著者
柳 淳也 川村 尚也 山田 仁一郎
出版者
特定非営利活動法人 グローバルビジネスリサーチセンター
雑誌
赤門マネジメント・レビュー (ISSN:13485504)
巻号頁・発行日
pp.0200930a, (Released:2020-12-22)
参考文献数
107
被引用文献数
1

1990年代以降、イギリスを中心にクリティカル・マネジメント研究 (Critical Management Studies:CMS) が興隆しているが、難解な理論的研究が多く対象も広範囲にわたり、日本の経営学分野では広く知られているとは言い難い。そのため本研究ではCMS とは何か、何が「クリティカル」なのか、どういった経緯で誕生したのか、さらに、どういった対象領域で研究が盛んであるかを明らかにするために系統的レビューを行った。その結果、1) 批判理論から発展したCMS は、現在では多様な理論的背景をもち、人種、環境、セクシュアリティ、ジェンダーといった様々な視座に依拠した研究がなされていること、および、2) CMS を特徴づけるものとして、非自然化・再帰性・(非) パフォーマンス志向が挙げられ、近年、パフォーマンス志向についての議論から発展した批判的行為遂行性に関する研究が多くみられること、などが明らかとなった。
著者
柳 淳也 川村 尚也 山田 仁一郎
出版者
特定非営利活動法人 グローバルビジネスリサーチセンター
雑誌
赤門マネジメント・レビュー (ISSN:13485504)
巻号頁・発行日
vol.19, no.6, pp.165-192, 2020-12-25 (Released:2020-12-25)
参考文献数
107

1990年代以降、イギリスを中心にクリティカル・マネジメント研究 (Critical Management Studies:CMS) が興隆しているが、難解な理論的研究が多く対象も広範囲にわたり、日本の経営学分野では広く知られているとは言い難い。そのため本研究ではCMS とは何か、何が「クリティカル」なのか、どういった経緯で誕生したのか、さらに、どういった対象領域で研究が盛んであるかを明らかにするために系統的レビューを行った。その結果、1) 批判理論から発展したCMS は、現在では多様な理論的背景をもち、人種、環境、セクシュアリティ、ジェンダーといった様々な視座に依拠した研究がなされていること、および、2) CMS を特徴づけるものとして、非自然化・再帰性・(非) パフォーマンス志向が挙げられ、近年、パフォーマンス志向についての議論から発展した批判的行為遂行性に関する研究が多くみられること、などが明らかとなった。
著者
野中 郁次郎 紺野 登 川村 尚也
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.2-20, 1990 (Released:2022-07-15)

組織にとって有意義な知識は,成員が能動的に関与した暗黙知と形式知の相互作用によって固有に獲得される.組織的「知の創造」は,知の共有化から概念化に至る集団の対話プロセスである.その実証分析とモデル化の手法としては発語行為やメタファーなどの言語行為に着目した創造的対話の内容分析が有効である.今後の組織研究はこれに基づく新たなかつ普遍的な組織的知の創造の方法論の探求に焦点を当てる必要がある.
著者
羽生 宏人 和田 英一 丹羽 崇博 近藤 靖雄 川村 尚史 丸山 信也 岡村 彩乃 山科 早英良 永井 康仁 中道 達也 上道 茜 田中 成明 小林 直樹 笠原 次郎 森田 泰弘
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
航空宇宙技術 (ISSN:18840477)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.15-21, 2010 (Released:2010-05-14)
参考文献数
6
被引用文献数
1

The educational hybrid-rocket was successfully launched and it also landed within the predicted area. Aerodynamic characteristics of the rocket designed by students of Tsukuba University were evaluated by the wind tunnel testing with the support of Tokai University. The flight path affected by the environmental condition, especially wind direction and velocity, was simulated with the original calculation program. The altitude of the rocket was measured with the optical equipment and the apex was 123 m although the calculation indicated 198 m. We expected that the insufficient filling or the volatilization of Nitrous oxide as an oxidizer led to this result. And then, the apex was verified with a function of the oxidizer filling ratio. The results showed that 81.2 % of the oxidizer volume in comparison with the firing test condition was accumulated in the tank at the launch.
著者
伊藤 昌毅 川村 尚生 菅原 一孔
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J96-D, no.10, pp.2327-2339, 2013-10-01

本論文では,走行中の路線バスの位置情報を取得するバスロケーションシステムの開発について述べる.バスロケーションシステムは,バス停においてバスの到着を知らせるなど公共交通の利便性を高めるために用いられているが,運用コストの問題で小規模な都市での実現は困難である.本論文では,スマートフォンを車載器として利用することで,導入や運用コストを抑えたバスロケーションシステムを実現した.開発システムは,バスの位置情報をユーザに提供するだけでなく,既に運用中のバスや鉄道の経路案内サービス「バスネット」と連携することで,バスの遅れを考慮した経路探索を実現するなど,公共交通の利便性を高める情報基盤として機能している.開発したバスロケーションシステムは,鳥取県のバスを対象に運用を続けており,アクセス数などの運用状況やそこから得られた知見についても紹介する.
著者
羽生 宏人 和田 英一 丹羽 崇博 近藤 靖雄 川村 尚史 丸山 信也 岡村 彩乃 山科 早英良 永井 康仁 中道 達也 上道 茜 田中 成明 小林 直樹 笠原 次郎 森田 泰弘
出版者
THE JAPAN SOCIETY FOR AERONAUTICAL AND SPACE SCIENCES
雑誌
航空宇宙技術 (ISSN:18840477)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.15-21, 2010
被引用文献数
1

