著者
大平 征宏 齋木 厚人 山口 崇 今村 榛樹 佐藤 悠太 番 典子 川名 秀俊 南雲 彩子 龍野 一郎 小菅 孝明 秋葉 哲生
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.191-196, 2015 (Released:2015-11-05)
参考文献数
19
被引用文献数
1

以前我々は減量手術後に易怒性から過食,リバウンドした症例を抑肝散が改善させたことを報告し,肥満症患者の精神面に対する漢方治療が有用である可能性を提唱した。今回,頻用されている減量治療薬および抑肝散の減量治療に対する効果を比較した。当院で減量治療目的にマジンドール,防風通聖散または易怒性を指標に抑肝散を投与された肥満症患者107例を後ろ向きに検討した。投与3ヵ月後,マジンドールおよび抑肝散で有意な体重減少を認めた。糖代謝への影響を糖尿病患者のみで検討した。HbA1c の改善はいずれの群においても有意差は認めなかった。肥満症の減量治療にはメンタルヘルスの問題が重要であり,患者の精神面を意識した漢方治療は有効であることが示唆された。
著者
久保田 謙作 高橋 祐 高橋 隆男 南雲 一也 伊藤 正喜
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発) (ISSN:21854688)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.I_227-I_232, 2013 (Released:2013-09-13)
参考文献数
4

消波ブロックの安定性については,海岸構造物を保全するうえで最も重要な要素のひとつであり,これまで水理模型実験など多くの研究が行われ,それにより求められた安定数算定式は設計手法として一般的に用いられるようになっている.一方,厳しい海象による海岸構造物の被災は留まることはなく,特に,最近の異常気象による被災は大きく,現地に応じた波浪対策設計が求められている.本研究では,被災した消波ブロックの詳細な現地調査を行い,既往の安定数算定式から算出された数値との比較評価により適用性を確認するとともに,近傍のナウファスデータを換算して波浪データに用いる手法を示している.これらについては,当海岸と同様な急勾配で岩礁を有する礫海岸での設計検討において大いに参考となるものと考えられる.
著者
花澤 智美 木村 幸紀 蜂須 玲子 関 健次 佐野 司 岡野 友宏 南雲 正男
出版者
特定非営利活動法人 日本歯科放射線学会
雑誌
歯科放射線 (ISSN:03899705)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.93-97, 1996-06-30 (Released:2011-09-05)
参考文献数
15

A case of radiation-induced cancer is presented. A 59-year-old woman underwent interstitial radiotherapy with radon seeds for the hemangioma of the hard palate 32 years ago. Although a complete response was achieved, the perforation of the hard palate occured 6 years ago because of the induced osteoradionecrosis. An ulcer and swelling in the hard palate was observed around the perforation. CT examination revealed extensive bony destruction of the maxillary sinus walls. Biopsy revealed mucoepidermoid carcinoma. More than 80% of radiation-induced cancer in the head and neck region are squamous cell carcinoma irrespective of the histology of the original lesions. This may be the first case reported of radiation-induced mucoepidermoid carcinoma in the head and neck region.
著者
松本 健作 森 勝伸 下村 通誉 小野寺 光二 南雲 洋平
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.73, no.4, pp.I_1117-I_1122, 2017 (Released:2018-02-28)
参考文献数
12

河川環境に生息する生物として,河川伏流水に生息する地下水生生物に着目し,地下水観測孔を用いた観測手法の有効性の検証およびその生息環境因子について考察した.通常は孔内水位や地下水流向・流速という物理因子を観測するために河川近傍に設置された地下水観測孔内では,多数の地下水生生物の観察が行える可能性が高く,観測手法として極めて有効であることを示した.また,僅か30 m離れた2つの観測孔における生息状態が大きく異なっていることから,両孔の地盤特性,孔内水の含有イオン,水温等を調査し,地下水生生物の生息実態におよぼす水質特性を示すとともに,その両孔間における水質の差異を生じさせている要因が地盤の粗密からくる地下水の流動性の差異である可能性を指摘した.

2 0 0 0 OA 人工知能

著者
南雲 仁一 甘利 俊一 中野 馨
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測と制御 (ISSN:04534662)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.58-68, 1972 (Released:2009-11-26)
参考文献数
76
被引用文献数
1
著者
小松 信彦 長岡 弘司 福留 厚 李 材木 天野 洋 南雲 昇 雨宮 功治 加藤 桃代
出版者
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
雑誌
The Japanese Journal of Antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.549-557, 1975

