著者
菅崎 良貴 村上 隆
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
地球化学 (ISSN:03864073)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.61-77, 2017-06-25 (Released:2017-06-25)
参考文献数
153
被引用文献数
1

Atmospheric oxygen evolution has long been discussed, especially with its relevance to the origin and evolution of life and the planet. Presence/absence of detrital redox-sensitive minerals, iron formations and red beds, behaviors of redox-sensitive elements in paleosols (ancient, subaerially-altered continental rocks) and ratios of carbon and sulfur stable isotopes in sedimentary rocks have been utilized to constrain atmospheric oxygen levels, which can dictate surface redox states, in the distant past, leading to a conventional view that the beginning (2.5–1.8 Ga) and ending (0.8–0.5 Ga) of the Proterozoic were two major periods when the oxygen level significantly increased in the Earth's history. More recent studies adopt multiple sulfur isotopes, iron speciation and trace elements (isotopes) as additional redox proxies. These proxies are not inconsistent with the conventional view, but the magnitude and timing of changes in these proxies are different between proxies and between geological records obtained from, e.g., iron formations, shales and paleosols. Also, the proxies suggest that there may have been transient oxygen increases of uncertain magnitude at 3.3–3.0 and 2.7–2.5 Ga. To better understand atmospheric oxygen evolution, process-based methods which quantify oxygen levels from individual proxies need to be developed to consistently and comprehensively explain multiple geochemical signatures.
著者
堀 新 佐島 顕子 村上 隆 山田 邦明 山本 博文 矢部 健太郎 鴨川 達夫 白根 孝胤 曽根 勇二 堀 智博 堀越 祐一 光成 準治 山崎 布美
出版者
共立女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

2009~2011年度を通じて、史料調査の実施、研究会の開催、データ入力、の3点を共同研究の中心に据えて活動した。3年間に史料調査先は50ヶ所以上、研究会は15回、事務的会合は約30回、メールでの打ち合わせは無数であった。史料調査の際には周辺のフィールドワークを行った。データ入力は、豊臣秀吉発給文書・豊臣奉行人発給文書を中心に、古記録もあわせて約4000点に及んだ。研究会の成果の一部は、山本博文・堀新・曽根勇二編『消された秀吉の真実』(柏書房、2011年)として公表した。
著者
村上 隆
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.6-10, 1998-01-20 (Released:2017-07-11)
参考文献数
8

岩石・鉱物の化学的風化は鉱物・水・大気間の相互作用の結果である。風化された鉱物はいわばその化石である。その「化石」を読むことにより, 作用した時の水, 大気の化学的状態を推定できる。本小論では風化の基本的な機構を原子レベルで概略し, また過去1億年の地球表面での温度変化を風化から計算した例を示す。地質時代の大気中の二酸化炭素の濃度や, 先カンブリア時代における地球表面環境を定量的に推定するのも夢ではない。
著者
村上 隆紀 小池 正徳 嶋田 徹
出版者
帯広畜産大学
雑誌
帯広畜産大学学術研究報告 自然科学 (ISSN:09193359)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.p157-162, 1993-10

細胞レベルにおけるトマト半身萎ちょう病に対する抵抗性を調べるたあに,感受性2品種(強力米寿,ヒカリ)と抵抗性3品種(豊将,モモタロウ,ハウスおどりこ)を用いて菌培養濾液に対する反応を調べた。菌培養濾液を含んだLS寒天培地上で,胚軸からのカルス誘導とカルスの生育を調査したところ,誘導されたカルスと生長したカルスの生重量は,濾液の濃度が高まるにつれて抑制される傾向にあり,抵抗性および感受性品種間に反応の差は認められなかった。
著者
村上 隆
出版者
名古屋大学教育学部
雑誌
名古屋大學教育學部紀要 教育心理学科 (ISSN:03874796)
巻号頁・発行日
no.27, pp.p1-15, 1980-12

