著者
平田 明史 タユフェール エディ 青野 智之 山田 寛喜 大平 孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.63, pp.59-64, 2003-05-15
被引用文献数
6

エスパアンテナは円形配列アレーアンテナであるが,中央に給電素子を有しているため菱形のサブアレーを3対取り出せる構成となっている.そこで本報告ではリアクタンスドメインMUSIC法に3組の空間平均を適用して,コヒーレント波の到来方向推定を行う方法を提案する.特定の方向への平行移動による空間平均では,その到来角推定精度が到来角度に依存するために3組のMUSICスペクトラムを合成した形で空間平均後のスペクトラムを定義する.電波暗室内での実験結果から,到来角度差が角度分解能以上の場合には2波を分離し2つのピークを検出できることを示す.角度分解能として到来角度差45°を5割程度の割合で検出できることが分かる.
著者
寳田 吉文 吉沢 剛 三好 匠 平田 千浩 二木 志郎 渡邊 浩文
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.129, pp.49-54, 2009-07-09

無線メッシュネットワークでは,複数のアクセスポイントを無線通信で接続することにより,端末の通信可能範囲を拡大することが可能である.ゲートウェイを設置することで,外部有線ネットワークやインターネットとも接続できるため,容易にネットワークの規模を拡大することが可能である.ゲートウェイを複数用意することで,通信容量を増大させることができるが,どのゲートウェイを通過するかを決定するための経路計算が困難なので,最適なゲートウェイを選択できず,負荷分散を考慮した経路木が構築できないといった問題がある.そこで本稿では,遺伝的アルゴリズムを用いて,ゲートウェイ負荷を考慮した経路を生成し,経路木の最適化を行う手法を提案する.また,提案手法の有効性をシミュレーションにより示す.
著者
宮澤 雅史 曽培峰 磯 直行 平田 富夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告アルゴリズム(AL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.103, pp.43-49, 2002-11-08

ユークリッド距離変換はパターン認識やモルフォロジーフィルターなど画像処理の様々な分野で応用されている。本論文ではユークリッド距離変換のための、シストリックアレイを用いたハードウェアアルゴリズムを提案する。計算時間の効率化と乗算器などのハードウェア資源を削減するための工夫をし、サイズ$N ?times N$の2値画像に対しクロック数$3N-1$でユークリッド距離変換処理を実行する。そのために必要なハードウェア量は$O(N^2)$である。The Euclidean distance transform is applied in various fields of image processing, such as pattern recognition and morphological filter.In this paper, we propose a hardware algorithm using a systolic array that performs Euclidean distance transform. It is designed so that hardware resources, such as multipliers and comparators, are reduced and processing speed is efficient. It performs Euclidean distance transform for an input of $N \times N$ binary image in $3N-1$ clocks, and the size of the required hardware resources is $O(N^2)$.
著者
細川 聖二 平田 義郎 齊藤 泰雄 内藤 裕美子
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.58, no.9, pp.442-447, 2008-09-01

国立情報学研究所では,目録所在情報サービス(NACSIS-CAT/ILL)の今後の在り方について,中長期的な視点で検討することを使命として,「学術コンテンツ運営・連携本部図書館連携作業部会」の下に「次世代目録ワーキンググループ」を設置した。ワーキンググループでの検討結果を「次世代目録所在情報サービスの在り方について(中間報告)」として取りまとめ,2008年3月末に公開した。本稿では,「中間報告」に至る検討の経緯および「中間報告」についてその概要を紹介する。
著者
平田 彰業 倉科 彰夫 山田 貴子 米川 幸秀
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.38, no.7, pp.1032-1039, 2002

【目的】電子カルテを包含する統合情報システムを稼動させている総合病院の医師の立場から, 電子カルテシステムの現状と開発・導入時の問題点を検討した.あわせて, 地方在住の小児外科医として日本小児外科学会への提言を行った.【方法】当院は, 1999年に新築移転するに際して, 「医療の質の向上」, 「患者サービスの向上」, 「病院管理運営の効率化」を主目的に, ネットワークを前提として開発・実現された「統合情報システム」, 通称IIMS(Integrated Intelligent Management System)を稼動させている.既成のソフトの導入ではなく, 病院の業務を徹底的に見直し, 独自に開発したものである.稼動の現状と開発時の留意点を検討した.【結果・結論】「電子カルテシステム」の目的は医療の標準化, 質の向上である.現在, さまざまな「電子カルテ」が乱立しており, 目的実現のための障害になっている.少なくとも小児外科領域の共通する部分だけでも標準化しておくことが望ましいと考えられた.また, 日本小児外科学会には情報技術の活用を提言した.
著者
石田 和慶 松本 美志也 平田 孝夫 坂部 武史
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.526-534, 2008-06-15 (Released:2008-08-13)
参考文献数
33

虚血に伴う神経細胞傷害に蛋白を成熟させる細胞内小器官である小胞体 (ER) が関与する. 虚血によるアミノ酸やglucoseの低下, ER内Ca2+ 低下は異常蛋白蓄積を生じ, ERストレスとなる. 蓄積した異常蛋白のrefoldingにER chaperone GRP78が使われ, ER膜上のキナーゼ (PERK, ATF6, IRE1) を活性化する. いずれもERストレスを改善する遺伝子 (grp78など) を転写するが, PERKはeIF2αのリン酸化によりmRNAの翻訳を抑制し, 蛋白合成を阻害する. 虚血耐性では, GRP78の発現亢進と本虚血後のeIF2αのリン酸化が生じにくく, 異常蛋白の修復が速く, 蛋白合成抑制が生じにくい. バルプロ酸などによるGRP78の増強, ERの保護は神経細胞保護につながる.
著者
村上 晴美 平田 高志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報学基礎(FI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.20, pp.167-174, 2001-03-05
被引用文献数
3

