著者
小野澤 郁佳 久米 朋宣 小松 光 鶴田 健二 大槻 恭一
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.91, no.5, pp.366-370, 2009-10-01
参考文献数
25
被引用文献数
1 10

林分蒸散量の算定において樹液流計測は有力な手法だが,竹に樹液流計測が適用可能であるかは明らかでなかった。本研究では竹林蒸散量算定の第一歩として,樹液流計測による竹の個体レベルでの蒸散量の算出方法の確立を目的とし,モウソウチクにおいて自作の長さ1cmのGranierセンサーによる樹液流計測,切り竹による吸水量計測を行った。その結果,自作センサーにより桿内の水の上昇(以下,樹液流と呼ぶ)の検出が可能であり,計測された樹液流と吸水量の時系列変化は良好に対応した。量的には,従来の樹液流速換算式によって計算される単木あたりの樹液流量が吸水量より過小となることが示され,新たな樹液流速換算式を提示した。以上より,樹液流計測によるモウソウチクの個体レベルでの蒸散量の測定が可能となった。
著者
小松 光昭 松田 芳樹 石井 良夫 木暮 信一 渡辺 一弘
出版者
一般社団法人 レーザー学会
雑誌
レーザー研究 (ISSN:03870200)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.252-258, 2007-04-15 (Released:2014-03-26)
参考文献数
22
被引用文献数
1 1

We examined the effects of Ar+ laser (457, 488, 514nm; 25, 50, 100mW) irradiation on the law of polar excitation using frog sciatic nerve. The law of polar excitation is well known, as both cathode-make-excitation (CE) and anode-break-excitation (AE) are elicited when nerves are extracellularly stimulated with a longer pulse at suprathreshold intensity. Compound action potentials (CAP) were suppressed by the laser irradiation. Furthermore, the existence of irradiation conditions (power, wavelength) for greatly suppressing AE in comparison with CE was demonstrated. Ar+ laser irradiation did not suppress conduction but did suppress generation of CAP. It seems possible that only AE generation is suppressed by local irradiation using the Ar+ laser. Since the contribution of Hyperpolarization-activated channels (Ih) to AE generation had been demonstrated and Ih expression is associated with intractable epilepsy, the present results suggest a novel LLLT for intractable epilepsy as an alternative to Ih blockers.
著者
岡山 寧子 森本 武利 木村 みさか 小松 光代
出版者
京都府立医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

本研究は,健康な高齢者における暑熱障害予防プログラムの開発を目的とし,高齢者の水分出納と飲水行動,生活行動の特徴から、暑熱障害予防策を検討するものである.研究期間は2年間で,平成15年度は,水分出納と身体活動量や飲水行動、他の生活習慣等を調査し,水分出納や飲水行動に影響を及ぼす因子を抽出した.同16年度は,調査結果に基づきプログラムを作成し,試行した.以下がその結果である.1.暑熱障害の既往のない健康な高齢者における真夏時の生活行動と飲水行動は,活動面では比較的ゆったりと過ごし,それに見合った食事や水分を摂取し,暑さに対応した暮らしぶりが認められた.また,暑さ対策として,飲水量は「こまめにお茶や水を摂取」する者が多く,飲むタイミングに工夫を凝らした意図的な飲水を実践する者が多かった.暑さで外出を控える者は少ないが,帽子や日傘の使用者が多く,クーラー使用者は少ない.2.暑熱障害予防プログラムの中の飲水支援では,高齢者自身のライフスタイルの中に効果的に飲水行動を組み込むことが重要であり,効果的な飲水行動の実践のためには,(1)飲水への正しい知識を持てること,(2)自分の状況から飲水必要量を正確に見積もれること.(3)飲水摂取の時間帯を工夫し,必要な水分量を摂取できること,(4)要介護高齢者は,介護者が上記を十分考慮して対応すること等をプログラムのポイントとして指導する.3.暑熱障害予防プログラムの試行として,上記1.2をふまえ,健康な高齢者向けの「暑熱障害の予防」について講演を実施すると共に,コメディカルスタッフ向けの雑誌に飲水指導のあり方を掲載した.その評価としては,まだ十分な検討はできていない.現在のところ,飲水の必要性とその方法は理解できたという評価が多いが,実際の飲水行動につながっているかは,継続的な観察が必要であり,課題である.
著者
眞鍋 えみ子 小松 光代 岡山 寧子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.1_123-1_131, 2014-04-01 (Released:2016-03-05)
参考文献数
23

