著者
白井 明志 有嶋 和義 政岡 俊夫 高木 博隆 山本 雅子 江口 保暢 赤堀 文昭
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.413-414, 1994-04-15
被引用文献数
1

ラット胎子動脈管に対するパラコート(PQ)の作用を検索した.PQを25mg/kgの用量で妊娠19〜21日のラットに剖検前3時間に投与した.胎齢19日の午後1時に剖検した胎子では,動脈管の収縮はみられなかったが,胎齢19日の午後4時以降に剖検した胎子では有意な動脈管の収縮がみられた.これらの結果は,PQは胎子動脈管に対して収縮作用をもち,その収縮の臨界期は胎齢19日の前半であることを示すものである.
著者
三好 栄次 鈴木 育男 山本 雅人 古川 正志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. MPS, 数理モデル化と問題解決研究報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.8, pp.1-6, 2009-09-03

多くのネットワークモデルの研究が存在しているが,その多くはネットワークの構成要素であるノードの状態のみによりネットワークが成長する.しかし,実際のネットワーク成長はコミュニティによる影響も受ける.本研究では,既存のネットワーク成長モデルに対し,局所コミュニティ抽出方法を適用し,ネットワークの成長のルールにコミュニティ情報を付加した成長モデルの提案を行う.また,提案手法を適用したネットワーク生成によるコミュニティ構造の変化とともに,コミュニティ数の増減,クラスタリング系数などへの特徴量について時間経過による変化を観測し,ネットワークの成長過程について CNN モデルと提案モデルの比較を行う.
著者
長尾 光悦 川村 秀憲 山本 雅人 大内 東
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. ICS, [知能と複雑系] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.78, pp.23-28, 2005-08-01
被引用文献数
2

本稿では, 効果的な観光振興を実現するため, GPSログからの周遊型観光行動情報の抽出法を提案する.また, 本研究では, レンタカーを利用した周遊型観光に焦点を当てる.提案法では, GPSに基づき収集された旅行者の位置情報を含むログデータから各旅行者の滞在及び移動に関する基本行動情報の抽出を行う.この基本行動情報に基づき, 現在の周遊型観光の実態を把握するための分析を行う.更に, 北海道における実際の周遊型観光旅行者からGPSログを収集し, これを用いた実験を通して提案法の有効性を検証する.最後に, 提案法により抽出された基本行動情報に基づき, 現在の北海道における周遊型観光を分析し, その考察を行う.
著者
山本 雅代
出版者
仁愛大学
雑誌
仁愛大学研究紀要 (ISSN:13477765)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.81-97, 2008-12-30

SIMSOC(Simulated Society)はアメリカの社会学者W. A. Gamson によって作成された模擬社会ゲームである.ゲームシミュレーションの1つであり,このゲームの目的は実際の体験を通じて,社会の仕組みを学生に学ばせることである.参加者はゲームを通じて社会秩序の確立,その維持,対立,葛藤や支配の問題に直面するが,それを自分達の力で解決に導いていく.その過程の中で社会の仕組みを学んでいくことになる.実施されるゲームはその時々の参加者の特性やゲームの設定によってさまざまな社会が展開される.SIMSOCは現実にそくした社会を展開すべく,今までに幾度か変更されながら実施されている.2000年に出版されたマニュアル第5版ではベンチャービジネスやヒューマンサービスなどがゲームにプラスされている.ここでは,本学において実施したゲームをとりあげ,SIMSOC の特徴や,参加者がゲーム内で直面する社会的葛藤や対立,またそれに対してどのように解決していくものなのか概観し,SIMSOC の紹介とする.
著者
岩田 泰士 鈴木 育男 山本 雅人 古川 正志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.50, no.11, pp.2752-2759, 2009-11-15

ネットワーク可視化技術は,ネットワークを大域的に俯瞰することで,その構造的特徴をとらえ,ノード間のリンク関係だけでは見えにくい新たな情報を見つけ出すうえで有用な技術である.本研究ではネットワークの可視化に対して,自己組織化マップ(SOM)の学習機構を利用した可視化方法を適用する.従来のSOMに基づくグラフレイアウト方法であるISOM(Inverted Self-Organizing Map)は,従来の力学的手法に比べ非常に高速であり,隣接ノードどうしが近い位置に配置されるという利点により,ある程度の意味を持つ結果が出力可能である.しかし,一方で可視化結果が信号領域で歪められる現象が起こる問題点を持つ.本研究ではこの問題点を解決する方法としてDSSOM(Dynamically-Signaling Self-Organizing Map)を提案し,その有用性を検証する.
著者
山本 雅道 沖野 外輝夫
出版者
信州大学山地水環境教育研究センター
雑誌
信州大学山地水環境教育研究センター研究報告 (ISSN:13487612)
巻号頁・発行日
no.1, pp.99-108, 2003-10

