著者
熊谷 千津 川口 光倫 齋藤 碧
出版者
公益社団法人 日本アロマ環境協会
雑誌
アロマテラピー学雑誌 (ISSN:13463748)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.10-21, 2018-05-31 (Released:2018-05-31)
参考文献数
21

精油の香りを纏うライフスタイルが人の魅力に与える影響を明らかにするため,二つの実験を行った。一つ目の介入実験では,参加者である女子大学生28名が3群に分かれ,精製水,50%希釈ベルガモット精油,0.5%希釈ローズ精油のいずれかを身につけて約5週間生活を行った。介入期間前後で参加者の不安(STAI, State-Trait Anxiety Inventory),対人的行動特性(NTI-II, Nursery Trait Inventory-II),気分・肌状態の実感を測定した。二つ目の顔画像評価実験では,介入実験参加者の介入期間前後における顔画像を,大学生の男女20名により評定した。介入実験では,ローズ精油群でSTAI特性不安が介入により有意に減少した。また,NTI-IIについては,ローズ精油群で「行動力」,「援助的活動性」,「情緒的受容性」の各平均値が有意に増加した。ベルガモット精油群で気分と肌状態の実感に関する項目,ローズ精油群で肌状態の実感に関する項目が有意に向上した。顔画像評価実験では,ベルガモット精油群で一部の評定項目が介入により有意に向上した一方,ローズ精油群ではすべての評定項目が介入により有意に向上した。また,介入後の顔画像の方を良いと選択した割合が対照群48.1%,ベルガモット精油群61.0%,ローズ精油群77.0%となった。本研究の結果,参加者が継続的に精油の香りを使用することで,内外面の変化とともに顔の魅力度が高まる可能性が示された。
著者
張 世良 川口 光 久保木 孝 赤坂 勇 寺下 雄三 秋山 雅義 梶川 翔平
出版者
一般社団法人 日本塑性加工学会
雑誌
塑性と加工 (ISSN:00381586)
巻号頁・発行日
vol.63, no.743, pp.174-179, 2022 (Released:2022-12-25)
参考文献数
9
被引用文献数
2

In the present paper, we describe a tube drawing method with diameter expansion for the effectively formation of thin-walled tubes. The proposed method makes the tube thickness easier to reduce than the conventional method, because the tube wall stretches biaxially in the axial and hoop directions. The effects of the plug half-angle on the forming limit, drawing load, thickness reduction, the precision of the inner diameter, and the strength of the formed tube were investigated by a series of experiments and finite element method (FEM) analysis. As a result, the forming limit was the highest at a plug half-angle α of 36˚, and then the maximum thickness reduction ratio γ max of 32 % was obtained by increasing the expansion ratio. In addition, the thickness reduction ratio increased with the plug half-angle owing to the increase in drawing load. On the other hand, the dimensional precision of the tube inner diameter deteriorated with the increase in plug half-angle because of an overshoot of the tube wall, indicating a gap between the tube wall and the plug. The effect of the plug half-angle on the strength was small, while elongation changed with the plug half-angle. The above results suggest that the plug half-angle should be selected appropriately to obtain the target dimension and mechanical properties.
著者
川口 光倫
出版者
日本生気象学会
雑誌
日本生気象学会雑誌 (ISSN:03891313)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.71-82, 2014-09-01 (Released:2014-10-01)
参考文献数
95

