著者
栗原 一貴 望月 俊男 大浦 弘樹 椿本弥生 西森 年寿 中原 淳 山内 祐平 長尾 確
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.391-403, 2010-02-15
被引用文献数
3

本論文では,現在一般的に行われているスライド提示型プレゼンテーション方法論について,その特徴を表す新しい定量的指標を提案する.提案指標は,「準備した順に発表資料を提示しているか」および「発表者と聴衆がどれくらい離れたところを表示しているか」を数値的に表現するものである.この指標を用いることで,プレゼンテーションの改善を図る様々な拡張手法を定量的に評価することが可能となる.さらに,提案手法を算出可能なプラットフォームシステム,Borderless Canvasを開発する.大学院講義における運用を通じて提案指標の算出と可視化例,解釈例を示し,指標の有効性と限界,適切な適用方法を議論する.In this paper we propose quantitative metrics to enable discussing the effectiveness and the limitations of extended methods of slide-based presentation methodology, which is widely used and studied today. We define metrics to estimate such as "how the presenter follows the prepared sequence of topics" and "how the presenter's behavior and every member of the audience's behavior differ." Then we develop a ZUI multi-display discussion software, Borderless Canvas, as a platform for calculating the metrics. The result of a situated datataking in a graduate school class for a semester shows an example usage of the metrics and their interpretation. Based on this, we discuss their effectiveness and limitation to apply them to evaluate extended methods of slide-based presentation methodology.
著者
尾澤 重知 望月 俊男 江木 啓訓 國藤 進
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.281-294, 2005
参考文献数
27
被引用文献数
7

高等教育の授業実践において, グループの協調的な研究活動の再吟味(リフレクション)の支援方法の検討を目的としたデザイン実験を3年間実施した.本研究では, 学期半ばに各グループに対して行った学生アシスタントの形成的な評価のフィードバック(初年次), もしくはグループ間の相互評価とその結果のフィードバック(2∿3年次)が, 各グループの研究活動に与えた効果を検討する.その結果, グループ間の相互評価の方がアシスタントによる評価のフィードバックよりも研究活動に影響を与えうることや, 約半数のグループが外部からの評価を取り入れながら「研究対象」「研究方法」「研究目的」「発表形態」についての再吟味を行い, 研究内容の質的向上を図っていることが示された.また, 再吟味が生じにくい条件についても示唆が得られた.
著者
八重 樫文 望月 俊男 加藤 浩 西森 年寿 永盛 祐介 藤田 忍
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.193-196, 2008
被引用文献数
1

高等教育のPBLにおいて,学生が授業時間外の分散環境でも,クラス全体および他グループの活動を意識して,グループ作業を円滑に進めるために,これまでに筆者らが開発してきたPBL支援グループウェアに実装する新機能を設計した.新機能には,常に他者の作業の様子が見え,他者間の会話が自然に聞こえてくるという特徴を持つ,美術大学のデザイン教育における「工房・スタジオ的学習空間」の要素を取り入れた.これを大学授業で利用したところ,学習者に対し,他グループから常に見られていることで自グループの作業への意識を高め,自分の作業の調整を促進する効果が示された.
著者
望月 俊男
出版者
総合研究大学院大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2003

本研究では,高等教育におけるe-Learningの導入において一般的な,対面コミュニケーションとCMC (Computer-mediated Communication)が併用される教育場面を対象に,(1)対面協調学習における協調学習環境のあり方を検討し,学習者が参加しやすい学習環境をデザインする,(2)協調学習の学習活動の状態を示す学習環境を構築する,(3)協調学習の評価法を開発する,(4)これらの成果を実践的に評価する,ことを通じて,対面コミュニケーションとCMCの統合的な学習環境のあり方を実践的かつ理論的に提示することを目指している.平成15年度の研究では,これらの研究課題について以下の成果が得られた.(1)e-Learningにおける協調学習には,対面学習機会が強く影響しており,対面コミュニケーションの機会に学習者が学習内容を十分に理解できるような学習環境が必要であることが示された.それに際し,学習者全員が議論の内容・過程を理解し,誰でも編集可能な,オープンな学習環境を提供することが有効である可能性を示した.(2)e-Learningにおける協調学習では,学習者がコミュニケーションや分業等の学習の状態について振り返りを行えるような自己評価の支援環境を提供する必要性があることを,理論的に整理した.(3)(2)の結論をもとに,テキストマイニングの技術を用いて学習者コミュニケーションの内容を可視化する協調学習の評価方法を提案し,その有効性を予備的に検証した.(4)この協調学習の評価方法をもとに,学習者間のコミュニケーションを自己評価しリフレクションをするためのCSCL環境を開発した.そして,授業実践において,そのCSCL環境を用いて,学習者がコミュニケーションを振り返りながら,多様かつ活発に議論に参加できることを確認した.これらの研究成果は,学会論文誌主著3本,書籍分担執筆2冊に集約し,公刊した.
著者
望月 俊男 小湊 啓爾 北澤 武 永岡 慶三 加藤 浩
出版者
放送大学
雑誌
メディア教育研究 (ISSN:13441264)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.25-37, 2003
被引用文献数
9

