著者
四宮 弘隆 岩江 信法 平山 裕次 小松 弘和
出版者
特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
雑誌
頭頸部外科 (ISSN:1349581X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.207-210, 2011-02-28 (Released:2011-03-18)
参考文献数
10

鼻に発生した痛風結節の1例を経験したので報告する。症例は53歳男性。鼻根部に徐々に増大する3cm大の腫瘤を認め,局所麻酔下に摘出術を施行した。摘出標本中に針状結晶とその周囲の異物炎が認められ,痛風結節と同様の病理組織所見であった。痛風結節は一般に急性関節炎の起きやすい足,膝,手指,肘関節に好発し,頭頸部領域では耳介にしばしば認められる。その他にも顎関節,胸鎖関節,脊椎,眼瞼,鼻,舌,喉頭,声帯などにまれに見出され,時には他の良・悪性腫瘍との鑑別診断に苦慮することもある。長期罹患中の高尿酸血症患者では,頭頸部腫瘤の鑑別診断として痛風結節を念頭に入れておく必要があるものと考えられた。
著者
新田 克己 柴崎 真人 安村 禎明 長谷川 隆三 藤田 博 越村 三幸 井上 克巳 白井 康之 小松 弘
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.32-43, 2002 (Released:2002-04-04)
参考文献数
23

We present an overview of a legal negotiation support system, ANS (Argumentation based Negotiation support System). ANS consists of a user interface, three inference engines, a database of old cases, and two decision support modules. The ANS users negotiates or disputes with others via a computer network. The negotiation status is managed in the form of the negotiation diagram. The negotiation diagram is an extension of Toulmin’s argument diagram, and it contains all arguments insisted by participants. The negotiation protocols are defined as operations to the negotiation diagram. By exchanging counter arguments each other, the negotiation diagram grows up. Nonmonotonic reasoning using rule priorities are applied to the negotiation diagram.
著者
光井 富貴子 徳毛 宏則 品川 慶 浅本 泰正 小松 弘尚 石田 邦夫 長尾 専 小松 浩基 荒谷 清美 本田 愛
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.156-160, 2004 (Released:2005-03-29)
参考文献数
11
被引用文献数
1

腹部超音波検査が発見の端緒となり, その除去に消化管内視鏡が有用であった完全型胆道内回虫迷入症の1例を経験した。症例は41歳, 女性で, 無農薬野菜の嗜好があった。上腹部痛の訴えで腹部超音波検査施行し, 胆道内回虫迷入症が疑われた。内視鏡的逆行性胆管造影検査にて胆管内に1本の索状影を認め, 同疾患と診断した。そして砕石用のバスケット鉗子を用いて虫体を把持し, 経乳頭的に摘出した。その後, 駆虫剤としてパモ酸ピランテルを内服した。胆道内回虫迷入症の診断には, まず腹部超音波検査が有用であり, 治療においては内視鏡的逆行性胆管造影を行い, 引き続いて虫体摘出のためにバスケット鉗子が有用であった。
著者
小松 弘明 泉 信博 月岡 卓馬 岡田 諭志 戸田 道仁 原 幹太朗 伊藤 龍一 西山 典利
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.130-133, 2018-03-25 (Released:2018-03-29)
参考文献数
13

背景.肺切除後のステープルラインに発生した腫瘤の鑑別としては,局所再発以外に異物肉芽腫や感染による腫瘤形成が挙げられる.症例.74歳女性.68歳時に,S状結腸癌に対しS状結腸切除術を施行.72歳時に,左肺転移に対し左肺舌区部分切除術を施行.74歳時に,右肺転移に対し右肺上葉部分切除術を施行.右肺切除術後3か月目に,胸部CTで左肺舌区部分切除部のステープルラインに右肺手術時には認められなかった24 mm大の腫瘤が急速に増大し,同部位にFDG-PET検査で異常集積を認めた(SUV max:5.11).診断と治療を兼ねて左肺舌区域切除術を施行した.病理診断は乾酪壊死を伴う類上皮肉芽腫で,切除標本の培養およびPCRでMycobacterium aviumが同定された.右肺術後3か月の間に左肺ステープルラインで急速に腫瘤が増大しており,右肺手術時の人工呼吸器管理/分離肺換気による気道クリアランスの低下が左肺の非結核性抗酸菌感染の顕在化につながったと考えた.結語.ステープルラインに発生した腫瘤の診断は難しく,悪性が否定できない場合は診断と治療を兼ねて切除を検討すべきと考える.
著者
小松 弘典 及川 利洋 石橋 大樹
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.63, no.6, pp.594-603, 2005-06-01 (Released:2009-11-13)
参考文献数
30
被引用文献数
2 4

