著者
牟田 和恵 古久保 さくら 伊田 久美子 熱田 敬子 荒木 菜穂 北村 文 岡野 八代 元橋 利恵
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

ジェンダー平等実現のための新たな形・次元でのジェンダー・フェミニズム研究の構築を目的とし、調査研究・文献研究・実践活動の三つの方法論によって研究を行った。貧困やケアの偏在等の問題に関する新たなフェミニズム理論の重要性と、一見女性に焦点化していないように見える幅広い社会問題への関心や運動にとってのフェミニズムの有効性を確認した。また海外国内ともに「慰安婦」問題やセクハラ・性暴力と闘う運動を柱としてジェンダー平等に近づく研究と実践がエンパワメントされており、研究と運動の連携がジェンダー平等の実現には不可欠であることを再確認した。女性情報発信に資するため制作したwebサイトは今後も運営を行っていく。
著者
津島 昌弘 浜井 浩一 津富 宏 辰野 文理 新 恵里 上田 光明 我藤 諭 古川原 明子 平山 真理
出版者
龍谷大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2015-04-01

EUの女性に対する暴力被害調査を踏襲した本調査は、近畿圏在住の女性を対象に、2016年に実施された。重大な発見は、日本では、加害者が非パートナーの場合、一定程度の女性が被害を警察に通報しているが、加害者がパートナーの場合、警察に通報した女性は皆無であった(EUでは加害者がパートナーと非パートナーとでほとんど差がない)ことである。これは、日本では、DVや親密圏で起こった暴力は表面化しにくいことを示唆している。家族や地域が弱体化するなか、親密圏で起きた当事者間の紛争解決において、公的機関の介入が不可避となっている。近隣の人が異変を見つけたなら、警察や支援団体に相談することが重要である。
著者
森永 康子 坂田 桐子 古川 善也 福留 広大
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.375-387, 2017 (Released:2018-02-21)
参考文献数
44
被引用文献数
11

「女子は数学ができない」というステレオタイプに基づきながら, 好意的に聞こえる好意的性差別発言「女の子なのにすごいね(BS条件)」(vs.「すごいね(統制条件)」)が女子生徒の数学に対する意欲を低下させることを実証的に検討した。中学2, 3年生(研究1), 高校1年生(研究2)の女子生徒を対象に, シナリオ法を用いて, 数学で良い成績あるいは悪い成績をとった時に, 教師の好意的性差別発言を聞く場面を設定し, 感情や意欲, 差別の知覚を尋ねた。高成績のシナリオの場合, BS条件は統制条件に比べて数学に対する意欲が低かったが, 低成績のシナリオでは意欲の差異は見られなかった。数学に対する意欲の低下プロセスについて, 感情と差別の知覚を用いて検討したところ, 高成績の場合, 低いポジティブ感情と「恥ずかしい」といった自己に向けられたネガティブ感情の喚起が意欲を低めていること, 怒りなどの外に向けられたネガティブ感情はBS条件の発言を差別と知覚することで喚起されるが, 数学に対する意欲には関連しないことが示された。
著者
古旗 崚一 所 史隆 根本 隆夫 加納 光樹
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
pp.21-00010, (Released:2021-10-26)
参考文献数
31

チャネルキャットフィッシュによる張網漁獲物の捕食実態を把握するため,2016年6-8月と2017年3-8月に霞ヶ浦で張網により採集した個体の食性を精査した。本種は張網に同時に入網するワカサギ,シラウオ,ウキゴリ,テナガエビを主に食べていた。体長20 cm以上の個体は自然環境下と比べて胃充満度指数が極端に高く,張網内でそれらを摂餌したと考えられた。張網内での漁獲物の被食率はワカサギで74%,シラウオで80%,ウキゴリとテナガエビで30%以上と推定され,張網漁業への甚大な影響が懸念された。
著者
高梨 宏 岡沢 宏美 相原 史子 古賀 達郎 橋本 啓一 渡辺 朋子
出版者
日本社会薬学会
雑誌
社会薬学 (ISSN:09110585)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.108-116, 2016-12-10 (Released:2017-02-21)
被引用文献数
1

