著者
朝比奈 正二郎
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.6-15, 1965
被引用文献数
1

日本の南部から琉球台湾にかけて, 一見チヤバネゴキブリに似てさらに扁平な体で, 前胸背に黒条を欠く種類が, 野外に比較的普通に棲息している.これは今迄"ウスチャバネゴキブリPhyllodromia vilis"と呼ばれていたものであるが, この種の学名の訂正を行い, 生活史分布等の知見をまとめ, また邦産の同属の他の2種類についても, 今迄に解つた事実をここにとりまとめておきたいと思う.本稿をまとめるに当つて直接間接に御世話になつた方々, 特に資料の標本について御援助下さつた方々は本文中に御名前も出ているが, これらの方々に対して改めて深謝の意を表する.
著者
土谷 薫 朝比奈 靖浩 泉 並木
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.105, no.6, pp.808-816, 2008 (Released:2008-06-05)
参考文献数
38
被引用文献数
1

非代償性肝硬変患者において分岐鎖アミノ酸(BCAA)長期投与がイベント発生率(肝癌発生·静脈瘤破裂·肝不全の進行)を有意に低下させることは本邦からの大規模臨床試験で証明されている.今回われわれは肝癌根治治療後症例に対するBCAA長期投与の臨床的意義を検討し,特に初回治療前Alb 3.5g/dl以下の症例ではBCAA長期投与により有意に累積生存率が向上し3回目再発率が低下した結果を得た.今後はBTRやインスリン抵抗性(HOMA-IR)などさまざまな項目を検討し長期BCAA補充療法の適応症例について検討が必要である.
著者
朝比奈 新
出版者
地方史研究協議会
雑誌
地方史研究 (ISSN:05777542)
巻号頁・発行日
vol.69, no.6, pp.19-37, 2019-12
著者
谷野 祐子 小野 恵美 朝比奈 七緒 大塚 志乃ぶ 森谷 美智子 藤井 美穂子 松井 典子
出版者
日本母性衛生学会
雑誌
母性衛生 = Japanese Lournal of Maternal Health (ISSN:03881512)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.90-96, 2007-04-01
参考文献数
17
被引用文献数
1

父親対象の産前産後の育児指導受講の有無が,1ヵ月後の育児参加に与える影響を明らかにするために,児の1ヵ月健康診査で来院した父親99名を対象に無記名式質問紙調査を行った。その結果64名から有効回答が得られ,産前・産後の育児指導の受講状況別に比較検討したところ,次の結果が得られた。1.産前に育児指導を受講した父親35名のうち,産後指導を受講した父親21名(60.0%)であった。また,産後指導の受講の有無にかかわらず,父親の育児態度は高かった。しかし,産後指導を受講した父親のほうが育児技術を実施していた。2.産前の育児指導を受講しなかった父親29名のうち,産後指導を受講した父親は8名(27.6%)であった。また,産後指導の受講の有無と,父親の育児態度や育児技術実施状況に関連はみられなかった。以上より,父親の育児参加を高めるためには,産後の育児指導を受講するだけでは効果が不十分であり,産前からの継続的な受講が有効であることが示唆された。
著者
朝比奈,英三
出版者
東京動物學會
雑誌
動物学雑誌
巻号頁・発行日
vol.81, no.4, 1972-12-15
著者
荒木 信之 朝比奈 正人
出版者
日本神経治療学会
雑誌
神経治療学 (ISSN:09168443)
巻号頁・発行日
vol.35, no.5, pp.624-627, 2018 (Released:2019-05-15)
参考文献数
56

