著者
古明地 正俊 佐々木 繁 尾崎 暢 佐藤 龍哉 太田 善之
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM)
巻号頁・発行日
vol.1987, no.50, pp.1-8, 1987-07-23

本報告は,カラー画像をビデレートで処理できる画像処理システム『韋駄天/カラー』に関するものである。このシステムは,筆者らが提案した『構造可変型パイプラインアーキテクチャ』に基づいた3組の処理ユニットを並列に動作させることにより,高速性を実現した。さらに,カラーを構成するRGBの各画像を相互に演算できるカラー処理モジュール,動的に任意領域の抽出ができるマスクモジュール,画像の特徴量を算出できるモジュールを開発したことにより,カラー動画像特有の処理にも柔軟に対応できる構成になっている。また,実際にカラー動画像を処理することで,本システムの有効性を確認した。We have already developed an image processing system "IDATEN", which can process time-varying monochrome images at video rate, based on a reconfigurable pipeline architecture that we proposed. This paper describes the improvements of this architecture and the protorype for time-varying color images. To realize this, we have newly developed three kinds of processing modules: color coordinate transforming modules, dynamic masking modules for extracting specified regions, and feature extraction modules. To keep the same processing rate for color images, the system was designed with three processing units which operate in parallel. The experimental results verify that the system is effective for time-varying color image processing.
著者
古川 巖
出版者
The Japanese Society of Snow and Ice
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.50-53, 1957 (Released:2009-09-04)

それは子供の頃のことである.降りたての真白い雪を食べてみたくてしかたがなかった.一と握りの雪をみつめていると, あわてるように母が寄ってきて「雪の中には虫がいるから食べてはいけないよ」と云った.母は, かなり怖ろしい語気で虫のいる訳を話しつづけたようだったが, 話の内容はおぼいていない.真白い雪.こんなきれいの雪の中に虫なんかおるものか, 雪山へ登って水がほしいときなどには雪をすくって食べる.そのたび毎に「虫なんかいない」と心の中で, 母に言訳をしながら食べている.-これは大人になった今でもそうである.
著者
古場 一
出版者
大阪大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究の目的は、時間発展する曲面上における流体の流れを支配する方程式を現象かつ理論的な観点から考察し、時間発展する曲面上での流体の流れがどのような支配のもとで流動し、その流れがどのように変化していくかを数理的手法によって明らかにすることである。平成29年度は、ケチャップ、マヨネーズ、片栗粉を水に溶かした流体などの水とは違った振る舞いをする非ニュートン流体の流れの数理モデリングを行った。具体的には、動く領域内における非ニュートン流体の流れと時間発展する曲面上における非ニュートン流体の流れについて研究した。非ニュートン流体を考察するために、エネルギー密度の一般化を行い、その導入したエネルギー密度の数学的かつ物理的な妥当性を検討した。具体的には、領域内と曲面上におけるエネルギー密度の不変性を証明した。そのエネルギー密度を用いてエネルギーの観点から動く領域内および時間発展する曲面上における非ニュートン流体の流れを支配する方程式を導出した。さらに、導出した非ニュートン流体方程式に関しての内部エネルギー、エンタルピー、エントロピーや自由エネルギーについて調べた。また、渦(粘性)の観点からも動く領域内の非ニュートン流体の流れを調査した。研究の成果として、動く領域内および時間発展する曲面上における非ニュートン流体の流れを支配する方程式が得られ、これまで提唱されていた幾つかの領域内における非ニュートン流体方程式に数理的妥当性を与えることができた。また、曲面上における非ニュートン流体の流れを理論的に解析できるようになった。
著者
久米 達哉 佐藤 政則 諏訪田 剛 古川 和朗 奥山 栄樹
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集 2016年度精密工学会春季大会
巻号頁・発行日
pp.49-50, 2016-03-01 (Released:2016-09-02)