我々は前報1~3) において, 担子菌多糖Schizophyllan (略称: SPG) が諸種の急性の実験的細菌感染症に対して非特異的に感染防御効果を発揮するばかりでなく, 慢性感染症であるマウスの実験的結核症にも治療効果を示し, SPGによる網内系細胞の賦活化が抗結核作用と深い関連性があること, および Ethambutol (EB)と併用したばあい, EBの抗菌作用が加わり, よりよい治療効果をあげ得ると推察される組織像がみられたことを報告した。また前報2) において, Streptomycin (SM)とRifampicin (RFP)の単独およびそれらとSPGとの併用療法の延命効果について報告したが, 今回はそれらの病理組織学的検索の結果について述べる。
著者
南雲 大悟
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
千葉大学人文社会科学研究科研究プロジェクト報告書 (ISSN:18817165)
巻号頁・発行日
no.250, pp.58-75, 2012-02-28

千葉大学大学院人文社会科学研究科研究プロジェクト報告書第250集「近現代東アジアにおける相互認識と表象-「脱亜」と「アジア主義」-」山田 賢編
著者
南雲 道彦
出版者
一般社団法人 日本高圧力技術協会
雑誌
圧力技術 (ISSN:03870154)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.190-199, 2008-07-25 (Released:2008-09-19)
参考文献数
18

The function of hydrogen in the embrittlement of steels has been examined with respect to plasticity involved in the fracture process. Fractographic features and effects of stress state on the hydrogen embrittlement indicate promoted crack formation by hydrogen associated with strain localization. Hydrogen also enhances the creation of vacancy-type defects during plastic deformation, and correlations are shown between the density of strain-induced vacancies and the susceptibility to the hydrogen embrittlement. Analyses of the role of hydrogen in the fracture process have shown that hydrogen promotes the initiation of micro-cracks and reduces the resistance to the successive crack growth, being originated in vacancy formation. Interrelations between hydrogen effects in fatigue and delayed fracture have been shown, supporting the common effects of hydrogen through enhanced creation of vacancies. Various models of the mechanism of hydrogen embrittlement have been briefly and critically reviewed. Characteristic features of hydrogen embrittlement are the best explained with the hydrogen-enhanced strain-induced vacancies model that claims the primary role of vacancies rather than hydrogen itself in the embrittlement.
著者
南雲 大悟
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
千葉大学人文社会科学研究科研究プロジェクト報告書 (ISSN:18817165)
巻号頁・発行日
vol.250, pp.58-75, 2012-02-28

千葉大学大学院人文社会科学研究科研究プロジェクト報告書第250集「近現代東アジアにおける相互認識と表象-「脱亜」と「アジア主義」-」山田 賢編"Mutual Understanding in Modern East Asia:The Idea of 'Escape Asia' and 'Pan-Asianism'" Report on the Research Project No.250
著者
南雲 保
出版者
日本珪藻学会
雑誌
Diatom (ISSN:09119310)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.88, 1995-01-31 (Released:2012-12-11)
参考文献数
3
被引用文献数
8
著者
梅澤 勲 野澤 雅子 南雲 紳史 秋田 弘幸
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
Chemical & pharmaceutical bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.43, no.7, pp.1111-1118, 1995-07-15
被引用文献数
1

Three kinds of oudemansin X, (-)-1,(+)-1 and (±)-1,were totally synthesized. The key point in the present chiral synthesis was the enantioselective acetylation of the racemic alcohols, (±)-5 and (±)-8,using lipase in an organic solvent. The synthetic (-)-1 was found to exhibit strong antifungal activity against several molds and yeasts.
著者
南雲 淳 田中 二郎
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.375-376, 1997-03-12

データ構造の表現の方法として, 辺と節からなるグラフ構造がある. このグラプ構造により表現されたデータをわかりやすく提示するために, グラフ自動描画法が研究されてきている. また現在, 並列論理型言語をグラフによって可視化するビジュアルプログラミングシステムを開発中であり, それにグラフ描画アルゴリズムを応用することを検討している. これは, 並列論理型言語での定義節をグラフの節, 論理変数を辺で表現することにより可読性の向上を図るものである. これまでに提案されているグラフ描画アルゴリズムの多くは, グラフの論理的構造を入力として, その構造の最適な配置を求めるというものであったが, ここでは, 特に人間の手によって入力された形の整っていないグラフを, 再配置の過程をアニメーションのような表現で見せることによってわかりやすさの向上を図るためのアルゴリズムの改良を提案する. あるグラフの再配置を行い, 入力されたグラフから再配置されたグラフに表示を切り替える場合, 再配置されたグラフをいきなり表示するのでなく, 元のグラフから再配置されたグラフヘ徐々に変化しているように見せるのが認知の連続性の観点から言って好ましい. アニメーション的な表示をするためには, 再配置された結果を用いてコマ割りを行い, それを順次表示する方法と, 再配置の計算の経過を順次表示することによりアニメーションとする方法が考えられる. 計算過程を表示するだけでスムースなアニメーションを生成できれば, コマ割りというプロセスが必要なくなり, ビジュアルプログラミングシステムなどのような, アニメーションの最中にも表示されたグラフの直接操作をしたいシステムの制作時に有利であると考えられるため, ここでは後者の方法について研究を行った
著者
山崎 祐介 江頭 進治 南雲 直子
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.74, no.4, pp.I_931-I_936, 2018 (Released:2019-03-30)
参考文献数
8
被引用文献数
2 2