国立情報学研究所で電子化したコンテンツを使用している。
著者
村上 隆
出版者
東京音楽大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:02861518)
巻号頁・発行日
no.15, pp.1-25, 1991-12-20
著者
藤田 裕之 杉村 博 村上 隆史 一色 正男
雑誌
研究報告コンシューマ・デバイス&システム(CDS) (ISSN:21888604)
巻号頁・発行日
vol.2016-CDS-16, no.14, pp.1-7, 2016-05-26

iOS デバイス上で動作する ECHONET Lite パケット送受信ツール 「SSNG for iPhone」 を開発した.ECHONET Lite 仕様書に定義されている機器情報 (EOJ, EPC, EDT) の詳細をツール内部に持たせることと iPhone の限られた画面サイズを考慮した UI をデザインすることで,ECHONET Lite パケット作成時のパラメータ設定が飛躍的に容易になった.また受信したデータ解析も容易に行える.このツールは ECHONET Lite エキスパートの作業効率を高めるだけでなく,ECHONET Lite 初心者がプロトコルを理解するためにも活用できる.
著者
伊藤 亮 村瀬 聡美 吉住 隆弘 村上 隆
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.396-405, 2008-04-01 (Released:2008-07-15)
参考文献数
22
被引用文献数
1 1

本研究の目的は現代青年のふれ合い恐怖的心性の精神的健康度について,抑うつと自我同一性の側面から検討することであった。大学生292名(男性125名,女性167名)を対象に質問紙調査を実施し,対人退却傾向,対人恐怖的心性,抑うつ,自我同一性の感覚を測定した。対人退却傾向と対人恐怖的心性の高低の組み合わせによって対象者をふれ合い恐怖的心性群,対人恐怖的心性群,退却・恐怖低群の3群に分類した。一元配置分散分析の結果,ふれ合い恐怖的心性群は対人恐怖的心性群より抑うつは低く,自我同一性の感覚は高いことが示された。一方,退却・恐怖低群と比較した場合,自己斉一性・連続性,対他的同一性の感覚は低いことが示された。これらの結果から,ふれ合い恐怖的心性群は対人恐怖的心性群よりも精神的には健康的な群ではあるが,個として他者と向き合う対人関係においては自我同一性の危機が生じやすい一群であることが示唆された。
著者
濱本 望絵 土屋 薫子 石川 博一 村上 隆史 杉村 博 森 信一郎 一色 正男
雑誌
研究報告デジタルコンテンツクリエーション(DCC) (ISSN:21888868)
巻号頁・発行日
vol.2019-DCC-21, no.36, pp.1-8, 2019-01-17

無線対応端末がルータや中継機に無線接続する際,暗号化 ・ 復号化に必要な鍵を 2 つ取得する. 1 つはユニキャスト通信する際に使用する PTK (Pairwise Transient Key),もう 1 つはブロードキャストおよびマルチキャスト通信する際に使用する GTK (Group Temporal Key) である.家庭用ルータ ・ 中継機の中には,一定時間ごとに GTK を更新し,1 つの GTK を長い期間共有しないことで通信の安全性を高める設定が可能なものもある.しかし,中継機の GTK 更新の実装仕様により,無線 LAN ネットワーク上の端末間で GTK の不一致が発生する場合がある.その結果古い GTK を持つ端末と,新しい GTK を持つ端末との間でブロードキャストやマルチキャスト通信が不能になり,相互接続ができない問題が発生する.本論文では,中継機の GTK 更新に関する実装状況を調査し,その問題が発生する条件を明らかにする.またその問題に対して,端末側の実装で相互接続性を確保するための手法の提案を行うと共に提案手法の評価と考察を述べる.
著者
村上 隆史 一色 正男 杉村 博 横山 悠平
雑誌
研究報告デジタルコンテンツクリエーション(DCC)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.33, pp.1-7, 2015-01-19

