著者
花岡 誠之 中原 成人 矢野 正 吉澤 聡 平田 哲彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SR, ソフトウェア無線 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.395, pp.5-10, 2006-11-22
被引用文献数
15

移動通信システムにとって使い勝手の良い6GHz以下の帯域については,第3世代携帯電話や無線LANを始めとして稠密に利用されており,深刻な電波の逼迫状況が生じている.電波の利用状況は時間や場所に応じて異なっており,逼迫している電波をより有効かつ効率的に活用するため,複数の電波利用システム間における電波の高度な共同利用の実現が求められている.報告者はこれまでに複数の無線システムを統合するコグニティブ無線システムについて無線環境認識技術やコグニティブ無線を実現するためのシステム構成について検討してきた.本報告では端末に対して単一のIPアドレスを付与しつつ複数システムの切り替えを高速に行う方法について提案し,その制御シーケンスやパケットフォーマットについて述べる.
著者
吉永 英俊 平田 祐司 藤山 千里 市木 康久 井口 厚司 真崎 善二郎 南里 和成
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.86, no.2, pp.304-307, 1995-02-20
被引用文献数
2

過去6年間に7例の成人巨大尿管症を経験した.年齢は46〜67歳(平均53.7歳)で,すべて女性であった.偶然発見例が4例あり,残り3例はそれぞれ腎盂炎,血尿,嘔気嘔吐で受診した.全例が片側性で,左5例,右2例であった.Pfister-Hendrenの重症度分類でgrade I 1例,grade II 5例,grade III 1例で,grade II以上の6例に再建術(Tapering and Reimplantation)を行った.尿漏などの合併症もなく,術後平均15日目に尿管ステントは抜去した.術後平均観察期間は25.4ヵ月でgrade IIの5例は著明に改善し,grade III 1例は軽度の改善に留まった.成人の場合積極的治療の要否には議論のあるところであるが,上記成績は再建術の有効性を示すものと考えられた.
著者
平田 衛 熊谷 信二 田渕 武夫 田井中 秀嗣 安藤 剛 織田 肇
出版者
公益社団法人日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.190-201, 1999-11-20
被引用文献数
11

小規模事業所における産業保健サービスの実態を明らかにするために,大阪市に隣接する市の一部地域765の小規模事業所から回収された質問紙(回収率69.3%)を解析した.1∼4人事業所は358(46.8%),5∼9人事業所は203(26.5%),10∼29人事業所は163(21.3%),30∼49人事業所は41(5.4%)であり,主な業種は,製造業(374, 48.9%),卸小売飲食業(153, 20.0%),サービス業(132, 17.3%),建設業(72, 9.4%)であった.健康診断は47.7%でおこなわれ,それを実施しない理由は「時間がない」(不実施事業所の33.3%),「従業員が受診を望まない」(28.1%)であった.健康増進活動は29.2%の事業所でおこなわれていた.小規模事業所が望む産業保健活動として,健康診断(59.0%),健康増進(36.5%),メンタルヘルス対策(25.9%),労使への情報提供(25.5%)が挙げられた.財政的支援および経済的誘導策が各々46.4%,28.8%の小規模事業所から希望があった.地域産業保健センターはあまり知られていない(8.2%)が,健康診断(48.4%),情報サービス(37.5%),作業方法の評価および改善の助言(19.8%),環境測定(12.4%)の希望があった.
著者
長田 太助 平田 恭信
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.127, no.9, pp.1339-1346, 2007-09-01
被引用文献数
3