個人の外化記憶を構築し、知的生産活動を支援するシステムMemory-Organizerを試作した。本システムは、(a)ユーザのアイディアから外化記憶の作成・編集を支援する思考空間ブラウザ、(b)ユーザのWeb閲覧時の外化記憶の作成、収集、抽出を支援するオーバレイWebブラウザ、(c)ユーザの時系列の興味空間上に外化記憶を配置することにより外化記憶の想起を支援する興味空間ブラウザから構成される。本稿では、WWWからの情報獲得、整理に焦点をあて、本システムの機能を説明する。また、ユーザのWebブラウジング履歴から個人の興味空間を生成してWebページを整理する実験を行ったところ、興味空間ブラウザがユーザの興味空間を表していることや、過去の想起やWebページの整理に役立つ可能性があることがわかった。We have developed a system called Memory-Organizer which enables users to construct externalized memory and support users' creative activities. The system consists of (a) a thinking space browser which helps users to input and edit externalized memory and support creative thinking, (b) an overlay Web browser which helps users to gather, cut, and create information while browsing the World-Wide-Web, and (c) an interest space browser which helps users to recall externalized memory by displaying it chronologically on the users' interest space. In this paper, we focus on information acquisition and organization while browsing the Web and describe the system's functions. We conducted some experiments and found that the interest space browser displays the users' interest space, and it is useful for recalling their past and organizing browsed web pages.
著者
平田 敏之 國藤 進
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.34, pp.7-12, 2006-03-23
被引用文献数
2

近年の情報科学技術の進歩は我々を時間と場所の制約から解放しつつある.さらに近年,位置情報などの個人情報を共有することによりユーザのプレゼンス情報を共有し,適切な通信手段を提供するシステムの研究が盛んにおこなわれている.しかしながらこれらの既存のシステムでは, 現在のユーザのプレゼンス情報や適切な通信手段を知ることはできるが,その情報が必ずしもユーザが望むプレゼンス情報でないことがある.そこで,我々はユーザのプレゼンス情報の変化をトリガとしたメッセージングシステムを提案する.本システムにより,従来非同期だったために発生しなかったコミュニケーションを支援することが可能になるが考えられる.In recent years, the advancement of information science has been promoting decentralization of our working surroundings and asynchronous work timings. We are able to communicate with others at any time and anywhere and are free from the restrictions of time and place. And, we have researched the information sharing system based on location information for understanding the situation of members. We are able to understand situation of other members using these system. However, there is often different from information for which we want. Therefore, we propose the messaging system using presence information. We think that this system is able to support asynchronous communication.
著者
浜中 雅俊 平田 圭二 東条 敏
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.84, pp.1-8, 2004-08-02
被引用文献数
5

本研究報告では,音楽理論Generative Theory of Tonal Music (GTTM)に基づき,楽曲のグルーピング構造および拍節構造を自動で獲得するシステムについて述べる.GTTMは計算機上への実装が期待される音楽理論の1つであるが,ルール適用の優先順位やアルゴリズムが決められていないため,ルールの競合が起こるという問題がある.この問題の解決法として本研究では,ルールの優先順位を決めるためのパラメータを導入する.そして,ボトムアップに求めた局所的なグルーピング境界の強さおよび拍点の強さを用いて,トップダウンに階層的な構造を獲得する手法を提案する.実験の結果,パラメータの調節により,性能が向上することが確認できた.This report describes an automatic music analyzing system, which acquire grouping structures and metrical structures, based on the Generative Theory of Tonal Music (GTTM). The GTTM is considered to be one of the most promising theories of music in regard to computer implementation; however, no order in applying those rules is given and thus, more often then not, may result in conflict among them. To solve this problem, we introduce adjustable parameters, which enable us to give priority among rules. Our system based on the GTTM makes it possible to construct hierarchical grouping and metrical structures in a top-down process using bottom-up detection of local boundary strength and local metrical strength. The experimental results show that our method outperformed the baseline performance by tuning the parameters.
著者
矢吹 聡一 水谷 文雄 平田 芳樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OME, 有機エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.127, pp.7-10, 2002-06-13

フェロセン修飾ポリアリルアミンを次のように作製した;ポリアリルアミン溶液中にフェロセンカルボアルデヒドを加え,反応させた.未反応のフェロセンを除去するため,濾過,透析を行い,水素化ホウ素ナトリウムでシッフ塩基を還元した.このフェロセン修飾ポリアリルアミンと,ポリスチレンスルホン酸(あるいはDNA)とアルコールオキシダーゼをグラッシーカーボン電極上に滴下し,乾燥させて,酵素固定化電極を得た.この電極に+0.6V vs. Ag/AgClの電位を印加して,メタノールに対する電流応答を測定した.ポリアニオンとしてDNAを用いると,メタノール添加時に酸化電流増大が観察され,膜中で酵素,メディエーターが機能していることが明らかになった.