著者
江村 超 熊谷 正朗 王 磊 郷古 倫央
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.17-23, 1999
被引用文献数
1

Dynamically walking robots require attitude sensors of high resolution and wide-band frequency response. If these characteristics are not good enough, it is difficult to control the robots stably. Rate gyros are widely used attitude sensors in walking robots, but the rate gyro which has both characteristics of sufficiently high resolution and wide-band frequency response is heavy and expensive. Therefore, the authors tried to get a small, light and low-cost rate gyro which has excellent characteristics both in resolution and response frequency by using multiple sensors and subtraction type of filters.<br>In this paper, first, a method to expand response frequency of rate gyros without reducing their resolution and an idea of subtraction type of filters which are useful for expanding frequency range are presented. The subtraction type of filter means the filter that has a transfer function obtained by subtracting another transfer function from 1 (unity). This filter provides flat response after composing two signals whose response frequency ranges are different each other. In this case, one is a signal obtained from a rate gyro whose resolution is high enough but response frequency is low, and the other is a signal obtained from a rate gyro whose resolution is low but response frequency is high enough.<br>If we use an inclinometer together with rate gyros, we can sufficiently decrease zero-drift of gyros, because the inclinometer senses angular displacement by referencing gravity direction and its zero stability is high enough. However, the inclinometer is influenced by horizontal acceleration. This means that we have to use a low-pass filter whose cutoff frequency is extremely low to eliminate signal component induced by horizontal acceleration. Attitude sensor using two rate gyros mentioned above and one inclinometer showed good characteristics concerning zero stability, resolution and response frequency range.
著者
古和 久典
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.11, pp.1223-1224, 2013-11-01 (Released:2013-11-29)
参考文献数
7

頭痛の臨床において,現在もっとも解決すべき問題のひとつが‘慢性化’である.欧米の報告では,慢性片頭痛の有病率が2%,年間発症率が2.5%で,片頭痛慢性化の危険因子として,年齢,性などの介入不可能な因子と,薬物乱用やいびき,ストレスといった介入可能な因子など複数の項目や,共存症の関与が指摘されている.片頭痛慢性化の実態に関する国外からの報告が散見されるのに比して,本邦からの報告はきわめて少ない.自験例によれば,頭痛専門外来における慢性片頭痛の頻度は,2~3割であった.慢性化と関係する危険因子として,発作頻度,薬物乱用,親・同胞の頭痛歴のほか,鼻炎やアトピーなどの共存症の存在が示唆された.
著者
古木 隆寛 中城 満 原田 哲夫
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.32, no.8, pp.19-22, 2018-05-26 (Released:2018-07-22)
参考文献数
5

「皮膚感覚実験」では温点、冷点、触圧点、痛点の反応数を手掌、手背、脛骨前部、腓腹部の4 カ所で測る。 痛点が各場所に最も多いことが分かり、手と足では手の方が刺激に対する反応が多いことも分かった。「感覚閾値実験」では、基礎刺激量に対して閾値はほとんど同じであり、ウェーバーの法則が成り立つことを学習する。今回の実験では実験学習者の内被験者に刺激を与える側の実験実施者がいかに均一な力、速さで刺激を与えられるかが課題である。二つの実験は簡単な器具で行うことができ、さらにデータ処理の統計学的方法を学ぶ教材としては有効である。「理科離れ」が問題とされている現在で、学生たちが実際に自分たちの体を通して、感覚実験を行うことは、学生たちが生理学的な内容に興味を持つきっかけになる可能性がある。その意味で「皮膚感覚実験」および「感覚閾値実験」は学校教育現場(小学校~高等学校)において有用である。
著者
古濱 裕樹 牛田 智 山越 さとみ
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.389-397, 2005-06-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
13

The effect of temperature and pH on the yields of indigo and indirubin from indoxyl which was generated from indoxyl acetate was examined. In the indoxyl solution of pH 9-10 at 65-85°C, a significant amount of indirubin was produced in addition to indigo. In the case of indigo dyeing using fresh leaves of Strobilanthes cusia, a kind of indigo plants, a purple shade of dye can be achieved by merely heating the dye bath. This was explained by the relatively higher pH of the juice of the plant. In this condition, a yield of indirubin was promoted by heating. The indirubin dyeing consists of two processes, the production of indirubin in the fiber and the penetration of indirubin, which has already been produced in the dye bath, into the fiber. In the case of Polygonum tinctorium, indirubin could be dyed by making a mild alkaline juice from fresh leaves and by heating.
著者
古賀 克彦
出版者
Japanese Association of Indian and Buddhist Studies
雑誌
印度學佛教學研究 (ISSN:00194344)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.761-767,1260, 2007-03-20 (Released:2010-07-01)

