著者
中村 聡史 平田 佐智子 秋田 喜美
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

時間的推移によるオノマトペの意味変化の可能性に対して、オノマトペの通時的研究は少ない。本研究では大規模な話し言葉データである国会議事録を元に、発言中のオノマトペの頻度及び共起する語の分析により、オノマトペの意味がどのように推移したのかを検討する。また、情報学と心理学・言語学という分野を大きく横断した研究において、各分野の研究者がどのように相互に貢献できるかといった点について知見を報告する。
著者
平田 佐智子 秋田 喜美 小松 孝徳 中村 聡史 藤井 弘樹 澤井 大樹
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

オノマトペ(擬音語・擬態語)は文学作品のみならず、漫画や商品の宣伝などに幅広く使用される。その一方で、話し言葉におけるオノマトペ使用頻度は地域や状況によって異なり、特に近畿・東北圏の使用頻度が高いという指摘がなされている。そこで、本研究では一般的に信じられている「近畿や東北の人は会話におけるオノマトペ使用頻度が高い」という信念が実際に存在するのか、またその信念が生じる起因を探ることを目的とする。
著者
屋井 鉄雄 平田 輝満 福田 大輔 鈴木 美緒 古倉 宗治 高川 剛
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

無数に存在する交差点での自転車と自動車の出合い頭事故を防ぐことを目的とし,自転車を検知するディテクターの諸元の検討,および事故を再現できるシステムの構築を行なった.その結果,歩道上の自転車の検知には70[mm]×150[mm]、300[μH]程度の四角形コイルが適していた。また,動体視野角の概念と実地観測調査結果を用い,仮想空間内で対象とする出合い頭事故の再現を可能とし,ドライビングシミュレータにより左側から進入する自転車を見落とし,衝突に至る過程を再現することができた.
著者
中野 明彦 植村 知博 佐藤 健 安部 弘 平田 龍吾 齊藤 知恵子 黒川 量雄 富永 基樹 上田 貴志
出版者
東京大学
雑誌
特別推進研究
巻号頁・発行日
2008

細胞内膜交通の問題に生化学、遺伝学と最新のライブイメージング技術を駆使して取り組み、小胞に濃縮した積荷タンパク質を安全かつ確実に受け取る仕組みなど、選別輸送の新たな機構を解明することができた。また酵母から高等植物への展開から、進化の過程で植物が獲得した新たな膜交通機構を明らかにし、従来の動物細胞の研究だけからでは十分に理解できなかったゴルジ体層板形成、ポストゴルジ交通などの複雑な事象を整理する手がかりを得た。
著者
平田 文夫
出版者
至文堂
雑誌
物理化學の進歩
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.242-276, 1930-12-09
著者
高橋 智 平田 勝政 茂木 俊彦
出版者
日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.33-46, 1990-03-10

近年、国内外で障害の概念構造についての理論的研究が深化しつつあるが、個々の障害に即した概念整理は不十分であり、「精神薄弱」概念についてはそれが特に著しい。そこで本研究ではその一環として、戦前の精神医学分野の「精神薄弱」概念の形成・展開過程及び到達点の歴史的解明を行った。検討素材に、主要な精神医学雑誌である『精神神経学雑誌』と『精神衛生』を用いた。得られた結果は次の様である。(1)「精神薄弱」を病理・臨床の面からは疾病・欠陥と規定し、精神衛生では断種等の社会問題対策的視点から規定しており、精神医学でも「精神薄弱」概念の定義に大きな相違がみられる。(2)クレペリンの「白痴・痴愚・魯鈍」の3分類を基本としつつも、「精神薄弱」概念論争にみられる様に、知能指数等の心理学的概念の採用が現実的要請から承認された。(3)戦前の「精神薄弱」概念の到達点と「特殊児童判別基準」等の戦後の概念には連続性が確認された。
著者
平田 隆幸 黒岩 丈介 浅井 竜哉
出版者
福井大学
雑誌
福井大学工学部研究報告 (ISSN:04298373)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.161-167, 2004-09-30

