著者
田中 耕作三世 小林 健一 古源 寛
出版者
公益社団法人 有機合成化学協会
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.77, no.7, pp.673-683, 2019-07-01 (Released:2019-07-08)
参考文献数
34
被引用文献数
3

(−)-L-755,807, which was isolated from an endophytic fungus, Microsphaeropsis sp., consists of a characteristic epoxy-γ-lactam ring and a tetraene-containing side chain, and exhibits bradykinin B2 receptor antagonist activity. The first total synthesis of (−)-L-755,807 was accomplished through a convergent approach, employing a late-stage coupling between the ring and side-chain segments. The ring segment was efficiently synthesized by a novel syn-selective Darzens reaction between di-tert-butyl bromomalonate and α-alkoxy aldehyde, and the side-chain segment was prepared by a highly stereoselective Horner-Wadsworth-Emmons reaction as a key step to construct the tetraene part. This synthesis enabled us to assign the relative and absolute configurations of (−)-L-755,807. Furthermore, we discovered an additional biological activity of this compound, namely, potent amyloid β aggregation inhibitory activity, which could be useful in the treatment of Alzheimer’s disease. The epoxy-γ-lactam moiety was identified as a likely pharmacophore for this activity. In this article, we describe the total synthesis, stereochemical assignment, and biological evaluation of (−)-L-755,807.
著者
徴古館農業館 編
出版者
徴古館農業館
巻号頁・発行日
vol.第1編, 1921
著者
大野 豪 村山 盛敏 宮里 進 東嘉弥真 勇人 小林 亜古 大濱 俊三 米本 仁巳
出版者
沖縄県農業研究センター
雑誌
沖縄県農業研究センター研究報告 (ISSN:18829481)
巻号頁・発行日
no.8, pp.35-39, 2014-03

石垣島のアテモヤにおいて,花弁が顕著に変形した奇形花の発生を認め,その頻度の経時的変化を明らかにした。着花を促すための剪定・摘葉の時期(7月または8月)にかかわらず,奇形花の発生は開花期間の初期に集中することがわかった。次に,奇形花が人工受粉に適する花なのかどうかを確かめるため,受粉後の受精成功や果実の形状・サイズを奇形花・正常花の間で比較した。その結果,奇形果率と正常果の横径については,いずれの剪定・摘葉時期においても,奇形花と正常花の間に有意な差は認められなかった。一方,結果率については,7月剪定・摘葉樹(人工受粉期間: 8月中旬~下旬)では正常花・奇形花間に有意差はなかったものの,8月剪定・摘葉樹(同: 9月中旬~下旬)においては,奇形花の結果率が正常花のそれよりも有意に低かった。このように,受粉を行う時期によっては奇形花の結果率が劣る場合があることを考慮すると,十分な花数が確保できる場合には,奇形花を人工受粉に用いないほうが得策だと考えられる。8月剪定・摘葉樹でのみ奇形花の結果率が劣った原因のひとつとして,9月の受粉期間のほうが8月の場合よりも相対湿度が低かったため,開花前から花弁どうしの癒合が不十分な奇形花では秋季においてより柱頭が乾燥しやすくなり,受精機能を失いやすいという可能性を考えることができる。
著者
入山 恭寿 田中 優実 林 晃敏 大久保 將史 本山 宗主 喜多條 鮎子 館山 佳尚 獨古 薫 松井 雅樹 藪内 直明 雨澤 浩史
出版者
名古屋大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2019-06-28

イオンが電荷キャリアに含まれる材料(=蓄電固体材料)の界面で発現する特異なイオンダイナミクスの機構を解明し、イオンを自在に超高速輸送・高濃度蓄積し得る界面構築のための指導原理を確立します。A01界面構築(高制御界面)、A02高度計測、A03計算・データ科学、A04機能開拓(ナノ界面)の4つの計画研究のもと、化学・物理・情報・材料の分野を融合し、新たな「蓄電固体界面科学」の学理構築に向けて、本研究は領域の研究支援活動を効率的かつ効果的に行うための運営を中心に領域活動に貢献します。
著者
古川 柳蔵 石田 秀輝
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.70, no.7, pp.341-350, 2013-07-25 (Released:2013-07-25)
参考文献数
38
被引用文献数
3 1

