著者
石川 准 松原 聡 湯瀬 裕昭 菊池 尚人 松原 洋子 山口 翔 南谷 和範 河村 宏
出版者
静岡県立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

100名の参加者による共同自炊型電子図書館実証実験を行った。情報提供施設に裁断・スキャン・OCR作業を委託し、3年間で1052冊をテキスト化した。参加者へのアンケート調査を毎年実施し、満足度や課題について分析を行った。参加者のコミットメントとインセンティブに影響を与える要素を検証するため、見出しマークダウン対応の読書アプリの作成や、OCR認識精度向上のための誤り補正ソフトウェアの開発を行い、その有効性を検証した。アメリカのBookshare、フランスの国立国会図書館、ジュネーブ国際電気通信連合において現地調査を実施し、電子書籍のアクセシビリティを推進するための制度・政策に関して知見を得た。
著者
山口 翔 植村 要 青木 千帆子
出版者
公益財団法人 情報通信学会
雑誌
情報通信学会誌 (ISSN:02894513)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.2_67-2_80, 2012 (Released:2012-12-25)

従来視覚障害者は、ボランティアや福祉機関の支援のもと、書籍を点訳したり、音訳したりして読書を行ってきた。IT技術の普及以降、スキャナで書籍を読み取り、OCR処理を行うことにより、効率化が図られている。しかし、デジタル化作業には依然多大なコストと時間がかかり、読みたいときに読みたい本を読める状況にはない。だが電子書籍が普及すれば、電子書籍のテキストデータをスクリーン・リーダーや合成音声技術を通じて読み上げることが可能となり、障害者は健常者と同じタイミングで、本を利用することが可能になると期待される。実際に、米国ではAmazonのKindleや、AppleのiPadで購入した電子書籍の多くが読み上げ可能な形となっているが、現在、日本の電子書籍においては実用的な段階にない。本論文では、日本において現段階で利用可能な視覚障害者向けの音声読み上げ機能について評価し、国内での電子書籍の普及の時代を見据えた、書籍の音声読み上げ環境を実現するための課題を明らかにする。
著者
山口 翔
出版者
名古屋学院大学総合研究所
雑誌
名古屋学院大学論集. 社会科学篇 = Journal of Nagoya Gakuin University (ISSN:03850048)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.175-188, 2016

視覚障害者を中心とした読書環境は,長らく,書籍を点字化した「点字図書」,第三者が音読した内容を録音した「録音図書」,また,ロービジョンの人などが読みやすいよう,文字を大きく拡大した「拡大図書」など,元となる紙の書籍から,点字化・録音・拡大といった「媒体変換」を前提に,実現してきた。しかし,昨今のコンテンツのデジタル化や,情報ネットワーク流通を前提とした変化の中で,読書形態も多様化しており障害者の読書形態もまた,環境向上が見込まれる。その変化について,本稿では,著作権などの制度や,それにまつわるガイドラインの観点から俯瞰し,課題と展望を述べる。 本稿は電子書籍をはじめとして多様化する読書形態を視覚障害者による読書及び著作権の観点から考察するものである。
著者
松原 洋子 石川 准 菊池 尚人 立岩 真也 常世田 良 松原 聡 山口 翔 湯浅 俊彦 青木 千帆子 池下 花恵 植村 要
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

視覚障害等により印刷物の読書が困難なプリント・ディスアビリティのある学生の修学支援では、資料のデジタル化とICTインフラの活用が有効である。しかし日本の高等教育機関の図書館では対応が進まず、大学図書館の情報アクセシビリティに関する研究の蓄積も乏しかった。本研究では、大学等の高等教育機関における読書環境のアクセシビリティについて、公共図書館や海外事例を参照しながら制度・技術の両面から総合的に検討した。その結果、印刷物のデジタル化では未校正データの提供も一定有効であること、電子図書館サービスにおいてはコンテンツの形式以上にウェブアクセシビリティが重要であること等が明らかになった。
著者
岩出 和也 山口 翔
出版者
名古屋学院大学総合研究所
雑誌
名古屋学院大学論集 社会科学篇 = THE NAGOYA GAKUIN DAIGAKU RONSHU; Journal of Nagoya Gakuin University; SOCIAL SCIENCES (ISSN:03850048)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.197-210, 2017-10-31