In recent years, there has been extensive publication of reprints of historical records pertaining to Modern-Period temples. They are published in various forms, such as as supplementary materials for the official history of local communities and reports of the study of old manuscripts carried out by groups of citizens and scholars. This paper proposes an investigation of how to utilize these book-format historical materials with such titles as ‘daily record’ and ‘diary.’ As is well known, previous studies have limited their scope either to one Buddhist sect or one temple. And although the shortcomings of such a practice have been pointed out, there do not seem to be any deviations from this practice. It should be made clear that these materials contain not only the records of annual events and private life but also those of an official nature pertaining to the Government, Imperial Court and Head Temple. As such, it is proposed that they may be used to provide a synchronic record of Modern Period Japanese history.
著者
曽川 一幸 林 加織 村田 正太 古畑 勝則 野村 文夫
出版者
日本電気泳動学会
雑誌
電気泳動 (ISSN:21892628)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.141-144, 2017

<p>近年,高い迅速性と正確性を有し,しかも低コストの細菌同定手法として,質量分析計が注目されている.2011年に医療機器として認定され,日本国内に約150ヶ所の病院・検査センターの細菌検査室で細菌同定のツールとして運用されている.従来細菌の同定には,主に形態学的手法(グラム染色,コロニーの形状やその大きさ)や生化学的手法が用いられている.しかしながらいずれの手法も煩雑な作業であり高い専門性が要求される.高い識別能力がある16S rRNAを指標とする手法は,多くの検体を一度に解析することが難しく,日常的に用いることは困難でありコストがかかる.質量分析計による細菌同定はサンプル調整が容易で,測定操作も簡便であり,一菌種約5分で同定結果が得られる.この特徴を活かして,煩雑な試料前処理を行わず,属や種を容易に識別することのできる手法として注目されている.</p>
著者
森山 美知子 柘植 尚子 古井 祐司 中野 真寿美 田久 浩志 岩本 晋
出版者
日本病院管理学会
雑誌
病院管理 (ISSN:03869571)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.47-58, 2006-01-01
参考文献数
10
被引用文献数
2

糖尿病、虚血性心疾患及び心不全について、わが国の医療機関での患者教育の実態及び問題点を把握し、患者教育の方向性を検討、さらに、今後、外部疾病管理サービスの受入れについて医療機関の意識や障害を明らかにすることを目的に調査を行った。内科を標榜する一般病床をもつ病院を病床規模ごとに全国から1,000病院、診療所100ヵ所を対象に、無記名自記式選択式質問紙による郵送回収調査を行った。322病院、26診療所を分析対象とした。結果、専門医、専門スタッフ、専門外来、患者教育プログラムの整備状況は病院規模が大きくなるほど高く、患者教育については200床未満の病院・診療所の実施割合は低く、内容も限定的であった。患者教育の問題点についてはスタッフ数・専門スタッフ不足及び看護師による教育が診療報酬対象にならないことが上げられ、5~6割の病院がこれを補完するための外部疾病管理サービスは条件が整えば採用したい意向を示した。
著者
高木 智彦 古川 善吾
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.51, no.9, pp.1794-1804, 2010-09-15

統計的テスト法においてテストケースを生成するために用いる利用モデルを,多重マルコフ連鎖に基づき,現実のユーザの振舞いをより反映するように構築する手法を提案する.統計的テスト法は欠陥を網羅的に検出することよりもソフトウェア信頼性を評価することに主眼を置いたソフトウェアテスト技法であり,その評価の正確さはユーザの振舞いのモデルである利用モデルに依存している.従来手法では単純マルコフ連鎖や斉時マルコフ連鎖などが利用モデルとして用いられる.その場合,ユーザの次の振舞いがそれまでの振舞いの内容に影響されるような状況を表現することができず,利用モデルの正確さを損なう場合があった.そこで本稿では,多重マルコフ連鎖に基づく精密化利用モデルの構築手法を提案する.本手法の手順やアルゴリズム,適用例などについて述べる.精密化利用モデルが従来のものよりも正確であり,ソフトウェア信頼性を正確に評価するうえで役立つこと,そして実際のソフトウェア開発に適用可能であることが分かった.また,本手法をより有効化するための課題について明らかにすることができた.
著者
古谷 博
出版者
日本先天異常学会
雑誌
先天異常 (ISSN:09143505)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.p1-3, 1990-03
著者
森永 睦子 古川 聡子 岡本 操 河口 勝憲 辻岡 貴之 通山 薫
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.113-118, 2018-01-25 (Released:2018-01-27)
参考文献数
12

