著者
松田 祐児 大澤 博隆 大村 廉 今井 倫太
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.317, pp.41-46, 2008-11-16
被引用文献数
1

本稿では,目や口といった顔のパーツがヒューマンロボットインタラクションに与える影響を調査,検討を行ったものである.近年ではヒューマンロボットインタラクションに関する研究が盛んになってきている.しかしながら,インタラクションで重要とされるロボットの擬人的外見がヒューマンロボットインタラクションに与える影響に関しては究明されていない.そこで我々はシステムの反応時間(SRT)に応じたユーザの評価を得て,そのデータを元に擬人化度を測り,3つの結果を得ることができた.1つ目はユーザはインタラクションの対象となるロボットが不完全な擬人化パーツであってもそのロボットに対して擬人化の認識を持つということ.2つ目は目パーツのほう口パーツよりも擬人化に対して効果があるということ.3つ目は擬人化することでインタラクションそのものの評価が向上するということである.
著者
山田 胡瓜 福地 健太郎 大澤 博隆 宮本 道人 江渡 浩一郎 倉本 到 渡邊 淳司 前田 太郎 中村 裕美 寺島 裕貴 加藤 淳 米澤 朋子 塩見 昌裕 新山 龍馬 宮本 隆史 水野 雄太 櫻井 翔
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.71-77, 2019-12-15

研究者に,漫画家・山田胡瓜流のSF作劇手法を学んでもらった上でSF作品を書いてもらうという『情報処理』特集記事「『AIの遺電子』に学ぶ未来構想術」に寄せられた内の12作品を対象に,山田胡瓜氏を囲んで実施された講評会の様子を記す.各作品に対して,山田氏に加えて講評会に参加した研究らが,その意義や現実の社会に与えうるインパクトについての議論がなされた.議論の中で,『AIの遺電子』に描かれなかった設定についても山田氏本人から語られる場面があった.
著者
川越 敦 大澤 博隆
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022)
巻号頁・発行日
pp.4I3OS26b04, 2022 (Released:2022-07-11)

協力ゲームHanabiは,暗黙の意図伝達を手がかりとする協調行動の分析に適した題材である.近年, 異なるふるまいをする複数のHanabiエージェントを作成し,人と協力プレイさせた結果を比較することで人の協調行動を分析する研究が行われている.しかしながら,このような手法は実験コストの大きさや人の内的状態が直接観察できないといった問題がある.これらの問題の解決法として,人のふるまいを再現するために用いられる認知アーキテクチャ上で作成したモデルを使い,シミュレーションを行う方法が挙げられる.本研究においては,認知アーキテクチャACT-Rを用いてリスクのある行動を選択肢として持つモデルとそうでないモデルを用いてHanabiゲームのシミュレートを行った.その結果,1ゲーム当たりの使用時間について人のHanabiゲームと類似した変化がみられた.また,リスクのある行動を選択肢として持つことは得点を向上させるための学習効率を低下させること,および行動決定のための時間を大きくすることが示唆された.さらに,Hanabiプレイにおいて,記憶の検索が行動決定のための時間を長くする一因であることが分かった.
著者
吉添 衛 服部 宏充 江間 有沙 大澤 博隆 神崎 宣次
出版者
科学技術社会論学会
雑誌
科学技術社会論研究 (ISSN:13475843)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.120-133, 2018-12-10 (Released:2020-02-10)
参考文献数
8

社会は情報技術の発達とともに,グローバル化・複雑化が進んでおり,人の持つ価値観も多様化してきている.そして,それに伴い,多様で変化する価値に気づき,広い視野を持って物事を捉えることが社会的に必要とされるようになってきている.本研究では,多様な価値観への気づきを与えるには何が必要か検討しながら,その仕組みのシステム化(AIR-VAS)を目指している.今回,気づきを与えるアプローチの一つとして,議論の場で自分達とは異なるグループの考え方や価値観を可視化させ,示すことで,新たな発想や考えを促すような仕組みを検討した.議論における単語の頻出度や共起度などをもとにして,議論をネットワーク構造で表現し,可視化させるプロトタイプシステムの実装を行い,実際に,ワークショップの中でシステムを運用した.本稿では,その結果を踏まえながら,議論の特徴とシステムの提示する情報の関係性やシステム活用の有効性について考察する.
著者
大澤 博隆 大村 廉 今井 倫太
出版者
ヒューマンインタフェース学会
雑誌
ヒューマンインタフェース学会論文誌 (ISSN:13447262)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.305-314, 2008-08-25 (Released:2019-09-04)
参考文献数
18
被引用文献数
1

We propose a direct anthropomorphization method that agentize an artifact by attaching anthropomorphic parts to it. There are many studies to provide information to users using spoken directions and gestures via anthropomorphic agents such as CG agents and communication robots. Our method directly anthropomorphize the artifact through robotic bodily parts shaped like those of humans. The anthropomorphized artifact using these parts provides information to people by giving them spoken directions and expressing themselves through body language. Using these devices, people are able to accept more attentions to the artifact, than using anthropomorphic CG or robot agents. We conduct an experiment to verify a difference between explanation of fuctions of the artifact using direct anthropomorphization method and explanation of them using independent humanoid-agent "Robovie". The results of participants' questionnaires and gazes during the experiment indicate that they noticed to the target artifact and memorized functions using direct anthropomorphization method more than using independent humanoid-agent.
著者
大澤 博隆
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.545-546, 2015-12-01 (Released:2016-06-01)
参考文献数
5
著者
大澤 博隆 佐藤 健
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:2188885X)
巻号頁・発行日
vol.2016-ICS-184, no.6, pp.1-4, 2016-07-29

