著者
李 文平
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.339, pp.65-70, 2012-12-01

本稿では,日本語母語話者21名と中国語母語日本語学習者32名を対象として,フレーズ性判断課題を用いて「名詞+を+動詞」のコロケーション処理における頻度,MIと条件付き確率の影響を検証した.その結果,日本語母語話者と中国語母語日本語学習者の両方において,頻度の高いコロケーションがより速く,より正確に処理されることから,コロケーション処理に影響を与える要因はMIや条件付き確率よりも,コロケーションの頻度の方が強い傾向にあることが分かった.この結果より,頻度の高いコロケーションは一つのまとまった表現として処理されることで,教育上利用する価値のある項目であると考えられる.
著者
李 文哲
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
千葉大学人文社会科学研究科研究プロジェクト報告書 (ISSN:18817165)
巻号頁・発行日
vol.219, pp.120-133, 2011-02-28

千葉大学大学院人文社会科学研究科研究プロジェクト報告書第219集『イメージ・政治・メディア』三宅晶子 編"Image, Politics, Media" Report on Research Project No.219
著者
李 文平
出版者
公益社団法人 日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
vol.157, pp.63-77, 2014 (Released:2017-03-21)
参考文献数
30

本研究では,教科書の改善の方法を探るために,中国で使用されている日本語教科書のコロケーションを調べ,母語話者の使用実態との比較を行った。今回の調査の結果,次の三点が明らかになった。第一に,教科書のコロケーションは頻度も種類も母語話者の使用より多い。第二に,教科書において母語話者がよく使うコロケーションを提示することは,これまでの日本語教育と補完し合うものと期待できるにもかかわらず,現行の教科書は母語話者の使用実態を十分に考慮していない。特に,「影響を受ける」「役割を果たす」などトピックに依存せず,広く使われているものを積極的に取り入れていない傾向がある。第三に,教科書は新出単語を母語話者がよく使うコロケーションの形で提示しておらず,母語話者があまり使わないコロケーションを大きく取り上げる傾向も見られた。これらの問題点を指摘した上で,今後の改善点を提案した。
著者
李 文昭 塩野 宗則 鈴木 丈一郎 武山 和夫 片井 秀典 野村 典生 新井 高 中村 治郎
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.252-262, 1986-03-28 (Released:2010-08-25)
参考文献数
25
被引用文献数
2 4

歯周初期治療におけるO'Learyらのプラークコントロールレコードの推移を分析する目的で本研究を行った。被検者は比較的軽度から中等度の歯周疾患患者156名 (女98名, 男58名) であった。TBI毎にブラッシング方法と時間, O'Learyらのプラークコントロールレコードなどを記録し, 10%を目標に指導した。結果は, 術前のブラッシング法で一番多いのはスクラッビング法であり, 術前のブラッシング時間は3分以下が72 %と圧倒的割合であった。プラークスコァ20%へは92%の患者が達成でき, TBI回数は4.6回, ブラッシング時間は8.6分であった。プラークスコア10%へは58%の患者が達成でき, TBI回数は5.9回, ブラッシング時間は9.8分であった。部位別では下顎, 右側, 臼歯部, 近心, 舌側, 近遠心部が磨きにくい傾向が見られ, 特に臼歯部, 舌側, 近遠心部が極端に磨きにくかった。
著者
李 文鑫
出版者
現代日本語研究会
雑誌
ことば (ISSN:03894878)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.83-101, 2017-12-31 (Released:2018-01-12)
参考文献数
23

本稿では、概念メタファー理論に基づき、中国人日本語学習者の作文に現れたコロケーションの誤用を分析し、その原因を検討した。まず、「興味」を例として、日本語と中国語の概念メタファーの異同を探った。その結果、日本語では<興味は液体>という概念メタファーが発見され、それを支えるイメージ・スキーマとして力スキーマ、容器スキーマが挙げられる。それに対して、中国語では<興味は植物>という概念メタファーが発見された。次に、学習者コーパスに現れる個々のコロケーションの誤用の原因を分析し、誤用の原因は日中両言語の概念メタファーのズレであることを明らかにした。
著者
李 文哲
出版者
千葉大学
巻号頁・発行日
2010

