著者
布施谷 節子 松本 智絵美
出版者
和洋女子大学
雑誌
和洋女子大学紀要 家政系編 (ISSN:09160035)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.1-12, 2006-03

The breasts are vibrated obviously by jumping. It has been thought that the brassiers should control the vibration of breasts. So the authors investigated the effects of controlling the vibration by several kinds of brassiers. Two subjects whose breast sizes were different put three infrared reflex marks on their three points of each body and jumped ten times with camisole, sports bra, super light adhesive bra, brassier and strapless bra in regular sequence. The camisole was used instead of the nude. The first mark was put on the fossa jugularis point and next two marks were put on each theloin. Two video cameras and 3D action analysis soft wear were used in the experiment. Main results were as follows: The subject with smaller breasts showed the effect of controlling the vibration in the case of wearing the sports bra, brassier, strapless bra. The other subject with larger breasts didn't show the evident effect by any kinds of brassiers. The brassiers with straps have to be selected fittingly and adjusted by straps to each wearer; otherwise it is probable that the vibration of breasts will be large.
著者
布施谷 節子 松本 智絵美 フセヤ セツコ マツモト チエミ Setsuko FUSEYA Chiemi MATSUMOTO
雑誌
和洋女子大学紀要. 家政系編
巻号頁・発行日
vol.46, pp.1-12, 2006-03-31

The breasts are vibrated obviously by jumping. It has been thought that the brassiers should control the vibration of breasts. So the authors investigated the effects of controlling the vibration by several kinds of brassiers. Two subjects whose breast sizes were different put three infrared reflex marks on their three points of each body and jumped ten times with camisole, sports bra, super light adhesive bra, brassier and strapless bra in regular sequence. The camisole was used instead of the nude. The first mark was put on the fossa jugularis point and next two marks were put on each theloin. Two video cameras and 3D action analysis soft wear were used in the experiment. Main results were as follows: The subject with smaller breasts showed the effect of controlling the vibration in the case of wearing the sports bra, brassier, strapless bra. The other subject with larger breasts didn't show the evident effect by any kinds of brassiers. The brassiers with straps have to be selected fittingly and adjusted by straps to each wearer; otherwise it is probable that the vibration of breasts will be large.
著者
石倉 英樹 落合 秀俊 山口 朗央 松本 智博
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.30, no.6, pp.909-911, 2015 (Released:2016-01-09)
参考文献数
9
被引用文献数
1

〔目的〕血液透析患者は日常生活活動能力低下や生命予後に対する危険因子となる血液透析後の起立性低血圧に着目して,運動療法の効果を検討することとした.〔対象〕外来血液透析患者のうち,運動療法を開始した10名とした.〔方法〕血圧測定を血液透析中の運動療法開始前,開始2週後,4週後に実施した.運動療法として両下肢のストレッチング・筋力増強運動を20分間実施した.〔結果〕起立時に低下する収縮期および拡張期血圧の低下量が運動療法開始4週後に有意ではないものの減少する傾向があった.〔結語〕血液透析中の運動療法は自律神経障害と起立性低血圧を改善する可能性がある.
著者
松本 智美 照井 文 旗持 芙美 野崎 浩二 林 建男
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
人間ドック (Ningen Dock) (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.66-73, 2020 (Released:2020-10-07)
参考文献数
6

目的:当施設では要精密検査や要治療判定者に対し,勧奨案内(以下勧奨)を2回送付している.さらなる勧奨返信率を期待すべく,今回未受診者・勧奨未返信者から得られたアンケート結果より今後の課題を明らかにした.方法:2019年1月の人間ドック利用者で前年度勧奨未返信者288名に,検査開始前に問診,検査終了後に未受診理由と未返信理由について質問紙法によるアンケート(複数回答可)を実施した.回答をもとに,行動変容ステージモデルに合わせて分析を行った.結果:勧奨未返信者のうち,105名は実際受診していた.未受診理由は「忘れていた・時間がない・毎年言われる・受診先に何を説明すればよいか分からない」などの回答があった.受診したが勧奨未返信の理由は「返信することに気が付かなかった・面倒さを感じた・忘れていた・次回健診時に伝えればよい」などの回答があった.結論:行動変容ステージモデルをもとに,各段階における未受診・勧奨未返信理由を分析し,アンケートの回答を無関心期・関心期・意図(準備)期に分けた.未受診者には,各段階に合わせた内容で受診につなぐための後押し(ナッジ)を行うことが大切であることが分かった.また勧奨未返信者は無関心期が多かったことから,勧奨することの意義を理解してもらい,広く伝えることで実施把握率の向上につながると考える.今後ITなどを取り入れ,より簡単に返信できる工夫を行い,実施把握率向上に努めたい.
著者
吉岡 潔志 松本 智博 中村 晃大 土屋 吉史 瀬古 大暉 北嶋 康雄 沢田 雄一郎 小野 悠介
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11714, (Released:2020-07-10)
参考文献数
36