第二次世界大戦後(1946~1999年)の諏訪湖の魚類群集の変遷を漁業統計を中心に分析した。漁業統計は,諏訪湖漁業協同組合の年度ごとの漁獲統計表を,暦年に整理し直して用いた。諏訪湖の総漁獲量は1946年より1970年にかけて増加し,それ以降減少に転じ,1999年には1946年以降での最低漁獲量を記録している。漁獲物は,魚類,貝類,エビ類に大別し,それぞれの漁獲量の変遷について検討した。1970年頃までの漁獲量上昇期には,貝類が漁獲量の1/2~1/3を占めていた年もあるが,魚類の中ではワカサギとフナが主要な漁獲物であった。また,この時期には多様な魚種が漁獲されていたことは特筆に値する。1970年以降では,漁獲物の大半がワカサギとなり,貝類の漁獲量は激減,フナも減産の一途を辿った。近年は,ワカサギ,フナ,コイ以外の魚種はほとんど採取されなくなっており,ワカサギに次いで漁獲量第2位であったフナに替わってコイの漁獲量が増える傾向にある。1970年を境に諏訪湖の漁獲量が減少した理由の-つに湖畔の埋立,浚渫工事による沿岸域の水生植物帯の減少を挙げることができる。最近の諏訪湖の総漁獲量は1970年代のおよそ1/4程度であり,ワカサギの漁獲量もおよそ1/10に減少している。その主な原因としては,漁業者の高齢化や魚価の低廉化による漁獲意欲の減退も考えられる。しかしながら,最近の漁獲量の減少を漁業者の漁獲意欲減退だけでは説明できない状況もあり,諏訪湖の湖沼環境が変化したことの影響についても合わせて検討する必要がある。生息魚類相の変化では,オオクチバス(ブラックバス)やブルーギルなどの外来魚種の増加やウキゴリの増加など,今後の推移を注意深く見守る必要のある事象が目に付くようになっている。
著者
川村 秀憲 鈴木 恵二 山本 雅人 松原 仁
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.642-648, 2010-06-15
被引用文献数
4

近年,観光はさまざまな分野で注目を集めている.団塊の世代が退職し余暇として観光に出かけているのはもちろん,日本の重要産業としても観光は存在感を増している.経済規模や関連産業も大きく広がっている.学術的な観点から見ると,観光の文化的側面や歴史についての研究はなされているが,工学的な研究対象としてはどこか避けられてきた感があった.しかし,インターネットやモバイルの普及が一巡し,情報技術がどうやって人々の幸せをプロデュースするかが重要な課題の1つとなっている今,観光について情報技術の観点から研究することの意義は深い.本稿では,観光情報学を概説するとともに国内外の研究動向について解説する.
著者
山本 雅哉 田畑 泰彦
出版者
日本DDS学会
雑誌
Drug Delivery System (ISSN:09135006)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.110-117, 2005-03-10 (Released:2008-12-09)
参考文献数
26
被引用文献数
1

現在, 生体組織の再生誘導能を介した治療(外科的再生医療)が試みられている. 一方, 内科的な難治性慢性疾患の一つである線維性疾患における細胞, 生体シグナル, および組織再生修復に関する基礎生物医学が進歩している. そこで, これらの分子メカニズムに基づいた生体組織の再生誘導能を利用した, 線維性慢性疾患の内科的再生誘導治療(再生医療)が可能となっている. たとえば, 線維性組織をドラッグデリバリーシステムを利用して, 効率よく消化分解させる. 消化分解された部位は, その周辺の健康な組織の再生誘導能力により再生修復される. 本稿では, 線維性慢性疾患に対する内科的再生医療のアイデアを具体例を示しながら説明する.
著者
山本 雅道 白井 浩子
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