リチウム(以下,Li)は躁うつ病の治療薬として広く利用されており,治療濃度域と中毒濃度域が接近していることから治療薬物モニタリング(therapeutic drug monitoring; TDM)の対象薬物である。またLiは腎臓から排泄されるため腎機能が低下すると中毒症状を出現しやすい。今回,当院高度救命救急センターへ意識障害で搬送され,腎機能低下を伴う高Li血症がみられた2症例について報告する。症例1は30歳代,女性で医療に対する精神的不安感から多剤大量服用した患者で,Li推定服用量は12,800 mg/1回である。来院時の血中Li濃度は13.2 mEq/Lと極高値かつ腎機能低下を認めた。持続的血液透析(continuous hemodialysis; CHD)約30時間後の血中Li濃度は1.2 mEq/Lまで低下し,CHD離脱後21時間後の血中Li濃度は0.8 mEq/Lであり,リバウンドを認めることなく第3病日に退院となった。症例2は80歳代,女性でLiの服用に伴い定期的に血中Li濃度を測定し治療域を推移していた患者で,Li服用量は400 mg/dayである。来院時の血中Li濃度は1.8 mEq/Lと高値かつ腎機能低下を認めた。輸液により意識レベルは改善し同日帰宅となった。以降,Liの服用は中止された。当院に意識障害で搬送され,毒劇物解析室に分析依頼があった患者の集計を行った結果,約17年間でLi服用患者は47例でそのうち19例(40.4%)が高値側の中毒域であった。意識障害で搬送された患者にLiの服用歴がある場合,Li中毒,腎機能低下を疑い,さらにLi濃度測定を行うことで診療に貢献できると思われる。
著者
伊藤 晴康 野田 健太郎 平井 健一郎 浮地 太郎 古谷 裕和 黒坂 大太郎
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.145-149, 2016
被引用文献数
20

症例は15歳の女性.20XX年8月と9月に2価Human papillomavirus(HPV)ワクチンの接種を行った.2回目の接種後から全身の疼痛,顔面の日光過敏と両側肘部に多発する紫斑を認めた.11月頃より持続する37℃台の発熱と全身倦怠が出現した.20XX+1年1月上旬には39℃以上の発熱と全身の疼痛に加えて関節痛が出現した為,精査目的に入院となった.入院後,Systemic Lupus International Collaborative Clinics(SLICC)2012の分類基準のうち,臨床的項目の頬部紅斑,光線過敏症,関節炎,リンパ球減少と免疫学的項目の抗核抗体陽性,抗ds-DNA抗体陽性,抗Sm抗体陽性を認め,SLEと分類した.その他,筋膜炎の合併を認めた.本症例を含め今までに報告されている症例を検討したところHPVワクチン摂取後にSLEを発症する症例は,自己免疫性疾患の既往歴や家族歴のある患者が多かった. また,SLEの症状は2回目の接種後に出現することが多かった.

1 0 0 0 OA 日本歴史図会

著者
古谷知新 編
出版者
国民図書
巻号頁・発行日
vol.第3輯, 1921
著者
古川 洋和 松岡 紘史 樋町 美華 小林 志保 庄木 晴美 本谷 亮 齊藤 正人 安彦 善裕 坂野 雄二
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.49, no.5, pp.363-372, 2009-05-01 (Released:2017-08-01)
参考文献数
33

本研究の目的は,歯科治療恐怖に対する認知行動療法(CBT)の有効性をメタ分析によって検討することであった.(1)研究デザインとして無作為化比較試験(RCT)が用いられている,(2)CBTによる介入が行われている,(3)プラセボ群,あるいは未治療統制群との治療効果の比較検討が行われている,(4)不安・恐怖に関する評価項目の平均値と標準偏差が記載されている,(5)英語で書かれている,という5つの選定基準を満たす論文を対象にメタ分析を行った結果,CBTが実施された群の治療効果は有意に大きかった(d=2.18).したがって,CBTは歯科治療恐怖の改善に有効であることが示された.本研究の結果は,歯科治療恐怖の治療において質の高いエビデンスを示すことができた点で有益である.今後は,わが国においても歯科治療恐怖に対するCBTの効果を検討する必要性が示唆された.
著者
古川園 智樹 井庭 崇
雑誌
情報処理学会研究報告数理モデル化と問題解決(MPS)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.29(2006-MPS-058), pp.93-96, 2006-03-17

本稿は,1816 年から2000 年の間において,国家間の同盟のネットワークがどのように変化したのかを明らかにする.分析の結果,第2 次世界大戦以降の米国を中心とする同盟ネットワークは,スモールワールド・ネットワークであることが明らかになった.