A numerical simulation of Hodgkin-Huxley model was carried out by using a Runge-Kutta method. In the numerical simulation, the functions of Numerical Recipes in C were used for solving the Hodgkin-Huxley equation. The accuracy of numerical solutions was discussed for both simple Runge-Kutta method and adaptive stepsize control Runge-Kutta method. The difference between simulation performed by using float type variables and one by using double type variables was also discussed. A large neural network of Hodgkin-Huxley neurons was carried out. A synchronization in the neural network was observed by changing the weight of synaptic transmission.
著者
平井 康夫 郭 宗正 清水 敬生 中山 一武 手島 英雄 陳 瑞東 浜田 哲郎 藤本 郁野 山内 一弘 荷見 勝彦 増淵 一正 佐野 裕作 平田 守男
出版者
社団法人日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.40, no.11, pp.1707-1710, 1988-11-01

1971年より1985年の間に, 癌研婦人科で初回治療として開腹手術を施行した子宮体癌連続235症例について, 術中腹水細胞診を施行し, 進行期別に再発や生存率との関連を検討し以下の成績を得た. 1. 腹水細胞診の陽性率は, 全体で18.7% (235例中44例), I期 14.5% (173例中25例), II期 21.2% (33例中7例), III期 32.0% (25例中8例)であつた. 2. I期体癌の腹水細胞診陽性例のうち, 術中に腹膜転移を認めないのに腹水細胞診が陽性であつた20例の5年および10年累積生存率は, それぞれ94.7%, 94.7%であり, 陰性例の92.7%, 90.9%とくらべ, 有意差を認めなかつた. また, この期の再発率は, 細胞診陽性例で12.0%, 陰性例で9.5%であり, 両者に有意差を認めなかつた. 3. II期およびIII期体癌のうち, 術中に腹膜転移を認めないのに腹水細胞診が陽性であつた9例の生存率と, 同期の腹水細胞陰性例47例の生存率との間にも有意差を認めなかつた. 4. 子宮体癌においては, 術中に肉眼的腹膜転移を認めない場合は, 術中腹水への悪性細胞の出現の有無は, 予後と関連しなかつた.
著者
岩切 一幸 外山 みどり 高橋 正也 木口 昌子 平田 衛 樋口 重和 北原 照代 垰田 和史 久永 直見
出版者
独立行政法人 労働安全衛生総合研究所
雑誌
労働安全衛生研究 (ISSN:18826822)
巻号頁・発行日
vol.1, no.3, pp.255-265, 2008 (Released:2009-12-25)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

本稿では,介護労働において安全衛生上大きな問題となっている介護者の腰痛を取り上げ,その発生状況や予防対策を紹介するとともに,著者らが作成した「介護者のための腰痛予防マニュアル~安全な移乗のために~」を解説する.このマニュアルは,介護機器を活用する際の参考資料として厚生労働省通達の「職場における腰痛発生状況の分析について」で引用されており,介護機器を利用した介護者の腰痛予防教育などに利用できる.
著者
藤田 和生 板倉 昭二 明和 政子 平田 聡
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2008

意識や内省と呼ばれる自身の心の内部への能動的アクセス、及び読心と呼ばれる他者の心的状態の理解の発生過程、ならびにそれらの相互関連性を、広範な種比較と発達比較を通じて多面的に検討した。その結果、霊長類のみならずイヌや鳥類にもこれらの認知的メタプロセスが存在することが明らかになった。また霊長類は自身の利益には無関係な第3者の評価をおこなうなど、優れた他者理解機能を持つことを示した。さらに、他者理解は対応する自己経験により促進され、自己理解と他者理解に確かに関連性があることを示した。
著者
平田 貴子
出版者
川崎医療短期大学
雑誌
川崎医療短期大学紀要 (ISSN:02873028)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.47-51, 2007

現在,共働き家庭や働く女性,母子・父子家庭の増加,地域環境の変化,学校週五日制の導入などに件い,学童保育の需要が高まっている.それは,帰宅途中の子どもの誘拐や殺傷事件が報じられ,放課後の子どもの生活が安全で且つ安心な場にとの要求,また,学校が競争的な環境が強まっているがゆえに,学童保育を子どもの人間的な発達を求める機会と場として望む親も増え,質の高い保育ニーズが求められている.しかし,1997年6月に学童保育が「放課後児童健全育成事業]として法制化されかにもかかわらず,具体的な施設の最低基準等が明記されず,また,学童保育指導員の資格や専門性が不明確である.そこで,学童保育の課題を明らかにするにあたって,本校では,わが国における学童保育の歴史を整理した.
著者
八谷 満 古山 隆司 福森 功 市戸 万丈 平田 晃 桑名 隆
出版者
日本家畜管理学会
雑誌
日本家畜管理学会誌 (ISSN:13421131)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.115-127, 2000-12-15
被引用文献数
4

