著者
道信 龍平 小川 健 原 友紀 吉井 雄一 十時 靖和 柘植 弘光 山崎 正志
出版者
日本肘関節学会
雑誌
日本肘関節学会雑誌 (ISSN:13497324)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.102-104, 2021 (Released:2021-11-26)
参考文献数
9

目的:大学野球選手における投球側上腕骨内側上顆下端の異常所見と学齢期練習量との関係を調査すること.対象と方法:大学硬式野球部に所属する選手59名を対象とし,全選手に超音波検査を行い,投球側上腕骨内側上顆下端に不整または裂離を認めるものを異常所見あり(A群),認めないものを異常所見なし(N群)とした.アンケート調査より小学生,中学生,高校生での週平均練習時間と週平均投球数,競技開始年齢および初発肘痛時期を取得し,両群を比較検討した.結果:A群40名,N群19名だった.中学生での週平均練習時間がA群で有意に長かった.A群の中にも肘痛歴のない選手が15名(37.5%)いた.考察:大学野球選手における内側上顆下端の異常所見は主に骨端線閉鎖前の骨端症を反映していると考えられ,中学生での練習量の急激な増加が影響した可能性が示唆された.また,無症候性に異常所見をきたす選手が少なくないと推測された.
著者
山崎 正勝
出版者
日本科学史学会
雑誌
科学史研究 (ISSN:21887535)
巻号頁・発行日
vol.53, no.270, pp.199, 2014 (Released:2020-12-09)

Japan and the United States signed in 1968 a new atomic energy agreement through which US light-water nuclear reactors, including those of the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant of Tokyo Electric Power Company, were to be introduced into Japan. This paper studies the history of negotiations for the 1968 agreement using documents declassified in the 1990s in the US and Japan. After the success of the Chinese nuclear test in October 1964, the United States became seriously concerned about nuclear armament of other countries in Asia including Japan. Expecting that Japan would not have its own nuclear weapons, the US offered to help the country to demonstrate its superiority in some fields of science including peaceful nuclear energy to counter the psychological effect of the Chinese nuclear armament. Driven by his own political agenda, the newly appointed Prime Minister Eisaku Sato responded to the US expectation favorably. When he met in January 1965 with President Johnson, Sato made it clear that Japan would not pursue nuclear weapons. Although the US continued its support after this visit, it nevertheless gave priority to the control of nuclear technology in Japan through the bilateral peaceful nuclear agreement. This paper argues that the 1968 agreement implicitly meant a strategic measure to prevent Japan from going nuclear and also a tactic to persuade Japan to join the Nuclear Non -Proliferation Treaty.
著者
浅井 玲央 辰村 正紀 小川 健 万本 健生 平野 篤 山崎 正志
出版者
一般社団法人 日本整形外科スポーツ医学会
雑誌
日本整形外科スポーツ医学会雑誌 (ISSN:13408577)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.55-60, 2021 (Released:2021-04-03)
参考文献数
19

腰椎分離症症例の男女における相違点を見出すことを目的とし,当院で腰椎分離症と診断された高校生以下の症例60例104ヵ所について解析した.性別の内訳は男性44例,女性16例で,罹患高位は男性でL5分離が多く(p=0.060),治療自己中断率は男性で高かった(p=0.095).保存療法が完遂できない男性症例を減らすための対策を検討する必要がある.平均受診年齢や骨年齢,SBO保有率,第5腰椎前弯角,初診時罹患部の末期例割合,骨癒合率,治療期間などは男女で相違がなかった.今後,調査項目を追加し前向き研究を行なうなどして,より詳細に男女の相違点やその原因を明らかにしていく必要がある.
著者
辰村 正紀 奥脇 駿 蒲田 久典 平野 篤 山崎 正志
出版者
一般社団法人 日本整形外科スポーツ医学会
雑誌
日本整形外科スポーツ医学会雑誌 (ISSN:13408577)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.61-65, 2021 (Released:2021-04-03)
参考文献数
11