我々は,形状基準を不要とすることから長尺対象物の高精度な形状評価に有効と考えられる,角度検出器を用いる形状評価法において,傾斜計では検出できない水平面内を含むあらゆる方位角が検出可能な,ジャイロを用いた方法について検討している.ここでは,角度検出方向と直交方向に回転するジャイロから得られる角度信号をもとに,地球自転軸を基準としてジャイロ回転軸の方位角を求める方法について,検討を行った.
著者
古川 淳二
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.29, no.7, pp.514-520, 1980-07-01 (Released:2011-09-21)
著者
安楽 泰宏 大矢 禎一 井野 正三 長谷川 修司 近藤 保 岩澤 康裕 鈴木 増雄 和達 三樹 脇田 宏 野津 憲治 田隅 三生 古川 行夫 長澤 勝明 遠山 潤志 齋藤 保男 小嶋 壮介
出版者
東京大学大学院理学系研究科・理学部
雑誌
東京大学大学院理学系研究科・理学部廣報
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.4-20, 1997-03

さらば欅の館:残心の記/安楽泰宏先生を送る/研究者として『生涯現役』を目指す/井野正三先生を送る/雑感1997年/近藤保先生を送る言葉/東大での二十数年を振り返って/鈴木増雄先生を送る/「地殻化学Jとともに/脇田宏先生を送る/さらば我が東大/田隅三生先生を送る/思い出すこと/長澤さんを送る/植物園を去るにあたって/齋藤さんを送る
著者
古泉 直也
出版者
新潟医学会
雑誌
新潟医学会雑誌 (ISSN:00290440)
巻号頁・発行日
vol.109, no.7, pp.320-324, 1995-07

High resolution CT (HRCT) images in 25 patients with pulmonary adenocarcinoma were compared with the histological structure of the resected specimen with paticular emphasis on growth pattern and interstitial change. The HRCT images were classified into twelve types of domains from two points of view ; density (L:homogeneously low, U:unhomogeneous, H:homogeneously high), and marginal pattern (s:smooth, i:irregular, c:coarsely spiculated, f:finely spiculated), which resulted in Ls:1, Li:9, Us:1, Ui:2, Uc:1, Uf:6, Hs:5, Hi:8, Hc:6, Hf:7. Ls and Li corresponded to bronchioloalveolar type of well-differentiated adenocarcinoma with mild interstitial change. Hc domain showed severe interstitial changes which might suggest poor prognosis.
著者
石橋 忠良 古谷 時春 浜崎 直行 鈴木 博人
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.711, pp.125-134, 2002-08-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
6
被引用文献数
3 8

昨今, コンクリート構造物からのコンクリート片の剥落が社会問題となっている.本文では, コンクリート片の剥落が生じた鉄道高架橋, 架道橋, およびこ線橋 (以下, 高架橋等とする) のかぶり, コンクリートの中性化深さ, 鉄筋腐食度などを調査し, 高架橋等からのコンクリート片の剥落要因を検討した. その結果, かぶり, 中性化残り, および雨水, 漏水の影響が, コンクリート片の剥落および鉄筋腐食と関係の深いことがわかった.
著者
古村 敏明 Toshiaki KOMURA
出版者
神戸女学院大学女性学インスティチュート
雑誌
女性学評論 = Women's studies forum (ISSN:09136630)
巻号頁・発行日
no.30, pp.43-64, 2016-03