Although the pro-inflammatory and pro-fibrotic actions of aldosterone on the vasculature have been reported, the effects and molecular mechanisms of aldosterone on endothelial function are yet to be determined. We investigated how aldosterone regulates endothelial nitric oxide synthase (eNOS) function in human umbilical vein endothelial cells (HUVECs). HUVECs were incubated for 16hrs with 10^<-7>mol/l of aldosterone. The concentration of reactive oxygen species (ROS) was estimated by measuring DCF chemiluminescence. Signal transduction was estimated by Western immunoblots. Realtime RT-PCR was performed to measure expression of transcripts of endogenous GTP cyclohydrolase-1 (GCH1) and components of NAD(P)H oxidase. In order to eliminate the possible effect of the glucocorticoid receptor (GR), and to emphasize the role of mineralocorticoid receptor (MR), we used GR siRNA and knocked down GR expression in several experiments. NO output was estimated by intracellular CGMP concentration. ROS production increased significantly in aldosterone-treated HUVEC, but was abolished by pre-treatment with eplerenone. Transcripts of p47^<phox> were increased by aldosterone treatment. Vascular endothelial growth factor (VEGF)-induced eNOS Ser 1177 but not Akt Ser 473 phosphorylation levels were reduced significantly by pretreatment with aldosterone. Pretreatment with either eplerenone or okadaic acid restored phosphorylation levels of eNOS Ser 1177 in aldosterone-treated cells, suggesting that protein phosphatase (PP) 2A was upregulated by aldosterone via MR. The decrease in NO output caused by aldosterone pretreatment was reversed significantly by either 5,6,7,8-tetrahydrobiopterin (BH_4), GCH1 over-expression, or p47^<phox> knockdown. These results suggest that aldosterone inhibits eNOS function through bimodal mechanisms of BH_4 deficiency and PP2A activation.
著者
中川 道夫 海老原 祐輔 江尻 全機 福田 真実 平田 憲司 門倉 昭 籠谷 正則 松坂 幸彦 村上 浩之 中村 智一 中村 康範 並木 道義 小野 孝 斎藤 芳隆 佐藤 夏雄 鈴木 裕武 友淵 義人 綱脇 恵章 内田 正美 山上 隆正 山岸 久雄 山本 幹生 山内 誠
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発報告 (ISSN:13491113)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.75-90, 2009-02

オーロラX線イベントの2 次元イメージを得ることと,30keV から778keV の領域でエネルギースペクトルを得ることを目的として,大気球を編隊飛行させ観測を行うバルーンクラスター計画の下に,2003 年1 月13 日にPPB8 号機とPPB10 号機の2機が南極の昭和基地より放球された.両機は大気深さ9-12 g / cm^2を保ち,磁気緯度55°.5-66°.4 の範囲を飛翔し南極大陸を半周した.両機はフライト中に多くのオーロラX線イベントを観測した.特に,1月22 日から1 月25 日には,数例のイベントが両機で同じ時間帯に観測されている.2003 年1 月23 日には,始めに10 号機,218sec. の間隔をあけて8 号機でイベントが観測された.このとき8 号機は10 号機の西650km に位置していた.このことはオーロラX線源が速さ約3.0km / sec.で西に向かって移動していたことを示唆している.本論文では同じ時間帯に観測された,オーロラX線イベントについてその描像を述べる.
著者
山本 憲夫 平田 俊清 水町 守志 酒井 忠雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学
巻号頁・発行日
vol.98, no.511, pp.41-48, 1999-01-20
被引用文献数
1

航空機客室に持ち込まれる携帯電子機器から放射される電磁波が機内の航法機器に与える電磁干渉(EMI)について調査するため, 客室内から航法機器まで及び機内のケーブルまでの経路損失について実機(ボーイング777)を用いて測定した。その結果, 客室から航法機器までの経路損失は最小43dB, 平均90dB程度で, 携帯電子機器が航法機器の動作に影響を与える可能性は非常に小さいが, あり得るとの結論を得た。一方, ケーブルまでの経路損失は大きく, ケーブルを経由した干渉の可能性は前述の経路に比べ無視できる程度であった。また, 代表的な携帯電子機器を客室内で使用し, これらが航法機器に与える影響について地上及び飛行中に調査したが, 航法機器の動作が影響を受けた事例は発生しなかった。
著者
松山 哲雄 神田 亮 平田 和也 名波 航 丸田 榮藏
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
no.22, pp.139-144, 2005-12-20
被引用文献数
3

This paper describes development of the new hybrid aerodynamic vibration system and verification of the developed system for simulating aerodynamic vibration of structures. Simulation of aerodynamic vibration of a square prism in 3-dimensional flow is conducted. Unsteady aerodynamic force can be estimated in this simulation. From the results, the accuracy of developed system is satisfied and the hybrid aerodynamic vibration technique suggested some possibility to analyze aerodynamic vibration of structures from other angle.
著者
杉本 安寛 平田 昌彦 上野 昌彦
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.8-14, 0000
被引用文献数
5