1. 走査型電子顕微鏡を用いて無腸目 Convoluta naikaiensisの初期発生の過程を詳細に記載し、産卵から孵化(約90時間後)までを以下の4期16ステージにわけた。第1期(卵割期):St.1-St.7, 第2期(陥入期):St8-St.10,第3期(球形期):St.11-St.12,第4期(偏平期):St.13-St.16卵割は変形ラセン卵割で、割球の胚内部への侵入は動物極、植物極の2極で進行した。2. 扁形動物渦虫綱より無腸目、カテヌラ目、多食目、卵黄皮目、順列目、棒腸目、全腔目、三岐腸目、多岐腸目の9目より17種を選び、18S rDNAのほぼ全長にあたる約2000塩基対のDNA断片の塩基配列を決定した。そのデータをもとに近隣結合法、最節約法、最尤法により系統樹を作成したところ、すべての系統樹で無腸目が渦虫類のなかで最も早期に分岐したグループであるという結論が得られた。3. 扁形動物渦虫綱の無腸目、カテヌラ目、多食目、棒腸目、全腔目、三岐腸目、多岐腸目の7目のミトコンドリアの遺伝子暗号を比較した。無腸目を除く6目AAA,ATAは各々アスパラギン酸、イソロイシンを指定してたが、無腸目ミトコンドリアではリジン、メチオニンを指定してた。この事実は、無腸目は他の扁形動物が特殊化する以前の段階で分岐していたことを示唆しており、無腸目の原始性を明確に示す結果と言える。4. 無腸目は体表上皮細胞とその下の筋肉組織を隔てる基底膜構造が全く存在せず、表皮と筋肉が複合構造を形成している。筋表皮複合構造の形成過程を透過型電子顕微鏡で追跡し、発生過程においても基底膜構造が出現する時期は全くないという結論を得た。この事実は、無腸目の筋肉表皮複合構造が退化の結果生じたものではないということを示唆している。
著者
片山 一朗 濱崎 洋一郎 有馬 優子 天満 美輪 前田 亜紀 野村 昌代 武石 恵美子 山本 雅一
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.648-654, 2000-10-01 (Released:2010-09-02)
参考文献数
12

シェーグレン症候群患者15名,膠原病患者9名,対照皮膚疾患患者14名において更年期症状と原疾患との関連性を検討した。非閉経群では膠原病疾患,皮膚疾患患者共にその更年期症状数は3前後であったが,シェーグレン症候群患者では7と倍以上の陽性数であり,統計的にも有意差が見られた。閉経群ではシェーグレン症候群で8.5とやや高い傾向が見られたが他群との有意差は見られなかった。更年期症状のうち,顔が火照る,足が冷える,汗をかきやすい,手足が痺れるなどの自律神経系ないし循環障害に基づく症状は非閉経シェーグレン症候群患者では80%近くに見られた。閉経群でもこれらの症状は高頻度に見られたが皮膚疾患群での陽性頻度と差は見られず,シェーグレン症候群で閉経前より更年期症状に類似した症状が見られるものと考えられた。閉経前のシェーグレン症候群患者では凍瘡(約80%)と眼の乾燥感(約50%)が多く見られたことより,更年期症状を主訴とする非閉経患者ではこれらの症状はシェーグレン症候群の存在を考える上で重要と考えられた。皮膚温の測定では冷水誘発前に健常人コントロールより3℃以上皮膚温の低下が見られた患者は閉経前,後いずれにおいてもシェーグレン症候群において多く,対照では一例も見られなかった事より皮膚温の測定は更年期症状を訴える患者におけるシェーグレン症候群患者のスクリーニングに有用であると考えられた。冷水負荷後の皮膚温回復時間はシェーグレン症候群,膠原病患者いずれも15分程度とその遷延化が見られた。
著者
Tshering Penjor 永野 幸生 三村 高史 松本 亮司 山本 雅史
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.13, no.4, pp.307-314, 2014 (Released:2014-12-26)
参考文献数
17
被引用文献数
5 4

2007年9月にブータン王国において自生・在来カンキツ類の遺伝資源を調査した.調査は東部のモンガルおよびタシガン,西部のワンデュ・ポダンおよびティンプーならびに南部のチランで実施した.調査した14系統のうちNo. 11のみはカンキツ近縁属のベルノキ(Aegle marmelos)で,他の13系統はカンキツ属植物であった.このうち自生・在来カンキツは11系統であった.内訳はイーチャンパペダ類縁種が1点,ライム類縁種が4点,無酸ライムが2点,シトロン類縁種が2点,ラフレモン類縁種が1点,未同定種が1点であった.イーチャンパペダ類縁種は冬季の低温のため他のカンキツが生育していない標高2,000 m付近で生育していた.調査した数点について葉緑体遺伝子のmatKの塩基配列を解明して主要カンキツ類との類縁関係を調査したところ,ブータン王国のイーチャンパペダ類縁種は佐賀大学農学部保存のイーチャンパペダではなく,カシーパペダと同一の配列であることが確認できた.ライム類縁種のmatKの塩基配列には多様性が認められた.DNA分析を実施することにより,形態面の調査だけよりも正確に供試系統を同定することができた.