本邦においては、国内未承認薬で代替品がなく、外国で受けた薬物治療を継続する必要がある場合等を想定し、医薬品の個人輸入が認められている。しかし、一般消費者がインターネット上の個人輸入代行サイトを介して、性機能改善薬(ED 治療薬)や抗肥満薬、点眼薬、抗アレルギー薬、 抗精神病薬などを購入している実態が報告されており、本来の枠組みから外れた医薬品の個人輸入が散見される。一般消費者が処方箋なしにネットを介し一般用医薬品以外の承認及び未承認医薬品を入手可能な現状に大きな問題がある。そこで、2017 年7 月31 日に「リスクが潜む医薬品の個人輸入:偽造医薬品だけにとどまらない危険性」をテーマとした社会薬学フォーラムを開催し、下記の演者による講演を行った。現在の医薬品個人輸入に係る制度のネット社会への適合性や、その監視体制のあり方を見直す機会となった。<企画委員会>
著者
松元 美里 古賀 夕貴 樋口 汰樹 松本 英顕 西牟田 昂 龍田 典子 上野 大介
出版者
公益社団法人におい・かおり環境協会
雑誌
におい・かおり環境学会誌 (ISSN:13482904)
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.319-322, 2020-09-25 (Released:2021-11-14)
参考文献数
5
被引用文献数
5 3

近年,残香性を高めることを目的としたマイクロカプセル化香料の使用が一般化している.本研究ではハウスダストから甘いにおいを感じることに着目し,におい嗅ぎガスクロマトグラフィー(GC-O)を利用した“におい物質”の検索を試みた.分析の結果,ハウスダストと柔軟剤から共通したにおい物質が検出され,香料がマイクロカプセル化されたことでハウスダストに比較的長期間残留する可能性が示された.
著者
菅 文彦 古川 拓也 舟橋 弘晃 間野 義之
出版者
Japan Society of Sports Industry
雑誌
スポーツ産業学研究 (ISSN:13430688)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.4_321-4_335, 2018 (Released:2018-10-12)
参考文献数
30
被引用文献数
1

Although a causal relationship has been suggested between Team Identification and Place Attachment, it may be necessary to verify the existence of the parameters between them. In this research, "The rise of Team Identification is accompanied by the rise in the evaluation of the social environment of the community, and leads to the rise of Place Attachment," was aimed at the hypothesis to be verified.    As a result of the two-way analysis of variance based on data from three longitudinal surveys, we determined that Team Identification ascending group significantly increased both Place Attachment and the bonds of the community as compared to the non-ascending group, and it was suggested that the evaluation of the social environment of the community rose in the ascending group. It can be said that the hypothesis was supported, considering the fact that "regional attachment influence structure" was confirmed in Imabari-City, the area of survey on this study.
著者
廣田 照幸 佐久間 亜紀 筒井 美紀 徳久 恭子 荒井 英治郎 植上 一希 末冨 芳 布村 育子 森 直人 小野 方資 宇内 一文 丸山 和昭 冨士原 雅弘 長嶺 宏作 古賀 徹 岩田 考 太田 拓紀 清水 唯一朗 二宮 祐 冨士原 雅弘 佐藤 晋平 田中 真秀 金子 良事 長嶺 宏作 香川 七海 中嶋 亮太 高木 加奈絵
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究の成果として、a)初期教育研究大会の成立と講師団選出過程、b)日教組結成から1950年までの法的な位置づけと政治的な立ち位置の変容、c)「教え子を戦場に送るな」のスローガンの成立過程、d)人材確保法の成立過程、e)日教組におけるストライキ批准体制の確立、f)1973年春闘におけるストライキ戦術と交渉の解明、g)連合加入をめぐる400日抗争の解明、h)1995年の文部省と日教組の和解のプロセス、i)国際労働運動における日教組の位置を明らかにした。以上の点から、労働運動体と教育運動体としての日教組との二重性をふまえ、日教組の多面的な運動、それぞれに与えた影響を実証的に明らかにした。
著者
古谷野 哲夫
出版者
日本結晶学会
雑誌
日本結晶学会誌 (ISSN:03694585)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.319-322, 2014-10-31 (Released:2014-10-31)
参考文献数
6
被引用文献数
1