【目的】 看護学士課程卒業後,同一医療機関で勤務する看護職34名を対象に3年間の〈職務ストレッサー〉と〈心理的ストレス反応〉の変化とその関連要因を検討した。 【方法】 就業12,24,36か月目の時期に自記式質問紙調査を行い,内容は属性のほかに〈職務ストレッサー〉〈ストレス対処行動〉〈情緒的支援〉〈心理的ストレス反応〉であった。 【結果】 1年目では「看護能力不足」によるストレッサーを認知し,そのストレッサーが強いほど「個人的達成感の低下」を示した。2年目では,「上司との関係」に関するストレッサーは「個人的達成感の低下」を助長する一方で,「同僚」や「医師」に関するストレッサーは「個人的達成感の低下」を抑制していた。2年目までは,接近型問題対処行動をとるほど「脱人格化」の行動傾向は少なくなった。 【考察】 ストレッサーやストレス対処行動の質の変化や行動傾向にあわせた支援の重要性,とくに1年目は看護実践能力の向上,2年目は人間関係調整能力の習得支援の必要性が示唆された。
著者
加藤 雅子 荒井 洋 小松 光友 ラトン 桃子 立山 清美 西川 隆
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.10-14, 2021 (Released:2021-02-05)
参考文献数
18

【目的】日本における青年期脳性麻痺児・者の主観的QOLを評価するため, 国際的に普及しているCerebral Palsy Quality of Life Questionnaire for Adolescents (CPQOL-Teen) 自己回答版を和訳し, その臨床的有用性を検討した. 【方法】原著者の許可を得て和訳したCPQOL-Teen自己回答版を脳性麻痺児・者57名 (cerebral palsy ; CP群) と定型発達児・者58名 (typically developing ; TD群) に実施した. 【結果】日本語版CPQOL-Teen自己回答版は, 両群で十分な検査-再検査信頼性と内的整合性およびJ-KIDSCREEN-27こども版を外的基準とした妥当性を示した. CPQOL-Teenの5領域のうち『機能についての満足度』は, CP群においてJ-KIDSCREEN-27のいずれの領域とも相関せず, CPの特性を反映する可能性が示された. 『コミュニケーションと身体的健康』『学校生活の満足度』『機能についての満足度』の3領域でCP群の得点はTD群よりも低く, 『全体的満足度と参加『社会生活の満足度』の2領域では両群で差がなかった. 【結論】日本語版CPQOL-Teen自己回答版は, 青年期脳性麻痺児・者の特性を踏まえた主観的QOLを把握できる有用な評価尺度であり, 有効な包括的支援の基盤になり得る.
著者
桝本 妙子 山田 陽介 山田 実 中谷 友樹 三宅 基子 渡邊 裕也 吉田 司 横山 慶一 山縣 恵美 伊達 平和 南里 妃名子 小松 光代 吉中 康子 藤原 佳典 岡山 寧子 木村 みさか
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.62, no.8, pp.390-401, 2015 (Released:2015-10-27)
参考文献数
43
被引用文献数
6

