著者
浅利 裕伸 池田 敬 岩崎 亘典 岩下 明生 江成 はるか 江成 広斗 奥田 加奈 加藤 卓也 小池 伸介 小寺 祐二 小林 喬子 佐々木 浩 姜 兆文 杉浦 義文 關 義和 竹内 正彦 立木 靖之 田中 浩 辻 大和 中西 希 平田 滋樹 藤井 猛 村上 隆広 山﨑 文晶 山田 雄作 亘 悠哉
出版者
京都大学学術出版会
巻号頁・発行日
2015-03-25

希少種の保護や過増加した在来種・外来種の対策など、野生動物をめぐるさまざまな課題に応えるフィールド調査法。各動物の食性や個体数に関する既存研究をまとめ、地図の読み方やフィールド機材の使い方、糞や足跡をはじめとする動物の痕跡の識別法を具体的に示し、得られた情報から食性や個体数、生息地を評価する方法を体系的に解説する。
著者
平田 幸一 鈴木 圭輔 春山 康夫 小橋 元 佐伯 吉規 細井 昌子 福土 審 柳原 万理子 井上 雄一 西原 真理 西須 大徳 森岡 周 西上 智彦 團野 大介 竹島 多賀夫 端詰 勝敬 橋本 和明
出版者
日本神経治療学会
雑誌
神経治療学 (ISSN:09168443)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.166-179, 2020 (Released:2020-08-31)
参考文献数
51
被引用文献数
4

難治性の疾患における持続中枢神経感作と言われる病態の疫学,基礎・臨床的な位置付けさらには患者のケアにむけての研究をまとめた.本総説は厚生労働研究班の各員の研究結果を示したものなので,必ずしもまとまりがない点に限界があるが,今までは疾患縦断的に診断治療がおこなわれてきた難治性疾患における中枢神経感作の役割を横断的にみたという意味でもわれわれの研究の結果は一部ではあるが解明したものといえる.結果として,中枢神経感作は種々の疾患,特に難治性のもので明らかに何らかの役割を呈していることが示せた.さらにその治療法の解明には至らぬまでも,患者ケアに繋がる方略を示せたものと考えられ,今後の研究の基盤となることが望まれる.
著者
平田 圭 増田 利隆 松本 義信 長尾 光城 長尾 憲樹 松枝 秀二 守田 哲朗
出版者
川崎医療福祉大学
雑誌
川崎医療福祉学会誌 (ISSN:09174605)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.341-345, 2000

運動を行う時間帯の違いが脂肪燃焼に与える影響について明らかにすることを目的として検討を行った.1.静脈血および指頭血の血中遊離脂肪酸(FFA)濃度の関係について被験者は, 健康な一般成人女性20名(平均年齢21.7±0.9歳)とした.早朝空腹時, 座位安静状態において静脈血, 指頭血の順に採血を行い, 血中FFA濃度を測定した.全被験者の静脈血FFAおよび指頭血FFAの間に有意な正の相関(r=0.813,p<0.001)が認められ, 血中FFA濃度の定量が指頭から採取した血液で可能であることが明らかとなった.2.空腹時および朝食・昼食摂取2時間後の運動中の呼吸商(RQ)および血液性状の変化被験者は, 健康な一般成人女性5名とした.運動は自転車エルゴメータを用い, 60%VO_<2max>の運動強度で30分間行った.運動実施時刻は, 空腹時9 : 00a.m.(空腹時運動群), 朝食摂取2時間後(朝食後運動群), および昼食摂取2時間後(昼食後運動群)の3回とした.運動中の酸素摂取量(V0_2), 呼吸商(RQ)を測定した.採血は安静時(0分), 運動開始20分後, 25分後, 30分後の計4回行い, 血糖値, 乳酸値, 血中FFA濃度を測定した.空腹時運動群のRQは運動開始20分値, 25分値がそれぞれo.83±0.13,0.84±0.12であり3詳聞で最も低値を示した.しかし, 運動開始30分後では昼食後運動群が空腹時運動群と同じ値となった.空腹時運動群の血中FFA濃度は運動中に増加傾向を示した.昼食後運動群の血中FFA濃度は安静時(0分)において朝食後運動群より低値であったが, 運動開始後増加し, 30分後には朝食後運動群より高値となった.以上の結果から, 空腹時, 朝食摂取2時間後, 昼食摂取2時間後の3条件において30分間運動を実施する場合, 昼食摂取2時間後における運動開始30分後に空腹時と同様に脂肪燃焼が亢進することが明らかとなった.
著者
平田 昌弘 米田 佑子 有賀 秀子 内田 健治 元島 英雅 花田 正明 河合 正人
出版者
日本酪農科学会
雑誌
ミルクサイエンス (ISSN:13430289)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.9-22, 2010 (Released:2014-03-15)
参考文献数
27