本論文は、中国朝鮮族メディアである延辺テレビが中国朝鮮族の「想像の共同体」にどのような影響を与えているのかという問題意識のもとに、延辺テレビのあり方について考察するものである。 論文は、以下のように構成されている。 序では、中国朝鮮族における延辺テレビの意味を研究する目的およびそれに関する問題提起を行い、論文構成の概略を提示した。中国のような多民族社会で、少数民族言語である朝鮮語に依拠する延辺テレビは朝鮮族アイデンティティの維持や伝統文化の引継ぎ・発展と密接な連携性を持つと考えられる。それは、中国共産党の民族融合政策の下で、民族性の維持が難しくなっている朝鮮族社会が直面する問題でもある。中国朝鮮族はいかなる内外的、空間的な版図を有し、民族アイデンティティ問題をどのような角度から理解し観察しているのか。こうした問題意識のもとに、中国朝鮮族における延辺テレビの役割を探ることは、極めて重要な作業である。 第一章では、世界で最も巨大な市場をもつ中国メディアの状況を、党中央宣伝部直轄のメディア体制による管理と、市場経済への転換の中で急速に進行しつつある企業化の中で論じた。具体的には、中国の放送制度の法律、条例、管理体制、プロパガンダの歴史などについて客観的分析あるいは理論的な考察を行った。第二章では、延辺朝鮮族に焦点を当てて、延辺への移住の歴史と延辺からの人口流失の現状、延辺におけるメディアの変遷、アイデンティテイの変容、少数民族政策と朝鮮族のディスクールを分析し、論じた。第三章では、延辺朝鮮族自治州でのテレビの受信、利用状況、視聴者の性向を考察・・・
著者
李 文 陳 全
出版者
社会・経済システム学会
雑誌
社会・経済システム (ISSN:09135472)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.53-60, 2020-03-31 (Released:2020-08-04)
参考文献数
14

2010年代以降、日本に来る中国人留学生は、日本人とのコミュニケーションに消極的になっている。その原因を明らかにするためには、中国人留学生のパーソナル・ネットワークの構造的特徴を理解する必要がある。現在の第三世代といわれる中国人留学生は一人っ子がほとんどで、比較的裕福な家庭出身の私費留学生が多い。さらに中国本土のSNS(微信)が日本でも利用されることによって、親子関係を中心とするパーソナル・ネットワークの文化的閉鎖性が留学先でも増幅されている。本論文では、以上のことを解明するために実施した調査データを分析する。
著者
富山 恵介 田中 周平 森岡 たまき 小浜 暁子 李 文驕
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.7, pp.23-00028, 2023 (Released:2023-07-20)
参考文献数
10

近年,環境中のマイクロプラスチックファイバー(以下,MPFs)の存在が明らかになり,要因の一つに衣類の洗濯による排出が指摘されている.本研究では,洗濯による生地設計別のMPFsの排出特性を把握することを主目的とした.糸(長繊維・短繊維),編立(プレーン・メッシュ),加工(柔軟剤無し・柔軟剤有り)で設計を分けたポリエステル生地を8タイプ開発し,ドラム型洗濯機の標準コースで洗濯後,目開き10μmのプランクトンネットでMPFsを捕集した.目的変数をMPFs重量とした3元配置分散分析では,糸の寄与率74.5%,加工の寄与率18.7%となり排出量の主要因であることが示された.糸の長繊維は短繊維に対し中央値で42~45%小さく,加工の柔軟剤無しは柔軟剤有りに対し中央値で22~25%小さい結果となった.
著者
李 文平
出版者
公益社団法人 日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
vol.157, pp.63-77, 2014

<p> 本研究では,教科書の改善の方法を探るために,中国で使用されている日本語教科書のコロケーションを調べ,母語話者の使用実態との比較を行った。今回の調査の結果,次の三点が明らかになった。第一に,教科書のコロケーションは頻度も種類も母語話者の使用より多い。第二に,教科書において母語話者がよく使うコロケーションを提示することは,これまでの日本語教育と補完し合うものと期待できるにもかかわらず,現行の教科書は母語話者の使用実態を十分に考慮していない。特に,「影響を受ける」「役割を果たす」などトピックに依存せず,広く使われているものを積極的に取り入れていない傾向がある。第三に,教科書は新出単語を母語話者がよく使うコロケーションの形で提示しておらず,母語話者があまり使わないコロケーションを大きく取り上げる傾向も見られた。これらの問題点を指摘した上で,今後の改善点を提案した。</p>
著者
清水 康司 Elvis F. Arguelles 李 文文 安藤 康伸 南谷 英美 渡邉 聡
出版者
公益社団法人 日本表面真空学会
雑誌
表面と真空 (ISSN:24335835)
巻号頁・発行日
vol.64, no.8, pp.369-374, 2021-08-10 (Released:2021-08-10)
参考文献数
39