【目的】アンドロゲン低下による球海綿体筋・肛門挙筋の筋萎縮に対する自走運動の効果を検証し,併せて,アンドロゲン低下による筋萎縮が他の骨盤底の筋にも共通する特徴であるかを検証する。【方法】3 ヵ月齢雄性マウスを対象とし,去勢術を施す群,去勢術後に自走ケージで飼育する群,偽手術群に無作為に分けた。手術から8 週間後に,後肢筋および骨盤底筋の重量,筋線維直径を測定した。【結果】後肢筋の重量に3 群間で差はみられなかった。球海綿体筋と肛門挙筋は去勢により顕著に萎縮したが,自走運動による変化は認められなかった。長趾伸筋の筋線維直径は去勢の影響を受けず,尿道括約筋では有意に小さい値を示した。【結論】全身性の自走運動ではアンドロゲン低下による球海綿体筋,肛門挙筋の萎縮を抑制することができなかった。また,アンドロゲン低下による筋萎縮は,骨盤底筋に共通して見られる,身体部位単位での筋の特徴であることが示唆された。
著者
相原 一貴 小野 武也 石倉 英樹 佐藤 勇太 松本 智博 田坂 厚志 梅井 凡子 積山 和加子 沖 貞明
出版者
日本ヘルスプロモーション理学療法学会
雑誌
ヘルスプロモーション理学療法研究 (ISSN:21863741)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.41-44, 2016-04-30 (Released:2016-07-29)
参考文献数
16
被引用文献数
1

[目的]本研究は身体の柔軟性の評価である指床間距離(Finger-Floor Distance:以下FFD)を用いて,睡眠前後でのFFD の変化を明らかにするために行った。[対象と方法]健常大学生34名(男性14名,女性20名)を対象とした。朝と夜のFFD と睡眠時間を3日間測定した。なおFFD は,①夜の入浴前と②朝の起床後に測定した。[結果]FFD の値は朝の方が夜よりも有意に高値であった。[結語]睡眠後に身体の柔軟性が低下していることが明らかとなった。
著者
松本 智里 加藤 真由美 兼氏 歩 福井 清数 髙橋 詠二 平松 知子 谷口 好美
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.309-317, 2018 (Released:2019-03-09)
参考文献数
37

目的:女性変形性股関節症患者の術前後の歩容の自己評価と心理社会的側面を,人工股関節全置換術(THA)患者と低侵襲寛骨臼骨切り術(SPO)患者の2つの視点から比較し検討した.方法:術後6~12ヶ月の女性THA患者とSPO患者に無記名自記式質問紙調査を行い,術前と術後の歩容の自己評価と心理社会的側面を比較した.結果:THA患者70名,SPO患者10名から回答を得た.THA患者とSPO患者の歩容の自己評価はともに術前より術後に改善した.術前の歩容の自己評価と関連したのは,THA患者は跛行への思いと杖歩行への思い,抑うつであった.術後の歩容の自己評価と関連したのは,THA患者は自尊感情と抑うつ,公的自己意識,全体的健康感で,SPO患者は全体的健康感のみであった.結論:女性変形性股関節症患者の歩容の自己評価をアセスメントすることは心理社会的側面の支援の一助となると示唆された.術式によって関係する心理社会的側面の項目には違いがあり,各々の時期や特徴に合わせたケアの必要性が考えられた.
著者
柳田 充弘 武田 俊一 竹安 邦夫 石川 冬木 松本 智裕 西田 栄介
出版者
京都大学
雑誌
特別推進研究(COE)
巻号頁・発行日
2001