バヒアグラス(Paspalum notatum)放牧草地におけるホルスタイン育成牛群の排泄行動を物質循環との関係から調査した。調査地は,宮崎県畜産試験場(西諸県郡高原町)内の草地約17.6aで,これに隣接して庇陰樹を囲んだ約60m^2の休息場を設けた。5月下旬より10月下旬まで8回,各回21-24頭の牛群を48時間あるいは72時間昼夜連続放牧し,5回次(7月26-29日),7回次(9月23-25日)および8回次(10月26-28日)について排糞,排尿,および採食行動を観察した。結果は以下の通りであった。1)5回次の気温は7時より18時まで27℃を越え,7回次も10-15時は27℃を越えたが,8回次は最高気温が約23℃であった。2)排糞回数(回/頭/日)は6.5-8.3回の範囲にあり,そのうち草地で排糞された比率は5,7および8回次が,それぞれ,73.9%,70.7%および88.6%であった。排尿回数(回/頭/日)は10.7-18.3回で,5回次が最も高く,次いで7回次が高かった。草地で排尿された比率は5回次と7回次が50%前後と低く,他方,8回次は87.9%と,高かった。3)糞は68-76%が日中に排泄され,尿は約80%が日中に排泄された。4)日中の温度が高い時期には,糞尿の草地への排泄比率が低下し,養分の再循環が妨げられることが示唆された。
著者
沼 晃介 平田 敏之 濱崎 雅弘 大向一輝 市瀬龍太郎 武田 英明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.85-97, 2007-01-15
被引用文献数
10

本論文では,学術会議における参加者の活動の振り返り支援ならびに参加者間のコミュニケーションの支援を目的とした,Weblog コンテンツの作成および共有システムActionLog について述べる.ActionLog とは,個人の行動の履歴に基づきユーザのWeblog 上に位置や発表,周囲にいる人などのコンテキストを付加したコンテンツのドラフト(草稿)を自動的に生成するシステムである.行動をドラフトとしてユーザに提示することにより,ユーザが自身の活動を振り返り,その理解を深めることを支援する.生成されたドラフトはユーザの意思により編集,公開され,公開されたコンテンツはコンテキストをもとに閲覧される.エントリは,ユーザの実世界での行動に関する情報とユーザ自身の記述した主観をともなうコンテンツからなり,ユーザの体験を表しているといえる.こうしてコンテキストを共有するユーザ同士の体験の共有とコミュニケーションを促す.我々はActionLog を,第19 回人工知能学会全国大会において大会支援システムの1 つとして実装,運用した.この実装では,他の学会支援システムと連携することによってユーザの行動を取得した.運用の結果,提案システムが参加者の振り返りならびにコミュニケーションの手段として,期待した効果を果たしたことを確かめた.In this research, we propose a system called ActionLog which supports authoring and sharing Weblog contents for the purposes of support on reviewing and support on communicating in academic conferences. ActionLog collects users' actions from other information systems placed at a conference site, and automatically generates drafts of the Weblog contents based on the contexts of the actions. Users can edit and publish entries according to their will. We implemented and applied the system on an academic conference as a field test. The result shows that the system was used both for reviewing their activities and for communicating other participants.
著者
平田 静子
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.33, no.8, pp.T64-T68, 1984-08-05
被引用文献数
4 2

誘導結合プラズマ発光分析法による標準岩石試料(地質調査所JG-1,TB-1,JA-1,JB-2)及び標準たい積物試料(NBS SRM 1645, 1646)中の13元素の同時定量法を検討した.高周波電力1.6kW,プラズマ内測光位置をコイル上16mmとし,ネブライザーはガラス同軸型噴霧器を用いた.検出限界は鉄0.004,マンガン 0.002,リン0.090,銅0.002,ニッケル0.007,クロム0.004,モリブデン0.004,チタン0.001,バナジウム0.003,アルミュウム0.005,コバルト0.001,マグネシウム0.009,亜鉛0.004 ppmであった.分析精度は標準岩石及び標準たい積物試料中の鉄,マンガン,チタン,アルミニウム,マグネシウムについては±1%以下,リン,銅,ニッケル,クロム,モリブデン,バナジウム,コバルト,亜鉛のほとんどについては±5%以下の分析精度で定量できたが,一部JG-1の銅,ニッケル,モリブデンについては存在量が微量であるために分析精度は悪くなった.正確さは共存する主要成分の分光干渉,溶液の粘性の影響を受け,JB-1,JA-1,JB-2では補正を行ってもモリブデンの定量は困難であった.