In this paper, we report construction of neural network potentials (NNPs) of Au-Li binary systems based on density functional theory (DFT) calculations and analyses of alloying properties. To accelerate construction of NNPs, we proposed an efficient method of structural dataset generation using the symmetry function-based principal component analysis. We investigated the mixing energy of Au1-xLix with fine composition grids, which were achieved owing to the lower computational cost of NNPs. The obtained results agree well with the DFT values, where we found previously unreported stable compositions. In addition, we examined the alloying process starting from the phase separated structure to the complete mixing phase using Au/Li superlattice structures. We found that when multiple adjacent Au atoms dissolved into Li, the alloying of the entire Au/Li interface started from the dissolved region. These results demonstrate the applicability of NNPs toward miscible phase and provides the understanding of the alloying mechanism.
著者
池松 秀之 鍋島 篤子 山路 浩三郎 角田 恭治 李 文 林 純 後藤 修郎 岡 徹也 白井 洸 山家 滋 柏木 征三郎
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.72, no.9, pp.905-911, 1998-09-20 (Released:2011-09-07)
参考文献数
19
被引用文献数
1 1

高齢者における不活化インフルエンザワクチンの連続接種の際の, ワクチン接種回数とワクチン効果との関連について, 血清HI抗体価より検討した.60歳以上の長期入院患者146名 (男性28名, 女性118名, 平均年齢82.4歳) に不活化インフルエンザワクチンを接種した.69名は前年度インフルエンザワクチンの接種を受けており, 77名は前年度未接種者であった.2年連続ワクチン接種者中, 35名が今回1回のみ, 34名が今回2回, ワクチン接種を受けた.接種前, 1回接種後, 2回接種後, 流行後のInfluenza A/H1N1, A/H3N2, 及びBに対する血清HI抗体価を測定した.各インフルエンザウイルスに対するワクチン接種前のHI抗体価は, 2年連続接種者が前年度未接種者より有意に高かった.ワクチン接種後のHI抗体価は, 2年連続接種者で今回2回接種を受けた群が最も高かったが, 3群間に統計学的な有意差は検出されなかった.ワクチン接種後に, HI抗体価の4倍以上の上昇が見られる率は, 2年連続接種者で低かったが, これはワクチン接種前のHI抗体価が高いためと考えられた.ワクチン接種後のHI抗体価128倍以上の割合は, 2年連続接種者で今回2回接種を受けた群が他の群より高かったが, 3群間に統計学的な有意差は認められなかった.2年連続接種者では, 2回目接種により, HI抗体価が128倍未満から128倍以上に上昇した者は認められなかった.以上の成績より, 高齢者では, 不活化インフルエンザワクチンに対する抗体反応は, 前年度接種の有無に係らず良好で, 連続接種の際には, 接種回数1回でも2回接種と同等の予防効果が期待できると考えられた.
著者
姜 銀来 李 文揚 陳 鵬 東郷 俊太 横井 浩史
出版者
一般社団法人 日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.38, no.7, pp.657-666, 2020 (Released:2020-09-05)
参考文献数
17

Humanoid robot arms have attracted more and more attention since it is human-friendly with the same size and movement characteristics of a human arm. A new 7-DoF (Degrees of Freedom) humanoid robot arm is proposed in this paper. To achieve high torques while keeping down the weight, all the motors are coupled with tendons. 2 motor 2-DoF (2M2D) and 3 motor 3-DoF (3M3D) coupled tendon-driven joint modules are proposed as basic components for the robot arm. The 2M2D coupled tendon-driven joint module and the 3M3D coupled tendon driven joint module structures are analyzed and compared. The 7 DoFs of a human arm were divided into a 3-DoF shoulder joint module, a 2-DoF elbow joint module, and a 2-DoF wrist joint module. The developed robot arm weighed 2.2[kg], while being able to lift a 1.5[kg] load. A current consumption experiment was conducted to verify the torque transmission characteristics of the 2M2D and 3M3D joint modules. A path repeatability experiment and an experiment to imitate dexterous manipulations of a human arm with master-slave control were conducted to investigate the performance of the modularized humanoid robot arm. The experimental results showed that the joint modules realized motor reallocation via tendon coupling, and that the humanoid robot arm was capable of performing dexterous manipulations like a human arm.
著者
石川 秀忠 田辺 雅次 中村 信行 斉藤 優理絵 李 文昭 塩野 宗則 新井 高 中村 冶郎
出版者
特定非営利活動法人日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.281-286, 1986-03-28
被引用文献数
1 1

比較的軽度の歯周疾患患者150名を用い, 歯周ポケットの深さ, 骨残存量, 動揺度の3項目について全部診査法とRamfjordの6歯法による部分診査法の比較検討を行なった。歯周ポケットの深さ, 骨残存量, 動揺度とも全部診査法とRamfjordの6歯法による部分診査法の間に推計学的有意差は認められなかった。また, 歯周ポケットの深さ, 骨残存量において, 歯群の平均値と, 歯群の代表歯および代表歯+の歯の間に推計学的有意差は認められなかった。以上のことにより, Ramfjordの6歯法は部分審査法の一つとして有用であり, また歯群内の他の歯が代表歯としてしようできることも明らかになった。