著者
古原 雅夫
出版者
特定非営利活動法人 日本医学図書館協会
雑誌
医学図書館 (ISSN:04452429)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.261-264, 1972-09-01 (Released:2011-09-21)

富士川文庫は富士川游博士が大正6年に寄贈されたものである。富士川博士が資料を蒐集される過程には多くの困難性がともなっていた。辛苦の末蒐集された資料は,「日本医学史」が大成されるための前提条件であった。先生は図書館に関しても深い関心を持たれ,「図書館雑誌」に論文を掲載されたり図書館の建設にも尽力されている。文庫の特色は (1) 明治以前の和漢の医書, (2) 江戸中期以降の主として幕末期西洋医学の翻訳書, (3) わが国に関するものとしては平安朝より明治期までの医書である。文庫中のいくつかを挙げると,「続添鴻宝秘要抄」「家伝通外方」「延寿撮要」「頓医書」「啓迪集」「和蘭全躯内外分合図」「蘭学階梯」「重訂解体新書」などがある。
著者
宮越 浩一 高橋 静子 古田 康之 夏目 隆史
出版者
特定非営利活動法人 日本医療マネジメント学会
雑誌
日本医療マネジメント学会雑誌 (ISSN:18812503)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.114-118, 2010-09-01 (Released:2018-10-17)
参考文献数
9

医療機関においては転倒事故に対する十分な対策が求められる。今回われわれは簡便な転倒対策を構築する目的で、入院初期に得られる複数の所見より転倒転落を予測する因子の抽出を試みたので報告する。 2008年11月より3ヶ月間の間に当院に入院した連続症例を対象とした。転倒転落を予測する因子として17項目からなるチェックリストを看護師により入院初期(24時間以内)に評価した。本チェックリストは年齢、3項目の身体機能、5項目の精神機能、3項目の複合要因、5項目のその他の因子より構成されている。このチェックリストは当院の既存のチェックリストに、先行研究で指摘されているいくつかの転倒予測因子を追加することにより作成した当院独自のものである。 対象となったのは2,258例であり、このうち転倒転落に至ったのは55例であった。ロジスティック回帰分析による多変量解析を行った。ここでは転倒転落の既往がある、座位バランス不良、ふらつきがある、貧血、介助が必要にも関わらず一人で動こうとする、の5項目が抽出された。Receiver Operating Characteristic曲線では、曲線下面積が0.776となっていた。予測精度は感度0.709、特異度0.799であり、入院初期に得られる情報のみからある程度のスクリーニングが可能であった。今後さらに簡便かつ精度の高い転倒予測手法の構築を進めたいと考える。
著者
曲山 幸生 古井 聡 今村 太郎 宮ノ下 明大
出版者
都市有害生物管理学会
雑誌
都市有害生物管理 (ISSN:21861498)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.1-9, 2017 (Released:2020-02-22)
参考文献数
21

昆虫の体サイズは生物種,あるいは集団として,重要な特徴の一つであると考えられている.体長は試料調整の影響を受けにくく,代表的な体サイズの指標である.しかし,従来の手作業による体長測定は手間がかかるために,十分なデータ数を得るために長い時間がかかっていた.そこで,本研究では,画像解析技術を用いて,ゾウムシ類成虫の体長分布を半自動的に測定する方法を開発した.本方法により,体長分布測定の作業時間が短くなったことに加えて,十分に大きなデータ数を容易に収集できるので,非対称性など体長分布の形状について詳細に検討することが可能になった.
著者
三森 甲宇 中川 照彦 古屋 光太郎 信原 克哉
出版者
Japan Shoulder Society
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.313-317, 1994
被引用文献数
2

(Purpose) Voluntary dislocation of the tendon of the long head of the biceps is extremely rare. Here we will report on this dislocation in one patient.<br>(Patient) The Patient, a 37-year-old male fell down with his arm extended. Since then, he had a click and pain of the shoulder when he elevated his arm. When he had contracted his biceps with his arm extended and internally rotated, the tendon of the long head of the biceps dislocated from the bicipital groove. By elevating the arm 135 degrees from that position, the tendon reposited with a click and pain. Arthrography showed a dislocation of the tendon of the long head of the biceps. Arthroscopy and a tenodesis of the biceps tendon were performed.<br>(Conclusion) When observing the shoulder joint of a cadaver, the insertion of the subscapularis tendon was separated into two layers. One was a superficial layer, the other a deep one. Some parts of the superficial layer formed the transverse ligament. So we believe that the tendon of the long head of the biceps is often dislocated accompanying with a tear of the subscapularis tendon.
著者
大束 貢生 柴田 和子 富川 拓 古川 秀夫 山田 一隆
出版者
佛教大学社会学研究会
雑誌
佛大社会学 (ISSN:03859592)
巻号頁・発行日
no.44, pp.44-53, 2020-03-20

