著者
大澤 博隆
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
JSAI大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.1F23, 2018-07-30

<p>本研究では人工知能応用の一つとして、自分のカードが見えない状況下で相手と協力しカードを順番に揃える協力ゲームHanabiを解く。本ゲームでは相手に教えられる情報に制限があり、プレイヤは限られた情報から相手の意図を理解し、自己のカード推測と行動決定を行う。本研究ではHanabiの代表戦略をいくつか検討し、計算機上でシミュレートすることで、エージェント間でどのように協調行動が起きうるか分析した。</p>
著者
稲葉 通将 鳥海 不二夫 大澤 博隆 片上 大輔 篠田 孝祐 西野 順二
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.28, 2014

我々は,コミュニケーションゲーム「人狼ゲーム」を行う人狼ゲームエージェントの実現を目指している.人狼ゲームでは,プレイヤーは自分の真の意図を隠しつつ意見を述べる必要がある.本研究では,人間らしく振る舞う人狼ゲームエージェントの実現に有用な知識獲得を目指し,出された意見に対するプレイヤーの行動を同調・反駁という観点から分析を行う.
著者
大澤 博隆 今井 倫太
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告知能と複雑系(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.5, pp.17-22, 2008-01-22

本研究では,擬人化パーツを用いて人工物を直接エージェント化し,人工物の機能を直感的に提示するディスプレイロボットを提案する.エージェントを介した物体の情報提示手法として,従来では擬人的なエージェントを介してユーザへ情報を伝達する手法が主流であったが,ディスプレイロボットは物体を直接擬人化し,情報の提示者と説明対象を同一にするため,従来手法と比較して,より直感的なユーザへの情報提示が可能となる.本研究では擬人的なエージェントであるヒューマノイドからの機能説明と擬人化した物体からの機能説明を実験で比較した.その結果,ユーザは擬人的なエージェントからの機能説明よりも擬人化された物体からの機能説明をより多く記憶していることが分かった.We propose "Display robot" that anthropomorphize an artificial object directly. Display robot can give users function of object intuitively. Past studies represented information via anthropomorphized humanoid robot or CG-agent. Display robot achieves more intuitive information giving by making information presenter and target object as same. In this study, we compared function presentation from anthropomorphized object and humanoid-robot by experiment. An result says that participants of the experiment remembered more functions in the anthropomorphized object situation than humanoid-robot situation.
著者
高山 周太郎 大澤 博隆
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回 (2019)
巻号頁・発行日
pp.3F3OS14a01, 2019 (Released:2019-06-01)

人狼ゲームを対象とした研究は人間との高度なコミュニケーションをとるエージェントの実現などへの応用が期待できる。しかし、人狼ゲームを対象とした非言語コミュニケーションの分析はこれまでほとんどされてこなかった。本研究では、人狼ゲームをプレイする人間のジェスチャーとゲーム結果との関連性を調査する。ジェスチャーに関するいくつかの指標を設け、それを定式化することで、ゲーム中に見られるジェスチャーの定量的評価を試みた。これらの指標のいくつかで、人狼ゲーム中でのプレイヤーの役割が測定出来ることがわかった。例えば、ゲームの勝敗には占い師と狂人がそれぞれどの程度リーダーシップを取っているかに影響を受け、それをプレイヤーの両腕の開き具合で測ることが出来る。
著者
平田 佑也 稲葉 通将 高橋 健一 鳥海 不二夫 大澤 博隆 片上 大輔 篠田 孝祐
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.29, 2015

本研究ではコミュニケーションゲームとして知られる「人狼」をプレイできるエージェントの構築を目指している.人間同士での人狼プレイログから,プレイヤー自身がどのように振る舞うか,他プレイヤーに対してどのような判断を下すのかといった情報を取得し,任意のゲーム状況における行動の選択確率を求めた.これを用いて人狼エージェントを作成し,人間同士でのゲーム結果と似たものとなるか,シミュレーションを行った.
著者
大澤 博隆
出版者
筑波大学
雑誌
戦略的な研究開発の推進 社会技術研究開発事業
巻号頁・発行日
2018