本研究の目的は、ポートフォリオ評価法の理論的枠組みと、ポートフォリオ評価法をe-Learningに導入した研究の知見を概観し、ポートフォリオ評価法を応用したe-Learning環境のデザインについて考察することにある。ポートフォリオ評価法の研究は勃興期に位置づけられる。多くの研究が学習者中心型アプローチの立場から、ポートフォリオ評価法をe-Learning環境に導入するフレームワークを検討し、一部の研究はその効果を検証している段階にある。ポートフォリオを作成することや、そのための支援ツールの実装に注目が集まっている。ポートフォリオ評価法の理念に立ち返れば、学習者と熟達者間、あるいは学習者相互によるポートフォリオの検討やその評価、学習活動の改善に向けた内省や計画立案といった学習活動を行うためのコミュニケーション環境を充実させることが重要である。また、様々な学習方法に対応して、その学習プロセスに対する内省を促進するようなポートフォリオ作成を支援することが、e-Leamingにおける学習環境デザインに必要である。
著者
千葉 泰介 武川 直樹 望月 俊男 山下 清美
出版者
専修大学ネットワーク情報学会
雑誌
専修ネットワーク&インフォメーション (ISSN:13471449)
巻号頁・発行日
no.16, pp.1-8, 2010-01

In this paper, the authors make a hypothesis of a factor model to stimulate student group work and examine the model by conducting questionnaire surveys of undergraduate students who participated in a year-long project-based learning at the Scool of Network and Information, Senshu University. 511 students answered two surveys on their experience and feelings in the middle of and in the end of their project-based learning. Our findings are as follows: (a) some portions of our initial model are supported, (b) positive atmosphere in a group and good task management stimulate group learning activities. The results indicate that students should make opportunities to have convivial meetings and share recreational activities at astage in the formation of their groups. Furthermore, task management is an important element to stimulate their group work in the period of promoting their learning activities.
著者
脇本 健弘 苅宿 俊文 八重樫 文 望月 俊男 酒井 俊典 中原 淳
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.209-218, 2010
被引用文献数
1

本研究では,初任教師の育成として授業に関するメンタリングに注目をした.メンタリングとは,経験を積んだ専門家(熟達教師)が新参の専門家(初任教師)の自立を見守り,援助することである.初任教師を対象に授業に関するメンタリングを行う際は,初任教師が授業を行い,子どもの姿をもとにした授業の振り返りを行うことが有効である.しかし,子どもの姿をもとにした授業の振り返りを行う際に,(1)対話内容が授業技術や理論的なもの中心で,具体的な子どもの話がでてこない,(2)熟達教師の子どもの話が初任教師に伝わらない,(3)振り返る子どもに偏りが出るという問題がある.上記問題を解決するために,メンタリング支援システムFRICA(読み方:フリカ)を開発した.その結果,FRICAを利用することにより,子どもの話が引き出され,初任教師に伝わるように熟達教師が子どもの話ができるようになった.また,子どもの偏りに関しても効果がみられた.
著者
望月 俊男 久松 慎一 八重樫 文 永田 智子 藤谷 哲 中原 淳 西森 年寿 鈴木 真理子 加藤 浩
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.23-33, 2005
被引用文献数
11

本研究では, 電子会議室で協調学習を行う学習者の発言データをもとに, そこで各学習者が発言している議論の内容とプロセスを可視化するソフトウェアi-Beeを開発した.i-Beeは任意の期間を単位として, 各学習者がどのようなキーワードをもとに発話したのか, 相互関係をまとめたマップを提示する.また, 過去にさかのぼってマップの変化の過程を確認できる.ある大学の授業で, i-Beeを利用して電子会議室上で議論を行い, その有効性を検討したところ, 学習者がi-Beeを見ることで, 自分自身や他の学習者の議論への関わりや, その時点までの関わりの変化の特徴に気づくことができることが分かった.また, 学習者がこれまで関わってこなかった学習者や話題にアクセスしたり, 議論への関わり方をリフレクションすることを促すリソースとなることが示された.