著者
宮崎 誠也 申 金紅 結城 崇史 金子 満 青木 輝勝 安田 浩
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会研究会講演予稿
巻号頁・発行日
vol.2, pp.65-72, 2003

近年、スクリプト言語や自然言語入力によるCG映像作成手法が提案されている。この手法は、ユーザーによる指示内容(「木の横に立つ話者Aをウエストショットで撮影」等)に従って背景・人物CGやCGカメラ等を自動的に配置することにより、きわめて短時間に映像を作成できるのが特徴である。筆者らはシナリオベースの個人用映画制作システムDMP(Digital Movie Producer)を研究開発しているが、映像知識のないユーザーでも簡単に効果的な映像制作ができるように、映像の演出を自動的に行うDMPの演出プランニングエンジンを本稿で提案する。また映像制作技法のノウハウと実写映画の映像分析から、同エンジンで用いる知識ベースの構築方法を提案する。
著者
安田 浩 小暮 拓世
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.91, no.3, pp.225-236, 2008-03-01
被引用文献数
1

コンテンツ流通に必須とされる技術にDRM(Digital Rights Management)がある.コンテンツクリエータの創作意欲,プロバイダの事業意欲,コンテンツ消費者の消費意欲,等を共に満足するコンテンツ流通環境の確立には,DRM技術は不可欠である.一方,コンテンツの不正コピー事例は後を絶たず,プロバイダ事業者はその都度対策を迫られDRM技術を強化してきた.本稿は,比較的初期にDRMを立ち上げたDVDを例に,実用DRM技術を解説し,次いで,急速に普及した携帯電話の標準DRMであるOMA DRMについて言及し,更に蓄積メディアのDRMをSDカードを例にCPRM技術内容を記述した.最近のDRM標準化活動の状況については,国際標準化活動の例としてMPEG-21を中心にIPMP技術を解説し,デファクト標準化活動の例では業界主導DRMとしてコーラルを取り上げ,そのポイントどなる技術を解説した.DRMは,いまだ発展途上の技術であり,またその特殊性(秘匿性)から,公開情報が少ない.本稿ではできるだけ重点技術内容を取り上げ,公開情報の範囲で平易に解説し,最後にDRMの現状課題と将来展望について触れる.
著者
安田 浩一
出版者
松本歯科大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1996

喉頭の感覚や運動に深く関与する上喉頭神経が、呼吸と嚥下運動にどのような役割を担っているかをWistar系ratを用いて検討した。Ratの上喉頭神経は喉頭付近で3枝に分かれる。本研究では、甲状軟骨前縁から喉頭に入る枝をR.Br、輪状甲状筋に分布する枝をM.Br、下咽頭収縮筋を経て甲状腺の背側に至る枝をC.Brとした。HRP神経標識法を用いて、各分枝の運動神経細胞の中枢局在および一次求心線維の中枢投射部位を検索した上で、機能的な解析を行うために、各分枝の中枢側切断端から遠心性神経放電を、末梢側切断端から求心性神経放電を導出した。その結果、R.Brは喉頭粘膜へのairflow刺激に応答する感覚線維を有し、それらの感覚情報は孤束核外側部に収束することが明らかになった。M.Brには感覚線維が含まれないことから輪状甲状筋にはproprioceptorは存在しないと考えられた。また、輪状甲状筋を支配する運動ニューロンは、主に吸息期に活動することが明らかになるとともに、延髄のrostral ventral respiration groupに属することが示唆された。C.Brに支配される下咽頭収縮筋にはon-off typeの応答を示すproprioceptorが存在し、その感覚情報は孤束核外側部に入力することが明らかになった。また、迷走神経背側運動核に小型の、疑核の吻側部には中型の運動ニューロンの細胞体が局在していた。下咽頭収縮筋にはproprioceptorが存在することにより、迷走神経背側運動核の小細胞は筋紡錘などを支配するγ-motoneuronの可能性が示唆された。
著者
青木 輝勝 高橋 由泰 日高 宗一郎 木村 徹 加藤 弘之 安田 浩
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告電子化知的財産・社会基盤(EIP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.85, pp.11-16, 2001-09-08