The reproduction and identification of ancient dairy products in East Asia were conducted based on “SEIMINYOUJYUTU” which is the order ancient document available in East Asia and contains detailed explanation about milk processing, and then the spread pathway of these milk processing techniques into East Asia was discussed in this paper. As the results of reproduction and identification experiments, RAKU was identified as sour milk, KANRAKU could not be identified, ROKURAKU was identified as unmatured type cheese such as KHOROOT of Mongolian pastoralists and KURUT of Turki pastoralists, and SO was identified as butter and butter oil. Since some imprecise descriptions were found in SEIMINYOUJYUTU through the reproduction experiment, it was considered that Kashikyou, the author of SEIMINYOUJYUTU, was the just editor to use various texts which were gathered from different ethnic origins on milk processing and did not conduct processing milk products by themselves. The milk processing such as sour milk (RAKU) making from raw milk, butter (SO) making from sour milk (RAKU) by churning, butter oil (SO) making from butter by heating are wide spread techniques and still used among the current pastoralists in West Asia, South Asia, Central Asia and Inner Mongolia. As the comparison with components in milk products and the milk processing techniques of pastoralists in the Asian continent, it was concluded that the milk processing techniques adopted in SEIMINYOUJYUTU were mainly influenced from the pastoralists in North Asia and/or Central Asia.
著者
平田 オリザ 石黒 浩 橋本 慎吾 吉川 雄一郎 宮下 敬宏
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究では,現代口語演劇理論に基づき,人間型ロボットやアンドロイド(人間と同じ見かけを持つロボット)を人間の俳優とともに役者として演劇に登場させる「ロボット演劇」の創作を通じ,特定のシーンにおいてロボットが人と関わる振舞を実現する枠組みを構築した.期間内に国内26件,国外31件(15カ国)の公演を成功させ,聴衆を対象とした大規模かつ文化比較的なアンケート調査により,提案する枠組みにより親和的なロボットの振舞が実現できることを確かめた.また実現された演出事例の分析から,ロボットの振舞のルールが抽出できることを示し,その効果を確かめた.
著者
石垣 智也 尾川 達也 宮下 敏紀 平田 康介 岸田 和也 知花 朝恒 篠宮 健 市川 雄基 竹村 真樹 松本 大輔
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11957, (Released:2021-02-10)
参考文献数
24

