著者
深澤 友里 倉田 勇 小暮 正晴 立石 秀勝 鈴木 裕 仲村 明恒 下山田 博明 望月 眞 柴原 純二 森 秀明 古瀬 純司 土岐 真朗 久松 理一 杉山 政則 後藤 知之 吉田 翼 太田 博崇 落合 一成 権藤 興一 渡邉 俊介 岡野 尚弘
出版者
杏林医学会
雑誌
杏林医学会雑誌 (ISSN:03685829)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.129-136, 2017

<p> 症例は,2016年1月に特発性脾被膜下出血後の膿瘍形成及び急性膵炎にて緊急入院となった50歳代男性。退院後,1ヶ月で膵炎の再燃がみられ,入院となった。膵炎に対しては禁食,補液, 抗菌薬, 蛋白分解酵素阻害薬の投与を行い軽快したが,造影CT,造影MRI検査で,膵体尾部に膵実質より造影・増強効果の乏しい腫瘤が認められ,超音波内視鏡下穿刺吸引(EUS-FNA)を施行した。病理所見は,腺癌であり,膵体尾部癌cT3N0M0 stage IIAの診断で,膵体尾部脾合併切除術を施行した。術後補助化学療法として,S-1を4 コース施行後,現在に至るまで約1年間再発なく経過している。本症例のように,短期間で膵炎を繰り返す症例では膵癌の合併を念頭に,様々なmodalityを用いて迅速な精査を行う必要があると考えられた。</p>
著者
古川 邦之 渡部 里々花 伊藤 季紗 小谷 沙織
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2019年大会
巻号頁・発行日
2019-03-14

マグマは冷却に伴い結晶化が進行する。形成される結晶の数やサイズ、形態は主に過冷却度に支配されている。天然の火成岩は様々な冷却履歴を経て形成されるので、結晶の産状は多様である。深成岩と火山岩の結晶組織の違いについては高等学校までに学習するが、実際の野外調査や顕微鏡観察では、さらに複雑な組織に出会うことになる。そのため、大学で地質学や岩石学を学ぶ学生は、より詳細な結晶形成過程を理解する必要がある。そこで私たちは、マグマ中における結晶化プロセスを直感的に理解できる簡単な実験を提案する。 実験には、甘味料であるエリスリトール(C4H10O4)を使用する。エリスリトールはカロリーゼロなので、ダイエット目的でよく使用される。エリスリトールの融点は121℃であるため、カセットコンロや家庭用ホットプレートなどで簡単に溶かすことができる。また液状のエリスリトールは比較的粘性が低いため、小さな過冷却度(高温)でも結晶が形成される。これは粘性の高い砂糖とは異なる点である。ガラス容器内で溶かしたエリスリトールを、様々な速度で冷却することで、多様な結晶の産状を作ることができる。容器やエリスリトールの量は任意で良いが、私たちは直径90mmのガラスシャーレに25gのエリスリトールを溶融させた。多様な冷却速度については、徐冷用ガラスマットやタオル、氷などを用いることで作り出した。その結果、過冷却度の上昇と共に、形成される結晶形態は自形、樹枝状、球晶と変化し、また結晶サイズは小さくなる傾向があった。球晶については大きな冷却速度が必要で、ガラスシャーレだと急冷により破損することが多い。そのため、スライドガラス上において、エリスリトールのメルトをカバーガラスで封入して冷却する方法の方が、表面積が大きくなり冷却速度が上がるので、容易に作ることができる。これらの結晶組織の特徴は、火成岩で観察されるものと類似している。特に、過冷却度が大きくなりやすい珪長質火山岩とはよく類似している。 また、赤外線放射温度計を用いて冷却中のメルト温度を測定することもできる。例えば、冷却速度の簡単な定量化もでき、今回の場合は冷却速度が概ね12℃/minを境に自形と樹枝状が変化し、40℃/minで樹枝状と球晶の変化が観察された。さらに、結晶化が進行すると潜熱の放出によりメルト温度が上昇に転じることも測定できる。結晶化に伴う昇温は、溶岩やマグマ溜まりのレオロジーにも重要であると考えられている。さらに顕微鏡により、リアルタイムで結晶成長を観察することもできる。 以上の実験を、地質学および岩石学などの実習教育に取り入れることで、結晶成長の直感的な理解が可能になると考えられる。結晶成長を理解した上で、野外や顕微鏡下での観察にのぞめば、それらの産状から冷却過程に関する制約を与えることでき、地質現象の正確な解釈に繋がると考えられる。
著者
小池 伸介 葛西 真輔 後藤 優介 山崎 晃司 古林 賢恒
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.88, no.4, pp.279-285, 2006-08-01 (Released:2008-01-11)
参考文献数
41
被引用文献数
7 7