繋ぎ飼い用搾乳ロボットシステムの開発に向けて、特にマニピュレータ機構の設計指針を得ることを目的として、ホルスタイン種泌乳牛111頭を供試して体尺測定調査を実施した。ロボットはストール後方より牛に接近して、牛体位置検出機構は牛体において変形量の少ない部位として坐骨端と左右の腰角を捕捉する。本機構に自動搾乳ユニットを搭載することによって、機械系の原点と牛体との水平面上での相対的位置関係をほぼ確定し、牛体の動きに追従して両者の位置関係を維持する。これを基本的な機械設計概念とする。その上で、牛体とロボット機械系双方の安全性を確保するために、ロボット作業環境内の四肢や乳房等の配置から干渉あるいは衝突の可能性の低い部分を抽出し、動作可能な空間領域をモデル的に示した。これを考慮した機械系, 特にロボットマニピュレータの関節構成と軌道生成を提案した。マニピュレータ機構は、平面的な位置決めと姿勢決めの回転自由度を各々2と1、これにティートカップ装着動作のための並進自由度1を加え、計4自由度の基本仕様で対応可能と判断された。マニピュレータの標準作業域は、牛体軸上の坐骨端からの距離380mmの点を中心とする、350×350mm区画が4乳頭の散在する領域である。この領域においては、エンドエフェクタを有する第3アームを常に牛体軸に平行な姿勢に制御することによって、後肢を回避しながら、狭降な後肢内側空間においてテイートカップのマニピュレーションが可能であると推察された。マニピュレータ機構をモデル的に単純化して、位置制御するための関節変数ベクトルを求める逆運動学問題の解を示した。X-Y平面内での運動特性を考慮して、第1、第2および第3アームリンク長をそれぞれ400mm、350mmおよび200mmと設定した。また、マニピュレータ台座の適正な位置をX、Y座標それぞれ580mm、520mmと設定した。日本家畜管理学会誌、36(3)115-127、2000 1999年4月12日受付2000年9月1日受理
著者
高井 康太 千葉 広大 藤村 武史 平田 純也 合田 竜志 巳波 弘佳 長田 典子
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.35, no.8, pp.73-76, 2011-02-12

ピアノ演奏をCGアニメーションで表現する技術が,コンテンツ制作や音楽教育などさまざまな分野で求められている.我々はリアルで自然なピアノ演奏動作の解析やCG表現の研究を進めている.本研究では,ピアノの演奏動作を楽譜のみから自動生成し,リアルなCGアニメーションを出力する方法を提案する.ピアノ運指および軌道は最適化手法により決定する.自動生成された演奏モーションは演奏スキルレベルによってヒューマナイズされ,GPUレンダリングによりリアルな肌質感をリアルタイムに表現する.これらはピアノ演奏技術の学習支援等に利用できる.
著者
大塚 眞理子 大嶋 伸雄 平田 美和 新井 利民 大熊 明 高田 玲子 井口 佳晴 小川 恵子 加藤 巳佐子 藤井 博之
出版者
埼玉県立大学
雑誌
埼玉県立大学紀要 (ISSN:13458582)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.131-137, 2002
被引用文献数
2

本研究の目的は、ケアマネジャーとサービス提供者による質の高い介護サービスを利用者に提供するためにITを活用したWEBケアフォーラムを開発・試行し、その効果を明らかにしてWEBケアフォーラム活用の可能性を検討することである。3事例に試行し利用者から好評をえた。3名のケアマネジャーからは【孤立性や不安の軽減】と【ケアマネジメント技術への支援を得る】が得られた。参加したチームメンバーが得た成果は、【援助感の変化】【他職種のイメージの転換と理解の促進】【利用者に対する理解の変化と援助の自信】であった。フォーラムの利点は【情報共通化の促進】【利用者の状態把握の促進】【サービス提供時の安心感の増進】【擬似カンファレンス機能によるチーム意識の向上】などであった。WEBケアフォーラムは在宅ケアにおけるチームの連携・協働を促進する効果があり、活用の可能性と課題が示唆された。
著者
平田 栄一朗
出版者
慶應義塾大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