全世界的にエネルギーマネジメントの重要性が,叫ばれ続けているなか,日本国内においても,エネルギーの高効率利用は,20 世紀後半より継続して高い関心を持ち続けている.特に 2011 年 3 月 の東日本大震災以降は,エネルギーマネジメントの効率化を目的とし,Home Energy Management System (以下,HEMS) を中心にマルチベンダ相互接続を実現するための仕組み作りや商品化の加速が進んできている.ただし,HEMS の対象範囲での電気使用量は,エネルギー全体の 1/3 程度であり,エネルギーマネジメントをさらに有効にしていくためには,HEMS 以外のエネルギー機器へ拡張していくことが重要になる.業務用機器のネットワーク接続における課題は,標準化が十分に進んでおらず,マルチベンダ接続が困難な状況である.そこで,民生用途の HEMS で確立した技術の展開を検討し,業務用機器へ拡張時の課題を整理するとともに,ツールを用いて通信インタフェースの展開が可能であることを検証する.The importance of global energy management is being cried in the all over the world. Also in Japan, High-efficiency utilization of energy is very interesting from the end of the 20th century. Especially since the Great East Japan Earthquake of March 2011, the scheme to achieve a multi-vendor interoperability and the commercializing any kind products for energy are accelerating focusing around Home Energy Management System (below, HEMS). However, the electrical consumption in the scope of HEMS is about one third of the total energy. In order to enable more effective energy management, it is important to extend the scope other than HEMS. An issue in the network connection between the energy equipment other than HEMS is that the standardization is not sufficiently advanced and multi-vendor connection is a difficult situation. Therefore, we consider deploying the techniques established in HEMS of consumer applications and organizing some issues. And we verified that it is possible to extend communication interface from HEMS to range of other than HEMS by using a tool.
著者
那須 哲夫 黒木 昭浩 浜名 克己 村上 隆之 斎藤 勇夫
出版者
宮崎大学農学部
雑誌
宮崎大学農学部研究報告 (ISSN:05446066)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.p259-267, 1982-12

牛(ホルスタイン種,雌, 8カ月齢)の単蹄肢(左右前肢)について解剖学的観察を行った.得られた結果は次のとおりである.### 1. 中手骨の遠位中手管は右肢で完全に閉鎖していた.第四中手骨の外側遠位部に第五中手骨が遺残し,またそれに関節する指骨(基節骨)の遺残を認めた.中手骨の滑車は右肢に1個,左肢に2個存在し,左肢の滑車間切痕は浅くなっていた.### 基節骨,中節骨および末節骨は左右両肢とも第三,四指のものがそれぞれ完全に癒合していた.### 近位種子骨は右肢に2個,左肢に3個存在し,遠位種子骨は左右肢とも各1個が存在した.### 2. 右肢において第三指伸筋,第四指伸筋および総指伸筋の腱は中手・指節関節部で合一し,幅広い腱を形成して中節骨および末節骨の前面に停止していた.左肢では総指伸筋のみは独自の腱を形成して,基節骨の近位端に停止していた.### 浅指屈筋と深指屈筋の腱は中手・指節関節部で分岐することなく,単一のまま走行し,浅指屈筋腱は中節骨後面に,深指屈筋腱は末節骨後面に停止していた.### 3. 正中動脈と橈骨動脈は中手骨の掌側面を下行し,中手骨中間部において深掌動脈弓を形成する.この動脈弓から指骨の外側および内側へ分布する2本の枝が出ており,これらの枝は指骨背側面で互に吻合していた.### 前骨間動脈は細い枝となり中手骨の背面に分布していたが,指骨にまで達していなかった.### 4. 正中神経は中手骨の掌側面を下行し,中手骨近位端1/3のところで分岐し指骨の外側および内側へ分布していた.### 尺骨神経掌側枝は骨間筋の外側を下行し指骨の外側へ分布していた.### 中手骨背側面を下行する外側前腕皮神経は途中で消失しており,それより遠位部では確認できなかった.A pair of forelimbs of 8-month-old Holstein-Freisean cow which had solid hoof was dessected to be description. The details were reported as follows.### 1. The distal perforating canal was absent from the right metacarpus. On the lateral-distal part of the metacarpal bone there were vestiges of the fifth metacarpus and the first phalanx which were jointed earch other. The right metacarpus had one distal trochlea and the left had two trochleas. The intertrochlear notch of the left metacarpus was relatively shallow. All the phalanges of front feet were completely fused. The left foot had three proximal sesamoid bones and a distal sesamoid bone, but the right had only two proximal sesamoid bones and a distal sesamoid bone.### 2. The lateral, medial and common digital extensor tendons of right forelimb fused into a wide aponeurotic plate at the fetlock joint and inserted on the extensor surfaces of the second and the third phalanx. The tendon of the left "common digital extensor did not fuse but inserted into the proximal end of the first phalanx. The superficial and deep digital flexor tendons coursed normally but did not divide into two branches at the level of the fetlock joint, the former inserted on the palmar surface of the second phalanx and the latter inserted on that of third phalax.### 3. The median and the radial arteries descended on the volar side of the metacarpus and anastomosed each other to form the deep palmar arch.### Arising from the deep palmar arch, two branches terminated by entering the lateral and the medial volar surfaces of the digit, where they formed an anastomosing arches.### The small cranial interosseus artery which descended the dorsal surface of the metacarpus did not reach the digital bone.### 4. The median nerve descended on the mediovolar side of the metacarpus. At the proximal third of the metacarpus, this nerve divided into two branches which innervated the medial and the lateral volar sides of the digit.### The palmar branch of the ulnar nerve descended along the lateral side of the interosseus muscle to the laterovolar side of the digit. The lateral cutaneous antebrachial nerve which was a slender branch of the radial nerve disappeared during its course on the volar surface of the metacarpus.
著者
平川 浩文 木下 豪太 坂田 大輔 村上 隆広 車田 利夫 浦口 宏二 阿部 豪 佐鹿 万里子
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.155-166, 2015 (Released:2016-01-28)
参考文献数
26
被引用文献数
1