ツキノワグマの糞に飛来する食糞性コガネムシ (以下糞虫) を山梨県芦川村および東京都奥多摩町で調査した。18種が確認された。いずれも広域に分布し, 他の動物の糞でも確認されている種であった。種により季節消長は異なり, 5種は春から秋にかけて成虫が出現したが, 13種は特定の季節のみ成虫の出現が確認された。日周消長は, トラップで採集された10種のうち5種は昼間中心に, 4種は夜間中心に飛来する種, 1種は季節的に活動時間帯が変化する種であった。糞虫の活動場所は, 8種はdwellerで, 糞の表面および糞の内部でのみ確認された。10種はtunnellerで, 糞下部の土壌内からも糞とともに確認された。Tunnellerは, 産卵期以外も, 糞とともに土壌内から確認された。ツキノワグマの糞に数多く飛来した, コブマルエンマコガネ, クロマルエンマコガネ, マエカドコエンマコガネはいずれも, 昼間中心に飛来し, tunnellerタイプの糞虫であった。
著者
古庄 寛子 畑中 均 高﨑 実 平本 貴義 松延 知哉 泉 貞有 河野 勤 鬼塚 俊宏 今村 寿宏 平塚 徳彦 加治 浩三 神宮司 誠也
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.125-127, 2017-03-25 (Released:2017-05-01)
参考文献数
6

陳旧性volar instabilityは稀な病態であり,外傷性には掌側板損傷やMP関節脱臼後に十分な治療がされなかった結果生じるとされている.今回我々は,外傷により生じた陳旧性Volar instability症例に対して手術的に加療し,良好な成績を得たので報告する.症例:16歳女性.サッカー中に左母指を蹴られMP関節過伸展位となった.近医にて整復行い,副子固定された.2日後,再度左母指をぶつけて同様の処置をうけ,1週間後に当院紹介となった.初診時,MP関節腫脹はなく,掌側の圧痛をわずかに認める程度であった.伸展ストレスX線にて左右差なく,副子固定を継続した.経過中,自動伸展により一旦過伸展位になると,屈曲位に復する事が不能となったため手術加療を要すると判断した.術前可動域は,屈曲50°,伸展45°,Key pinch力2.5kg(健側7.0kg),DASH9.5点であった.受傷より3か月後に手術を施行した.Kessler(1979)は短母指伸筋腱を用いた手術を報告したが,今回我々は長掌筋腱(以後PL腱)を用いて手術を行った.術後経過は良好であり,術後1年時点で無症状であり,可動域は屈曲52°,伸展-22°,Key pinch力5.5kg(健側7.0kg),DASH1.7点であった.陳旧性volar instabilityに対する,PL腱を使用した手術は有効であったと考えられる.
著者
八島 加八 北本 真一 小笠原 康雄 沖川 正善 村上 直美 古川 なおみ 山崎 琢磨 馬場 逸志
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.298-302, 2001-06-10 (Released:2011-08-17)
参考文献数
5

PCA (Patient Controlled Analgesia) by Fentanyl citrate is used as a method of pain control after orthopaedic surgery and NSAIDs is prescribed after PCA at Hiroshima City Asa Hospital. There are many cases in which the effect by NSAIDs is insufficient, even if the analgetic effect by PCA is sufficient. In addition, the use of Opioid's adaptation is limited, because it is designated as a narcotic in Japan. Thus we examined the analgetic effect, for the purpose of early rehabilitation, by relieving the pain that patients experience when moving their bodies by using Codeine phosphate tablets which are both effective and can be orally administered.Codeine phosphate 20mg tablets were administered at a dosage of 80mg just after PCA and thereafter 60mg every 4 hours until bedtime. Patients were next administered 80mg when they got up in the morning and 40mg of each every 3 hours until bedtime from the 2 nd day after the operation. We classified the analgetic effect of Codeine phosphate into 5 grades by using a face scale pain score.Codeine phosphate had no effect on the pain when the patients lay quietly in bed. However the pain score significantly decreased to less than 3 (painful) after operation after the administration of Codeine phosphate when they moved their bodies. The pain score on males decreased significantly in comparison with females. Accordingly, it seems that the administration of Codeine phosphate is an effective means to reduce pain when patients move their bodies after operations in the field of orthopaedic surgery.
著者
古館 裕大 山本 一希 千葉 馨 石田 裕二 三上 貞芳
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.2P1-O10, 2017