近年インターネットの急速な普及に伴い、ディジタルコンテンツ流通が盛んに行われるようになってきた。しかしながら、現在なおコンテンツの不正コピーが後を絶たず、大きな社会問題となっている。特に、日本で製作されたCG/アニメコンテンツあるいはゲームコンテンツは国内のみならず外国でも広く人気があり、この分野の著作権保護技術の確立は緊急の課題である。このような背景のもと、本稿ではCG(Computer Graphics)ならびにアニメーション画像の円滑な流通を目的とした新しい電子透かし方式を提案する。With the rapid spread of the Internet, more and more new services for content distribution are starting. However, illegal copies have never decreased and they become a fatal matter. Especially as CG/animation content and computer games made in Japan are very popular in some foreign countries as well as Japan, copyright protection in these areas is one of the most important problems to solve. Under this situation, we propose a new watermarking method for CG/animation images.
著者
一岡 義宏 青木 輝勝 安田 浩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.84, no.7, pp.1299-1310, 2001-07-01
被引用文献数
7

本論文では, 不特定多数の人で混み合う都市型コミュニティでの人々の生活や行動を支援する情報提供システムの新しいアーキテクチャを提案するとともに, 本システム実現のために必要な赤外線簡易放送型通信プロトコルIrBRCとIrUCIS を提案する。提案システムは, 扱う情報を「上映用コンテンツ」と「持帰り用コンテンツ」に分けることによって, 発信者により生産, 発信された情報を受信者が手持ちの携帯端末に受信し, 移動しながら自由に閲覧できるモバイル時代のスタイルを可能にし, 発信者から受信者への情報の生産, 配信, 消費という情報の流通を生み出すことを目的として開発したシステムである。本システムは, 狭いエリアでの集中した情報取得要求によって引き起こされる配信サーバへの負荷の集中を, メインサーバとエリア内に点在させた近傍サーバによる階層化構成によって分散させることで解決し, 一方で分散化によって引き起こされる情報内容の一貫性の問題を, 情報のバージョン管理を行い変更による差分データをメインサーバから近傍サーバへ迅速に配信することで解決した。更に, 近傍サーバでの情報取得アクセスによる輻輳は, 赤外線による簡易放送型通信を用いることで解決した。
著者
田口 哲典 青木 輝勝 安田 浩
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告オーディオビジュアル複合情報処理(AVM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.24, pp.73-78, 2003-03-07
被引用文献数
12 1

現在、服をはじめとするファッションに関する情報が発信されている場所は店頭だけではなく、雑誌やカタログなどのメディアを利用している場合もしばしば見かけられる。また、今後ネットワーク環境の更なる普及にともない、実際の商品を見ることなしに服を購入する機会や選択肢が増えると考えられる。そこで、このように多様なファッションを楽しむために、また服を購入する際に、試着という行為の負担の軽減と服の選択肢の拡大を可能にするために、実際に試着を行うことなく、あたかも試着をしているような様子を鏡のように映すシステムとして、"MIRACLE"システムを、筆者らは考案した。本稿では、"MIRACLE"システムのTシャツへの応用を考え、リアルタイムで実現可能な仮想試着アルゴリズムについて提案する。Now, the place where the information about fashions including dress is sent is often seen, not only a shop front but when media, such as a magazine and a catalog, are used. Moreover, it is thought that the opportunity and choice which purchase dress increase, without seeing actual goods with the further spread of network environment from now on. Then, we proposed the "MIRACLE" system as a system which projects like a mirror signs that it is trying on, without actually trying on, in order to enable mitigation of the burden of the act of fitting, and expansion of the choice of dress, when purchasing dress in order to enjoy various fashions. In this paper, we propose the application to the T-shirt of the "MIRACLE" system and virtual fitting algorithm realizable on real time without restricting a motion of a user.
著者
田口 哲典 青木 輝勝 安田 浩
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告オーディオビジュアル複合情報処理(AVM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.23, pp.91-96, 2005-03-11

