国において将来の洪水災害に備えるためには,ハザード情報を簡単に可視化・共有でき,住民らが地域の氾濫特性を理解するための手助けとなるような技術が重要な役割を果たす.そこで本研究では,フィリピン共和国の洪水常襲地を対象に,Google Earthを用いて降雨流出氾濫(RRI)モデルによる洪水氾濫計算結果を描画し,建物高さと浸水深の関係を可視化できる3D浸水ハザードマップを作成した.また,このハザードマップに関する講義およびチュートリアル教材を作成し,フィリピンでの技術普及を目的としたオンライン研修で取り上げた.その結果,3D浸水ハザードマップはフィリピンの人々も簡単に作成・利用できるものであり,地域の浸水リスクを理解するのに役立つことが明らかとなった.Google Earthは多言語に対応する無償ソフトウェアであることから,本研究によるハザードマップ作成手法は予算や人材が不足する途上国においても有用な技術であると考えられる.