本研究では,不完全情報ゲームであり,正体隠匿型ゲームに分類されるコミュニケーションゲーム人狼を用い,人狼ゲームの最小系である 3 人人狼を考え,どのような戦略がありうるか検討した.検討のため,各プレイヤーの発言を可能世界の合成として記述するとともに,各プレイヤーのルールを記述するための言語を開発し,総当りで戦略の検討を行った.検討の結果,直感に反し,占い師が積極的に嘘をついた場合でも,村が勝利する場合のあることが判明した.
著者
尾形 正泰 大澤 博隆 篠沢 一彦 今井 倫太
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.3, pp.1-4, 2011-07-21

本稿では,Twitter をつぶやきプラットフォームとして利用し,Twitter 上に集約されている実世界に関する情報をロボットアバターを用いて提示するエージェントシステムを提案する.ロボットアバターは近年エージェントとして利用される機会が増えているが,モバイル端末などから使用するにはシステムが大掛かりでユーザに負担であった.音声認識技術を用いて容易な入力方法と,肩に載せるタイプのアバターロボットを用いることで,従来と比べてカジュアルなアバターロボットの使用を実現した.また,つぶやきを発話と方向指示をアバターロボットに表現させることで,利用者に実世界の事象を指していることを理解を促すシステムを作成した.In this paper, using Twitter as micro-blogging system, we propose agent system that presents information on twitter about real world with robot avatar. Though robot avatar is getting popular as agent recently, it is a burden for user to make use of agent through such as mobile device because of large system. Using easy input method with voice recognition and a type of avatar robot on shoulder, we realized more casual avatar robot than before. And to make avatar robot to present tweet as utterance and direction indication, system accelerate user to understand that information from avatar is about real world.
著者
大澤 博隆 栢野 航 遠藤 航 三浦 友博 丹波 正登 守谷 友里 結城 明 長野 正
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.1128-1136, 2016-04-15

技術の発達によって機器の機能が増加している.増加した機能をユーザに分かりやすく伝える手法として,擬人化エージェントを用いた機能説明が提案されてきた.本研究では擬人化エージェントを実世界に拡張させる演出を用いて,複合機(Multi-Function Printer,MFP)の操作説明を行い,人間のインタラクションがどのように変化するか検証した.検証結果として,スクリーン上のエージェントの説明を実世界に拡張することにより,その後のユーザの操作時間が有意に短くなることを確認した.また,ユーザの発話量が有意に増加すること,説明後に学習への興味が向上することが評価結果から示唆された.Technological advancements have enabled both home and office appliances to have more functions, and these increasing features makes the appliance more difficult to learn. Explanation from an anthropomorphic agent have been proposed for explaining such complex features. We propose to extend an agent that instructs users about the features of MFPs by extending representations with real-world actuators. The agent hides its real eyes and arms in onscreen mode, and extends them in real-world mode. We created the movable devices and evaluated how this transitional expression supports users' understanding of how to manipulate the MFP and enhances users' motivation to use it. The result suggests that transitional explainer decreased manipulation time of users compared with non-transitional condition. We also surveyed increasing users' verbal behaviors and increased impressions scores that suggest user increased interest for repairing MFP.
著者
片上 大輔 小林 優 鳥海 不二夫 大澤 博隆 稲葉 通将 篠田 孝佑
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第31回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.370-374, 2015 (Released:2016-02-26)

擬人化エージェントとともにコミュニケーションゲームである人狼を対面環境で行なうことによって高度な対話技術を修得することを目標とし,人間が人狼をプレイする際の議論を実現できる擬人化エージェントを用いた人狼知能対戦システムを開発した. 本研究では,人狼知能対戦システムを用いて人間と人工知能の識別実験を行った.実験の結果,対戦に参加した各エージェントのCMCにおける印象評定尺度の評価には,実験参加者の味方の陣営のエージェントに対して人間と人工知能の間にわずかに差があり,味方陣営の人間と人工知能の見分けが付いている傾向が見られた.また,システムによって表出する動作と発言が統一されている環境では,人間らしさについての評価において人間と人工知能の間に差はなかったため,人狼におけるノンバーバル情報の重要性を確認できた.
著者
篠田 孝祐 片上 大輔 稲葉 通将 鳥海 不二夫 大澤 博隆 松原 仁 Shinoda 1 Kosuke Katagami 2 Daisuke Toriumi 3 Fujio Inaba 4 Masamichi Osawa 5 Hirotaka Matsubara 6 Hitoshi
雑誌
SIG-SLUD = SIG-SLUD
巻号頁・発行日
vol.B5, no.02, pp.80-85, 2015-10-26

We propose a standard problem AIWolf game for artificial intelligence. This game is one of communication game around the table. This game called ``Are You a Werewolf?'', generaly. We has been thought this game is useful metrics for evaluating progress artificial intelligence. Moreover, our project held the competision at 2015
著者
柏原忠和 大澤博隆 篠沢一彦 今井倫太
雑誌
第73回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.237-238, 2011-03-02

本論文では、遠隔コミュニケーションの為の肩乗り小型ロボットア<br />バタの提案を行う。遠隔地からアバタを操作することで、遠隔地の<br />ユーザーは相手の空間を自由に見渡しながらコミュニケーションを<br />行える。ロボットと一緒に行動をすると人間はロボットの動作に気<br />を使い、また小型ロボットの場合は人間が手に持つという煩わしさ<br />があるが、本アバタは身に付ける事によりこれらを解決する。また<br />、アバタ装着者と同じ目線の映像を共有する事により、遠隔地の操<br />作者は相手の空間にいるような感覚を実現し、装着者もアバタによ<br />って遠隔地のユーザーの存在感を得る事が出来る。肩にいるアバタ<br />が耳元でささやく効果も上記に加えることで、より密接な遠隔コミ<br />ュニケーションを行える。