本プロジェクトでは、科学技術とその社会への受容過程を物語の形で描いてきたサイエンスフィクション(SF)が、人工知能技術の発展にもたらした影響を調査する。我々はまず人工知能技術に対する期待と不安を含む人々の想像力の歴史について、過去の文献をサーベイし、作家・クリエイター・編集者や、理学・工学・人文学研究者等の関係者を交え、AIとSFと社会の関係を整理・可視化する。そして、それらの関係者の力を合わせ、今後、人工知能・自律的知能技術が社会実装される過程の未来の在り方を、新たなデザインフィクションとして例示する。調査と創作の双方を通して、現在だからこそ起こり得る可能性・問題点を踏まえた未来社会の設計論を提示し、人類の新しい技術と社会の開拓に貢献したい。
著者
大澤 博隆 江間 有沙 西條 玲奈 久保 明教 神崎 宣次 久木田 水生 市瀬 龍太郎 服部 宏充 秋谷 直矩 大谷 卓史
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.3H2OS25b04, 2018 (Released:2018-07-30)

オンラインサービスでは、ユーザーのコミュニケーション活動とコンテンツが公開される。 このオンライン情報は、ユーザー生成コンテンツの作成サイクルを加速するのに貢献する。 さらにこれらのサービスは、研究者がオンラインテキストを、社会活動の調査研究とも呼ばれる、人間活動を容易に分析するための公的な資源として利用することを可能にする。 しかし特に創造に関わる分野では、コンテンツが公開されている場合においても、プライバシーに関する論争の的になる問題が存在することを認識する必要がある。 本研究では、オンラインファンフィクション小説における性的表現の抽出とフィルタリングを試みた研究が起こした炎上事件のケースを通し、オンライン研究のための新しいガイドラインを作成しようと試みる。 本研究では法と倫理を含む工学と人文学の両方の分野の研究者が、それぞれの専門分野に応じて倫理的、法的、社会的問題を抽出した。
著者
吉添 衛 服部 宏充 江間 有沙 大澤 博隆 神崎 宣次 久木田 水生 小川 祐樹
出版者
ヒューマンインタフェース学会
雑誌
ヒューマンインタフェース学会論文誌 (ISSN:13447262)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.501-512, 2021-11-25 (Released:2021-11-25)
参考文献数
25

We are now faced with the wall of the diversity of values. We are often required to consider or respect the values of other people though, it is not easy to sense them since we tend to think within our scope of knowledge, experience, and imagination. We have worked on how to exchange values and achieve a synergetic effect among people. In this paper, we are presenting our prototype system, called AIR-VAS, aiming to support becoming aware of values in group discussion. AIR-VAS has been developed as the system which recognizes characteristic opinions of a group and shares them among all engaging groups on the discussion. The recognized and shared opinion is based on the values of the people of the group. Through the sharing of opinion, people can know the different viewpoints on the issue of the current discussion, so that AIR-VAS can provide stimulation to people for idea generation. We have developed AIR-VAS on the approach that visualizing statements, which are presented during a discussion, as the word co-occurrence network. We implemented opinion sharing as the process of the network re-construction including presented sub-network as an opinion of a certain group. According to the experimental usage of the developed system, we analyzed the relationship between discussion and visualized information, and discuss what information gives awareness.
著者
久木田 水生 大澤 博隆 藤原 広臨 林 秀弥 平 和博 伊藤 孝行 大谷 卓史 笹原 和俊 中村 登志哉 村上 祐子 唐沢 穣
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究は、第一に、インターネット上の悪質な情報の流通とそれに起因する現代の諸問題の根本的な要因・メカニズム・影響を明らかにする。第二に、そのような問題に対処するための新しい情報リテラシーの概念を探求し、その基礎になる技術哲学理論を構築する。第三にその概念と理論に則した情報リテラシー向上のための方法を探求する。このことによって本研究は情報技術と社会が互いに調和しながら発展していくことに貢献する。
著者
大澤 博隆 今井 倫太
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2007論文集
巻号頁・発行日
vol.2007, no.12, pp.188-194, 2007-11-09