はじめに:腰椎分離症の多くが下位腰椎に発生するため,上位腰椎に関するまとまった報告はない.L1からL3が罹患高位となった腰椎分離症の患者背景の解析を目的とし本報告を行なった.方法:対象をL1からL3に腰椎分離症を有する高校生以下の患者42例67分離とした.男女比,平均年齢,病期,潜在性二分脊椎(SBO),癒合率を調査した.結果:男性30例,女性12例で,平均年齢は15.5歳であった.初診時の偽関節は26%で,進行期病変が6%,2期病変が7%.同一高位にSBOは存在しなかった.癒合率は86%であった.考察:上位腰椎の分離症は保存治療で高い癒合率を示した.進行した病変が少なく,同一高位にSBOが存在しないことが影響していると考える.
著者
福島 久代 山崎 正実
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.40, 1990-03-14

我々は、LSI論理回路自動合成プログラムを当社のエキスパートシステム構築ソストウェアESHELLを用いて開発し、すでに回路設計に適用している。プログラムのルールベース化は、熟練設計者の試行過程のモデル化,開発・保守の容易性という面で大きな効果があった。しかしながらESHELLがLISPベースであるので、一般のコンパイル言語のプログラムより処理速度が遅い,処理できるデータ量が少ないという欠点があった。そこでルールの追加,修正が容易にできるルール記述の長所は残して、高速,大規模なデータを処理できるようにするために、ESHELLにかわるC言語ベースのプロダクションシステム構築ツールを開発したので報告する。
著者
山崎 正人 横内 憲久 岡田 智秀
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画. 別冊, 都市計画論文集 = City planning review. Special issue, Papers on city planning (ISSN:09131280)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.733-738, 2003-10-25
参考文献数
10
被引用文献数
1

本研究はプライベートビーチを活用した新たな海岸環境管理制度を提案し、その実現可能性を検討するものである。調査は、民間事業者の自主的な海岸管理がみられる沖縄県を事例として、環境管理に対する意識や実施意欲を把握するために、海岸管理者とリゾートホテル事業者6社へのヒアリング調査を実施した。その結果、実施主体となる民間事業者は、環境管理の範囲を明確にするためにプライベートビーチを望んでいるという状況を捉えた。
著者
上田 浩史 山崎 正利
出版者
日本炎症・再生医学会
雑誌
炎症 (ISSN:03894290)
巻号頁・発行日
vol.13, no.4, pp.337-340, 1993-07-31 (Released:2010-04-12)
参考文献数
15

Tumor necrosis factor-α (TNF-α), a cytokine secreted by macrophages, was recently recognized as an important molecule in host defense mechanism. However, its overproduction is also implied in many acute and chronic disease states. The inhibition of TNF-α overproduction, therefore, leads to suppression of acute and chronic inflammation. This work was undertaken to ascertain whether vegetable juice from perilla leaf, which may be a new candidate for an antiinflammatory reagent, can inhibit the endogenous production of TNF-α in mice.Both red and green perilla juice significantly inhibited TNF-α production byperos administration. Perilla juice showed nearly the same level of an inhibitory activity against TNF-α production as did Saibokuto, an antiinflammatory reagent. The inhibitory activity was stable for heat treatment (100°C, 10 min) . Perilla contains an active molecule (s) which can inhibit a host from releasing TNF-α. This molecule thus may suppress host defense systems as well as antiinflammatory drugs such as glucocorticoid or Saibokuto.

1 0 0 0 お富さん

著者
山崎 正[作詞]
出版者
キングレコード
巻号頁・発行日
1954-08
著者
六崎 裕高 吉川 憲一 佐野 歩 古関 一則 深谷 隆史 山崎 正志
出版者
南江堂
雑誌
別冊整形外科 (ISSN:02871645)
巻号頁・発行日
vol.1, no.75, pp.241-244, 2019-04-25

は じ め に ロボットスーツHybrid Assistive Limb(HAL;Cyberdyne社)は,着用可能なロボットで,装着者の皮膚表面に貼付された電極から生体電位信号を解析し,パワーユニットを制御して,装着者の動作を支援することができる1).これまで,脳卒中,脊髄疾患,小児疾患などで安全性や効果が報告されてきた2~4).人工膝関節全置換術(TKA)後においても,関節可動域(ROM)の改善のために単関節型HALが用いられ,また,歩行能力の改善のために両脚型HALが用いられ,安全性や効果が報告されてきた5,6).われわれは,歩行能力,ROM,筋力の改善を念頭におき,両脚型HALより軽量で,単関節型HAL同様にROM訓練可能な単脚型HALを用いてTKA後にトレーニングを行い,リハビリテーションとしての可能性を考察した7).これをもとにTKA術後急性期における単脚型HALを用いた臨床研究について報告する.
著者
清水 如代 門根 秀樹 久保田 茂希 安部 哲哉 羽田 康司 山崎 正志
出版者
南江堂
雑誌
別冊整形外科 (ISSN:02871645)
巻号頁・発行日
vol.1, no.75, pp.249-252, 2019-04-25

