著者
輿石 徹 奥山 清
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.136, no.12, pp.1675-1679, 2016-12-01 (Released:2016-12-01)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

A 70-year-old woman, residing in a nursing home, was admitted to our hospital because of cerebral hemorrhage. She had excessive sweating, a temperature above 37°C, and intermittent muscle spasm such as myoclonus, since the time of admission. We suspected that these symptoms were related to side effects caused by the milnacipran she was taking for depression, prior to hospitalization. After we discontinued milnacipran, the patient began exhibiting withdrawal symptoms such as excitement and insomnia. When we substituted milnacipran with mianserin, the withdrawal symptoms diminished and the excessive sweating and involuntary movement disappeared. Serotonin-norepinephrine reuptake inhibitor (SNRI) and selective serotonin reuptake inhibitor (SSRI) have been widely utilized in the clinic to treat depression; serious side effects such as serotonin syndrome and withdrawal syndrome associated with their discontinuation, have been reported. However, it is unlikely that serotonin syndrome and withdrawal syndrome due to a precedent use of milnacipran would have been reported. This case was suspected to be related to serotonin syndrome and withdrawal syndrome from the course of treatment. This case provides valuable information for addressing new similar cases caused by milnacipran.
著者
奥山 かずお
出版者
日本児童文芸家協会
雑誌
児童文芸 (ISSN:09169857)
巻号頁・発行日
vol.47, no.7, pp.94-102, 0002-12
著者
奥山 誠義
出版者
近畿作物・育種研究会
雑誌
作物研究 (ISSN:1882885X)
巻号頁・発行日
vol.62, pp.57-63, 2017 (Released:2017-12-22)
参考文献数
12

我々人間が,日々の生活を送るために重要な要素を『衣食住』という言葉でまとめることができる.その中の「衣」は着飾る装いや寒さなどから身を守るため重要な役割を果たす「衣服」を指している.人類が衣服を身につけ始めた時期は明らかではないが,日本においては,遺跡の発掘出土品から少なくとも縄文時代には衣服を身につけていたと考えられる.衣服など繊維製品に用いられる材料は様々あるが,中でも植物性繊維はその歴史が深く縄文時代の遺跡からも出土している.発掘出土品は,考古学における「歴史の物的証拠」であるばかりでなく貴重な文化財でもある.これらから材料に関する情報を引き出しつつ,姿・形を変えずに将来へ伝え遺す必要がある.出土品の損傷を控えながら材料を読み解く研究は最重要課題の一つである.繊維製品の材料調査では,赤外分光分析法も材料調査のための有効な手段の一つである.筆者らはSPring-8におけるシンクロトロン放射光赤外分光分析や光音響赤外分光分析などに取り組み,植物性繊維をはじめとする出土繊維製品の材料調査法の研究を行ってきた.本稿では,微量サンプルあるいは非破壊による繊維製品の材料調査研究の一例を紹介する.
著者
奥山 好男
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.289-310, 1966
被引用文献数
2

関東平野を囲繞する山地帯の外縁および内縁-関東地方の周辺(外帯)および周縁(内帯)-には,機業地帯がつらなっている.ここは,日本における,いわゆる先染絹織物の主要な生産地帯である.とともに,ここは,林業もしくは畜産業を主業とする山村地帯である.この山村地帯に機業地帯がいち早く成立したことは,単なる偶然とは考えられない.<br> 近世幕藩体制下にあって, 近世領主的土地所有の対象とはならなかった存在としての林野.その林野を基盤として,近世以降ひきつづき存続しつづけた生産関係.そして,労働対象の土地からの解放.労働力の土地からの解放-自由な賃労働者の成立.これが,農奴制工業としての工場制手工業の存在,それの資本制工業として工場制手工業-本来の意味での工場制手工業-への発展の前提である.ここでは,これまでの経済史学の一般常識に反して,工場制手工業の原基型態が農奴制工業であると考えられるのである.<br> この農奴制経営の実存型態,ならびに,それの資本制経営への発展過程.この小論は,甲州郡内領の「延宝越訴状」を主題として,いくつかの史料を織りまぜつつ,これについての議論を展開する.林野の存在が工業と無縁でないこと,機業地帯と山村地帯が偶然の相関にあるのではないことも明らかとなるであろう.
著者
奥山 憲夫
出版者
国士舘大学東洋史学会
雑誌
國士舘東洋史學 (ISSN:18837697)
巻号頁・発行日
no.1, pp.97-119, 2006-06
著者
奥山 武彦 依田 信治 木村 潤子 下田 乾二
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.16, no.67, pp.31-36, 1992

フィールド内,或いはフレーム内で一画面固定長とする圧縮方式を用いたNTSCディジタルVTRを試作した。据置モードよりメモリ容量を小さくした,ムービーモードでは,前画面符号量からの予測を用いた一画面符号量制御法を開発した。符号量制御演算はDSPによるソフト処理で対応する。さらにダビング,つまりDCT符号化の繰り返しによる画質劣化の対策と,DCTの特徴を使った,DVTR特有の特殊効果をシミュレーションにより検討し,試作機に盛り込むことができた。また記録再生系では,低域成分の抑圧性能を向上した新8-14変調方式の採用と,強力なエラー訂正能力で高密度記録を実現した。本論文では試作機のシステムの概要と,各ブロックの特徴,及びシミュレーション検討結果について述べる。
著者
坂井 恵子 奥山 治美 島崎 弘幸 片桐 雅博 鳥居 新平 松下 隆 馬場 駿吉
出版者
Japanese Society of Allergology
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.37-43, 1994-01-30 (Released:2017-02-10)
被引用文献数
1

血漿総脂質とリン脂質におけるリノール酸の割合がアトピー患者の方が同年齢の健常者より有意に多く, オレイン酸は少なかった. トリアシルグリセロール(中性脂質)分画ではn-3/n-6比がアトピー患者で有意に低かったが, n-6系列のγ-リノレン酸やアラキドン酸の割合は両群間に有意な差が認められなかった. 以上の結果より, アトピー患者でデルタ6-不飽和化酵素活性が低下している根拠はみられなかった. むしろ, 身体のアレルギー反応性を抑制するには食事脂質のn-3/n-6比を上げることが有効である可能性を論じた.
著者
奥山 利幸 Okuyama Toshiyuki
出版者
法政大学経済学部学会
雑誌
経済志林 (ISSN:00229741)
巻号頁・発行日
vol.74, no.1, pp.143-168, 2006-08

Baumgardner (1988), Kim (1989), and Weitzman (1994) have attemptedat proving Adam Smith Theorem, but their models are based uponimperfections. In this paper, I show what parts of their theories do anddo not reconcile with Adam Smith's theory of economic growth basedon the division of labor in the industries, and whether or not Smith'stheory contradicts the neoclassical paradigm.
著者
奥山 邦人
出版者
日本熱物性学会
雑誌
熱物性 (ISSN:0913946X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.276-280, 1994-10-31 (Released:2010-03-16)
参考文献数
14

熱電対は, 局所, 高応答の測定が可能で, 温度差の測定に便利な特徴をもつ温度計として広く用いられています. 構造が簡単で取扱いやすく, 測定器につなげば一応起電力程度の値を示すので手軽に利用されますが, そこにはともすれば見落としかねない多くの誤差要因があり, 正しい温度を測定しようとする場合には注意が必要です. ここでは熱電対の原理から, 作り方, 熱電対の取り付け, 測定器, 校正法にわたり, 正しい測定を行うための方法について解説します.