【目的】在宅環境での2 ステップテストの信頼性と妥当性の検討を行い,歩行自立の基準値を見出すこと。【方法】訪問リハビリテーション利用者を対象とした横断調査のデータベース(10 施設226 名)から,目的別にデータを抽出した(信頼性98 名,妥当性117 名,基準値209 名)。調査項目は基本情報と膝伸展筋力,歩行能力として2 ステップテストによる2 ステップ値や歩行自立度などとした。歩行手段と距離により屋内杖歩行から屋外独歩800 m 以上と12 種の歩行自立条件を設定し,各自立を判別するカットオフ値を検討した。【結果】2 ステップテストの検者内信頼性は良好であり,固定誤差は認めないが比例誤差が示された。2 ステップ値は膝伸展筋力より歩行能力との相関係数が高く,歩行自立条件に応じた段階的なカットオフ値が設定できた。【結論】2 ステップテストは在宅環境でも信頼性と妥当性があり,歩行自立に対する基準値を有する歩行能力評価である。
著者
平田 オリザ 山崎 孝史 伊藤 裕夫
出版者
大阪市立大学
雑誌
新学術領域研究(研究課題提案型)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、アーツマネジメントを社会的弱者の現場において活用し、社会包摂の一環に組み入れることによって、文化による社会の再構築を行うという、アーツマネジメントの新しい意味と作用を見出した。また、それを支えるシステムとして、大阪市立大学を日本のハブ、チュラロンコン大学をタイのハブ、ガジャマダ大学とインドネシア芸術大学の共同をインドネシアのハブとし、多核的な国際ネットワークの基礎が構築できた。
著者
平田 美紀 流郷 千幸 鈴木 美佐 古株 ひろみ 松倉 とよみ ヒラタ ミキ リュウゴ チユキ スズキ ミサ コカブ ヒロミ マツクラ トヨミ Hirata Miki Ryugo Chiyuki Suzuki Misa Kokabu Hiromi Matsukura Toyomi
雑誌
聖泉看護学研究 = Seisen journal of nursing studies
巻号頁・発行日
vol.2, pp.51-57, 2013-04

背景 子どもの権利条約において親からの分離の禁止"が謳われているが,子どもの採血場面では親が付き添う施設は少ない現状である.採血場面に親が付き添い親の助けを受けた子どもは,安心を得ることができ,親の支援を受けながら自分なりの方法で採血に立ち向かうことができる.しかし,これらはほとんどが幼児後期の子どもが対象であり,親の存在の意義が大きい幼児前期の子どもを対象とした研究は少ない.目的 幼児前期の子どもの採血場面に,母親が付き添った場合の子どもの対処行動を明らかにすることを目的とする.方法 幼児前期の子どもに,母親が付き添った場合の行動をビデオ撮影し,採血終了後,母親へ半構成的面接を行った.結果 採血前は【緊張を高める】,【周囲を確認する】,【抵抗する】,【誘導に従う】,【安心を求める】,【覚悟する】の6カテゴリーと10サブカテゴリー,採血中は【緊張の持続】,【苦痛を表現する】,【誘導に従う】,【終了を予測する】,【安心を求める】,【進行を確認する】の6カテゴリーと11サブカテゴリー,採血後は【終了を確認する】,【緊張がとける】,【満足感を得る】の3カテゴリーと7サブカテゴリーが抽出された.結論 母親が付き添った場合の幼児前期の子どもの対処行動は,採血の経過をイメージすることができないため,母親が主体的に身体的接触を持ち,具体的な対処行動を示すことで見通しを得ることができる.また母親からの賞賛は,子どもの採血に対する緊張感を早期に解くことができる.
著者
平田 昌弘
出版者
日本酪農科学会
雑誌
ミルクサイエンス (ISSN:13430289)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.205-215, 2012 (Released:2014-03-15)
参考文献数
69
被引用文献数
1 1
著者
細馬 宏通 坊農 真弓 石黒 浩 平田 オリザ
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.60-68, 2014-01-05 (Released:2014-01-07)
参考文献数
15
被引用文献数
2

When the presence and the action of an android reach to those of human, andoroid can derive multi-modal action from human. How can human parties act with the android to organize the interaction and find the android as the social actor? We observed the development process of the play ``Three Sisters, Android Version'', and analyzed the multi-modal interaction between the android and human players in the process. As the result, the actors express the assessment of human likeness of the android with their utterances and body movements, and the border between human and machine was expressed with each modality in different way. Moreover, these expressions are not one-way product by the writer and director, but the product of repeated interactions between the actors and the android through the practice and rehearsals. Finally we discuss the possibility of ``media equation'' study using the direct observations of man-machine interaction.
著者
丸山 誠史 服部 健太郎 平田 岳史
出版者
日本地球化学会
雑誌
地球化学 (ISSN:03864073)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.187-199, 2014-09-25 (Released:2014-10-10)
参考文献数
41