心豊かに生きるという人の本質を担保しつつ,この人間活動の肥大化をいかに停止・縮小させることができるかということが,厳しい環境制約下における暮らしの最重要課題である.現在,人間活動の最小単位である個人のライフスタイルを革新的に変えることができるのかどうかが問われている.崩壊しつつある自然の循環のメカニズムやシステムを持続的なものに戻すために,自然を基盤としたテクノロジーに改めて着目し,心豊かなライフスタイルに転換するシステムであるネイチャー・テクノロジー創出システムの構築が急がれる.そのシステムの第一ステップに用いられる,バックキャスティングを用いたライフスタイル・デザイン手法に求められる要件について論じ,ライフスタイル・デザインの実証を試み,課題を抽出した.この手法を用いて技術開発が進む事例に基づき,企業を主体としたイノベーションの可能性を論じる.
著者
市川 宏伸 齊藤 万比古 齊藤 卓弥 仮屋 暢聡 小平 雅基 太田 晴久 岸田 郁子 三上 克央 太田 豊作 姜 昌勲 小坂 浩隆 堀内 史枝 奥津 大樹 藤原 正和 岩波 明
出版者
医学書院
雑誌
精神医学 (ISSN:04881281)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.399-409, 2018-04-15

抄録 小児ADHDの症状評価で世界的に汎用されるADHD-RS-Ⅳは,海外にて成人ADHDに対応する質問(prompts)と組み合わせて成人向けに使用されている(ADHD-RS-Ⅳ with adult prompts)。本研究は,日本語版promptsを作成し,日本人の成人ADHD患者36名および非ADHD成人被験者12名を対象に,その信頼性および妥当性を検討した。その結果,評価者内および評価者間信頼性の指標である級内相関係数は高く,内部一貫性の指標であるCronbach αは高い値を示した。CAARS日本語版およびCGI-Sとの相関で検討した妥当性も良好であり,かつADHD患者と非ADHD被験者との判別能力を検討するROC解析においても優れた結果であった。成人用prompts日本語版は,ADHD-RS-Ⅳとともに用いることで,成人ADHDの症状評価の手段として有用であると考えられた。
著者
名古屋画廊編集
出版者
名古屋画廊
巻号頁・発行日
2016
著者
古川 安彦 荻原 隆
出版者
科学・技術研究会
雑誌
科学・技術研究 (ISSN:21864942)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.47-52, 2016 (Released:2016-07-07)

パルス燃焼噴霧熱分解法により炭素を複合化したリン酸鉄リチウム(LFP/C)ナノ粒子を合成した。SEM観察からLFP/C粒子は、球状、楕円状、不規則形状などが含まれていた。粒度分布測定により求めたLFP/Cナノ粒子の粒径は50 nmであった。ICP分析によるLFPの化学組成は、出発溶液の組成とほぼ一致していた。熱処理後のXRDからはLFP/Cの結晶構造は、空間群Pnmaのオリビン構造であった。DTGから求めたLPF/Cナノ粒子の炭素含有量は出発溶液濃度と良く一致していた。LFP/Cを正極活物質とした2032コインセルを作製し、2.5 V~4.3 Vの範囲で充放電試験を行った。1C充放電によるLFP/Cの放電容量および500サイクル後の容量維持率はそれぞれ170 mAh/gおよび93 %であった。充放電レートの増加に伴いLFP/Cの放電容量および容量維持率は減少し、30 Cではそれぞれ95 mAh/gおよび85 %であった。50 ℃のとき、LFP/Cの放電容量は30 Cで100 mAh/gを示し、100サイクル後の容量維持率は89 %であった。