この小論の目的は,日本においてサービス・ラーニングが「評価」や「道徳教育」,「キャリア教育」との関連においてどのように語られてきたか,先行研究から概観することにある。先行研究を概観したところ,「サービス・ラーニングと評価」に関連する論文では,自己評価ツールの開発やそれを基にした学生の学習効果を明らかにすることが目的とされたが,実例が蓄積された2013年以降は,サービス・ラーニングの評価枠組みを再度振り返り,検討することの必要性や具体的な取り組みのために必要なシステムの構築が検討されつつあった。「サービス・ラーニングと道徳教育」に関連する論文では,サービス・ラーニングと関連させて道徳的理解や道徳的感情,道徳的反省に関する考察がなされていた。また,人格教育の一手法として実施されているサービス・ラーニングについての研究も行われていた。「サービス・ラーニングとキャリア教育」に関連する論文では,キャリア教育におけるボランティア,サービス・ラーニング,インターンシップの位置づけに関する考察等が行なわれていた。サービス・ラーニング評価道徳教育キャリア教育
著者
古賀 裕紀子 大住 伴子 東 泉 黒木 賀代子 陳 克恭 佐加良 英治
出版者
九州歯科学会
雑誌
九州歯科学会総会抄録プログラム
巻号頁・発行日
vol.2003, pp.13, 2003

第2世代ソフト電解水・AP水の口腔内適用における局所毒性ならびに全身毒性について,マウスを用いて観察し安全性評価を試みた.AP水は,マウスに給水瓶から飲水として7日間自由に摂取させた.対照群には飼育施設常用の飲水を与えた.その結果,一般症状,体重増加,摂餌量,剖検,臓器重量において異常は認められなかった.摂水量はAP水群で,対照群よりもわずかに減少傾向がみられたが,有意差はなかった.肝,腎,舌の病理組織学的観察,下顎臼歯の表面形態のSEMによる観察においても異常は見られなかった.以上のことから,AP水を含嗽,口腔内洗浄などに用いた際に,全身的あるいは局所的な毒性を発現する可能性は極めて低いことが示唆された.
著者
FURUYA Miyako 古谷 美也子
出版者
筑波大学大学院人間総合科学研究科芸術学研究室
雑誌
藝叢 : 筑波大学芸術学研究誌 = Bulletin of the study on philosophy and history of art in University of Tsukuba (ISSN:02894084)
巻号頁・発行日
no.32, pp.18-19, 2017-03-01

2016年日台五大学大学院生美術史研究交流会 会期:2016年12月10日(土) 午前9時30分~午後5時 会場:筑波大学芸術系棟203会議室
著者
古谷 美也子 FURUYA Miyako
出版者
筑波大学大学院人間総合科学研究科芸術学研究室
雑誌
藝叢 : 筑波大学芸術学研究誌 = Bulletin of the study on history of art in University of Tsukuba (ISSN:02894084)
巻号頁・発行日
no.32, pp.34(13)-23(24), 2017-03-01

本稿は、平成二十七年度筑波大学芸術専門学群卒業論文「宗達筆《舞楽図屏風》の制作背景―近世初期における舞楽図の受容から―」に基づき、大幅な加筆訂正を加えたものである。※平成二十七年度筑波大学芸術専門学群長賞受賞著作権保護のため、すべての掲載図版に墨消し処理を施しています。

1 0 0 0 名古屋叢書

著者
名古屋市教育委員会 編
出版者
名古屋市教育委員会
巻号頁・発行日
vol.第24巻 (雑纂編 第1), 1963
著者
古屋 晋一
出版者
関西学院大学
雑誌
若手研究(スタートアップ)
巻号頁・発行日
2008

本研究は,ピアニストとピアノ初心者の打鍵動作における上肢関節の動力学特性の違いについて調べた.ピアニスト7名と同数の初心者にスタッカートでのオクターブ打鍵を行なってもらい,その際の上肢の運動を高速カメラおよび表面筋電図によって記録した.逆動力学計算により,肩,肘,手首,指関節に生じる筋力依存性のトルク,運動依存性のトルク,重力依存性のトルクを算出した.その結果,ピアニストは初心者に比べて肘と手首により大きな運動依存性トルクを作り出し,筋トルクを軽減していた.さらに,肘の筋トルクを生成する際,ピアニストは重力に抗する筋である上腕二頭筋を弛緩させていたのに対し,初心者は上腕三頭筋を収縮させていた.したがって,ピアニストは長期的な訓練を通して,筋力以外の力を利用することで打鍵時の筋肉の仕事量を軽減する運動技能を獲得していることが示唆された.
著者
小林 祐太 中井 雄一朗 木勢 峰之 矢口 悦子 米田 香 古河 浩 寺岡 彩那 山﨑 敦
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.Ab0658, 2012