Concentrations of uranium and thorium in commercial bottled mineral waters (81 domestic and 11 foreign products) have been analyzed using ICP-MS. Domestic bottled mineral waters exhibit very wide range of the uranium concentrations (0.1–3300 ng/L). However uranium concentrations of most samples were below 100 ng/L. There is no obvious correlation between the values of hardness and the uranium concentrations of the domestic bottled mineral waters. The uranium concentrations of foreign bottled mineral waters tended to be much higher than those of domestic ones (up to 4000 ng/L), and the values of hardness correlate roughly with the uranium concentration. It may be due to interactions between limestone and groundwater. Thorium concentrations of both domestic and foreign bottled mineral waters are typically less than 3.0 ng/L. Concentrations of uranium and thorium in bottled mineral waters were greatly lower than provisional guideline values defined by WHO. Therefore, it can be considered that there is no health risk chemically/radioactively induced by natural uranium and thorium in commercial mineral waters currently available in Japan, especially in Kyoto City.
著者
井上 有史 久保田 英幹 栗原 まな 馬場 啓至 平田 幸一 松岡 洋夫
出版者
日本てんかん学会
雑誌
てんかん研究 (ISSN:09120890)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.483-489, 2009-01-31
参考文献数
4
被引用文献数
4

2002年6月に道路交通法が改定され、てんかんをもつ人でも条件により運転が許可されるようになった。すべての人が更新を終えた法施行後5年後の実態および問題点について調査するため、警察庁(公安委員会)とてんかん学会会員にアンケートを送付した。警察庁からの提供資料は2003年、2005年と比較し、てんかん学会会員の回答は2003年の調査結果と比較した。合法的に免許を取得した人は2544人で、48%は再適性検査不要であり、要再検査は3年後がもっとも多かった。一方、免許不許可は169人、保留・停止は60人であった。95%が自己申告であり、多くは主治医診断書で処理され、臨時適性検査医によるものは2.5%であった。てんかん学会員は43名が回答し、半数以上がてんかんをもつ人の運転免許に関する意識がポジティブに変わったとした。すべてのてんかんで一律に同じ基準で判定することの問題、殊に希発発作、最近発症のてんかん、誘因のある場合等では、別個に判定すべきであるという意見があった。適性検査における問題点として、発作がおきるおそれがないとは断定できないこと、再発時の免許取消を改善すべきこと、判定医の責任の所在の明確化などが挙げられ、警察の適切な情報公開、学会の判定マニュアル作成や実証的研究推進などの要望があり、啓発活動の重要性が指摘された。法施行後5年が経過し、法の内容および処理手順については浸透してきており、具体的な問題点の整理検討と改善にむけての行動の必要性が指摘された。
著者
賈 露茜 平田 康 小林 明子 和気 裕之 木野 孔司 天笠 光雄
出版者
口腔病学会
雑誌
口腔病学会雑誌 (ISSN:03009149)
巻号頁・発行日
vol.73, no.1, pp.40-46, 2006-03-31 (Released:2010-10-08)
参考文献数
12
被引用文献数
13 15

The effect of acupuncture in sensory paralysis was evaluated in 43 patients. Thiry-two cases in the study group were after mandibular third molar extraction and 11 cases by postoperative injury of orthognathic surgery. Treatment was performed in four forms : needles only (A), A with moxibustion (AK), electrical needle stimulation (ESA) using LEP 4000 OhmPulser Ra direct current 6 V 5-100 Hz, and ESA+A : exercise therapy was also given 1 or 2 times weekly. There were, however, some variations depending on the patient's conditions.Visual analog scale (VAS) measurement was carried out in addition to the estimation of effectiveness.The group receiving ESA+A seemed to improve better than those receiving other forms of treatment.The results indicated that young patients less than 40 years old tend to improve with fewer treatment times of shorter duration.With respect to the relationship between the effect and the time of starting treatment, we noticed that the earlier the treatment is started, the better the improvement.In summary, the study indicated that acupuncture is useful in treating sensory paralysis.
著者
南 雅代 中村 俊夫 平田 和明 長岡 朋人 鵜澤 和宏 Hoshino Keigo
出版者
名古屋大学
雑誌
名古屋大学加速器質量分析計業績報告書
巻号頁・発行日
vol.18, pp.134-143, 2007-03
被引用文献数
2