Article on novel development of neurological treatment published in 2017 were reviewed.Neurogenic orthostatic hypotension (OH) and postprandial hypotension (PH) : According to the Grading of Recommendations Assessment, Development and Evaluation (GRADE), abdominal binder, midodrine and droxidopa were assessed as strong recommendation for OH, and acarbose as strong recommendation for PH.Postural tachycardia syndrome (PoTS) : Ivabradine showed a possibility of effectiveness for PoTS, but.droxidopa did not improve significantly.Vasovagal syncope : Fluoxetine improved vasovagal syncope in patients with anxiety. Dual–Chamber pacing significantly reduced the recurrence of vasovagal syncope.Urinary disturbance : Solifenacine increased maximum cystometric capacity, and injection of onabotulinum toxin A reduced frequency of urinary incontinence.Chronic constipation : Lubiprostone increased spontaneous bowel movements in diabetic patients with constipation. Low dose linaclotide improved chronic idiopathic constipation. The phase II trial suggest that a clinically optimal dose of elobixibat is 10mg/day for Japanese patients with chronic constipation. Naldemedine significantly increased spontaneous bowel movements in patients with opioid–induced constipation.Anhidrosis : Degranulation and shrinkage of dark cells in eccrine glands and elevated serum carcinoembryonic antigen were seen in patients with acquired idiopathic generalized anhidrosis (AIGA). The Japanese guideline of AIGA was revised in 2017.Hyperhidrosis : Percutaneous and oral oxybutynin administration improved hyperhidrosis.
著者
瀧上 唯夫 秋山 裕喜 朝比奈 峰之 山本 克也
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.84, no.861, pp.17-00531-17-00531, 2018 (Released:2018-05-25)
参考文献数
13
被引用文献数
1

It is one of the important issues to investigate the vibration behavior of railway bogies, since the vibration of the bogies may result in loosening bolts which fix the parts to the bogie frames or/and fatigue fracture of the parts themselves. A technique for predicting the vibration of bogie parts is proposed by which the acceleration power spectral densities (PSDs) at evaluated points are predicted with the use of frequency response functions (FRFs) between the axle boxes and the evaluated points, together with the use of measured accelerations of axle boxes. Stationary excitation tests are conducted to identify the FRFs, and the axle boxes or rails were hit with impulse hammers to excite the bogies. Alternatively, the new approach without the stationary tests is also proposed in this study. In this case, the FRFs are identified with the accelerations acquired in the preliminary running tests in car depots. The proposed technique is applied to the vibration prediction of the bogies for several types of railway vehicles including electric cars and a diesel car, and the differences or ratio between the predicted and actually measured PSDs are evaluated. It is confirmed that the preliminary running tests are preferable to stationary excitation tests for improving the prediction accuracy. It is also verified that the prediction error can be reduced in the case where not only the vertical but the lateral and longitudinal accelerations of axle boxes are considered as the excitation inputs under the conditions that the principal component regression is applied to identify the FRFs.
著者
都甲 由紀子 朝比奈 はるか 王 立松 王 東 張 穎君
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.66, 2014

目的:中国雲南省山岳地域において少数民族の彝族が纏う民族衣装の装飾方法に関する伝統知識や技術、その伝承について調査する。<br>方法:2011~2013年にわたり雲南省各地で3回のフィールド調査を行った。 街中で手刺繍をしたり手刺繍の民族衣装を身につけていたりした人々や、手刺繍商品販売会社の社長、山間部の村人らに手作りの衣装に関してインタビューを行い、現状を把握し記録をとった。村人の踊りや衣装の様子、そして演者が現地で刺繍職人から技術指導を受けている様子などの動画や画像を撮影し、技術につき分析した。<br>結果:中国雲南省の少数民族の中で最も人口が多いのが彝族である。雲南省の中だけでも彝族はいくつものグループに分かれ、それぞれが形、色などにおいて特徴をもった民族衣装を身に着けていた。彝族の民族衣装には多くの刺繍が施されているのが特徴であり、彝族の宗教観がはっきりした色使いと輪郭をもった刺繍、すなわち題材のモチーフ化という形に表れており、自然写実を好む漢民族との大きな違いであることが今回の調査の結果確認された。また刺繍の技術は母から娘に伝承されてきたが、現在は市場において手刺繍が施されたパーツが販売され、ミシン刺繍が施された民族衣装もあり、技術の伝承も行われなくなりつつある。しかし道端や公園で刺繍をする少数民族女性の姿はよく見かけ、刺繍などの針仕事が今なお日常の中に存在していることが確認された。
著者
朝比奈 諒 藤居 昭吾 山本 悦治
出版者
日本医用画像工学会
雑誌
Medical Imaging Technology (ISSN:0288450X)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.212-221, 2014 (Released:2014-08-05)
参考文献数
14

