著者
薛 玉婷 郷原 皓彦 佐々木 恭志郎 山田 祐樹
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.360-375, 2017-11-01 (Released:2018-03-01)
参考文献数
69
被引用文献数
1

Onomatopoeiae alter perception of a visual stimulus. Given that language affects emotional processing of visual stimuli and visual textures with high viscocity are perceived disgusting, the present study investigated whether onomatopoeiae that represent viscocity modulate disgust for visual textures. We presented a mimetic word a kind of onomatopoeiae simultaneously with a visual texture, and asked observers to rate disgustingness of the texture visually (Experiments 1, 3, and 4) or auditorily (Experiment 5). Three Japanese mimetic words (betobeto, sarasara, and reherehe) were used for representing high, low, and no viscocities, respectively. The results in Experiments 1,3, and 5 commonly showed that in Japanese observers the rated disgustingness was significantly modulated by the mimetic words. However, the effect was not observed in Chinese observers (Experiment 4). Moreover, Experiment 2 showed that the mimetic words also modulated apparent moistness of the textures. Lastly, Experiment 6 revealed that the mimetic words modulated the disgustingness of the texture within a temporal window of around 1800 ms. The present findings suggest that sound symbolism of onomatopoeiae is integrated with stimulus information that induces disgust regardless of modality.
著者
米満 文哉 井隼 経子 山田 祐樹
出版者
日本感情心理学会
雑誌
感情心理学研究 (ISSN:18828817)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.58-61, 2018-06-30 (Released:2018-09-29)
参考文献数
18

Resilience is the capacity to cope with stress, characterized as an activation process that protects one from psychological damage in adapting to personal and situational changes. Resilience is related to emotional processes including the attentional system and has been studied with spatial attention tasks. However, the relationship between resilience traits and temporal attention to emotional stimuli has not been studied. We investigated this relationship using an attentional blink (AB) paradigm. Observers searched two target upright faces (T1 and T2) inserted in a rapid serial visual presentation (RSVP) stream of inverted pictorial faces. The T1 and T2 tasks involved gender judgment and facial expressions (neutral, anger, and happy) judgment, respectively. A multivariate regression analysis showed that resilience scale score significantly predicted AB magnitude in response to negative stimuli, suggesting that resilience is related to temporary attentional bias toward negative information within a second.
著者
山田 祐樹
出版者
日本基礎心理学会
雑誌
基礎心理学研究 (ISSN:02877651)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.213-215, 2021-03-31 (Released:2021-06-05)
参考文献数
8

This note is a short report on the activity of the Young Researchers Committee of the Japanese Psychonomic Society (JPS). As the highlighted activity of the committee, we have held the oral session of the annual meeting of JPS seven times. We also have opened a social networking account and created a portal site for psychonomic labs across the country to increase interaction. We continue to update the committee members and their selection process to increase the mobility of the members. We are developing new activities to target a wider range of young or early career researchers. In the future, this committee should become a more open, diverse, and impartial organization.
著者
徳田 光紀 唄 大輔 藤森 由貴 山田 祐嘉 杉森 信吾 奥田 博之 池本 大輝 森川 雄生 庄本 康治
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11638, (Released:2019-12-18)
参考文献数
45

【目的】大腿骨近位部骨折術後症例を対象に,神経筋電気刺激療法(以下,NMES)を併用した膝伸展筋力増強運動を実施し,下肢機能および動作能力に与える影響を検討すること。【方法】大腿骨近位部骨折術後症例82 名を術式別に層別化してNMES 群とコントロール群(NMES なしでの筋力増強運動)に無作為に割り付け,術後翌日から各介入を実施した。評価は膝伸展筋力と日本整形外科学会股関節機能判定基準(以下,股関節JOA スコア)を測定し,日常生活動作と歩行の獲得日数を記録した。【結果】NMES 群はコントロール群よりも膝伸展筋力と股関節JOA スコアの有意な向上を認め,日常生活動作や歩行の獲得が有意に早かった。また,NMES 群の方が退院時の歩行レベルが高かった。【結論】大腿骨近位部骨折術後症例に対する術後翌日からのNMES を併用した膝伸展筋力増強運動は,膝伸展筋力の早期改善および日常生活動作や歩行の早期獲得に寄与し,退院時歩行能力を向上させる。
著者
片岡 洋右 山田 祐理
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.18-21, 2015 (Released:2015-03-30)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1 1