気候変動の結果によると思われる森林樹木の成長傾向の変化や集団枯死が近年相次いで報告されており,本総説は近年の論文からそれらの現況と要因についてまとめたものである.気温と降水量は森林生産性を制限する主要因であり,これまでの気温上昇により樹木の成長が増加した一方,乾燥ストレスの相対的な増大による成長の低下も観測された.その他の気候的要因である日射量,そして非気候的要因である大気中の二酸化炭素濃度の上昇,大気汚染物質の排出,さらに生物的・非生物的な撹乱や環境ストレスの傾向変化も複合的に樹木の成長に影響していると思われる.また,樹木において成長速度は,気候変動への応答や寿命と密接に関係することから,気候と森林との関係を示す重要な変数として測定が広く継続されるべきである.現在の日本では森林に対する気候変動の影響が顕著でないものの,今後の研究により実態が明らかになる可能性がある.
著者
江藤 敏治 弘野 修一 永田 賢治 加藤 順也 堀 剛 井戸 章雄 林 克裕 坪内 博仁 小野寺 誠 阿部 弘一 宮坂 昭生 川上 格 佐藤 彰宏 坂下 佳子 岩井 正勝 遠藤 龍人 滝川 康裕 鈴木 一幸 佐藤 俊一 鈴木 千衣子 内田 耕一 弘中 孝治 萱野 幸三 増原 昌明 坂井 田功 沖田 極 関山 和彦 井上 和明 与芝 真 半田 宏一 樋口 大介 井上 和明 関山 和彦 与芝 真 松原 寛 道堯浩 二郎 山内 雄介 井内 英人 長谷 部昌 山本 和寿 井上 愛 堀池 典生 恩地 森一 中西 崇 東俊 宏 狩山 和也 山野 智子 辻 孝夫 川口 光彦 糸島 達也 品川 克至 乾 あやの 小松 陽樹 松本 浩 茂木 陽 宮川 芳宏 藤沢 知雄 上本 伸二 猪股 裕紀洋 田中 紘一 平松 活志 橋本 悦子 谷合 麻紀子 野口 三四朗 長谷 川潔 林 直諒 次田 正 高崎 健 中島 一朗 渕之上 昌平 古川 博之 岸田 明博 大村 孝志 松下 通明 藤堂 省 藤田 美悧 清水 道夫 橋倉 泰彦 三田 篤義 窪田 達也 三輪 史郎 池上 俊彦 寺田 克 宮川 眞一 川崎 誠治 君川 正昭 渕之上 昌平 春口 洋昭 唐仁原 全 中島 一朗 阿岸 鉄三 白髪 宏司 伊藤 克己 高崎 健 橋本 悦子 林 直諒 田中 紘一 上本 伸二 猪股 裕紀洋 阿曽沼 克弘 江川 裕人 藤田 士朗 木内 哲也 林道 廣 田中 紘一 石井 邦英 古賀 郁利子 神代 龍吉 草場 信秀 佐田 通夫 坂本 照夫 加来 信雄 森岡 千恵 菊池 英亮 松尾 英城 中谷 吉宏 豊川 泰勲 富永 謙太郎 山尾 純一 福井 博 福田 邦明 安部井 誠人 遠藤 憲一 本橋 歩 正田 純一 松崎 靖司 田中 直見 古坂 明弘 高橋 正明 平本 淳 白浜 圭吾 永山 和男 田中 照二 Yusufu Youlutuz 松井 淳 持田 智 藤原 研司 小畑 達郎 中島 千種 岡山 昌弘 大野 研而 宮下 智之 田村 明彦 絵野 沢伸 鈴木 盛一 雨宮 浩 青木 達哉 小柳 泰久 山際 健太郎 川原田 嘉文 八木 真太郎 飯田 拓 横井 一 垣内 雅彦 足立 幸彦 飯田 拓 田端 正己 町支 秀樹 横井 一 川原 田嘉文 東口 高志 今井 俊積
出版者
The Japan Society of Hepatology
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.189-198, 1999
著者
岩室 雅也 川口 光彦 寺田 亮 大澤 俊哉 山本 和秀 糸島 達也 高橋 和明
出版者
The Japan Society of Hepatology
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.46, no.8, pp.512-515, 2005
被引用文献数
6 7

症例は71歳, 女性. 2004年12月21日に近医で行った血液検査でAST 593 IU/<i>l</i>, ALT 661 IU/<i>l</i> と肝機能障害を認め, 12月22日に当院紹介となった. 発症の約4週間前に漢方薬の内服を開始しており, またリンパ球幼弱化試験 (lymphocyte stimulation test : LST) が陽性を示したことから, 当初は漢方薬による薬物性肝障害が疑われた. しかし血中E型肝炎ウイルス (hepatitis E virus : HEV) RNAが陽性で, HEV IgM抗体価が有意に上昇していることが明らかとなり, 最終的にE型急性肝炎と診断した. 問診により10月頃に市販のブタ肝臓を摂食していたことが判明し, 感染源として疑われた. 海外渡航歴, 野生の蓄肉の摂食歴はなかった. 本例はE型急性肝炎の症例であるが, 薬物性肝障害の診断基準を満たしたため, その鑑別が問題となった. 漢方薬はLSTで偽陽性を示すことが多く, LSTの結果を以て漢方薬を肝障害の原因薬物と断定することはできない. またE型急性肝炎の診断においては, 海外渡航歴, 野生の蓄肉の摂食歴とともに, 市販のブタ肝臓の摂食歴を聴取することが重要である.