筆者らは、これまでに"MIRACLE"システムというリアルタイムで自由に動くことが可能な仮想試着システムを提案した。このシステムは実際に一着だけ服を試着しその服の柄などを変更するシステムであり、実際に試着した服の画像があるため、正確な仮想試着した姿を推測することが可能なシステムである。これまでにオクルージョンやしわ(セルフオクルージョン)などに対応した、平面モデルを用いた画像認識での形状認識を行ってきたが、形状データを可視化するためのマッピングが必要となる。そこで本稿では、リアルタイムでの処理を実現するためのこの平面モデルでのパッチのマッピングアルゴリズムとして、奥行き感を表現するための射影変換を基にしたパッチマッピングアルゴリズムを提案する。We have already proposed a real-time virtual clothing system called MIRACLE, in which user can try various clothes on while acting freely. This system enables to change patterns of clothes when users are putting only one cloth on. We proposed an algorithm of surface image recognition that is able to deal with occlusion and self-occlusion using two-dimensional image pattern matching. In this paper, we propose a two-dimensional texture mapping algorithm based on the projective transform for expressing depth feel in order to visualize surface model.
著者
安田 浩
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.128-132, 1999-02-15
被引用文献数
3

情報産業の花ともいうべきマルチメディアサービス産業の規模は2010年にはGNPの5%を超え, 従来型の自動車産業や家電産業を抜き, 先進国の「米」となると想定されている. この情報産業の大繁栄をもたらす原因は, 情報大量消費文化に端を発する情報大量流通である. 21世紀を特徴付けるこの情報大量流通は,「通信網」と「マルチメディア」が「専門家のための」ではなく「大衆のための」要素となっていくことからもたらされるのである (「ディジタル」が技術を大衆化し,「インターネット」が通信網を大衆化し,「MPEG」がマルチメディアを大衆化した). たとえば使いやすいTV対話は, 専門家同士の打合せのみに使用されていたものが, 主婦の井戸端会議にも使われるようになろう. 取締役会や学会理事会といった小さな集団での電子投票が, 国民投票の電子化になってこよう.「電話網の大衆化」が「隣の家でも電話する・子供でも電話を使う」ことならば,「通信網とマルチメディアの大衆化」は, 仮に2人の人間が物理的に近い距離にいたとしても,「ある場面ではフェース・ツー・フェースよりも通信網を用いたほうが効率的なコミュニケーションが図れる」ということになろう. また素人の性急な個別要求を満足させるための通信網も必要となろう.「専門家」が使う場合には,「機能・性能・コスト」が未熟・不満足であっても本人の工夫によりそれなりの使用効果をあげることが可能である. しかしながら「大衆」が使うとなれば, 無意識ではあるが「機能・性能・コスト」に対する要求条件は厳しくなってくる. したがってより高速・高機能な通信網が要求されることは自明の事実であろう. 本稿は, このような流れの中で, マルチメディアの現状と現状要素技術の進展の状況を述べ, 将来の技術開発方向を模索するものである.
著者
柳原 一広 西村 貴文 松本 繁巳 北野 俊行 福島 雅典 石黒 洋 金井 雅史 三沢 あき子 安田 浩康 平出 敦
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

医学部学生が、各がん腫の標準療法の確認と最新治療の情報を信頼おけるがん情報・医療情報サイトより検索・取得し、有害事象の程度判定基準であるCTC-AE、効果判定基準であるRECIST等のがん診療の基本となる知識を体得し、TAPSによる文献的考察能力が研鑽できるように、臨床腫瘍学の教本化を進めることで、医学部教育における、従来の縦割りの診療科別、臓器別ではない、新たな教育システムの礎となった
著者
鈴木 宣也 安田 浩
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.96, pp.73-78, 2006-09-15
参考文献数
10