<p>A lot of rehabilitation devices for fingers are researched, currently. After leaving a hospital, an intervention by therapists decreases significantly. Therefore, the rehabilitation device is required functions not only the rehabilitation but also the automatic evaluation function. In this study, we aim to develop the finger rehabilitation device for home rehabilitation. Especially, in this report, we propose automatic evaluation system of the finger independent movement. Movements from index finger to little finger, are measured by pressure sensors on the prototype we developed. Measured data are used as time-series signals, states of each finger are quantified by calculating dissimilarities between healthy subject signals and patient signals. Finally, an entire finger movement is quantified by integrating all dissimilarities. From the experiment conducted with hemiplegia patients and healthy subjects, we could show the change of the integrated dissimilarity corresponding to the level of the hemiplegia.</p>
著者
神部 芳則 大久保 幸重 古谷野 浩美 野口 忠秀 赤坂 庸子
出版者
特定非営利活動法人 日本口腔科学会
雑誌
日本口腔科学会雑誌 (ISSN:00290297)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.190-193, 1996-04-10 (Released:2011-09-07)
参考文献数
15
被引用文献数
1

Psoriasis is a chronic dermatitis of undetermined etiology. The patient was a 60-year-old male who complained of pus discharge from maxillary frontal gingiva. The patient had been suffered from psoriasis vulgaris for 8 years, and there were many reddish papules in breast, abdomen, limbs and facial skin. Radiological examination showed a lowered maxillary left canine, periapical radiolucency of the maxillary right first premolar and horizontal loss of alveolar bone in maxilla and mandibular bone. After treatment of marginal periodontitis, the maxillary right first premolar and the impacted maxillary left canine were extracted. After these treatments, reddish papules rapidly improved and disappeared completely within 2 weeks after extraction. This clinical course suggests that psoriasis was caused by dental focal infection.
著者
小木 亜紀子 菊地 真 古谷 尊彦
出版者
The Tohoku Geographical Association
雑誌
季刊地理学 (ISSN:09167889)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.103-113, 1999-06-15 (Released:2010-04-30)
参考文献数
20
被引用文献数
1 1

北海道のアイヌ語地名について, 自然地理的分類を行い, 地名に表現される自然環境と, アイヌの人々との関わり合いについて考察することを目的とした。地名は, 崖・絶壁・崩壊に関する地名, 河川・澤の地名, 湿地・平地に関する地名, それらの修飾語である。これらの地名は約2,900ほどであり, そのうち河川・澤の地名は約2,300と総数の大半を占める。河川の地名分布は, 知床から室蘭にかけての海岸沿いの地域でpet地名が多く見られ, これは千島からの言葉の影響と考えられる。道北ではnay地名の多い地域があるが, 樺太からの影響として見るまでには至らない。渡島半島では, pet, nay地名があまり見られず, 本州からの大和言葉の影響と思われる。また十勝川, 天塩川における地名分布の事例は, pet, nay地名の多様なあり方を示している。抽出した全ての地名は, 語幹と修飾語に分けられ, 語幹は共通した環境を表し, それに特徴的な修飾語が組み合わされることによって, 地点地名表示となっている。これらは, アイヌの人々の自然と深く関わったライフスタイルを色濃く反映したものと考えられ, 北海道のアイヌ語地名と自然環境の関係について, より一層明らかにする必要がある。

1 0 0 0 OA 古事類苑

著者
神宮司庁古事類苑出版事務所 編
出版者
神宮司庁
巻号頁・発行日
vol.服飾部1, 1914

1 0 0 0 OA 古事類苑

著者
神宮司庁古事類苑出版事務所 編
出版者
神宮司庁
巻号頁・発行日
vol.服飾部8, 1914

1 0 0 0 OA 古事類苑

著者
神宮司庁古事類苑出版事務所 編
出版者
神宮司庁
巻号頁・発行日
vol.服飾部2, 1914

1 0 0 0 OA 古事類苑

著者
神宮司庁古事類苑出版事務所 編
出版者
神宮司庁
巻号頁・発行日
vol.服飾部5, 1914