本研究では,シミュレーション上で実施されることの多い繰り返し囚人のジレンマゲームを人間のプレイヤ同士で行わせ,各エージェントの戦略を,実際の人間プレイヤ同士にプログラムさせることで,ゲーム上でのエージェントの戦略の変化を調べる.これにより,実際の人間同士の集団ゲームにおいて,人間がどのように戦略を変化させていくか分析した.本研究では Axelrod の初回の大会の条件を元に,囚人のジレンマゲームの条件を設定し,大学の授業の課題として,授業参加者 72 人の人間を対象とし,25 日間の実験を行った.その結果,Axerlod の初回の大会や,シミュレーションの結果と異なり,上位のものほど記述が複雑化する傾向が発見された.また複数のプレイヤ同士が協力する「主人−奴隷戦略」,上記の戦術に対する寄生戦略,自身の勝利を目指さず,他プレイヤを追い落とす戦略など,一見すると合理的でない,様々な戦略が確認された.
著者
江間 有沙 秋谷 直矩 大澤 博隆 服部 宏充 大家 慎也 市瀬 龍太郎 神崎 宣次 久木田 水生 西條 玲奈 大谷 卓史 宮野 公樹 八代 嘉美
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.322-330, 2016

<p>人工知能技術の「責任ある研究とイノベーション(Responsible Research and Innovation: RRI)」のためには多様なステークホルダー間による対話・協働が不可欠である。本研究では,情報学系研究者のほか情報学の倫理的・法的・社会的問題を考える人文・社会科学研究者,政策系の専門家やSFなど創作/編集活動関係者,メディア,一般市民など多様なステークホルダーにアンケート調査を行った。10年後の運転,育児,介護,人生選択,健康管理,創作活動,防災,軍事の8分野では,全体として運転・防災・軍事分野など「知的な機械・システム」の導入に社会的合意が必要とされる分野の機械化には積極的な意見が多い。一方,ライフイベントにおける意思決定や健康管理など個人選択に委ねられる分野は「人間が主体で機械を活用する」傾向にあった。回答者の専門や価値観,経験によって意見は多様であり,個別の技術導入場面において機械と人間の関係をいかに創造的に組み替えていくかの議論が重要である。</p>
著者
渡辺 柚佳子 樫村 健人 岡田 佳子 大澤 博隆 菅谷 みどり
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.24, pp.1-8, 2015-02-23

子どもの発達障害は,学習面のみならず,対人関係や運動面においても生じる様々な困難を緩和するために日常的な訓練が必要である.従来訓練は,高価な機材や教材,訓練内容においてセラピストの負担が大きく,頻繁に行えない問題があった.本研究では,プレイセラピーをセンサーと CG の連携によりデジタル教材として拡張した新しいデジタルセラピーデバイス,橙色の屋根のお家を提案する.本提案では,CG による抽象概念の見える化,センサーによる操作のフィードバックにより,情報共有の促進による子どもの自主的な参加を促すとともに,デバイス,教材,訓練内容を新しく提案することで,セラピストの負担を軽減する.前操作期の低年齢の子どもとの実験の結果,同じ家型のデバイスと比較して,問いかけに反応した回数は約 1.6 倍,抽象概念に反応した回数は約 2.0 倍,ミスコミュニケーションが発生した回数は約 0.1 倍となり,提案が期待の持てるものであることを示した.Children who are suffering on learning and developmental disabilities need daily trainings for social skills. However, such daily training is not provided occasionally because it requires interactive helps from therapists. In this paper, we propose a digital dollhouse that extended the traditional psychological play therapy equipped with digital sensors and computer graphics. This device aimed at raising the communication skills even if the superintendent of training is not a therapist. We have developed proposed digital play therapy device. Our device's CG function reproduces the reality. Abstract image is visualized by using our device. Based on the device, we discussed the usefulness of the device with the therapist, and the policy and metrics for the evaluation of the functionalities that are expected for the skill's training.