Chocolate consists of solid particles such as cocoa, sugar, and milk solids which are dispersed in a continuous fat phase. The major fat in chocolate is cocoa butter, and it is crystallized at room temperature, so chocolate is a food which we eat crystals. Therefore, fat crystals play a great role in chocolate quality and storage stability. In this paper, polymorphism of cocoa butter and the transformation of polymorphic forms are reviewed including recent results.
著者
古市 憲寿
出版者
北ヨーロッパ学会
雑誌
北ヨーロッパ研究 (ISSN:18802834)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.53-62, 2012

本論文は、ノルウェーにおける戦後育児政策を検討するものである。1960年代までノルウェーは「主婦の国」 と呼ばれており、労働力不足であったはずの戦後復興期にも女性が労働力として注目されることはなかった。しかし1970年代以降、パブリック・セクターの拡大に伴い、母親を含めた女性の労働市場への進出が本格化、「主婦」というカテゴリーは失効していく。そこで前景化したのが 「子ども」である。近年は現金による育児手当など、「主婦」ではなく「子ども」の価値を強調することによって、男女の性差を前提とした政策が実施されている。それは、国家フェミニズム成立時の「母親」と「国家」の同盟が、ノルウェーにおいては男女の差異を前提として成立したためだと考えられる。
著者
岡部 貴美子 牧野 俊一 島田 卓哉 古川 拓哉 飯島 勇人 亘 悠哉
出版者
The Acarological Society of Japan
雑誌
日本ダニ学会誌 (ISSN:09181067)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.1-11, 2018-05-25 (Released:2018-06-25)
参考文献数
30
被引用文献数
4 4

マダニ類は様々な脊椎動物の寄生者で、重要な害虫でもある吸血生物である.化学防除に対する懸念から,生物防除によるマダニ個体群およびマダニ媒介疾患拡大の制御への期待が高まっている.本研究では,実験室内でオオヤドリカニムシ(Megachernes ryugadensis)によるマダニの捕食を初めて観察した.アカネズミ類に便乗しているカニムシ成虫および第三若虫を採集し,シャーレ内で実験した.これらのカニムシはチマダニ属の幼虫,オオトゲチマダニ若虫および雌雄成虫を捕食した.カニムシは概ね,幼虫を与えられた最初の一日間に,2,3頭を捕食した.カニムシ成虫の雌雄間で,初日の捕食数および与えられた幼虫を食べ尽くすまでの日数には差がなかった.またマダニの若虫,雄成虫の捕食に費やす日数に差はなかったが,カニムシ雄成虫は雌成虫よりも短期間でマダニ雌成虫を捕食した.供試数は少ないが,カニムシ第三若虫もマダニ幼虫および若虫捕食において同様の傾向を示した.オオヤドリカニムシのマダニ天敵としての評価のためには,マダニとカニムシの生活史特性,小型げっ歯類および巣内の生物相への影響に関する更なる研究が必要である.
著者
巖城 隆 佐田 直也 長谷川 英男 松尾 加代子 中野 隆文 古島 拓哉
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
日本野生動物医学会誌 (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.129-134, 2020-12-24 (Released:2021-02-24)
参考文献数
25
被引用文献数
1 2

2011年から2019年に西日本各地で捕獲された4種のヘビ類(シマヘビ,アオダイショウ,ヤマカガシ,ニホンマムシ)の口腔から吸虫を採取した。これらは形態観察と分子遺伝子解析によりOchetosoma kansenseと同定した。この種は北アメリカのヘビ類への寄生が以前から知られているが,日本に生息するヘビ類での確認は初であり,今回の結果は新宿主・新分布報告となる。
著者
古川 俊一 磯崎 肇
出版者
特定非営利活動法人 日本評価学会
雑誌
日本評価研究 (ISSN:13466151)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.53-65, 2004-03-29 (Released:2010-06-15)
参考文献数
27
被引用文献数
3