我々の研究目的は、多様な生命体の維持・継承の根幹である、染色体のダイナミックスの精密な制御と染色体構造維持との理解である。これらの機構には、DNA複製と修復、複製の結果生じた2本の姉妹染色分体間の合着(コヒーシン)、細胞分裂M期での染色体凝縮(コンデンシン)、染色体と細胞骨格(紡錘体)との接点(動原体)の形成、すべての動原体に紡錘体が結合していることをチェックする機構(紡錘体チェックポイント)、末端(テロメア)の形成が含まれる。柳田グループは、分裂酵母とヒト細胞両方で、動原体で働く相同分子を複数種類、遺伝学とマススペクトロメーターによる解析とを併用して同定し、その機能解析のデータを発表した。またコヒーシンとコンデンシンは、M期以外では、DNA修復にも関与することを証明した。他のグループは以下のテーマで成果をあげた:Atomic force microscopyを使って水溶液のなかのテロメアやコンデンシンを電顕レベルの分解能で観察(竹安)、紡錘体が正常に結合した後にチェックポイントが解除される機構(松本)、Polo like kinaseによるG2→M期移行の誘導機構(西田)、カエル卵抽出液による試験管内テロメア複製の成功(石川)、ニワトリ体細胞株(DT40)の遺伝子破壊による相同組み換え分子群の機能解析(武田)。以上に説明したように、本COEグループでは、酵母、カエル卵(in vitro)、ニワトリ体細胞株、ヒト細胞を用いて、染色体に関連する各生化学反応と各反応間の密接な相互作用とを統合的に解明できた。また、Atomic force microscopyを使った新しい染色体解析方法の開発(竹安)、およびメダカの遺伝子石壊の実験系を樹立する(武田)ことに成功した。
著者
松本 智史 越澤 明
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 : journal of architecture and building science (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.281-286, 2003-12-20

Once, Niigata was the Canal City. The canals covered the town and rowboats were coming and going. However, these canals were filled in at the time of the rapid economic growth of the Showa 30s. Although the reclamation of the canals and the Shinano River have an important meaning in Niigata's city formation, there is no detailed research, studies nor data on this process. In this research, the process in which the canals are lost from Niigata is clarified toward the revitalization of the canals expected in the future.
著者
山田 岳史 菅 隼人 松本 智司 小泉 岐博 進士 誠一 松田 明久 山岸 杏彌 横山 康行 高橋 吾郎 岩井 琢磨 青木 悠人 町田 幹 内田 英二
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.403-407, 2015-05-31 (Released:2015-09-08)
参考文献数
11

【背景】絞扼性イレウスの本態は消化管の虚血であるため,診断には造影CTが重要であるが,どのような所見が有用であるか明らかではない。【方法】術前に造影CTが施行された壊死性絞扼性イレウス15例と非壊死性絞扼性イレウス25例を対象に造影CT所見を検討した。【結果】70%以上の頻度で認められたものは腸間膜血管の拡張(70.0%),腸管壁の肥厚(72.5%),腸間膜浮腫(80.0%)であった。腹水,腸管壁の造影欠損,Kerckringの不明瞭化,腸間膜混濁は壊死群で有意に高率に認めた。【考察】絞扼性イレウスを造影CTで早期に診断するには,壊死性絞扼性イレウスで多く認められる,腹水や造影欠損よりも腸間膜血管の拡張,腸管壁の肥厚,腸間膜浮腫等の変化を見逃さないことが重要である。
著者
伊山 聡子 前田 ひとみ 松本 智晴 南家 貴美代 児玉 栄一
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.4_769-4_777, 2020-09-20 (Released:2020-09-20)
参考文献数
12