目的 地域在住自立高齢者の転倒リスクとその関連要因および性差を検討した。方法 京都府亀岡市の65歳以上の全高齢者の中で要介護 3 以上を除く18,231人に対して2011年 7~8 月に行った自記式留め置き式質問紙調査への回答者13,159人のうち(回収率72.2%),要支援・要介護認定者を除く「自立高齢者」12,054人について分析した。調査票は個別に配布し郵送で回収した。調査内容には,基本属性,鳥羽らによる転倒リスク簡易評価指標 5 項目,日常生活圏域ニーズ調査基本チェックリスト25項目,老研式活動能力指標13項目を用い,高齢者の諸機能や生活機能の低下の有無を示す 9 つの指標(①運動機能,②低栄養,③口腔機能,④閉じこもり,⑤物忘れ,⑥うつ傾向,⑦ IADL,⑧知的能動性,⑨社会的役割)で調査した。分析は,性,年齢別の転倒リスクとその関連要因および性差をカイ二乗検定とロジスティック回帰分析により把握し,9 つの評価指標を独立変数,年齢と教育年数を共変量,転倒リスクを従属変数とするロジスティック回帰分析(ステップワイズ法)を行って各要因による転倒リスクへの独立した影響を性別ごとに分析した。結果 本調査回答者の過去 1 年間の転倒率は20.8%で,転倒リスク高群は26.6%であった。転倒リスクは,男女とも加齢とともに高くなり,女性はすべての年齢層において男性よりも高かった。また,男女とも,すべての評価指標と転倒リスクとの関連がみられ,それぞれの要因を調整した結果では,男性は運動機能,低栄養,口腔機能,物忘れ,うつ傾向,IADL に,女性は運動機能,口腔機能,物忘れ,うつ傾向,IADL に有意な関連がみられ,運動機能低下は男女とも最も強い要因であった。性差では,低栄養,口腔機能は男性の方に,IADL,知的能動性は女性の方に転倒リスクとの関連が強かった。結論 地域在住自立高齢者の 5 人に 1 人は過去 1 年間に転倒を経験し,4 人に 1 人は転倒リスクを有していた。転倒リスクと 9 つすべての評価指標との間に有意な関連がみられ,とくに男女とも運動機能低下が最も大きかった。また,転倒リスクに影響する要因に性差がみられ,性別を考慮した支援策が必要と示唆された。
著者
小松 光昭 村田 雅人 木暮 信一
出版者
一般社団法人 レーザー学会
雑誌
レーザー研究 (ISSN:03870200)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.285, 2012 (Released:2020-07-16)
参考文献数
17

This study clarifies the effect of low-power laser irradiation (LLI) on the muscle contraction of frog gastrocnemius and provides further insights into the possibility of clinical applications at the mammal level. When we used continuous wave LLI on the muscle contraction of frog gastrocnemius, the retardation of tension attenuation was obtained by near-infrared LLI (808 nm, 100 mW). However, we could not determine whether such retardation was based on the thermal or the photochemical effect of LLI. Since a pulsed laser has the potential to discriminate such effects, we conducted the present experiments. As a result, the pulsed LLI induced neither temperature increments nor retarded muscle fatigue. Although a thermal effect on the retardation of muscle fatigue cannot be excluded, we conclude that the photochemical action is dominant if the optical absorption and the temperature change of living tissue are considered.
著者
久保 富洋 米津 貴久 長尾 明典 蛭子 法子 木暮 信一 松田 芳樹 小松 光昭 石井 良夫 渡辺 一弘
出版者
特定非営利活動法人 日本レーザー医学会
雑誌
日本レーザー医学会誌 (ISSN:02886200)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.18-25, 2008-04-15 (Released:2009-05-21)
参考文献数
25
被引用文献数
5 1