日本のアニメーション産業は,2015年には,市場規模が1兆2,542億円に達するなど,年々拡大を続けている。しかし,市場構造の変化などにより,制作現場には疲弊しており,今後の健全な成長を考える上では課題も多い。 この先,日本的なアニメーション表現の多様性を確保しつつ,世界市場に向けてコンテンツを制作・発信可能な形で制作現場の業務フローを改善していく上では,基本的な制作フローの情報化を業界全体として推し進める必要がある。その上で,課題や改善点についての知見を個別に蓄積するのではなく,業界全体として共有する枠組みも重要になると考えられる。本論文では,アニメーション産業全体の市場構成と整理,制作現場がかかえる課題と情報化による事業効率化の可能性を検討する。
著者
岡田 創太 山口 翔也 三浦 雅展
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.74, no.7, pp.363-371, 2018-07-01 (Released:2019-01-01)
参考文献数
10

国内女性アイドルによるポピュラ音楽の音響信号を対象に,既存のパラメータセットに新たに提案した動的パラメータを加えた計56種類のパラメータセットを用いてLogistic regressionによる公開年代の推定を行っている。既存手法と提案手法の推定精度の比較結果より,提案手法の有効性が確認されている。また,女性アイドル楽曲に最適な年代区切りを探索し,提案したパラメータセットから年代推定に有効なパラメータのみを選出するパラメータの精査を行い,その結果を用いて,入力された女性アイドルポピュラ音楽の音響信号からの年代推定システムを構築し,その推定精度は約73.63%であることが確認されている。
著者
松原 聡 山口 翔 岡山 将也 池田 敬二
出版者
公益財団法人 情報通信学会
雑誌
情報通信学会誌 (ISSN:02894513)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.77-87, 2012-12-25

2010年代に入り、日本でも、電子書籍が普及し始めた。電子書籍では、コンピュータによる音声読み上げ技術 (TTS) を使うことで、音声で書籍の内容を聞くことが可能になる。このことは、視覚障害者に、読書の道が開かれることを意味する。しかし、日本においては、音声読み上げ対応の電子書籍はまだわずかしかない。<br>紙の書籍による読書が困難なのは、視覚障害者だけではない。読字障害者 (ディスレクシア)、身体障害者などの読書障害者ともいうべき者や、健常者であっても、指先をケガしてページをめくれない者、老眼が進んだ者なども含んだ読書困難者、さらには満員電車の中で、イヤフォンで読書をしたいというニーズもある。<br>こういった広範なニーズを踏まえて、政府は、すでに発足した出版デジタル機構などを通じて、積極的に、音声読み上げ対応の電子書籍の普及に取り組む必要がある。
著者
垂水 弘夫 山口 翔太
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.19, no.42, pp.635-638, 2013-06-20 (Released:2013-06-20)
参考文献数
1

The photovoltaics applied to the exterior wall of buildings is one of the elemental technologies of Net-zero Energy Buildings. The purpose of this study is to acquire the amount of solar radiation and power generation in eight vertical exterior wall sides, such as south, south-west, west, north-west, north, north-east, east and south-east directions, and to clarify the rate at the time of comparing with the horizontal surface or a 30-degree south slope. The observation system installed on the roof top of the building which locates in Hakusan-shi, Ishikawa prefecture is used for observation.
著者
山口 翔大 下川原(佐藤) 英理 山口 亨
出版者
Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.547-551, 2023-02-15 (Released:2023-02-15)
参考文献数
9