北海道における在来種クロテンMartes zibellinaと外来種ニホンテンM. melampusの分布の現状を明らかにするために,2000年から2015年にかけて生息記録を収集した.その結果,ニホンテンは北海道の南西部,クロテンはそれ以外の地域に広く分布していることが明らかとなった.二つの分布地域の間には石狩低地帯(石狩湾から太平洋にかけて帯状に延びる平野部)があり,クロテンの記録は石狩低地帯内の3地域でも得られた.ただし,この3地域とも石狩低地帯中心部を流れる河川を基準としてすべて低地帯の西側に位置した.今回の結果に数例の古い生息記録を合わせて,次のことが推察された.1)ニホンテンはクロテンを駆逐しながら分布を拡大したこと,2)石狩低地帯の分水嶺より南側では,低地帯の西縁部にニホンテンがまだ到達していない可能性があるが,そうであったとしても到達は間近であること,3)今後,石狩低地帯の分水嶺より南側ではニホンテンが低地帯を超えて,さらに分布拡大が進む可能性があること.
著者
南部 拓央 村上 隆亮 松田 優樹 松尾 浩司 米光 新 武呂 誠司 隠岐 尚吾
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.153-161, 2014-03-30 (Released:2014-04-08)
参考文献数
25

Glucagon-like peptide-1受容体作動薬「リラグルチド」で加療した100名の2型糖尿病患者を対象として,長期効果及び使用に適した患者像を検討した.1年間でHbA1c値は8.4±0.2 %から7.4±0.1 %,体重は71.8±1.8 kgから68.1±1.7 kgと改善した.観察期間終了時のHbA1c値が7 %未満の患者(Group A)は,7 %以上の患者(Group B)に比べて治療開始時のHbA1c値,糖尿病性腎症合併率,前治療でのインスリン抵抗性改善薬使用率が高かった.またGroup Aは体重が減少し続けたがGroup Bは体重が一過性に増加した.以上よりリラグルチドによる血糖値及び体重改善効果は1年間持続するが,治療開始時のHbA1c値,細小血管症の合併状況,前治療薬,体重減少の経過により規定されている可能性が考えられた.