著者
行本 敦 小泉 洋平 渡辺 崇夫 吉田 理 徳本 良雄 廣岡 昌史 沼田 結希 竹下 英次 阿部 雅則 日浅 陽一
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.107, no.6, pp.1095-1101, 2018-06-10 (Released:2019-06-10)
参考文献数
7

症例は20歳代,男性.1年前より,全身倦怠感,体重減少がみられていた.当院転院1カ月前から皮膚搔痒感が出現.2週前,近医で肝機能検査異常を指摘され,前医に入院し,肝生検を施行された.非特異的な急性肝炎像の組織所見であった.その後,黄疸が増強し,当院に転院した.転院時,背部に10 mm大の不整形の淡紅色斑が多発していたことから,梅毒を疑い,RPR(plasma reagin test),TPHA(Treponema pallidum hemagglutination assay)陽性より,早期梅毒性肝炎と診断した.アンピシリン8週間の投与により,速やかに肝機能・黄疸は改善した.
著者
小泉 洋
出版者
史学研究会 (京都大学文学部内)
雑誌
史林 (ISSN:03869369)
巻号頁・発行日
vol.73, no.3, pp.p390-420, 1990-05

個人情報保護のため削除部分あり社会大衆党は麻生久書記長ら本部主流派主導の下、しだいに国家社会主義色を強め、日中戦争が始まると、戦時体腔推進に尽力するに至った。しかし、その国家社会主義化は、党全体に一律に受容されたのではなかった。本稿は最大の地方勢力である大阪府連合会を中心に、本部方針との異同を、一九三三年の「転換期建設政策」、三四年の陸軍パンフレット評価、三六年の二・二六事件観及び人民戦線を中心に明示し、その受容が、党勢不振、有力支持労働団体の右傾化、地方議会の経験による主張の「現実化」、弾圧といった背景の下に行われた点を指摘する。さらに党の小市民的要素の拡大が、三五年以降一挙に党勢を伸張させる一要因になった反面、国家社会主義的本部方針の受容を容易にした点を、三名の小市民層党員の特徴を例に明らかにする。
著者
小泉 洋一
出版者
甲南大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

特定宗教が社会において圧倒的な支配力を持つフランスおよびトルコでは、公的領域から宗教を排除することによって政教分離を憲法原則とした。両国ともその際国家による宗教統制を伴いながらそれが行われた。フランスでは宗教の自由が尊重されるとともに社会における宗教的多様性が進むとともに国家の宗教的中立性が重視されたが、トルコでは国家による宗教統制を伴う国家の非宗教性に重点が置かれ、今日でも国家の宗教的中立性は軽視されている。わが国の神道指令と日本国憲法における政教分離を分析する際には、国家の非宗教性および宗教的中立性に注目することが有益である。
著者
長谷川 憲 山元 一 大津 浩 小澤 隆一 小泉 洋一 村田 尚紀
出版者
工学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

本研究は、冷戦終了後の国際関係が、急速な国際化現象と地域化現象の中で進展している状況の中で、国家および国際機関の役割が変化する開題について検討してきた。具体的には、国際化現象の下での憲法および公法理論の変容(政府権限の国際機関または地方機関への委譲、国際機関の民主主義的コントロールなどの問題)、国家機関と国際機関との関係の変容(国際機関、とりわけ押収人権裁判所・国際司法裁判所・国際刑事裁判所など超国家的裁判機関による政府権限のコントロールの問題、欧州委員会・欧州議会などの権限の正当性の問題)、市民生活の変容(欧州市民権・亡命権・庇護権・経済的諸権利・発展の権利・人格権など基本的人権諸領域の担手・保障手段の変化の問題)、などに関して研究を進めた。本年度の成果としては、2004年8月30日より9月4日の日程で、「公共空間における裁判権(Le pouvoir juridictionnel dans l' espace public)」をテーマとする国際シンポジウムを、工学院大学・関東学院大学・東北大学・東北学院大学で開催した。本研究グループからは、長谷川憲が「Contentieux educatifs en milieu scolaire et droits des etudiants」、大藤紀子が「Professionali-sation et《non professionnalisation》des organes juridictionnels au Japon」などの報告を行った。また、上記のシンポジウムに関して、「公共空間における裁判権」との表題で、2006年度刊行を有信堂からめざしている。また、関東学院大学でのシンポジウムは、ジュリスコンサルタス15号に掲載された。