集団意思決定において、グループの構成人数は結果やプロセスに影響を及ぼす。しかし、これまで対面対話(FTF)に関する研究は心理学的な研究領域で研究されているが、コンピュータを介する対話(CMC)を対象とした研究は少なく、グループの構成人数に関した具体的な数値の言及にいたっていない。2~4人の少人数のグループを対象に、FTFとCMCの実験を行った。対話人数を検討するため、FTFとチャット、ネット会議を使い、それぞれ人数との比較を行い、ツールの違いと対話人数による差を抽出し、特徴についても分析した。In group decision making, the number of people in the group has an influence on the constitution of its processes and results. However, studies about FTF that have been conducted have been within the domain of psychological study. There are few studies for CMC and they do not reference a concrete number of people. We experimented on FTF and CMC with a small group of 2-4 participants. We implemented chat, net meetings and FTF to perform comparisons with various group sizes. To investigate the conversations of groups, we examined different interactive tools and group sizes, extracting differences and analyzing characteristics.
著者
安田 浩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.92, no.5, pp.347-350, 2009-05-01

私は1980年代後半から1990年代のすべての時期,JPEG/MPEGと呼ばれる画像ディジタル符号化方式の国際標準化作りで,世界中を駆けずり回っていた.本稿では,最初の外国滞在で何を得たか,どうして標準化の世界に入り込んでいったのか,また多くの方々の御支援御協力を頂きながら,そこで何をしたのか,どのようなことに留意しながら標準作りを進めたのか等について述べている.
著者
青木 秀一 青木 輝勝 安田 浩
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告オーディオビジュアル複合情報処理(AVM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.121, pp.7-12, 2001-12-13
被引用文献数
1

近年、マルチメディアコンテンツの普及により画像検索の重要性が高まっている。筆者らは,特に目標とする人物を固有名詞で検索し,その後さらに絞り込む場合には自動でタグ付けが可能なメタデータを用いた略画による検索が適当であると考えている。しかし,従来の略画による画像検索では精度の高い検索のためには略画を丁寧に描く必要があるなどの問題があった。そこで人物シーンの検索クエリーとして容易に描ける人物を表す略画を画像検索のクエリーとして用いることを検討した。本稿では,メタデータとしてMPEG-7で規定されている記述子のうち自動タグ付け可能な記述子を採用することを前提に,クエリー略画とデータベース中の画像とを適切にマッチングするための略画処理アルゴリズムを提案し,評価実験によりその有効性を示す。The importance of picture retrieval is increasing by reason of spread of multimedia content, these days. Picture retrieval with rough sketch that take automatically tagged metadata, is one of efficient methods, when we retrieve target picture of some person furthermore after retrieving with proper name. Picture retrieval with rough sketch, though, had such problems as its efficiency of retrieval dependent on quality of user's sketch. We propose we take symbolic rough sketch as query for picture retrieval. In this paper, on the assumption that we use some automatically tagged descriptors of MPEG-7, we propose transformating algorithm for matching query rough sketch appropriately. Additionally we give proof of its effectiveness.
著者
吉川 夏樹 安田 浩保 有田 博之 三沢 眞一
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

田んぼダムの本格的な取組の普及に向けて,田んぼダムの経済価値の評価手法を確立し,地域治水計画上の位置づけおよび効果最大化のための戦略の構築した.経済価値の評価手法は,水田主体地域に特化した内水氾濫解析モデルによって得られた田んぼダムの浸水抑制量および抑制時間に基づき,経済評価モデルによって被害軽減額を計算するものである.さらに,多数の流域における経済価値を簡便に算出する方法として,上記の複数流域の被害軽減額を基礎データとした重回帰モデルを構築した,田んぼダムの普及には行政の主導が求められるが,こうした経済価値の評価田んぼダム導入予定地区の優先順位づけおよび重点的投資が重要であることを示した.