The demand for 2'-deoxynucleosides is increasing rapidly in the fields of gene therapy, biological research, and medical diagnosis. Development of an efficient synthetic method has been expected over the past few decades. We developed a novel synthetic method applicable to industrial manufacture of all four natural 2'-deoxynucleosides. Chemically synthesized 2-deoxyribose 1-α-phosphate (dRP) was enzymatically converted to thymidine (T), 2'-deoxycytidine (dC), 2'-deoxyadenosine (dA), and 2'-deoxyguanosine (dG) in the presence of nucleoside phosphorylase. This chemo-enzymatic method consists of three distinctive technologies : (i) stereoselective synthesis of dRP by crystallization-induced asymmetric transformation; (ii) an efficient method to expedite enzymatic conversions by adding Mg (OH)2; (iii) development of a new enzyme for the enzymatic synthesis of dC.
著者
小松 弘幸 奥村 学 岩切 智美 林 克裕
出版者
日本シミュレーション医療教育学会
雑誌
日本シミュレーション医療教育学会雑誌 = Journal of Japan Association for Simulation-based Education in Healthcare Professionals (ISSN:21879281)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.1-6, 2014

【目的】最近の6年制薬学教育では、学生へのフィジカルアセスメント(Physical Assessment; PA)実習も徐々に取り入れられているが、病院で勤務している薬剤師を対象にPA実習を行っている施設は少ない。今回我々は、大学病院薬剤師を対象に医療シミュレータを活用した系統的PA実習を実施し、参加者の実習前後での自己評価の変化を検討した。###【方法】対象は本院薬剤師21名。薬剤師におけるPA総論、バイタルサインの診かた、肺音聴診、心電図モニター判読、薬剤による患者の急変と対応の5項目を、医師1名の指導の下、毎月1回ずつ約90分で実施した。実習では肺音聴診シミュレータ"ラング"®やハートシム4000®、Sim Man 3G®を使用した。実習前後でPAに関する自己評価と実習内容に関するアンケート調査を実施した。###【結果】実習前のPA経験は、バイタルサイン測定が3名、心電図モニター判読が4名、聴診は0名と少なかった。患者のバイタルサイン評価について4段階で自己評価してもらった結果、「自信がある」あるいは「ある程度自信がある」と評価した割合は、実習前後で、意識状態:14%→83%、体温:52%→100%、血圧:33%→91%、脈拍:19%→87%、呼吸状態:14%→61%へと有意に上昇した(全てp<0.01)。実習後アンケートでは、対象者全員が全項目とも今後の薬剤師業務に役立つと回答した。###【結語】医療シミュレータを活用した病院薬剤師へのPA実習は、薬剤師生涯教育の一つの方法として有用と考えられる。Aims: Opportunities for pharmacy students to acquire physical assessment (PA) skills have gradually increased since the six-year education system was introduced in Japan. However, learning opportunities for hospital pharmacists are insufficient. Therefore, we provided a series of lessons in PA for hospital pharmacists using auscultation and high-fidelity simulators for training in emergency medical care and evaluated whether their self-assessment of PA improved thereafter.###Methods: Twenty-one pharmacists at our hospital self-evaluated their abilities to measure vital signs before and after undergoing training using simulators in the general theory of PA, vital sign assessment, lung auscultation sounds and interpretation of electrocardiographic patterns on monitors. They were also presented with scenarios simulating drug-induced changes in physical status. ###Results: A preliminary survey revealed that most of the participants had never physically assessed hospitalized patients. The stages of self-assessment for the skill of measurement of vital signs were significantly improved after the training. All participants found that training using medical simulators was an effective method of learning PA skills.### Conclusion: Physical assessment training with medical simulators is a useful method of continuing education for pharmacists in hospitals.
著者
石川 和信 首藤 太一 小松 弘幸 諸井 陽子 阿部 恵子 吉田 素文 藤崎 和彦 羽野 卓三 廣橋 一裕
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.259-271, 2015-06-25 (Released:2017-03-03)
参考文献数
5

シミュレーション教育への理解と普及をはかり, 医学生の臨床能力の客観的評価システムを全国の医学部教員が連携して確立することを目的として, 第46回日本医学教育学会大会の開催翌日に, 医学生イベントとして, シムリンピック2014を開催した. 全国公募した12チーム36名の医学部5, 6年生が参加し, シミュレータや模擬患者を活用した6つのステーション課題に挑戦した. 各課題の構成, 難易度, 妥当性を臨床研修医の協力で検証し, 実行委員会でブラッシュアップした. 企画の構想, 実行委員会組織, 開催準備, 当日の概要, 参加者アンケート結果に考察を加えて報告する.
著者
高林 哲 小松 弘幸 増井 俊之
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.12, pp.3698-3705, 2002-12-15