本研究は,2016年の熊本地震を経験した医療機関の被害状況の特徴や診療体制,支援体制への影響をもとに,災害時の業務継続に必要な取り組みを考察することを目的とした。熊本地震被害の大きかった地域で,病床数100床以上の病院の看護部長と医療設備担当者を対象に半構造化面接法によるデータ収集を行った。①震災による診療・看護への影響,②施設のライフライン,建築・医療設備の被害状況,③災害対策マニュアルとBCPの活用状況,④医療スタッフへの対応と健康管理について分析した。災害時の業務継続に向けた取り組むべき対策として,医療設備や地域性を考慮した「使える災害対策マニュアル・BCPの作成」,「災害に対する社会が持つ脆弱性を考慮した防災教育・訓練の実施」,「業務継続に伴う職員の健康管理対策および平常時の地域・広域施設との連携の強化」の重要性が示された。
著者
布施谷 節子 松本 智絵美
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.58, pp.242, 2006

〈目的〉 スカート丈は流行によって変化するものの,定番のタイトスカートで、下体部が美しく見え、かつ、着用者に適合するような丈や色の設定はいかなるものであろうか。本研究では、若い女性が気にするような、脚が細く長く見える条件を体型別に明かにしようと試みた。〈資料・方法〉 被験者は体型が異なる女子大生4名で,着用実験に用いたタイトスカートは,各人の身体寸法に合わせて製作したものである。スカート丈は膝の中央を基準として、膝上10cm、膝の中央、膝下10cm、ふくらはぎの位置、踝の5条件で白と黒の2種類、計10条件をカメラで撮影し、これを評価の資料とした。写真資料を51名の女子大生が、バランスの良い・悪いもの、下体部の太く・細く見えるもの、脚の長く・短く見えるもの、総合評価の7項目の印象評価を行った。〈結果〉 _丸1_因子分析の結果、固有値1以上の6つの因子が抽出され、体型別に評価が分かれることがわかった。_丸2_黒スカートの場合、脚が細く長く見える丈は、背が高く太った被験者では踝丈、背が高く細い被験者では膝上10cm丈、背が低く太い被験者ではふくらはぎ丈であった。背が低く細い被験者では膝丈又は膝上10cm丈であった。スカートと脚のバランスの良い評価はいずれの被験者も膝丈であった。_丸3_白スカートの場合は、細い被験者は黒の場合と同じ評価であったが、太い被験者の場合では膝下丈は脚が細く見えるが、脚が長く見えるのは膝上丈であった。_丸4_黒と白のスカートを比較すると、太った被験者は黒の評価が高く、細い被験者では評価は分かれた。
著者
大野 正博 松本 智保
出版者
山口県立大学
雑誌
山口県立大学学術情報 (ISSN:21894825)
巻号頁・発行日
no.13, pp.23-28, 2020-03-31

大豆加工品の中でも豆麹は蒸煮大豆に麹菌を繁殖させ製造したものであり、味噌や醤油の原料として使用されている。大豆加工品には血圧抑制活性の指標とされるアンジオテンシンⅠ変換酵素(ACE)阻害活性や抗酸化作用の指標とされる DPPH ラジカル消去活性があると報告されている。そこで本報では、タンパク質含有率が中程度の品種であるタチナガハおよびタンパク質含有率が高い品種であるサチユタカの2 種類の大豆を用いて豆麹を作製し、大豆の品種差異が豆麹のACE 阻害活性、およびDPPH ラジカル消去活性に与える影響について比較検討した。その結果、予想に反してサチユタカ由来の豆麹よりタチナガハから作製した豆麹のACE 阻害活性が高かった。また、タチナガハから作製した豆麹の DPPH ラジカル消去活性よりもサチユタカ豆麹の活性のほうがより高かった。Among processed soybeans, soybean koji is produced by breeding koji mold on steamed soybeans and used as raw materials for miso and soy sauce. It has been reported that processed soybeans have angiotensin Ⅰ conversion enzyme (ACE) inhibitory activity, an indicator of blood pressure suppressing activity, and DPPH radical scavenging activity, an indicator of antioxidant activity. Therefore, in this report, we produced soybean koji using two kinds of soybeans, Tachinagaha, a cultivar with a medium protein content, and Sachiyutaka, a cultivar with a high protein content. And we compared the effects of soybean varieties on ACE inhibitory activity and DPPH radical scavenging activity of soybean koji were compared. As a result, unexpectedly, the ACE inhibitory activity of soybean koji prepared from Tachinagaha was higher than that of soybean from Sachiyutaka. In addition, the activity of scavenging DPPH radicals of soybean koji made from Sachiyutaka was higher than that of soybean koji from Tachinagaha.
著者
布施谷 節子 松本 智絵美
出版者
和洋女子大学
雑誌
和洋女子大学紀要 家政系編 (ISSN:09160035)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.27-39, 2004-03
被引用文献数
1