The educational hybrid-rocket was successfully launched and it also landed within the predicted area. Aerodynamic characteristics of the rocket designed by students of Tsukuba University were evaluated by the wind tunnel testing with the support of Tokai University. The flight path affected by the environmental condition, especially wind direction and velocity, was simulated with the original calculation program. The altitude of the rocket was measured with the optical equipment and the apex was 123 m although the calculation indicated 198 m. We expected that the insufficient filling or the volatilization of Nitrous oxide as an oxidizer led to this result. And then, the apex was verified with a function of the oxidizer filling ratio. The results showed that 81.2 % of the oxidizer volume in comparison with the firing test condition was accumulated in the tank at the launch.
著者
川村 尚 海老原 昌弘 辻 康之
出版者
岐阜大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1994

金属原子間結合電子系と配位子π電子系の間の共役を利用して、酸化還元電位の制御されたクラスター錯体を創製し、これを機能性材料としての応用する可能性を探ることを目的として本研究を進めた.1.ロジウム複核錯体カチオンラジカル塩の合成と物性解析.[Rh_2(mhp)_4](mhp=2-oxo-6-methylpyridinato)と[Rh_2(mmap)_4](mmap=2-methylamino-6-methylpyridinato)のCVは化学的に可逆な1電子酸化波をそれぞれ0.48,-0.49V vsFc^+/Fcに示した.この結果は,金属原子間結合と配位子間のσ-π共役が化学的意味をもつことを示している.カチオンラジカルの塩[Rh_2(mhp)_4]SbCl_6・o-C_6H_4Cl_2の結晶において隣接ラジカル分子のピリジン環が互いに重なりあった3次元的相互作用系が形成されていた.一方,[Rh_2(mmap)_4]SbF_6・2o-C_6H_4Cl_2の結晶構造においては,ラジカルの2次元配列が見いだされた.前者結晶のペレットの室温における電導度は8×10^<-8>S/cm^<-1>であって、セレンと同程度の電導度をもつ半導体であることが示された。2.第10族,11族元素複合錯体の構成,構造,分子物性.新規複合錯体[M(mnt)_2{Ag(PR_3)_2}_2],(M=Pt,Pd;R=Bu,Ph;mnt^<-2>=maleonitriledithiolate)の生成を見いだし,それらの構造と電気化学的挙動等を調べた.これらの錯体は,結晶内で平面状のM(mnt)_2の上下に2つのAg(PR_3)_2が結合した3核錯体構造をもつ.これら錯体のCVは,化学的に可逆な1電子酸化波を示したが,生成カチオンラジカルは単離できるほどには安定ではなかった.^<195>Pt-NMRはAg核による分裂を示さず,Pt-Ag結合距離が短いにも拘わらず,Pt-Ag間には化学結合の存在しないことが示された.
著者
海老原 昌弘 川村 尚
出版者
岐阜大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

酢酸を架橋配位子とし一酸化炭素と塩化物イオンをエカトリアル配位子に持つイリジウム(II)複核錯体[Ir_2(O_2CCH_3)_2Cl_2(CO)_2]を原料として,この錯体の軸位にアセトニトリル,ピリジン,ジメチルホルムアミド,ホスフィン,アルシンなどを結合させた化合物[Ir_2(O_2CCH_3)_2Cl_2(CO)_2L_2]を合成した.この内7種の化合物についてX線構造解析を行いIr-Ir距離がその配位子の違いによってアセトニトリル錯体の2.569(1)Åからトリシクロヘキシルホスフィン錯体の2.6936(7)Åまで約0.12Å変化することがわかった.また,どの錯体も化学的に可逆な酸化波が確認され,その電位は配位子の種類に依存してトリシクロヘキシルホスフィン錯体の0.21Vからアセトニトリル錯体の1.30Vまで変化することがわかった.ホスフィンを軸配位子とする錯体はそのg_⊥とg_<//>の値,およびそれぞれの超微細構造のパターンからそのHOMOはσ_<Ir-Ir>軌道であることが明らかとなった.[Ir_2(O_2CCH_3)_2Cl_2(CO)_2](酢酸イオンを架橋配位子とし一酸化炭素と塩化物イオンがエカトリアル配位子)の架橋配位子の置換を目的として合成を行った.この錯体を原料として,2-ヒドロキシイソキノリン(Hhiq)と反応させることにより錯体の酢酸架橋がhiq^-に置換した錯体を合成した.この錯体のアキシアル位にメチルピリジン(mpy)およびトリフェニルホスフィン(PPh_3)を結合させた化合物[Ir_2(hiq)_2Cl_2(CO)_2L_2]を合成しX線構造解析を行った.Ir-Ir距離は酢酸架橋の錯体とほぼ同じでそれぞれ2.5928(7),2.634(2)Åであった.また,4-メチル-2-ヒドロキシピリジン(Hmhp)と[Ir_2(O_2CCH_3)_2Cl_2(CO)_2]を封管中,130℃で反応させると3つの架橋配位子を持つ[Ir_2(mhp)_3(CO)_2Cl(Hmhp)]が生成した.Ir-Ir距離は架橋配位子が2つの錯体と比べて短く2.5491(3)Åであった.[Ir_2(hiq)_2Cl_2(CO)_2(mpy)_2]は不可逆な酸化波のみが観測された.[Ir_2(hiq)_2Cl_2(CO)_2(PPh_3)_2]および[Ir_2(mhp)_3(CO)_2Cl(Hmhp)]はスキャン速度を速めると0.53,0.95Vにそれぞれ可逆な波が観測された.