本研究では,豪雨に伴う崩壊分布の推定法および土砂流出量の推定法を提案している.土砂流出予測法は,崩壊土砂が土石流化したものを質点系支配方程式で記述し,崩壊土砂の流下に伴う侵食・堆積の解析にもとづいて開発している.これを福岡県赤谷川流域において2017年7月に発生した豪雨を対象に適用し,次のような結果を得ている.本推定法は,豪雨に伴って支川流域で発生した崩壊土砂が土石流化し,流下にともない侵食して主要河道に到達し,そこで堆積するという土砂流出過程をよく再現している.流域河道の次数をHorton-Strahlerによる方法で分類し,各河道の平均渓床勾配と土石流の平衡勾配を用いて表現される渓床の侵食・堆積現象は,実際の土石流の侵食・堆積の傾向とよく一致している.流域内の侵食・堆積の空間分布は,河床勾配の空間分布と土石流の平衡勾配によって推測可能である.
著者
南雲 直二
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.240-245, 1994-08-20 (Released:2010-07-16)
参考文献数
39
被引用文献数
3 3

Normative data on intelligence in adults with Down syndrome was collected on 93 males and 80 females, aged 16 years and above, who had been given the Suzuki-Binet Intelligence Scale. Both the male and female groups showed bimodal curves in the distributions of IQs. Only for the low IQ groups, the distributions were defined by binomial distributions. The mean ages of starting to walk for the low IQ groups were six months or more later than those for the high IQ groups. However, no significant differences were observed in birthweights, terms of pregnancy, and ages between the two groups. In addition, significant sex differences were found in mean IQs, females scored higher in both the two groups.
著者
南雲 清二 佐々木 陽平
出版者
日本薬史学会
雑誌
薬史学雑誌 (ISSN:02852314)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.11-20, 2012 (Released:2021-07-02)

We are studying how cinchona, one of the most important medicinal plants, was introduced and cultivated in Japan. As part of this research, here we report on cinchona cultivation at the Koshun nettai syokubutu syokuikujo (Hengchun Tropical Plant Cultivation Farm; now the Hengchun Branch of the Taiwan Forestry Research Institute) in Taiwan, which was under Japanese colonial rule from 1895. The Koshun-nettaisyokubutusyokuikujo was established in 1901 by the Governor-General of Taiwan at Hengchun in southern Taiwan, as a cultivation facility for useful plants. The person who directly conducted the construction and operation of the facility was Yasusada Tashiro. For approximately ten years (1901-1910), he strived to construct the cultivation farm and grow plants of economic value. Among many plants of which cultivation attempts were made was cinchona. Tashiro was also the first person in Japan who attempted to cultivate cinchona (in 1882) and thus, his attempt to cultivate cinchona in Hengchun, Taiwan, was the second chalenge for him. With the cooperation of Motoo Higuchi, a staff with outstanding skills in cultivation, Tashiro began to see the prospects for cinchona domestication. However, Higuchi was suddenly fired from his job at the cultivation farm. In the aftermath, cinchona seedlings that they had cultivated up to that time gradually started to wither and subsequently, cinchona cultivation at the cultivation farm ended in failure. Tashiro was disappointed; nevertheless, the technical experience gained from cinchona cultivation at the cultivation farm was very valuable and proved to be greatly useful later in life.
著者
南雲 道彦
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.55, no.9, pp.380-389, 2006 (Released:2007-06-28)
参考文献数
39
被引用文献数
6 7

液相からの水素侵入に関する基本的な電極反応を概説した. 水素の表面被覆率や吸収水素量を含めて, 水素侵入速度を表すパラメーターを決めるいくつかのモデルを紹介した. 腐食過程では, とくに水素侵入に及ぼす表面皮膜の影響を電極/電解液界面の電気二重層の構造と水素のアンダーポテンシャル析出から述べた.
著者
南雲 直子 大原 美保 バドリ バクタ シュレスタ 澤野 久弥
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.361-374, 2016 (Released:2016-11-16)
参考文献数
22
被引用文献数
2

洪水常襲地帯であるフィリピン共和国パンパンガ川下流域のブラカン州カルンピット市をモデル地域に,降雨流出氾濫モデルによる洪水氾濫解析とGISマッピングを実施し,地域の住民避難や時系列の洪水災害対応計画に役立つリソースマップ,浸水想定マップ,浸水確率マップ,浸水チャートを作成した.こうした資料の作成には,高解像度数値標高モデルをはじめとする地理空間情報と洪水記録の蓄積が必須である.また,地域の浸水危険性の把握には洪水氾濫解析結果だけでなく,地理学的視点からの土地の成り立ちへの理解も重要で,同時に住民が自ら考え行動できるよう継続的な支援を行っていくことが洪水被害の軽減に役立つ.