近年,低出力レーザーを用いた治療やその研究に対して大きな注目が寄せられている.おもに神経や筋,皮膚組織が対象とされ,その効果として鎮痛や再生・修復の促進というポジティブな報告がされている.しかし,多数の実験報告や臨床報告はあるものの,その作用機序や効果の最適条件については未だに不明な点が多い.われわれはアフリカツメガエル(♂)の坐骨神経-腓腹筋標本を用いて,その筋収縮への低出力レーザー照射(Nd:YVO4, 532 nm, 100 mW)には振幅の減衰を遅延させる効果があることを報告した.そこで今回は測定した筋の単収縮曲線を(1)潜時,(2)収縮期の長さ,(3)弛緩期の長さの三つの観点から波形解析し,低出力レーザー照射効果が筋収縮のどの部分に強く現れるのかを検討した.実験にはアフリカツメガエルの坐骨神経-腓腹筋標本を用いた.坐骨神経を極大刺激強度(1 ms pulse, 1Hz)で刺激し,誘発される腓腹筋の収縮を張力トランスデューサーを通して記録した.1匹の個体から取り出した2つの標本を用いて,10分間の連続刺激を同時に行い,一方をレーザー照射を加えた実験群とし,他方を非照射群とした.その結果,収縮期の変化において両群には有意差が観測され(p
著者
山縣 恵美 渡邊 裕也 木村 みさか 桝本 妙子 杉原 百合子 小松 光代 岡山 寧子
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.67, no.6, pp.369-379, 2020-06-15 (Released:2020-07-02)
参考文献数
33

目的 高齢者の閉じこもり予防および改善の支援に向けて,地域在住自立高齢者を対象とした体力測定会に参加した者の2年間の閉じこもりに関する状態の変化とその関連要因を明らかにすることを目的とした。方法 亀岡市10地区の高齢者6,696人に対し2011年7月に日常生活圏域ニーズ調査(以下,ベースライン調査)を実施し,その回答者に2012年3~4月に体力測定会を開催し1,379人が参加した。この1,379人に対し2013年9月に再度体力測定会の案内を郵送し,参加を希望した638人に質問紙調査(以下,追跡調査)を実施した。本研究の対象者は,両調査で閉じこもり関連項目に回答した522人とした。分析には,ベースライン調査より基本属性,日常生活状況,健康状態,基本チェックリスト,生活機能に関する項目を,追跡調査より閉じこもりに関する項目を用いた。閉じこもりは,基本チェックリストの2項目のうち,1項目以上該当したか否かで評価した。両調査から,1) 非閉じこもりであった者が,そのまま非閉じこもり(非閉じこもり維持群)であったか,閉じこもり項目に該当(閉じこもり移行群)したか,2) 閉じこもり項目該当者が,それを改善(閉じこもり改善群)したか,そのまま(閉じこもり継続群)であったかで対象者を分類した。各群の特性を比較後,ロジスティック回帰分析を行い,閉じこもりに関する状態の変化に関連する要因を明らかにした。結果 ベースライン調査で非閉じこもりであった375人中,非閉じこもり維持群が326人(86.9%),閉じこもり移行群が49人(13.1%)であった。また,閉じこもり項目に該当した147人中,閉じこもり改善群が85人(57.8%),閉じこもり継続群が62人(42.2%)であった。2年後に新たに閉じこもり項目に該当する要因として,社会的役割が低いこと(OR=1.481,CI=1.003-2.185)が,閉じこもり改善の要因として,治療疾患がないこと(OR=14.340,CI=1.345-152.944),知的能動性が高いこと(OR=2.643,CI=1.378-5.069)が選択された。結論 2年間の縦断研究より,非閉じこもりであっても社会的役割の乏しい高齢者への支援の必要性が,また,閉じこもり項目該当者に対しては,治療疾患,知的能動性を考慮した支援の必要性が示唆された。
著者
根本君也 小松 光一 堀江 港三 ラファエル ボウエン 友常 健一 池見 宅司 並木 勇次
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯材器 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.992-998, 1992
被引用文献数
12

不定形粒子, 球状微粒子, 球状架橋ポリマー, 大きなガラス球粒子それぞれとMFを混合したフィラーを種々の割合で混入したコンポジットレジンを試作し, 上部開放型窩洞に充〓し, 重合時の力を測定して収縮応力を求めた.その結果, フィラーの充〓率が高くなると収縮応力も大きくなり, 従来の考え方と反した.フィラーの種類による影響では, 不定形の高充〓率の場合に収縮応力が最も大きかった.次に硬化後の試験体上部表面の形状を測定したところ, 中心部が陥没した形態で, フィラーの充〓率が低いと収縮が大きく, その大きさはモノマーの体積分率に比例し, フィラーの種類による差はみられなかった.
著者
小松 光
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.89, no.3, pp.217-220, 2007-06-01
被引用文献数
6 9