近年,機械学習や画像処理を用いた読唇技術に関する研究が国内外でおこなわれている.これらの研究では,認識手法や認識精度に焦点を当てたものが多いが,実際に読唇を活用してコミュニケーションをとっている聴覚障害者に焦点を当てた研究は少ない.機械による読唇技術において認識精度の高かった話者であっても,聴覚障害者にとって読唇をしづらい話し方である場合もある.そこで本研究では,日常的に読唇を活用してコミュニケーションをとっている聴覚障害者にとって,読唇がしやすい話し方を数値的に解析すべく実験と調査をおこなった.
著者
池田 慎哉 山口 翔大 竹本 光義
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
ケモインフォマティクス討論会予稿集 第37回情報化学討論会 豊橋
巻号頁・発行日
pp.P15, 2014 (Released:2014-11-20)
参考文献数
1

近年、危険薬物又はその類似物質が添加された危険ドラッグの使用による事件・事故が多発している。その対策として合成カンナビノイド類約800種類、カチノン類約500種類が包括指定という広範囲な規制をされた。これらの包括指定薬物の標準物質の多くは合成されていないため、標準物質との比較による同定が難しい。そこで密度汎関数法を用いてカンナビノイド類のMSスペクトルを予測する方法を考えた。この方法により予測したMSスペクトルをESI装置を備えたLC-MS/MSで測定した標準物質のMSスペクトルと比較した。
著者
古川 真衣 立石 一希 勝又 英之 山口 翔瑚 金子 聡
出版者
科学・技術研究会
雑誌
科学・技術研究 (ISSN:21864942)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.25-29, 2020 (Released:2020-06-30)

本研究では、特別な分析機器を使用せずに銅イオンを測定する目的で、検出領域としてウェル状スポットを有する紙製分析デバイス(PAD)を開発した。PADは、トリクロロシランの化学気相成長(CVD)でクロマトグラフィー紙に疎水性障壁を形成させることで作製した。検出・定量領域には、銅との反応で茶色を呈する錯化剤として、ジエチルジチオカルバミン酸(DDTC)を固定した。水試料中の銅の検出に適用した後、作製したPADは、画像として取り込まれ、RGB値へ変換することで定量に適用された。
著者
岩出 和也 山口 翔
出版者
名古屋学院大学総合研究所
雑誌
名古屋学院大学論集. 社会科学篇 = Journal of Nagoya Gakuin University (ISSN:03850048)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.197-210, 2017

日本のアニメーション産業は,2015年には,市場規模が1兆2,542億円に達するなど,年々拡大を続けている。しかし,市場構造の変化などにより,制作現場には疲弊しており,今後の健全な成長を考える上では課題も多い。 この先,日本的なアニメーション表現の多様性を確保しつつ,世界市場に向けてコンテンツを制作・発信可能な形で制作現場の業務フローを改善していく上では,基本的な制作フローの情報化を業界全体として推し進める必要がある。その上で,課題や改善点についての知見を個別に蓄積するのではなく,業界全体として共有する枠組みも重要になると考えられる。本論文では,アニメーション産業全体の市場構成と整理,制作現場がかかえる課題と情報化による事業効率化の可能性を検討する。
著者
松原 聡 山口 翔 岡山 将也 池田 敬二
出版者
公益財団法人 情報通信学会
雑誌
情報通信学会誌 (ISSN:02894513)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.77-87, 2012-12-25

2010年代に入り、日本でも、電子書籍が普及し始めた。電子書籍では、コンピュータによる音声読み上げ技術 (TTS) を使うことで、音声で書籍の内容を聞くことが可能になる。このことは、視覚障害者に、読書の道が開かれることを意味する。しかし、日本においては、音声読み上げ対応の電子書籍はまだわずかしかない。<br>紙の書籍による読書が困難なのは、視覚障害者だけではない。読字障害者 (ディスレクシア)、身体障害者などの読書障害者ともいうべき者や、健常者であっても、指先をケガしてページをめくれない者、老眼が進んだ者なども含んだ読書困難者、さらには満員電車の中で、イヤフォンで読書をしたいというニーズもある。<br>こういった広範なニーズを踏まえて、政府は、すでに発足した出版デジタル機構などを通じて、積極的に、音声読み上げ対応の電子書籍の普及に取り組む必要がある。