第19回名古屋大学年代測定総合研究センターシンポジウム平成18(2006)年度報告<第2部> Proceedings of the 19th symposiumon on Chronological Studies at the Nagoya University Center for Chronological Researchin 2006 日時:平成19 (2007)年1月15日(月)~17日(水) 会場:名古屋大学シンポジオン Date:January15th-17th, 2007 Venue:Nagoya Uhiversity Symposion Hall
著者
桑田 真澄 川名 光太郎 間仁田 康祐 平田 竹男
出版者
Japan Society of Sports Industry
雑誌
スポーツ産業学研究 (ISSN:13430688)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.91-95, 2010 (Released:2010-06-07)
被引用文献数
1

The purpose of this study was to reveal how professional baseball players were trained while they were amateur baseball players, and to examine ways to improve the problems faced by amateur baseball players. A survey of 300 professional baseball players was conducted.    There were a lot of problems revealed in amateur baseball: “overwork and injury because of irrational, inefficient, and too long training” , “manner of the instructors” , “balance among baseball, studying, and playing” , and “violence to the players” . These results suggested that most professional baseball players wanted it to be done in a different way from their own experience, and that they had a strong awareness of the problems of traditional training.
著者
倉沢 康大 平田 和彦
出版者
特定非営利活動法人バードリサーチ
雑誌
Bird Research (ISSN:18801587)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.A31-A44, 2021 (Released:2021-08-17)
参考文献数
52

津軽海峡における海鳥の密度とその季節変化を明らかにするために,2006-2010年に津軽海峡で,函館(北海道)と大間(青森県)を結ぶ旅客フェリーからの海上センサスを行なった.周年にわたる計151回の調査の結果,11科51種の海鳥が記録された.渡り途中のミズナギドリ科(ハシボソミズナギドリ,ハイイロミズナギドリ)やアカエリヒレアシシギが飛来する4-5月に海鳥の密度が最も高かった.11-12月には種数が最も多くなり,越冬地への南下中と考えられるカモメ科やウミスズメ科が多く記録された.本研究により,津軽海峡は沿岸性から外洋性まで多様な海鳥が生息し,種によって本海域を利用する時期や密度が異なることが分かった.
著者
辻内 琢也 扇原 淳 桂川 泰典 小島 隆矢 金 智慧 平田 修三 多賀 努 増田 和高 岩垣 穂大 日高 友郎 明戸 隆浩 根ケ山 光一
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究は、「帰還か移住か避難継続か」の選択を迫られる原発事故被災者が、今後数年間で安心して生活できる新たな居住環境をどのように構築していくのか、現状と問題点を明らかにし、「居住福祉」に資する心理社会的ケアの戦略を人間科学的学融合研究にて提言していくことにある。「居住は基本的人権である」と言われるように、被災者が安心・安全に生活できる基盤を構築するためには、内科学・心身医学・公衆衛生学・臨床心理学・発達行動学・社会学・社会福祉学・平和学・建築学・環境科学といった学融合的な調査研究が欠かせない。応募者らは2011年発災当時から被災者支援を目指した研究を継続させており、本課題にてさらに発展を目指す。

28 0 0 0 OA 仙境異聞

著者
平田篤胤
出版者
巻号頁・発行日
vol.1巻,
著者
松本 正和 矢ケ崎 琢磨 平田 雅典
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.75, no.7, pp.410-415, 2020-07-05 (Released:2020-11-01)
参考文献数
43