政策の評価を行うに当たっては、基本的な原単位の数値が確定されている必要がある。生命価値はその最たるものであり、規制評価が政策評価の中で、主要なものとされているにもかかわらず、十分な研究蓄積に乏しい。本論文では、リスク工学の考えも応用し、第1に、死亡事故のリスクに対する「統計的生命価値」の推定モデルを探求する。第2に、自動車購入時に、使用者が評価しているリスクから「統計的生命価値」を推定する。第3に、その結果を現在我が国で主として用いられている逸失利益をベースとした人命の価値と比較し、費用便益分析においての取り扱いを考察する。道路建設等の分野における約3, 000万円という従来の人命の価値は、今回分析の結果示された「統計的生命価値」8~10億円や、質問法をベースにした場合の我が国における「統計的生命価値」において妥当な数値との指摘のある数億円と大きな格差がある。もし生命価値が、一桁高い評価を受けることになれば、規制政策等の評価結果が大きく変更される可能性がある。
著者
古川 忠延 阿部 修也 安藤 剛寿 岩倉 友哉 志賀 聡子 高橋 哲朗 井形 伸之
雑誌
研究報告 デジタルドキュメント(DD)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.3, pp.1-6, 2011-10-01

本研究では,センサーや統計等を通じては獲得できない社会的事象の抽出と活用の可能性調査を目的として,犯罪情報を対象に Twitter 投稿の分析をおこなった.分析を通じ,(1) Twitter 上の犯罪関連投稿には,投稿者自身の犯罪の目撃や被害に関する投稿,公共・公的機関が発表した情報等を引用した投稿,ニュース記事の引用という3種類が存在すること,(2) それらの間で記述されている犯罪種別傾向の違いから,Twitter からのみ抽出できる犯罪情報が存在していること,が分かった.また,犯罪関連投稿を自動抽出する実験結果についても報告する.We analyzed criminal Twitter posts. The purpose is to investigate the possibility of extraction of various social phenomena which can not be acquired by a sensor or statistical prediction. Through the analysis, our findings are: (1) There are three types of criminal tweets: user's experience, announce by public institution, and cited news article. (2) By analyzing the difference between these three types of criminal tweets, there may be criminal information existing only on Twitter. We also show the result of an experiment to extract criminal tweets automatically.
著者
小泉 陽介 平岡 知子 西山 明 山領 豪 古本 朗嗣
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.96, no.6, pp.230-235, 2022-11-20 (Released:2022-11-21)
参考文献数
19

A 67-year-old Japanese woman with a history of contact with a COVID-19 patient presented with a one-day history of fever, malaise, and dyspnea, and was hospitalized with a positive nasopharyngeal swab test for SARS-CoV-2 LAMP. Chest CT revealed bilateral patchy infiltrates. The patient was treated with remdesivir and dexamethasone and supplemental oxygen supplied via a nasal cannula. The supplemental oxygen therapy was continued for 6 days, and the drug administration was completed on the 10th day of hospitalization. The patient was then scheduled to be discharged, when she developed severe hyponatremia with a serum Na level of 110 mEq/L, but no consciousness disorder.The patient was diagnosed as having SIADH after several examinations suggesting higher levels of secretion of antidiuretic hormone, with a higher specific gravity of the urine than that of the serum, in addition to evidence of normal functioning of the thyroid, adrenal, and pituitary glands, and of the liver and kidneys. Whole-body CT showed no evidence of any tumors. The hospitalization was extended for correcting the serum sodium levels by restriction of water intake. It was assumed that the SIADH was caused by COVID-19, presumably by the elevated serum IL-6 levels inducing secretion of ADH, similar to the phenomenon reported in other inflammatory diseases associated with elevated serum IL-6 levels.COVID-19 could lead to SIADH due of unresolved systemic inflammation even in the absence of worsening of the findings of chest imaging after the completion of antiviral treatments. Further studies are required to evaluate the correlation between the inflammatory state (e.g., serum concentration of IL-6) and serum ADH level causing hyponatremia during the clinical course of COVID-19.
著者
茶谷 誠一 瀬畑 源 河西 秀哉 冨永 望 舟橋 正真 古川 隆久
出版者
志學館大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

1948年6月から1953年12月までの激動期に初代宮内庁長官を務めた田島道治の資料群(「拝謁記」、「日記」、「関係資料」)を原文から翻刻して活字化し、それぞれ解説を付して出版する。また、資料の出版にとどまらず、編集作業を通して明らかになった事実をまとめ、シンポジウム開催と解説書の執筆により、学界から一般社会まで幅広い層に象徴天皇制形成期の昭和天皇と宮中の実態につき、研究成果を還元していく。