EXCELによる分子動力学プログラムを開発した.採用した分子模型はレナードージョーンズ関数である.実行方法,結果の読み方,設定条件の入力の仕方などを示した.ワークシートから系の状態を規定する温度と数密度を与える.熱力学量の他にニ体相関関数,積算配位数,平均ニ乗変位,速度自己相関関数,自己拡散係数などが計算できる.プログラムはEXCEL worksheet として付録に示される.
著者
大道 雅英 鴻池 紗耶 山田 祐司 髙橋 陽 成田 昌広 青沼 架佐賜 宗像 康博 山本 直樹 杉本 典夫
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.140-148, 2017 (Released:2017-03-24)
参考文献数
22
被引用文献数
6

【目的】進行がん患者の生物学的予後スコアBiological Prognostic Score(BPS)2版,3版を開発し,予測精度を確かめた.【方法】がん治療を終了または差し控えた進行がん患者で血液検査値,performance status(PS),臨床症状,年齢,性別,がん種を変数とするパラメトリック生存時間解析を行い,BPS2,BPS3を開発した.次に,前向きにBPS2,BPS3とPalliative Prognostic Index(PPI)の精度を比較検証した.【結果】開発群589例よりBPS2,BPS3を開発した.前者はコリンエステラーゼ,血中尿素窒素,白血球数から算出し,後者はBPS2,ECOG PS,浮腫から算出した. 検証群206例で3週,6週生存予測の全体正診率は,BPS2,BPS3がPPIより有意に優れていた.【結論】BPS2,BPS3の有用性が示唆された.
著者
山田 祐樹 河邉 隆寛 井隼 経子
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.55-55, 2010

非人間的対象の人間らしさが増大すると,ある時点でその対象への評価が急激に低下するといわれる (不気味の谷現象).本研究は,この評価の低下が,対象を2つのカテゴリに分類する困難さと関係しているかを検討した.実験1では,実際の人物と漫画の人物の画像を0%から100%までの10%ずつのモーフィング率で合成した11枚の画像を用いた.観察者は各画像に対しカテゴリ判断 (実際-漫画) を求められ,その潜時をカテゴリ化困難度の指標とした.また,各画像の好意度について-3 (嫌い) から3 (好き) の7段階で評定させた.結果として,モーフィング率とともに潜時と好意度評定値が変化し,最も潜時の長かった画像と最も評価の低かった画像が一致した.実験2では,犬の画像 (実際,ぬいぐるみ,及び漫画) を用いても同様の結果を得た.これらの結果は,カテゴリ化困難な画像における処理流暢性の低さが評価の低下を引き起こすことを示唆する.
著者
山田 祐樹 佐々木 恭志郎 三浦 佳世
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第12回大会
巻号頁・発行日
pp.128, 2014 (Released:2014-10-05)

わが国の刑事法廷の座席配置は,法壇から見て右側が検察官,左側が弁護人であることが一般的だが,配置が逆転する事例もある。認知心理学研究では,人間が利き手側に位置する対象には肯定的な,非利き手側の対象には否定的な評価を下すことが知られている。本研究では,この空間認知的性質が刑事裁判の量刑判断に影響を与えている可能性について検討を行った。403名の参加者は裁判風景を模した写真を観察後,2種類の裁判シナリオを読み,被告人の量刑を判断した。写真は,通常配置(右:検察官,左:弁護人),逆配置(右:弁護人,左:検察官),統制配置(位置関係は通常と同様だが検察官と弁護人が外向している)の3種類であった。結果として,右利きの参加者は正配置よりも逆配置の量刑を有意に短く(約1年)見積もることが明らかになった。このバイアスは,参加者が利き手側の弁護人あるいは検察官を肯定的に評価したことに起因すると考えられる。
著者
黒田 佑次郎 岩満 優美 轟 慶子 石黒 理加 延藤 麻子 松原 芽衣 岡崎 賀美 山田 祐司 宮岡 等
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.306-313, 2012 (Released:2012-03-02)
参考文献数
14
被引用文献数
3

【目的】緩和ケア病棟(以下, PCU)入院中の患者とその家族を対象に, 入院前後のPCUに対する認識と印象の変化を質的に検討した. 【方法】PCUの入院患者5名と家族9名に半構造化面接を実施し, 要約的内容分析を行った. 【結果】入院前の印象は, 患者では“想像がつかない”など「特に印象がない」を含む2カテゴリー, 家族では“最期を迎えるところ”や“穏やかに過ごす場所”など「PCUの環境」を含む5カテゴリーが得られた. 入院後の印象は, 患者では“心のケアが重要”など「PCUでのケア」を含む3カテゴリー, 家族では“個室でプライベートがある”など「PCUの環境」を含む7カテゴリーが得られた. 【結論】PCU入転院に際し, 家族は“安心が得られる”と“最期を迎えるところ”という気持ちが併存していることが示された. また, 入転院前に比し入転院後は, 患者と家族ともにPCUに対して好意的な印象をもっている可能性が示唆された.