マクロな単成分系では,温度,圧力が指定されれば,熱力学的に最も安定な相が一意に定まり,その構造は分子(の相互作用)のみに依存する.つまり,結晶構造は分子そのものにエンコードされていると言える.では,我々は分子を見ただけで,「ああ,この分子は結晶の種類が多いな」「この分子の相図は単純にちがいない」と判断できるだろうか? この質問に答えるためには,さまざまな物質で相図をくまなく描き,分子間相互作用と相図の複雑さの一般的な関係を導く必要があるが,現状ではこの問題はほとんど手つかずと言ってもさしつかえないだろう.水に関していえば,分子はもうこれ以上ないほど単純であるにもかかわらず,これまでに実験で17種類もの結晶形が見つかっている.しかも,おそらく最も研究されてきた物質なのに,今も次々に新たな結晶形が発見されているのである.近年の傾向として,計算機シミュレーションが実験に先立って氷の結晶構造とその物性を予測するようになったことが挙げられる.計算機を使えば,極端な熱力学条件を扱いやすいし,安定相だけでなく,競合する準安定相の安定性を見積もることもできる.2014年に合成された第16番目の氷結晶形(氷XVI)は,2001年にはその物性や安定条件が理論的に予測されていた.次に合成される結晶形も,シミュレーションですでに予測されているかもしれない.水は分子が極めて単純なので,最もシミュレーションしやすい物質のひとつである.水分子は原子3つが共有結合でつながった小分子で,ごく単純化されたモデルを使って近似計算すれば,さまざまな熱力学的な物性を短時間で再現できる.そのため,極めて早い時期(1970年代初頭)には分子動力学シミュレーションが実施され,以来計算機の発展とともに大規模なシミュレーションが行われ,相互作用モデルも精密化されてきた.では,計算機を使えば,冒頭に書いたように,分子間相互作用の知識だけから氷の相図を描けるのか.これまでにさまざまな結晶予測手法が提案されているものの,決定打と言うべき方法はまだ見つかっていない.分子間相互作用が弱く,精密な相互作用計算が必要であること,氷の単位胞が大きく,探索すべき構造の多様性が膨大であることがこの問題を難しくしている.我々は,はじめから新しい氷を探しだすことを狙っていたわけではなく,また,結晶構造を探索する革新的な手法を見つけたわけでもない.既知のさまざまな氷の結晶形の相転移過程(融解・凍結)を計算機シミュレーションで再現したい,という目的で計算をはじめたが,その過程で期せずして新奇な氷の形成に次々に遭遇し,結晶構造探索の奥深さと困難さを思い知ることになった.一方で,水素結合ネットワークが形作る結晶構造の面白さと可能性を知ることができた.分子が多数集まることではじめて生じる面白い現象を,水分子を先鋒として探っていこう,そこでの発見や経験がゆくゆくはもっと複雑な分子で起こる現象,ひいては新しい物理の発見にもつながるだろう,というのが我々の研究の目指す方向である.
著者
江種 伸之 姜 学妍 峠 和男 西田 憲司 平田 健正
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
地盤工学ジャーナル (ISSN:18806341)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.297-304, 2011-06-30 (Released:2011-07-01)
参考文献数
11

土壌汚染対策法の施行規則では,原位置封じ込めが地下水汚染を経由した健康被害を防止するための標準的措置になっている。しかし,同法の主な対象と考えられる市街地では,原位置封じ込めの適用条件を満足する不透水層があまり存在しないことが明らかになってきた。そこで本研究では,より多くの現場に適用可能な原位置封じ込め措置として地下水揚水併用型を考え,数値解析を実施して汚染拡散防止効果を考察した。その結果,薄い難透水層しか存在しない現場においても,地下水揚水の併用によって,原位置封じ込め措置を適用できることが確認された。また,汚染拡散防止に必要な難透水層内の上向きの地下水浸透量は,封じ込め区域900m2あたり0.1m3/d程度でよいことも推察された。これは,遮水壁の性能が十分であれば,地下水揚水量が難透水層内の浸透量と同程度の少量で済むことを示唆している。