同研究により、日本とドイツ演劇のドラマトゥルギーに関連するドイツ語書籍を一冊編纂・出版し、ユートピア研究と文学・演劇に関する日本語書籍を出版することができた。さらには、ドイツ、ギリシア、カナダ、アメリカの国際シンポジウムに参加し、日本とヨーロッパ演劇の比較論的考察について議論する機会をもつことができた。とりわけ上記のドイツ語は、日本と諸外国の研究者が現代日本演劇をドイツ語で最初に網羅的に紹介する世界初の研究書となった。
著者
青木 一勝 飯塚 毅 平田 岳史 丸山 茂徳 寺林 優
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.113, no.5, pp.171-183, 2007-05-15
被引用文献数
10 65

四国中央部大歩危地域に分布する三波川結晶片岩類は,原岩層序に基づき構造的上位から下位に向かい三縄層,小歩危層,川口層に分類されてきた.今回,それぞれの層から火成ジルコンを分離し,LA-ICP-MSを用いてU-Pb年代測定を行った結果,三縄層中のジルコンの多くが1900-1800Maの火成年代を示した.一方,小歩危層・川口層中のジルコンから得られた火成年代は三縄層よりも若く,その中で最も若い年代は,それぞれ92±4Ma,82±11Maであった.両層の堆積年代は更に若く,その年代は,四万十帯北帯の付加年代と一致する.このことから,従来,三波川帯と見なされてきた小歩危層,川口層は,四万十帯北帯であることが明らかになった.したがって,三縄層と小歩危層の層境界は,三波川帯/四万十帯境界にあたる.また,大歩危地域における構造的累重関係は,三波川変成帯が四万十帯の構造的上位に位置することを示している.
著者
平田 恵子 島村 保洋 鈴木 敬子 貞升 友紀 伊藤 弘一
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.46, no.6, pp.263-269, 2005-12-25
参考文献数
9
被引用文献数
3

食品添加物酵素処理ステビアの成分分析法を開発した.分析条件を設定するため,まずグルコアミラーゼを用いて付加糖の加水分解条件を検討したところ,反応温度および時間は55℃,3時間,グルコアミラーゼ量は反応溶液10mL中250 Uが適切な条件であった.C18カートリッジカラムによる固相抽出法で試料から多糖類などの除去を行い,さらに加水分解して得られた配糖体および遊離糖をC18カートリッジカラムで分離し,それぞれの含有量をHPLCにより測定した.本法により,3試料を分析したところ付加糖としてグルコースが検出され,その含有量は25~42% であり,未反応配糖体含有量を除いた配糖体総含有量は35.7~52.5% であった.両含有量を合計した酵素処理ステビア成分含量は77.5~80.4% で,回収率(C18カートリッジカラム処理後の試料量を100としたとき)はすべて85% 以上であった.また,糖量に係数(×0.9)を乗じさらに乾燥物換算して得られた成分含量値は,すべての試料で80.0% 以上であり,日本食品添加物協会の規格値を満たした.
著者
田中 和永 小澤 徹 大谷 光春 西田 孝明 山崎 昌男 山田 義雄 柳田 英二 倉田 和浩 足達 慎二 平田 潤 関口 昌由 佐藤 洋平
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

非線型問題の研究を変分的手法により行った. 特に(1) 非線型シュレディンガーおよびその連立系に対する特異摂動問題に関して凝集解の変分的構成を行い, 非常に一般的な設定の下でその存在を示した. (2) 非線型楕円型方程式 (系) の解の存在を種々の設定の下で扱い, 解の新しい変分的構成を与えた. また解の安定性, 不安定性の研究を行った. (3) 空間次元 1 の特異摂動問題においては高振動解の特徴付けと存在結果を与えた.