The authors investigated the difference and relationship between female students and their mothers on their fashion interest and clothing behavior by questionnaire in 2002. The subjects consisted of 165 female students 108 mothers. Main results were as follows: 1) A few factors which meant the fashion interest and the purchasing behavior were drawn by factor analysis. 2) Many students judged their mothers did not dress smartly and they didn't want to dress like their mothers in future. 3) The students who went shopping with their mothers yearned for their mothers' fashion and were bought own clothes by their mothers. There was a positive relation between the shopping stores and fashion interest. 4) When the students regarded mothers' fashion with yearning, they lent and borrowed each other's clothes or fashion goods.
著者
佐藤 勇太 小野 武也 石倉 英樹 相原 一貴 松本 智博 田坂 厚志 沖 貞明 梅井 凡子 積山 和加子
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.409-412, 2015 (Released:2015-07-07)
参考文献数
33
被引用文献数
5 4

〔目的〕関節固定により発生する関節拘縮に下肢への非荷重がおよぼす影響を検討した.〔対象〕Wistar系ラットとした.〔方法〕関節固定と後肢懸垂の実施の有無により,対象の後肢を,無処置の対照群,関節固定のみ行う固定群,後肢懸垂のみ行う懸垂群,両方行う固定懸垂群に分けた.実験開始前と1週間後において,足関節背屈角度を測定した.〔結果〕1週間後において,足関節背屈角度の減少は,固定群と固定懸垂群に生じており,固定懸垂群の方が,固定群と比較して著明であった.〔結語〕下肢への非荷重は,関節固定により発生する関節拘縮の進行を著明にさせる.
著者
松本 智成
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科學會會報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.115, no.3, pp.141-150, 2012-03-20
参考文献数
29

1943年の日本での結核死亡率は人口10万対235で, 2010年の約120倍と高く, 結核はかつては死の病もしくは亡国病として恐れられていたが, 標準化学療法の確立により結核患者数は1980年まで大きく減少し, 一時は「結核の流行は終わった」といわれるくらいになった. 一方において世界では, その発生数は増加している.<br>結核の増加とともに問題となっているのは, 耐性結核の問題である. 多剤耐性結核 (MDR-TB) は, 結核治療に重要な抗結核薬であるイスコチン (INH), リファンピシン (RFP) にともに耐性である結核菌と定義される. 最近, さらにフルオロキノロンおよびアミノグリコシド系の抗結核剤にも耐性であり, さらに治療困難である超多剤耐性結核 (XDR-TB) が世界的に広がっており上述の結核の増加の原因になっている.<br>日本におけるMDR-/XDR-TBの問題点は, MDR-TBは感染しづらいという考え方が根強く存在したことである. 結核菌分子疫学解析の大きな成果は, MDR-TB, 特にXDR-TBは日本において主に感染によって広がっていることを提示できたことである. つまり, MDR-/XDR-TBは医療機関内感染だけではなく市中感染によっても広がっているということである.<br>2011年9月14日には, 世界保健機関 (WHO) が, 従来の薬が効かないMDR-TBやXDR-TBの感染が欧州・中央アジア地域で急速に拡大しており, 保健当局が阻止できなければ多くの死者が出ると警告した. 有効な治療法が少なく, かつ莫大な治療経費を必要とするMDR-/XDR-TB対策には, DOTSのみならず, 結核菌分子疫学解析を駆使しながら感染拡大を防止すること, さらに新規抗結核薬の開発が重要な手段の一つになる. 新しい抗結核薬として日本からdelamanid (OPC-67683) が発表された. 今後, MDR-/XDR-TBも含めた結核の治療への貢献が期待される.<br>さらに, 近年, 関節リウマチや膠原病の治療に抗TNF製剤に代表される生物製剤が開発され, その治療の中心的な役割を担うようになってきた. この抗TNF製剤は感染症, 特に結核の発生率を上げ生物製剤使用中の結核対策が重要になってきた. また結核を発症した場合, paradoxical responseへの対策も重要である.