MRI画像シミュレータは,パルスシーケンスやハードウェア開発の効率向上に有用である.しかし,拡散強調画像に関しては計算量が膨大なため,ヒト脳サイズモデルを扱えるシミュレータは報告されていなかった.われわれは新規に提案した高速法を適用することで,年単位の計算時間を数時間にまで短縮した.一方で,シミュレータに対する性能向上への要求は高まる傾向にあり,計算時間の増大を招いている.そこでさらなる高速法として圧縮センシングをシミュレータに応用することを提案する.検討結果によれば,約30%のデータからでもシミュレータとしての動作に耐えられることが推定され,約3倍の高速化が見込まれた.応用例として,拡散強調画像撮像用MPGの振幅変動を想定し,得られる画像を評価した.その結果,データ利用率30%の圧縮センシングでも,MPGの振幅変動と画質劣化との関係を再現でき,開発したシミュレータが装置開発に有用であることが確認できた.
著者
朝比奈 俊彦 小林 隆夫 寺尾 俊彦
出版者
社団法人日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.42, no.9, pp.1168-1174, 1990-09-01
被引用文献数
1

目的:受精卵の着床や妊娠初期の接着現象に関しては, その機序は依然として不明な点が多くいまだ十分解明されているとはいえない. そこでわれわれは, 着床直後のマウス初期胚およびヒト初期妊娠着床部, さらに正常子宮内膜培養細胞における接着関与物質の局在を酵素抗体法を用いて検索し, 初期胚と子宮内膜との接着機構の解明を試みた. 方法:(1)ICR系雌マウスをPMS-hCGを用い過排卵処理し交配させ, 妊娠5日目に子宮を摘出しfibronectin (FN), laminin (LM), type IV collagen (C_<IV>), XIII因子subunit S (XIII_S)の染色を行った. (2)ヒト患者において手術的に摘出した卵管妊娠(7〜8w)および子宮筋腫合併妊娠(5w)の着床部で, FN, LM, C_<IV>, XIII因子subunit A (XIII_A, XIII_Sの染色を行った. (3)ヒト患者において, 手術的に摘出した筋腫子宮の正常内膜部分を無血清培地にて単層培養し, FN, XIII_A, XIII_Sの染色を行った. 染色はすべて酵素抗体間接法を用いた. 結果:(1)マウス初期胚着床部では, FNとXIII_Sがtrophoblast giant cellsに, C_<IV>は子宮内膜上皮細胞に陽性染色された. LMはdistal endodermとその基底膜に陽性染色された. (2)ヒト初期妊娠着床部ではC_<IV>がsyncytiotrophoblastの表面と絨毛間質部, および子宮又は卵管内膜間質部に, FNとXIII_Aが絨毛間質部, および子宮又は卵管内膜間質部に陽性染色された. (3)子宮内膜培養細胞においてはFNとXIII_Aが間質細胞に陽性染色された. 結語:(1)マウス初期胚着床時の接着現象において, FN, C_<IV>およびそれらの接着に架橋的に働くXIII 因子の関与が強く示唆された. (2)ヒト初期妊娠の接着機構においてもFN, C_<IV>, XIII因子の関与が強く示唆された. (3)さらにそのFNとXIII因子は, 子宮内膜間質細胞で産生されていることが判明した.