筆者は,日本の針葉樹人工林における遮断蒸発研究の12の計測例をまとめ,立木密度と遮断率の間に正の相関を見出した。その相関を回帰することで,遮断率[%]=0.00498×(立木密度[本ha^<-1>])+12.0(R^2=0.43)なる関係式を得た。立木密度以外,降水量・樹高・樹種との関係についても検討したが,これらと遮断率の間に明確な関係は認められなかった。したがって,上式は,立木密度とそれに伴う葉面積指数の変化が樹冠付着水分量を変化させることを通して,遮断蒸発量に与える影響を表現しているものと思われた。この式は,日本の針葉樹人工林の遮断蒸発量が,成長段階や森林管理によってどのように変化するのかを考える基礎となる。
著者
小松 光彦
出版者
慶應義塾大学
雑誌
哲學 (ISSN:05632099)
巻号頁・発行日
vol.67, pp.49-64, 1978-03

Kants Begriff des Transzendentalen ist gemeinhin als eine Art Schlusselbegriff seines Denkens verstanden worden. Dieser Begriff wurde nicht erst in der kritischen Epoche Kants geboren, sondern ist wahrend seines ganzen Lebens allmahlich gereift und charakterisiert den Gang des Kantischen Denkens im Ganzen. Der Verfasser des vorliegenden Aufsatzes versucht erstens zu zeigen, dass das Charakteristische fur Kants transzendentales Denken, d. h. eine Art Zwiespaltigkeit schon in der Kosmologie des jungen Kants aufgetreten ist und zweitens zu skizzieren, wie die Wirkungen dieses zwiespaltigen Denkens durch das ganze Philosophieren Kants hindurch bis in die kritische Epoche fortdauerten. In Allgemeine Naturgeschichte und Theorie des Himmels (1755) versuchte der junge Kant aus dem kontemplativen Gesichtpunkt die Leibnizsche, teleologische Metaphysik mit der Newtonschen, mechanistischen Physik zu verknupfen. Aber er konnte mit seinem kuhnen Versuch keinen vollstandigen Erfolg haben. In dieser kosmologischen Abhandlung gibt es das unverkennbare Schwanken des Kantischen Denkens zwischen seinem Mechanismus und seiner Teleologie. In Traume eines Geistersehers (1766) tritt diese merkwurdige Zwiespaltigkeit als die Zweiheit der Welten, d. h. die Trennbarkeit der materiellen Welt von der immateriellen auf. Und im Verhaltnis der letzteren zur ersteren erscheint das Leben, dessen einer Teil das menschliche ist. Zuletzt, in der kritischen Epoche, machte das doppelpolige Schwanken des Kantischen Denkens die Antinomienlehre der Kritik der reinen Vernunft (A 1781, B 1787) aus.
著者
小野澤 郁佳 久米 朋宣 小松 光 鶴田 健二 大槻 恭一
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.91, no.5, pp.366-370, 2009 (Released:2010-01-26)
参考文献数
25
被引用文献数
9 10

林分蒸散量の算定において樹液流計測は有力な手法だが, 竹に樹液流計測が適用可能であるかは明らかでなかった。本研究では竹林蒸散量算定の第一歩として, 樹液流計測による竹の個体レベルでの蒸散量の算出方法の確立を目的とし, モウソウチクにおいて自作の長さ1 cmのGranierセンサーによる樹液流計測, 切り竹による吸水量計測を行った。その結果, 自作センサーにより桿内の水の上昇 (以下, 樹液流と呼ぶ) の検出が可能であり, 計測された樹液流と吸水量の時系列変化は良好に対応した。量的には, 従来の樹液流速換算式によって計算される単木あたりの樹液流量が吸水量より過小となることが示され, 新たな樹液流速換算式を提示した。以上より, 樹液流計測によるモウソウチクの個体レベルでの蒸散量の測定が可能となった。
著者
小松 光 久米 朋宣 大槻 恭一
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.91, no.2, pp.94-103, 2009-04-01
参考文献数
48
被引用文献数
3 9

