著者
村尾 俊道 中川 大 松中 亮治 大庭 哲治 本田 豊
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.645-651, 2020-10-25 (Released:2020-10-25)
参考文献数
14

京都市の「らくなん進都」と京都駅を直結する新設路線として平成22年10月から運行を開始し、その後9年にわたりバス乗車人員が一貫して増加し続けてきた京都らくなんエクスプレス(R’EX)を取り上げ、乗車人員が増加し続けた経過を記録するとともに、平成28年経済センサス及び平成18年事業所・企業統計調査の2時点間の比較により、沿線企業がその間に従業者数を増加させてきた要因について考察を行った。その結果、輸送力の増強や定時性・速達性の確保、バス待ち環境の改善、車内モニター・バスロケーションシステム、優れたデザインの導入などバス交通を高度化し、あわせて地域地区や都市整備を適切に進めることで、輸送力の限られるバスであっても、まちを変え得る可能性があることを明らかにした。
著者
山本 静雄 栗林 尚志 本田 政幸
出版者
麻布大学
雑誌
麻布大学雑誌 = Journal of Azabu University (ISSN:13465880)
巻号頁・発行日
no.15, pp.267-273, 2008-03-31

ヘモグロビンに代わる潜血の仮の指標として糞便および尿中の炭酸脱水酵素アイソエンザイム-I(CA-I)濃度を酵素免疫測定法(ELISA)により評価した。健康な各種年齢の実験用ビーグル犬113頭(雄50頭,雌63頭)における糞便中のCA-I濃度は,4.3から16.7ng/g便(平均;7.0±2.9ng/g便)であった。3頭の健康なビーグル犬から採取した血液1ml中に含まれるCA-Iは,それぞれ1,047, 1,062および1,150μgであった。自己血(10ml)を胃内へ注入したイヌの糞便CA-I濃度は大変低かった。しかし,自己血(5ml)を上行結腸部へ注入したイヌの糞便CA-I濃度は大変高かった。糞便中のCA-Iの検出は大腸からの出血があるイヌを見分けるのに有用であろう。健康な55頭のビーグル犬から採取した尿を化学的検査で調べた結果,44頭が陰性であったが,これら尿中のCA-I濃度はELISAで1.8から12.6ng/ml(平均;6.9±5.4ng/ml)であった。また,尿の潜血検査の結果が陽性であった11頭のイヌのCA-I濃度は,ELISAで41.2から525.0ng/mlであった。CA-Iは赤血球の特異的な指標ではないが,Hbに対する抗体を用いた特異的な免疫学的検査キットが開発されるまで,CA-Iはイヌの糞便および尿の潜血の検出に用いられるであろう。
著者
渡邊 絵都子 吉岡 純希 吉野 友美 本田 真美
出版者
日本重症心身障害学会
雑誌
日本重症心身障害学会誌 (ISSN:13431439)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.319, 2018

はじめにデジタル・ホスピタル・アートとは患者や医療者のニーズに合わせたデジタルアートの実践によりケアの支援を目指すものである。背景当クリニックでは、一般診療・発達専門外来などに加え、重症心身障害児の日中ショートステイを実施している。その活動の一部で個々のニーズに合わせたデジタルアートの実践を行っている。方法方法1:楽器の音によってプロジェクションマッピングされた映像が反応したり、児童が選んだカードの模様が投影されることを実施した。方法2:カード型のRFIDを利用し、近づける動作に伴い音やキャラクターが出てくるデジタルアートを実施した。結果症例1:クリスマスイベントとして実施し、児童のプロジェクションマッピングへの注目は高く、カードの選択では首を振ったり、視線を背け明確な意思を示した。症例2:カード型のRFIDによって反応する因果関係は理解し、自分好みの反応を何度も繰り返し楽しむ様子と周囲に共感を求める場面がみられた。症例3:RFIDのカードを保持できない児童には指に引っかけ、上肢を能動的に動かせるよう環境設定することで介助なく、何度も上肢を動かす様子がみられた。まとめ重症心身障害児(者)の多くは、非言語コミュニケーションを使っているが、自身で明確な意思を表出したり、身体的に行動することが難しいことから、受け身的な活動やコミュニケーションになりやすい。自己決定・自己選択がなされるかは、本人の動機を満たすためのどのような選択肢があり、どのようにしてその中から選択をし、選択を行った結果、どのようなことが引き続き起こり、その変化が、自分にとってどのような意味を持つかによって左右される。個々に合わせたデジタルアートを提案することで、自分で操作し、相互が共感し合う活動場面を設定する中に、コミュニケーション行動が発達する重要な要素が期待される。
著者
花川 隆 本田 学
出版者
医学書院
雑誌
脳と神経 (ISSN:00068969)
巻号頁・発行日
vol.58, no.7, pp.583-592, 2006-07
著者
滝野 豊 松村 隆弘 二木 敏彦 川端 絵美子 星名 悠里 本田 理沙 油野 友二 柴田 宏
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.541-545, 2018-07-25 (Released:2018-07-28)
参考文献数
16

肝炎ウイルスやアルコール性肝炎,非アルコール性脂肪性肝疾患などによる慢性肝炎は線維化の過程を経て,将来的に肝硬変症を経て肝癌に至ることが知られている。肝線維化診断のゴールデンスタンダードは肝生検であるが,侵襲的な検査であることから血液成分であるヒアルロン酸やIV型コラーゲン,および生理学的な検査法が利用されている。新しい肝線維化マーカーとしてMac-2 binding protein glycosylation isomer(M2BPGi)が保険適応された。ヒアルロン酸は食事の影響を受けやすいことが知られているが,M2BPGiについての食事の影響は調査されていない。今回,M2BPGiの食事の影響を血中ヒアルロン酸値とIV型コラーゲン値の変動と比較した。ヒアルロン酸のみが食事摂取1・2時間後に食前と比べ有意に測定値が上昇した。M2BPGi値とIV型コラーゲン値は食事の影響を受けなかった。このことから,M2BPGi値測定は随時採血の検査においても正しい評価ができると考えられた。
著者
軽部 大蔵 加藤 正司 浜田 耕一 本田 道識
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.535, pp.83-92, 1996-03-21 (Released:2010-08-24)
参考文献数
15
被引用文献数
22 19

不飽和細粒土の力学的挙動を水分特性曲線を拠り所として考察した. すなわち, 間隙水を吸着水, メニスカス水, バルク水から成るとし, これらの量と力学的作用を求める方法を提案した. 提案法によっていくつかの理論値を算定して, 実測力学挙動と比較した. 本論文は不飽和細粒土の三軸圧縮特性を論じる三部作の第1論文であり, 順次, 圧密挙動, 軸圧縮挙動を詳論する予定である. 研究の対象とした試験は飽和供試体を三軸試験機に設置して, 先ずサクションを与えて不飽和化し, 次に等方圧密し, 最後に排水軸圧縮するものである. 供試体はサクション過程を種々に設定して, 同一のサクションを持ちながら, 相異なる飽和度を示すようにした.
著者
山本 隆一 本田 圭介
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.68-71, 1997-02
参考文献数
67

重縮合の分野において,遷移金属錯体を用いる高分子合成の研究は,一つの時代を切り開きつつある.特に,ニッケルやパラジウム錯体を用いた重縮合では,モノマー合成の自由度の高さを活かし,機能性材料を目指した研究が活発に行われている.本総説では,最近の研究成果について,新規合成法だけではなく,その応用面についても紹介する.