は じ め に 脊髄損傷に伴う完全下肢麻痺患者における歩行再建のために,歩行支援ロボットが臨床応用されている.トレッドミル据えつけ型ロボットのLokomat(Hocoma社)や,外骨格型装着ロボットであるReWalk(ReWalk Robotics社)などが知られている.これらはあらかじめ決められたプログラムに基づく歩行で筋活動電位の取得できない完全麻痺患者でも使用できる反面,受動的な歩行となり麻痺患者の運動意図を反映しにくいものとなる. ロボットスーツHybrid Assistive Limb(HAL,Cyberdyne社)1)は,装着者の神経筋活動を感知することのできる生体電位センサをもつ外骨格型装着ロボットである.重度麻痺症例で筋活動が微弱であっても,生体電位センサにより感知できる点が,他のロボットにない最大の特徴である.われわれは,随意的筋活動が得られない症例であっても「四肢を動かしたい」という運動意図により随意的に麻痺肢を動かすために,本来の主動筋ではない残存筋にセンサを貼り,トリガーとして選択する方法を開発した.この方法をheterotopic Triggered(異所性のトリガーを用いた)HAL(T-HAL法)2~4)と名づけ,完全麻痺者を対象に麻痺肢の随意運動訓練を行っている.本稿では,T-HAL法について概説をする.

1 0 0 0 OA 諸宗葬礼次第

著者
山崎正秀 編
出版者
山崎正秀
巻号頁・発行日
1924
著者
宮倉 崇 大越 加奈恵 水上 潤哉 室 繭子 山本 真実 荒井 佳恵 永井 彩子 入澤 亮吉 山崎 正視 坪井 良治
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.118, no.2, pp.213-219, 2008-02-20 (Released:2014-12-03)

2005年末のフィナステリド(プロペシア®)の発売以来,東京医科大学病院皮膚科では2006年11月までに449名の患者が内服治療を受けている.初診時に男性型脱毛症の病型分類と患者の体毛の濃さを診察し,あわせて家族歴,環境因子,現在までの治療,内服薬への期待などについてアンケート調査を行った.また,6カ月以上内服した症例については,使用前の臨床写真と比較して有効性を判定した.これらの調査の結果,受診患者のNorwood-Hamilton分類は軽症のII型が43%,III型が17%と両者で約半数を占め,重症のVI型,VII型は10%以下であった.有効性の判定では,「やや改善」以上は内服半年後で66%であった.髭,胸毛,四肢など体毛同士の比較では,その他の体毛と比べて髭,下肢が濃い傾向が認められた.家族歴では患者の父親に男性型脱毛症があるのが68%で,祖父は44%であった.また,内服脱落例は全体の17%であり,受診時年齢,家族歴,飲酒の有無が脱落症例と関連が認められた.内服経過中に重大な副作用を生じた症例はなく,服用中止は1例であった.
著者
山崎 正利 池並 通裕 来生 淳 油井 聡 安部 茂 水野 伝一
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
薬学雑誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.104, no.7, pp.p769-774, 1984-07

The present study shows that some selected anti-cancer drugs induce tumor lysis in vitro in cooperation with phagocytic cells (drug-dependent cellular cytotoxicity ; DDCC) and that chemotherapeutic drugs augment the mediator-dependent killing activity of macrophages. Tumor cells pretreated with the drugs were susceptible to phagocytemediated killing. Tumor necrosis serum can also cooperate with some drugs in killing tumor cells. Moreover, some selected drugs can induce cytotoxic macrophages and the quantitative changes of phagocytes such as polymorphonuclear leukocytes. These results suggest that some anti-cancer drugs have the activities of inactivation of tumor cells and/or activation of host cells. Thus, tumor cells may be killed effectively in vivo by anti-cancer drugs through these mechanisms.