【はじめに、目的】 股関節疾患患者において、バランス能力低下により立位や歩行での動揺の増大がよくみられる。不安定板上立位での姿勢制御の反復練習にて、より高い姿勢制御能力が獲得される可能性があるとした報告はあるものの、立位や歩行にどのように影響するかの報告は少ない。そこで本研究では、股関節疾患患者に対し不安定な支持面での立位バランス練習にて、実施前後での即時的な重心動揺や歩行の変化について検討する。【方法】 対象者は当院整形外科受診の前期股関節症1名と、変性疾患・外傷により手術治療 (人工股関節全置換術2名、ハンソンピン1名、γ-nail1名)を施行した4名を対象とした。性別は、男性3名、女性2名、年齢67.5±9.1歳とした。立位バランス練習には、株式会社LPNのハーフストレッチポール(以下HSP)を使用した。HSPは平面側を床側にして、規定した幅(身長×0.40÷2)で横向きに並ぶように前後に1つずつ設置した。その上に片脚ずつ均等な荷重で乗せて歩隔は肩幅として立位をとり、5秒保持した後に、15秒休息をとった。次に脚を前後逆にして同様に行い、これを1セットとして、計5セット行った。この運動前後に、小型三次元加速度計(ユニメック社)を第3腰椎の高さに固定し、自由歩行の加速度を計測した。また、フットスイッチを踵部に装着して踵接地を同定した。サンプリング周波数は200Hzとし、アナログ解析ソフトWAS(ユニメック社)にて9Hzのローパスフィルターで処理し、二乗平方根値を歩行速度の二乗値で除した値(以下RMS)を加え前後・側方・垂直成分にて解析した。さらに、定常歩行から得られた患側踵接地からの1歩行周期の加速度波形に対して自己相関係数(以下ACC)の前後・側方・垂直成分を算出した。また、患側上後腸骨棘、大転子、大腿骨外側上顆の3点にマーカーをつけ、加速度測定時の歩行をデジタルカメラで撮影し、ICpro-2DdA(ヒューテック株式会社)にて歩行時の3点間の角度を算出した。この結果を静止立位時と比較して、患側立脚後期の股関節最大伸展角度を算出した。さらに、重心動揺計(ユニメック社)を使用し、運動前後の重心動揺を計測した。開眼・自然立位にて20秒間の測定を行った。指標として、前後・側方方向単位軌跡長を用いた。各々の値は2回の測定結果の平均値を用い、その結果を基に中央値と四分位範囲で表し運動前後を比較した。統計処理にはPASW Statistics 18を用いてWilcoxon signed-rank testを行い、5%未満を統計学的有意とした。【倫理的配慮、説明と同意】 ヘルシンキ宣言に基づき、対象者には本研究の目的、内容、個人情報取り扱いについて口頭および書面にて説明し、同意書への署名により同意を得た。また、本研究は当院倫理委員会の承諾を得て行った。【結果】 各項目は運動前→運動後の順に中央値(四分位範囲)で示す。RMSは前後成分0.15(0.08)→0.16(0.17)、側方成分0.14(0.07)→0.14(0.07)、垂直成分0.22(0.12)→0.12(0.12)であったが、有意差は見られなかった。ACCは前後成分0.85(0.15)→0.88(0.07)、側方成分0.67(0.28)→0.76(0.11)、垂直成分0.66(0.17)→0.89(0.11)と3方向において増加が見られ、側方成分には有意な増加が見られた。 重心動揺は前後方向単位軌跡長(mm/s)が9.55 (3.30)→6.70 (4.35)、側方方向単位軌跡長(mm/s)が4.45 (1.85)→4.60 (1.25)と前後は減少が見られ、側方は増加が見られたが有意差は見られなかった。股関節伸展角度(°)は-0.72(2.75)→-5.24(5.76) と有意な減少が見られた。【考察】 不安定な支持面での立位姿勢保持には、効果的に足関節トルクを用いることができず、股関節による制御が行われるといった報告がみられる。今回HSP上で不安定な立位状況を設定することで、股関節による制御が促通されることを仮説として本研究を実施した。今回の結果から、股関節での制御が促通され、歩行時の側方の規則性において有意に改善させた可能性が示唆される。側方の姿勢制御は、足関節に対して股関節が優位とされていることから上記の結果に繋がったと推察される。一方、歩行時の前後方向への動揺性の増加は、立脚後期の股関節伸展角度減少による推進力低下を体幹などで代償した結果、前後方向の動揺性の増加に起因したのではないかと考えられる。今後は、運動時中の筋電図測定なども行い、姿勢制御戦略に影響を与えている因子を検討していく必要がある。【理学療法学研究としての意義】 本研究の運動が、即時効果として立位や歩行時に影響を与えることが確認できた。不安定な支持面で姿勢制御戦略を促通させることは、股関節疾患患者の歩行効率の改善に有効であることが示唆される。

1 0 0 0 考古学論集

著者
考古学を学ぶ会
出版者
歴文堂書房
巻号頁・発行日
1985