本論文、「写真の中の生きる死者:Sharon Olds's The Dead and the Living」では、現代アメリカ詩人Sharon olds の詩集 The Dead and the Livingを題材に、生きているときの死者の写真を見る、という行為の中で感じられる間接的な喪失感とそこから生まれる共感の可能性について考察する。William Shakespeare が Sonnet 18 で表現しているように("So long as men can breathe or eyes can see, / So long lives this, and this gives life to thee")、芸術作品はその作品に描かれたものをその死後も永続させる力を持つ。死者の生前の写真の場合、そこに「芸術的生」(artistic life)と作品の中の対象の実際の死が共存するスペースが生じ、本の中の出来事が常に現在形で表されるのと同様に、死者の生が、過去のものであるだけでなく、現在にも存在し続ける。ただ、それはRoland Barthes, Walter Benjamin, Susan Sontag らの代表的な写真理論で示唆されているように、倫理的な問題を孕む、オーセンティックな主体が失われたものとしてである。 Olds の ekphrasis は、この芸術的生と現実の死を通して、より倫理性の高い共感を作る可能性を模索している。 "Photograph of the Girl" に代表されるように、Olds が描く死者は、写真で失われるオーセンティックな主体性を修復するかのように、その生及び性を主張する。この主体主張による「創られた真実性」(artificial authenticity)とそのフィクション性の認識の中から倫理的な共感が発生しうること、そして、それが喪失の間接性によって隠された、本当の喪失の知覚を可能にするということが、本論文の主旨である。
著者
古川 曜子 田路 千尋 中村 芳子 福井 充 伊達 ちぐさ
出版者
武庫川女子大学
雑誌
武庫川女子大学紀要 自然科学編 (ISSN:09163123)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.59-65, 2005
被引用文献数
2

IT技術を活用した食事調査法が,新しい食事調査法として疫学研究に利用可能かどうかその妥当性と実用性を検討した.妥当性については,本学教員及び学生(女性25名,24.9±7.6歳)を対象として2003年4月下旬から8月下旬に実施した.不連続の2日間を調査日とし,ゴールドスタンダードとして秤量食事記録法(DR)を採用し,デジタルカメラ付携帯情報端末機器法(DC)と同時に実施した.DR法によって全ての飲食物を原則として生状態で秤量し記録した後,飲食物を調理後盛り付けた状態でDCによって撮影し,画像を送信した.両方法の平均値を比較した結果,炭水化物と食物繊維に有意差が認められたが,相関係数は,ナトリウム以外はすべての栄養素等で有意な正相関が示された.DR法は対象者の負担が非常に大きいが,摂取食品を計量する必要がないDC法は,ナトリウム以外は妥当性の高いことが示された.実用性については,都市の男性勤務者(36名,43.2±7.5歳)を対象とした.2003年8月下旬から11月下旬にかけて,1週間のうちに平日を3日間,休日を1日間の合計4日間の食事について,DCを用いて栄養素等摂取量を評価した.対象者36名のうち,1度の調査で4日間の食事を漏れなく撮影できた者は4名しかなかった.残り32名に再調査を行い,最終的に4日間の食事を撮影できたものは22名であった.再調査を行わなければならなくなった原因は,撮影漏れ,撮影ミス,残食撮影漏れ,食品摂取量を推定するための目安である専用ペンを置忘れた状態での撮影,端末不良であった.画像を送信出来なかった原因としては,DC機器の携帯を忘れた,PHSの電波が入らなかった,面倒だった,時間がなかった,人目が気になった,などが挙げられた.DC使用後に実施した質問票では,日常生活上の問題点として,付き合いがしにくい,外食しにくい,旅行しにくい,が挙げられた.本研究の結果より,食事調査法として簡便な方法であると思われたDCが,対象者にとって負担が大きかったと考えられる.個人レベルで平均的な1日の栄養素等摂取量を求めたい場合,DCの複数日の調査は困難であると考えられる.集団の平均値の把握や集団レベルでの比較に利用できる可能性が高いことが示された.
著者
長谷川 春生 古原 大嵩 井田 百合 平野 光輔
出版者
富山大学人間発達科学部附属人間発達科学研究実践総合センター
雑誌
富山大学人間発達科学研究実践総合センター : Center News
巻号頁・発行日
vol.30, pp.13, 2014-03-31

「子どもとのふれあい体験」は,子どもを対象とした事業にボランティアとして参加し,各コースの活動を通して子どもとふれあい,子どもについての理解を深め,教師としての基礎的資質を向上させることを目的とした授業です。本年度も7つのコースが設けられ,140名近くの学生が活動に取り組みました。活動を終えての3人の感想を紹介します。