インクリメンタル検索は情報検索やテキスト編集などの用途に広く用いられている.しかし,日本語の入力にはかな漢字変換という障壁があるため,キーボードから1文字入力するごとに検索を進めていくスムーズなインクリメンタル検索は従来,行うことができなかった.本論文では,指定された読みで始まる単語をコンパクトな正規表現に動的に展開してインクリメンタル検索を行う手法Migemoを提案する.我々はMigemoの実装および評価を行い,これまで困難であったスムーズな日本語のインクリメンタル検索が実現できることを示す.最後に各種の応用例を紹介する.
著者
藤井 尚子 戸苅 創 鈴木 賢一 小松 弘和 森田 明理 小田 久美子 岩田 広子 小黒 智恵子 村瀬 裕
出版者
名古屋市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究は、入院患者が着用する衣服である「病衣」について、名古屋市立大学附属病院の看護部や化学療法部の医師と連携し学際的研究チームを構成し、現状の病衣の実状調査をふまえ「脱着容易性」と「患者の回復意欲の向上」に重点をおき、名古屋市の伝統技法「有松・鳴海絞り」の伸縮性を応用する病衣デザインの開発と研究を進めた。成果は以下のとおりである。(1) 国内外における病衣および療養環境の先行研究調査に基づく中長期療養型病衣の提案(2) 容易な脱着性を実現する病衣の基本的構造およびデザイン要件の抽出「有松・鳴海絞り」を活用した病衣プロタイプの製作および検証(3) 病衣デザインの公的発表
著者
熊谷 匡紘 片山 訓博 小松 弘典 森国 裕 島崎 翔 三谷 仁也 安藝 愛菜 柏 智之 重島 晃史 稲岡 忠勝
出版者
高知リハビリテーション学院
雑誌
高知リハビリテーション学院紀要 (ISSN:13455648)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.51-54, 2011-03-31

今回,我々は斜め方向ステップを考慮した動的バランス評価法(Modified Four Square Step Test以下,MFSST)を立案した.そして,地域在住の健常な60歳以上の女性29名を対象として,MFSSTの再現性・妥当性について他の静的・動的バランス評価と比較検討した.他のバランス評価としては,片脚立位時間,Functional reach Test(以下,FRT),Timed Up and Go Test(以下,TUG)を採用した.片脚立位時間,FRT,TUG,FSST,MFSSTの測定結果は順に32.2±40.4秒,26.8±6.1cm ,7.9±1.5秒,8.3±3.0秒,8.5±2.3秒であり,FSSTとMFSSTの時間には有意差を認めなかった.各バランステストのIntraclass Correlation Coefficient(以下,ICC)は同様の順に0.967,0.904,0.844,0.822,0.639であった.MFSSTと片脚立位,FRT,TUG,FSST間の相関係数は順に-0.25,-0.44,0.66,0.67であり,動的および複合バランス評価との間に有意な相関関係を認めた.MFSSTは,動的なバランス能力を評価した指標であることが示された.ICCが他のバランス指標と比較して低値を示したことから,測定値の再現性を向上させるための検討が必要なものと考えられた.
著者
高林 哲 小松 弘幸 増井 俊之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.12, pp.3698-3705, 2002-12-15
被引用文献数
1

インクリメンタル検索は情報検索やテキスト編集などの用途に広く用いられている.しかし,日本語の入力にはかな漢字変換という障壁があるため,キーボードから1文字入力するごとに検索を進めていくスムーズなインクリメンタル検索は従来,行うことができなかった.本論文では,指定された読みで始まる単語をコンパクトな正規表現に動的に展開してインクリメンタル検索を行う手法Migemoを提案する.我々はMigemoの実装および評価を行い,これまで困難であったスムーズな日本語のインクリメンタル検索が実現できることを示す.最後に各種の応用例を紹介する.Although incremental search is used in a wide range of tasks including information retrieval and text editing,conventional incremental search method cannot handle Japanese texts effectively because Japanese text input requires an indirect input method called Kana-Kanji conversion.In this paper,we introduce a new incremental search method called Migemo to realize the incremental search for Japanese texts.Migemo performs the incremental search by dynamically expanding the input pattern into a compact regular expression which represents all the possible words that match the input pattern.We show how Migemo realize the Japanese incremental search,which is hard to perform effectively so far, through the concrete implementation and evaluation.Various applications are also presented.