針葉樹人工林の間伐による渇水緩和機能の変化を評価する一環として,小松ら(2007c)は間伐による年蒸発散量の変化を予測するためのモデルを作成した。このモデルは蒸散と遮断蒸発の部分からなり,モデルの妥当性は,1)間伐による蒸散量の不変性,2)間伐による遮断蒸発量の減少量,3)モデルの流域スケールへの適用可能性の3点から検証される必要がある。本論ではおもに2)の検証を行った。間伐による遮断蒸発量の変化を計測した7事例を文献より収集し,モデルによる予測結果と比較したところ計測値とモデル予測値は概ね一致し,2)がほぼ妥当であると思われた。3)については,流域水収支法による蒸発散量の計測データが1事例しか得られなかったが,このデータについては計測値とモデル予測値は概ね一致し,モデルが流域スケールへ適用できる可能性が示唆された。本論では1)の検証は行われておらず,3)の検証も不十分であるので,将来の検証作業で必要となるデータを列挙し,今後の計測研究に指針を示すことも行った。
著者
篠原 慶規 井手 淳一郎 東 直子 小松 光 久米 朋宣 智和 正明 大槻 恭一
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.92, no.1, pp.54-59, 2010 (Released:2010-04-01)
参考文献数
44
被引用文献数
12 14

近年, 管理放棄された人工林が増加している。蒸発散量は水資源量に大きな影響を与える要素であるが, 管理放棄人工林での計測事例と判断できるものはこれまでになかった。本研究では, 九州大学福岡演習林に設置された御手洗水試験流域の管理放棄されたヒノキ人工林において樹冠遮断量の計測を行い, 他の針葉樹林と比較した。本試験地の樹冠遮断率 (樹冠遮断量/降水量) は24.9%となった。他試験地の針葉樹林の樹冠遮断率は立木密度とともに増加する傾向があり, 本試験地の樹冠遮断率はその分布の範囲内に収まった。このことは, 従来報告されている樹冠遮断率と立木密度の関係が, 管理放棄人工林に対しても成り立つかどうかを判断する上で有益な情報となるであろう。
著者
根本 君也 小松 光一 池見 宅司
出版者
日本大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1994

コンポジットレジン重合時の収縮応力を小さくするために,モノマー重合時の収縮量を小さくすることは困難である.そこで収縮応力がフィラー量や重合開始剤量と比例することに着目し,組成を変えた材料を組み合わせて用いることによって収縮応力を減少できないかと考えた.応力発生の機構を調べるために,アコースティック・エミッション(AE)を同時測定したところ,応力が発生すると微視破壊によるAEも発生することがわかった.光重合型材料はフォトクリアフィルを,化学重合型材料はクリアフィルFIIを用いて直径6mm,深さ4mmの黄銅製窩洞に充填し,硬化時に発生する応力とAEのカウント数を測定した.光重合の場合は照射を開始すると4〜5MPaの応力を発生するが,同時にAEのカウント数も10〜30発生し,その後,応力の増加に比例してAEのカウント数も増加し,100分後の7〜8MPaに達したとき約100を数え,応力が安定してもAEの発生量は増加を示した.化学重合の場合は練和開始3〜4分後から応力を発生するが,AEのカウント数は10位であり,応力の増加率が減少する40〜50分後の14〜15MPaに達したとき200〜1000位の極めて多量のAEがカウントされ,硬化反応の持続による影響が示唆された.次に芳香族と脂肪族を骨格としたジメタクリレート75:25のモノマーにカンファーキノン0.2,ジメチルアミノエチルメタクリレート0.4%を添加し,フィラー40%の低粘性試作レジンを用いて積層充填を行った.2mmの厚さに低粘性レジンを填入し,60秒間光照射を行った後に,フォトクリアファイルを充填し,60秒間光照射を行った場合は,収縮応力が4MPaと約1/2に減少することができた.